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第4章 王立魔法学校一年目
242 重要な情報?
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「なるほど」
すべてを話し終えた私に、フェ様はそう一言呟いた。
短いながら、色々な意味が込められている気がする言葉だった。
次の言葉をソワソワしながら待っていると、すぐに気づいたフェ様が「お任せください。私が職員会議で必ず今の話を致しましょう」と心強い言葉をくれた。
先程から続くフェ様の頼もしい態度に、私のフェ様に対する信頼はうなぎのぼりだ。
「しかし、これは重要な情報です」
フェ様の言う通り、これはジャスパー君の処分を決める決定的な情報になるだろう。
ジャスパー君が魔道具を使ってケルベロスを召喚しようとしたことは、多分誰も知らない情報なはず。
この情報のせいでジャスパー君の処罰がより重いものになってしまうかもしれない。
そう思うと気が重くなる。
ジャスパー君とはあれ以降会っていないので、今何を思っているかはわからない。
でも、レベッカ先生が悪者にされたままになっているところを見ると、自分が魔道具を使ったことやケルベロスに挑発的な態度を取ったことなど、自分の立場が悪くなるようなことは話していないのだろう。
彼を守るために怪我をしたレベッカ先生達に謝罪すらしていない可能性もある。
あの時ジャスパー君はレベッカ先生が止めたのにも関わらず勝手に詠唱を付け加え、現れたケルベロスを怒らせた。
ジャスパー君は自分がどれだけ周りに迷惑をかけたかを自覚した方がいい。
でも、これでもし停学なんてことになったら……ううん。気にしちゃダメ!
ジャスパー君に対する罪悪感には蓋をして、レベッカ先生を助けることに集中する。
そんな私とは対照的に、フェ様は重々しい話をしているとは思えないほど瞳がキラキラと輝いている。
その瞳の輝きは、フェ様が精霊様について語る時と同じ瞳の輝きで……
「まさか、精霊王様とケルベロスが知り合いだったとは!」
「へっ!?」
そこなの!?
あやうくソファーから滑り落ちるところでした。
……フェ様の言う重要な情報とは、私の考えていたのとは全く違ったようだ。
ジャスパー君のことよりもそちらに真っ先に反応するとは、さすがフェ様です。
「神話の中でケルベロスは度々登場するのですが、それも神が眠りにつくまでの話。それ以降の目撃情報はまったくありません。一部の歴史学者の間では架空の生き物であったのではないかとの意見も出ているのですよ」
そんな私の様子にも気づかずフェ様は、それはそれは嬉しそうにケルベロスについて話してくれた。
ケルベロスが神様と邪神の戦いの際に、邪神の手先として蹂躙の限りを尽くしていたとか、最終的には改心して神側についたとか。未だに聖獣なのか魔物なのかの論争があるとか。
とても気になる話をいくつか聞いた後で、はっとする。
違う!私がしたいのはケルベロスの話じゃない。
「あとはですね……」
「え、えっと。それで、レベッカ先生のことなんですけど。レベッカ先生が悪いってことにはされないですよね?」
強引に話の途中で割って入ると、フェ様は少し残念そうな顔をしながらも答えてくれた。
「その話が事実なら間違いなくそのような事態にはならないでしょう。ただ、魔道具はすでに処分されている可能性があります。そうなると、その生徒を退学処分にするには難しいかもしれませんね」
退学処分と言う物騒な言葉にドキリとする。
動揺する私にフェ様は「そこで、これはサラ様のご了承していただきたいのですが」と前置きしたうえで言った。
「今回の話は全て精霊様にお聞きしたこととして職員会議で発言させていただきます。……そうなると、サラ様の名前を出さないわけにはいきませんが、よろしいですかな?」
……確かにそれが一番いい方法なのだろう。
フェ様は私が目立つことを苦手としているのを知っているので、こうやって問題ないか聞いてくれたのだろう。
もし、嫌なら魔道具の話はしないと言ってくれた。
モスにも今朝そうするのが一番だと言われて覚悟していたので、私の名前を出すことに関しては特に抵抗はなかった。
でも、ケルベロスに言われたことをモスに聞いたと嘘をつくことに若干の躊躇いがあった。
仕方がないこととはいえ、ここ最近嘘ばかりついている気がする
それでも私は……
「サラ様?」
どうしますか?と目で問いかけるフェ様に、私はお願いしますと頭を下げた。
すべてを話し終えた私に、フェ様はそう一言呟いた。
短いながら、色々な意味が込められている気がする言葉だった。
次の言葉をソワソワしながら待っていると、すぐに気づいたフェ様が「お任せください。私が職員会議で必ず今の話を致しましょう」と心強い言葉をくれた。
先程から続くフェ様の頼もしい態度に、私のフェ様に対する信頼はうなぎのぼりだ。
「しかし、これは重要な情報です」
フェ様の言う通り、これはジャスパー君の処分を決める決定的な情報になるだろう。
ジャスパー君が魔道具を使ってケルベロスを召喚しようとしたことは、多分誰も知らない情報なはず。
この情報のせいでジャスパー君の処罰がより重いものになってしまうかもしれない。
そう思うと気が重くなる。
ジャスパー君とはあれ以降会っていないので、今何を思っているかはわからない。
でも、レベッカ先生が悪者にされたままになっているところを見ると、自分が魔道具を使ったことやケルベロスに挑発的な態度を取ったことなど、自分の立場が悪くなるようなことは話していないのだろう。
彼を守るために怪我をしたレベッカ先生達に謝罪すらしていない可能性もある。
あの時ジャスパー君はレベッカ先生が止めたのにも関わらず勝手に詠唱を付け加え、現れたケルベロスを怒らせた。
ジャスパー君は自分がどれだけ周りに迷惑をかけたかを自覚した方がいい。
でも、これでもし停学なんてことになったら……ううん。気にしちゃダメ!
ジャスパー君に対する罪悪感には蓋をして、レベッカ先生を助けることに集中する。
そんな私とは対照的に、フェ様は重々しい話をしているとは思えないほど瞳がキラキラと輝いている。
その瞳の輝きは、フェ様が精霊様について語る時と同じ瞳の輝きで……
「まさか、精霊王様とケルベロスが知り合いだったとは!」
「へっ!?」
そこなの!?
あやうくソファーから滑り落ちるところでした。
……フェ様の言う重要な情報とは、私の考えていたのとは全く違ったようだ。
ジャスパー君のことよりもそちらに真っ先に反応するとは、さすがフェ様です。
「神話の中でケルベロスは度々登場するのですが、それも神が眠りにつくまでの話。それ以降の目撃情報はまったくありません。一部の歴史学者の間では架空の生き物であったのではないかとの意見も出ているのですよ」
そんな私の様子にも気づかずフェ様は、それはそれは嬉しそうにケルベロスについて話してくれた。
ケルベロスが神様と邪神の戦いの際に、邪神の手先として蹂躙の限りを尽くしていたとか、最終的には改心して神側についたとか。未だに聖獣なのか魔物なのかの論争があるとか。
とても気になる話をいくつか聞いた後で、はっとする。
違う!私がしたいのはケルベロスの話じゃない。
「あとはですね……」
「え、えっと。それで、レベッカ先生のことなんですけど。レベッカ先生が悪いってことにはされないですよね?」
強引に話の途中で割って入ると、フェ様は少し残念そうな顔をしながらも答えてくれた。
「その話が事実なら間違いなくそのような事態にはならないでしょう。ただ、魔道具はすでに処分されている可能性があります。そうなると、その生徒を退学処分にするには難しいかもしれませんね」
退学処分と言う物騒な言葉にドキリとする。
動揺する私にフェ様は「そこで、これはサラ様のご了承していただきたいのですが」と前置きしたうえで言った。
「今回の話は全て精霊様にお聞きしたこととして職員会議で発言させていただきます。……そうなると、サラ様の名前を出さないわけにはいきませんが、よろしいですかな?」
……確かにそれが一番いい方法なのだろう。
フェ様は私が目立つことを苦手としているのを知っているので、こうやって問題ないか聞いてくれたのだろう。
もし、嫌なら魔道具の話はしないと言ってくれた。
モスにも今朝そうするのが一番だと言われて覚悟していたので、私の名前を出すことに関しては特に抵抗はなかった。
でも、ケルベロスに言われたことをモスに聞いたと嘘をつくことに若干の躊躇いがあった。
仕方がないこととはいえ、ここ最近嘘ばかりついている気がする
それでも私は……
「サラ様?」
どうしますか?と目で問いかけるフェ様に、私はお願いしますと頭を下げた。
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