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内弟子物語 第Ⅵ話 誘い22
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釵もトンファーと同様両手に持ち、突いたり回転させて打ったりする。長さも同じように腕より少し長くなっており、やはり腕の長さの5割増しの間合いで用いることができる。他の武器の場合、当てた時に砕く感じがするが、鉄製で細く鋭い感じがする関係上、何かに当てた時、切れるようなイメージにもつながる。それだけに、他の武器よりも鋭い動きを要求される。堀田はそれを上手く使いこなし、傍目で見ると細さとメッキによる光の反射で、動きそのものがあまり良く見えない、といった状態になっている。そこには手首の強さが必要になるが、普段から釵をよく振っている堀田の場合、しっかりと鍛練されている分、淀みがなくシャープに操っている。光の加減次第では、本当に見えないくらいの状態だ。
高山はヌンチャクを縦横無尽に操作している。映画では派手に振り回すシーンをよく見るが、実戦では左右どちらから出すのか分からないような感じで持ち、上から、あるいは横から、下からと、自在に行なう。ただ、今回は黒田たちに対する威嚇の意味もあるので、映画のような派手な動きもやっている。
ヌンチャクは2本の短棒を鎖や紐で結んだものだけに、2つの中心を持っている状態になり、うまく使えば末端部のスピードは相当なものになる。一般に、先端部が太くなっているために重心はその近くにあり、そういう形状も威力をアップさせるもとになっている。扱い方に不馴れであれば、間違って自分の頭部に当てたりするが、武術として稽古している者は武器を手足の延長として使う。だからむしろ、真ん中から自在に動かせることをプラスに転化できる。高山はそのような動きを黒田たちにわざと見せるように扱った。そのスピードで、河川敷に生えているちょっと背の高い草を切っていき、それが当たった時のイメージになるよう意識しながら行った。
黒田たちも武器を持っているが、ピストルといった飛び道具は持っていない。バットや木刀、あるいはナイフなどだ。素人相手であれば、それらを持っているというだけで威嚇になるかもしれないが今、目の前にいるのは武器のスペシャリストでもある。黒田たちも空手道で使う武器の種類くらいはいくつか知っているが、使い方を専門に稽古しているわけではない。所詮は素人のレベルだ。本格的な動きとその鋭さを見せつけられたら、どうしても恐れの気持ちが出てくる。
さきほど見せられた組手によって、素手の戦いではかなわないことを誰もが心の中では感じていた。しかし、それでも突っ張れる根拠は、武器があったからだ。バットや木刀、ナイフなどを準備し、しかも人数に勝るということが拠所だったが、武器の使い方でも恐れを感じてしまったのだ。
唯一勝っている頭数にしても、稽古を見て腰が引けている人数を引けば、戦力として使えるのはわずかだ。人数がいる分、一旦負ける方向に傾いたら、雪崩のように形勢が逆転するということを、龍田は昔の暴走族時代に経験していた。心理戦では、さらに黒田たちは不利になっていたのだ。
高山はヌンチャクを縦横無尽に操作している。映画では派手に振り回すシーンをよく見るが、実戦では左右どちらから出すのか分からないような感じで持ち、上から、あるいは横から、下からと、自在に行なう。ただ、今回は黒田たちに対する威嚇の意味もあるので、映画のような派手な動きもやっている。
ヌンチャクは2本の短棒を鎖や紐で結んだものだけに、2つの中心を持っている状態になり、うまく使えば末端部のスピードは相当なものになる。一般に、先端部が太くなっているために重心はその近くにあり、そういう形状も威力をアップさせるもとになっている。扱い方に不馴れであれば、間違って自分の頭部に当てたりするが、武術として稽古している者は武器を手足の延長として使う。だからむしろ、真ん中から自在に動かせることをプラスに転化できる。高山はそのような動きを黒田たちにわざと見せるように扱った。そのスピードで、河川敷に生えているちょっと背の高い草を切っていき、それが当たった時のイメージになるよう意識しながら行った。
黒田たちも武器を持っているが、ピストルといった飛び道具は持っていない。バットや木刀、あるいはナイフなどだ。素人相手であれば、それらを持っているというだけで威嚇になるかもしれないが今、目の前にいるのは武器のスペシャリストでもある。黒田たちも空手道で使う武器の種類くらいはいくつか知っているが、使い方を専門に稽古しているわけではない。所詮は素人のレベルだ。本格的な動きとその鋭さを見せつけられたら、どうしても恐れの気持ちが出てくる。
さきほど見せられた組手によって、素手の戦いではかなわないことを誰もが心の中では感じていた。しかし、それでも突っ張れる根拠は、武器があったからだ。バットや木刀、ナイフなどを準備し、しかも人数に勝るということが拠所だったが、武器の使い方でも恐れを感じてしまったのだ。
唯一勝っている頭数にしても、稽古を見て腰が引けている人数を引けば、戦力として使えるのはわずかだ。人数がいる分、一旦負ける方向に傾いたら、雪崩のように形勢が逆転するということを、龍田は昔の暴走族時代に経験していた。心理戦では、さらに黒田たちは不利になっていたのだ。
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