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第5章 遅れてきた新入生
309 キャシーのほっぺとハルの助言
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お久しぶりの更新です。
長い間、更新が止まっていて、申し訳ありませんでしたm(_ _)m
今後はのんびりペースではありますが、更新するつもりです。
これからも、よろしくお願い致します!
¯¯¯
「もうっ!もとはと言えば、あなた達のせいなんだからねっ」
談話室にいる生徒達から注意されることとなってしまったキャシーちゃんは、納得がいかないとばかりにフィン君達を睨みつける。
ぷくぅと頬を膨らませて怒っていますとアピールするキャシーちゃんだったけれど、残念ながら迫力は全くない。
ただ、ただ、可愛いだけです。現に叱られているはずの何人かはデレっとした顔でキャシーちゃんに見惚れていて、アミーちゃんからの冷たい眼差しに慌てて顔を引き締めている始末だ。
「…ご、ごめん」
「わりぃ」
それでも、大きな声で騒いでいた自覚はあったようで、私達に謝ってくれた。
「えっ!?俺達が悪いのか?」
そんな中、全く懲りたようすのない生徒が一人―――ディック君だ。
悪びる様子のないディック君に、キャシーちゃんのほっぺは更に膨らみ、アミーちゃんの目がつり上がっていく。
こ、これはとても不味い状況なんじゃ…?
『あの娘のほっぺ今突っついたら、どうなるのかしら?サラ様、やってみてくださる?』
どうしようかと悩んでいる私とは裏腹に、ティネはすっかり飽きてしまったようで、今はキャシーちゃんのほっぺに興味津々のようだ。
でも、自分が触れないからって、私をけしかけるのは、やめて欲しいなぁ。
しばしの膠着状態が続く中、事態を動かしたのは意外なことにハル君だった。
ハル君はディック君に近寄ると、いつになく真剣な表情で話しかける。
「ディック、お前にひとつ助言をしてやろう」
「はぁっ!?いきなり何を言って…」
「怒っている女には逆らうな」
「…は?」
「親父は言っていた。どんなに理不尽だと思っても、男が謝るのが夫婦円満の秘訣だと」
…えーと?ハル君本人はすごく真面目に言っているのはわかるんだけど、それは夫婦内の話であって、今のこの状況にあっている助言なのかな?
思わず首をかしげたくなる私とは裏腹に、ディック君にはハル君の言葉が刺さったようで、はっとした顔でアミーちゃんの方を見たと思ったら、なぜか顔がみるみる赤くなっていく。
「ふ、ふ、ふ、夫婦円満って!お、お、お、俺は別にアミーのことなんてっ」
ん?何でそこでアミーちゃんの名前だけ?怒っているのはキャシーちゃんもだよね。
良くわからなくって、首をかしげる私とは対照的に、キャシーちゃんはわかったみたいで、「へぇ~♪なるほどねぇ!」と満面の笑みでディック君を見つめている。
キャシーちゃんのそんな態度に、ディック君の顔はますます赤くなって、ついには、「俺は謝らないからなっ!!」と言い捨てて、談話室から走り去ってしまった。
「えーと…結局、どういうことなのかな。アミーちゃんはわかる?」
「さあ?」
ディック君から名指しされたアミーちゃんはと言うと、ディック君の謎の行動を気にする様子もなく、逆に「うるさい奴がいなくなって、よかったわね」とにっこり顔だ。
…相当、ディック君の態度にお怒りだったんだね。
「わぁ~…。脈なしすぎて、なんだかかわいそうになってきたわ」
キャシーちゃんがディック君の出て行った扉に向かって、「ご愁傷様」と手を合わせると、私とアミーちゃん、それにルーク君以外のメンバーが同じように手を合わせた。
結局、アミーちゃんと友達になりたかったってことなのかな?それなら、そう言えばいいのに、ディック君って照れ屋なんだなぁ。
「サラちゃんが何かすごい勘違いをしてる気がするけど、教えてあげなくていいのかな?」
「えー。でも、ここにいる全員にアミーへの恋心がばれて、かつ惚れた本人には全く相手にされてないって説明するの?さすがにディックがかわいそうすぎない?」
私の背後でルーク君とキャシーちゃんがそんな会話をしているとは露知らず、私は一人訳知り顔で納得していたのだった。
ちなみに、今回はなぜか「静かにしなさい」って注意されなかった。ディック君に至っては結構な音量だったと思うんだけど、すごく生暖かい目で見つめられただけだったよ。
長い間、更新が止まっていて、申し訳ありませんでしたm(_ _)m
今後はのんびりペースではありますが、更新するつもりです。
これからも、よろしくお願い致します!
¯¯¯
「もうっ!もとはと言えば、あなた達のせいなんだからねっ」
談話室にいる生徒達から注意されることとなってしまったキャシーちゃんは、納得がいかないとばかりにフィン君達を睨みつける。
ぷくぅと頬を膨らませて怒っていますとアピールするキャシーちゃんだったけれど、残念ながら迫力は全くない。
ただ、ただ、可愛いだけです。現に叱られているはずの何人かはデレっとした顔でキャシーちゃんに見惚れていて、アミーちゃんからの冷たい眼差しに慌てて顔を引き締めている始末だ。
「…ご、ごめん」
「わりぃ」
それでも、大きな声で騒いでいた自覚はあったようで、私達に謝ってくれた。
「えっ!?俺達が悪いのか?」
そんな中、全く懲りたようすのない生徒が一人―――ディック君だ。
悪びる様子のないディック君に、キャシーちゃんのほっぺは更に膨らみ、アミーちゃんの目がつり上がっていく。
こ、これはとても不味い状況なんじゃ…?
『あの娘のほっぺ今突っついたら、どうなるのかしら?サラ様、やってみてくださる?』
どうしようかと悩んでいる私とは裏腹に、ティネはすっかり飽きてしまったようで、今はキャシーちゃんのほっぺに興味津々のようだ。
でも、自分が触れないからって、私をけしかけるのは、やめて欲しいなぁ。
しばしの膠着状態が続く中、事態を動かしたのは意外なことにハル君だった。
ハル君はディック君に近寄ると、いつになく真剣な表情で話しかける。
「ディック、お前にひとつ助言をしてやろう」
「はぁっ!?いきなり何を言って…」
「怒っている女には逆らうな」
「…は?」
「親父は言っていた。どんなに理不尽だと思っても、男が謝るのが夫婦円満の秘訣だと」
…えーと?ハル君本人はすごく真面目に言っているのはわかるんだけど、それは夫婦内の話であって、今のこの状況にあっている助言なのかな?
思わず首をかしげたくなる私とは裏腹に、ディック君にはハル君の言葉が刺さったようで、はっとした顔でアミーちゃんの方を見たと思ったら、なぜか顔がみるみる赤くなっていく。
「ふ、ふ、ふ、夫婦円満って!お、お、お、俺は別にアミーのことなんてっ」
ん?何でそこでアミーちゃんの名前だけ?怒っているのはキャシーちゃんもだよね。
良くわからなくって、首をかしげる私とは対照的に、キャシーちゃんはわかったみたいで、「へぇ~♪なるほどねぇ!」と満面の笑みでディック君を見つめている。
キャシーちゃんのそんな態度に、ディック君の顔はますます赤くなって、ついには、「俺は謝らないからなっ!!」と言い捨てて、談話室から走り去ってしまった。
「えーと…結局、どういうことなのかな。アミーちゃんはわかる?」
「さあ?」
ディック君から名指しされたアミーちゃんはと言うと、ディック君の謎の行動を気にする様子もなく、逆に「うるさい奴がいなくなって、よかったわね」とにっこり顔だ。
…相当、ディック君の態度にお怒りだったんだね。
「わぁ~…。脈なしすぎて、なんだかかわいそうになってきたわ」
キャシーちゃんがディック君の出て行った扉に向かって、「ご愁傷様」と手を合わせると、私とアミーちゃん、それにルーク君以外のメンバーが同じように手を合わせた。
結局、アミーちゃんと友達になりたかったってことなのかな?それなら、そう言えばいいのに、ディック君って照れ屋なんだなぁ。
「サラちゃんが何かすごい勘違いをしてる気がするけど、教えてあげなくていいのかな?」
「えー。でも、ここにいる全員にアミーへの恋心がばれて、かつ惚れた本人には全く相手にされてないって説明するの?さすがにディックがかわいそうすぎない?」
私の背後でルーク君とキャシーちゃんがそんな会話をしているとは露知らず、私は一人訳知り顔で納得していたのだった。
ちなみに、今回はなぜか「静かにしなさい」って注意されなかった。ディック君に至っては結構な音量だったと思うんだけど、すごく生暖かい目で見つめられただけだったよ。
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