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第4章 王立魔法学校一年目
283 再会①
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投稿が遅れてすみません(汗)
‐‐‐
門番さんに声をかけ、マリアさんにもらった外出許可書を見せる。
前回はマリアさんが必要な手続きをすべてしてくれたので知らなかったけれど、こちらの門は貴族街につながっているので、私のような一般科の生徒は許可書が必要なのだ。
許可書無しでそのまま門を素通りする貴族科の生徒と、お付きの人を尻目に、門番さんは手元にある帳面と私の外出許可書を見比べた後、問題ないと許可書を返してくれた。
「一年生のサラだね。話は聞いているよ。このまま門を通って大丈夫…だけど、一人で大丈夫かい?」
門番さんは少し口ごもった後、意を決したように問いかけてくる。その際に、チラリと周りを見たことろからすると、貴族科の生徒達の私を見る様子が気になったのだろう。
私が王太子様のお茶会に誘われたことが王太子様によってばらされた当初、教室のみんなの反応や学生寮での騒ぎから、翌日の騒動は覚悟していたのだけど、意外なことに貴族科の生徒達に囲まれることはなかった。
なかったのだけれど…彼らは常にこちらをチラチラともの言いたげに見ており、でも決して話しかけようとはしない。まさに予想外の反応だった。
ちなみに今も同じような状況で、門番さんも理由がわからないなりにも何かを感じとったのか、こうして心配してくれたのだった。
「だ、大丈夫ですっ」
まあ実際のことを言えば、全然大丈夫じゃない。数日同じ状況が続いているとはいえ、慣れるものではない。だからと言って、びくびくしているのも嫌だった。
だって、私は何も悪いことしてないもん!
だから、マリアさんが付き添ってくれると言ったのを一人でも大丈夫だと断ったのだけれど、いつも以上のアウェー感に早くも後悔する始末。
でも、不安だからついて来てほしいなんて門番さんに言えるわけがない。そもそも頼んだ場合、門番さんはお仕事を放り出すことになってしまう。
門番さんを心配させないため、何とか笑顔を作ってそのまま門を出る。
門の外にはずらりと馬車がならんでいて、その中から以前乗せてもらった白い馬車を探すけど見当たらない。
早く来すぎちゃったのかと途方に暮れていると、「サラっ」と後ろから声をかけられる。
懐かしい声に振り向けば、そこにはジークがいた。
「ジークっ!どうしてここに?」
嬉しくって駆け寄ると、なんとジークは私を迎えに来たらしい。
「本当は王太子殿下がサラを迎えに行きたいと仰せでしたが、お茶会の主催者ですので。サラと面識があると言うことで、今回私が迎えに選ばれたのです」
「そうだったんですね!」
王太子様は既に前日からお城に戻っていて、私が来るのを待ってくれているそうだ。
王太子様には申し訳ないけれど、迎えに来てくれたのがジークですごくうれしい。馬車の中も楽しく過ごせそうだ。
「馬車は少し離れたところに停めてあるんです」
ジークに案内されて向かった先には、確かに以前乗った白い馬車が停めてあった。
「お手をどうぞ」
「は、はい」
ジークの差し出した手に自分の手を乗せる。な、なんだか照れくさい。そのまま踏み台に足をかけると馬車に乗り込む。馬車は外も中も相変わらず豪奢で、座るのにも緊張する。馬車が動き出したところで、向かいに座ったジークが口を開いた。
「直接会うのは、久しぶりですね」
「はい!サーズ村で会って以来です」
四か月ぶり?と話す私にジークは、実はそうではないのだと言う。
「サラが謁見のために城に入城した日、僕も城にいたんです」
「そうだったんですか?」
「ええ。ですから、サラの勇姿も目にすることができました」
ジークは私から見えないところで、護衛の職務を全うしていたらしい。ジークによく頑張りましたねと褒められ、なんだかくすぐったい気持ちになる。
少しリラックスしたところで、ジークが何かを思い出したようにくすっと笑った。
「学校でも大活躍のようですね」
どうしたのかと尋ねる私に、ジークがからかうような口調で言う。
「か、活躍ですか?」
「ははっ!サラの活躍は王太子殿下よりお聞きしています」
活躍って王太子様は何をどこまで話したのだろう。嫌な予感がヒシヒシとするんだけど。
---
4/13 誤字の訂正です。
勇士→勇姿
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門番さんに声をかけ、マリアさんにもらった外出許可書を見せる。
前回はマリアさんが必要な手続きをすべてしてくれたので知らなかったけれど、こちらの門は貴族街につながっているので、私のような一般科の生徒は許可書が必要なのだ。
許可書無しでそのまま門を素通りする貴族科の生徒と、お付きの人を尻目に、門番さんは手元にある帳面と私の外出許可書を見比べた後、問題ないと許可書を返してくれた。
「一年生のサラだね。話は聞いているよ。このまま門を通って大丈夫…だけど、一人で大丈夫かい?」
門番さんは少し口ごもった後、意を決したように問いかけてくる。その際に、チラリと周りを見たことろからすると、貴族科の生徒達の私を見る様子が気になったのだろう。
私が王太子様のお茶会に誘われたことが王太子様によってばらされた当初、教室のみんなの反応や学生寮での騒ぎから、翌日の騒動は覚悟していたのだけど、意外なことに貴族科の生徒達に囲まれることはなかった。
なかったのだけれど…彼らは常にこちらをチラチラともの言いたげに見ており、でも決して話しかけようとはしない。まさに予想外の反応だった。
ちなみに今も同じような状況で、門番さんも理由がわからないなりにも何かを感じとったのか、こうして心配してくれたのだった。
「だ、大丈夫ですっ」
まあ実際のことを言えば、全然大丈夫じゃない。数日同じ状況が続いているとはいえ、慣れるものではない。だからと言って、びくびくしているのも嫌だった。
だって、私は何も悪いことしてないもん!
だから、マリアさんが付き添ってくれると言ったのを一人でも大丈夫だと断ったのだけれど、いつも以上のアウェー感に早くも後悔する始末。
でも、不安だからついて来てほしいなんて門番さんに言えるわけがない。そもそも頼んだ場合、門番さんはお仕事を放り出すことになってしまう。
門番さんを心配させないため、何とか笑顔を作ってそのまま門を出る。
門の外にはずらりと馬車がならんでいて、その中から以前乗せてもらった白い馬車を探すけど見当たらない。
早く来すぎちゃったのかと途方に暮れていると、「サラっ」と後ろから声をかけられる。
懐かしい声に振り向けば、そこにはジークがいた。
「ジークっ!どうしてここに?」
嬉しくって駆け寄ると、なんとジークは私を迎えに来たらしい。
「本当は王太子殿下がサラを迎えに行きたいと仰せでしたが、お茶会の主催者ですので。サラと面識があると言うことで、今回私が迎えに選ばれたのです」
「そうだったんですね!」
王太子様は既に前日からお城に戻っていて、私が来るのを待ってくれているそうだ。
王太子様には申し訳ないけれど、迎えに来てくれたのがジークですごくうれしい。馬車の中も楽しく過ごせそうだ。
「馬車は少し離れたところに停めてあるんです」
ジークに案内されて向かった先には、確かに以前乗った白い馬車が停めてあった。
「お手をどうぞ」
「は、はい」
ジークの差し出した手に自分の手を乗せる。な、なんだか照れくさい。そのまま踏み台に足をかけると馬車に乗り込む。馬車は外も中も相変わらず豪奢で、座るのにも緊張する。馬車が動き出したところで、向かいに座ったジークが口を開いた。
「直接会うのは、久しぶりですね」
「はい!サーズ村で会って以来です」
四か月ぶり?と話す私にジークは、実はそうではないのだと言う。
「サラが謁見のために城に入城した日、僕も城にいたんです」
「そうだったんですか?」
「ええ。ですから、サラの勇姿も目にすることができました」
ジークは私から見えないところで、護衛の職務を全うしていたらしい。ジークによく頑張りましたねと褒められ、なんだかくすぐったい気持ちになる。
少しリラックスしたところで、ジークが何かを思い出したようにくすっと笑った。
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どうしたのかと尋ねる私に、ジークがからかうような口調で言う。
「か、活躍ですか?」
「ははっ!サラの活躍は王太子殿下よりお聞きしています」
活躍って王太子様は何をどこまで話したのだろう。嫌な予感がヒシヒシとするんだけど。
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4/13 誤字の訂正です。
勇士→勇姿
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