私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第4章 王立魔法学校一年目

248 報告会

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いつも読んでいただき、ありがとうございます。
前話で魔道具の件について全く触れていないことに気づいて、少し直しました。
修正内容としては、前話の内容をごっそりカットして、カットした部分と魔道具の話を今回の話に挿入しました。
なので、前話をすでに読了済みの方は同じ内容が入っていて戸惑うかもしれません。
申し訳ありません!
ですが、この方がより分かりやすいかなと思い、決行いたしました。
1/6 以前に前話を読んだ方は、もう一度見  てからいただけると幸いです。
1/7 本来は249話だったのを248話に変えま  した。内容は全く変わっておりません。
  変更ばかりで申し訳ありませんm(_ _)m
   

---

フェ様が職員会議の結果を教えに、再び学生寮にまでやって来てくれた。
会議はとても時間がかかったようで、フェ様が現れたのは夕方だった。
寮母室で再び、フェ様と向かい合って座る。
職員会議の結果がどうなったのかと、ソワソワしながらフェ様が口を開くのを待つ。
するとフェ様は「詳しく話をすることはできませんが…」と前置きをした上で、魔道具の件を報告したこと、レベッカ先生に全責任がいきそうになっていたところを回避することができたことを教えてくれた。

「じゃあ、レベッカ先生は罰せられないんですね」
「いえ…」

ほっとする私にフェ様はそうではないと首を振る。
なんでもレベッカ先生自身が自分にも何らかの処罰をと望んだそうなのだ。

「会議ではお咎めなしとなったのですが、自身の授業で起きたことになんの責任も負わないのは無責任であると本人が言いまして」
「そうなんですね。それで、あのジャスパー君は?」
「申し訳ありません。その件に関しても、詳しい話をするのは止められております」

フェ様が言うには、ガスト校長にいくら情報提供者でも、一生徒に会議室の詳細を言うのはやめてくれとお願いされているらしい。
がっかりする私にフェ様は週初めに臨時の朝礼集会が予定されていることを教えてくれた。
その際にある程度の情報は教えてもらえるらしい。 

「じゃあ、魔道具についても聞いちゃダメですか?」

私の質問にフェ様は「それが…」と言ったところで、黙ってしまった。
やっぱり、それも話せないことなのかな。
でも魔道具に関しては、私がフェ様に託した以上、どうなったのか知っておきたかった。フェ様はしばらく悩んだあと「サラ様からお聞きした情報でしたし、気になるのは当然ですな」と言って教えてくれた。

「魔道具ですが、残念ながら見つかりませんでした」
「えっ!?」
「職員会議が終わってすぐに証拠を押さえようと、数人の教師とガストがその少年の部屋にむかったのです。ですが、一足遅かったようで、部屋にはそれらしき魔道具はありませんでした」
「そんなっ!?」

まさか魔道具が見つからなかったなんて!
「きっと、発覚を恐れて証拠を隠滅したのでしょう」とのフェ様の言葉に、もっと早くに報告していたらと思うけど、自分で気づいたわけではないので仕方がない。

「魔道具がなかったなら、私の言ったことも信じてもらえなかったですよね」

しょんぼりする私に、フェ様が首を横に振る。

「いえ。情報提供をしたのが精霊様だと話したことや、魔道具の話を持ち出した際に少年がとても動揺していたことから魔道具の使用はあったのだろうと学校側は考えております」
「そうなんですね」
「それに、今回は陛下にお願いして宮廷魔術師を派遣してもらうことになりました。彼らが校庭や魔法陣を調査すれば、魔道具を使用した痕跡など、すぐに見つかることでしょう」

フェ様の頼もしい言葉にほっとすると同時に、とんでもないことに気づいてしまった。

「し、神官長様っ!大変です!」
「おや。なんでしょう?」
「校庭を調べられたら、ケルベロスが夜中に再び現れたこともわかっちゃうんじゃっ!」
「!!!!!」

フェ様の愕然とした表情で、私の心配が検討違いではないことがよくわかった。

「ど、どうしよう!?」
「にゃーん!」

二人で頭を抱え込んでいると、それまで私の膝でじっとしていたマーブルが鳴いた。

『サラ様、精霊王様は心配いらないと仰せです』
「そうなの?」
『そもそも夜中の時は魔法陣を使って現れたわけではありませんし、まして、ケルベロスが二度現れたなど、気づくことのできる人間はおりません』

モスの自信満々な様子に、私はよかったとほっと胸を撫で下ろす。
フェ様は「宮廷魔術師でも無理なのですか」と少し複雑なようだ。
でも、すぐに気持ちを切り替えると「まあ、色々と問題はありますが、おおむねサラ様のご期待にそえる結果になったと、このフェビラルが保証いたします」とそう話してくれた。
「ありがとうございました」とフェ様に今回の件でお礼を言うと、「お役に立てて良かった」と、とてもいい笑顔だ。
レベッカ先生が濡れ衣を着せられないようにと言う当初の目的が叶ったのだから、私としても満足だ。

「今後は身分によって罰が軽くなると言ったことはなくなるでしょう。これで私の憂いも消えましたし、そろそろサーズ町に戻ろうかと……」
「えっ!?」

フェ様から帰ると言う言葉が出て、ビックリする。
しばらくは王都にいると聞いていたから、フェ様が帰るのはずっと先のことだと勝手に思い込んでいた。

「今回の件で学校関係者にはしっかりとくぎを刺すこともできましたからな。それに、実は副神官長からまだ戻ってこないのかと再三の帰還要請がありまして」
「そうなんですね」

でも、よく考えれば謁見が終わってすぐに帰るはずだったのに、それから一か月以上王都にいるわけなのだから、副神官長がいい加減帰ってこいと言うのももっともなことだろう。
それでも予想外に早い別れにしょんぼりしていると、フェ様から「と言っても、今日明日に帰る訳ではありませんから」と言ってくれた。
そして帰還の際には、お母さん達に手紙を届けてくれると約束してくれたのだ。
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