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第4章 王立魔法学校一年目
228 嵐のあと③
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レベッカ先生達が校舎に運び込まれるのと、サーシャ先生が先生達のそばに駆け寄った。
「治療します!」
あ!私がもう回復魔法をかけましたって言わないと!
慌てる私をよそに、レベッカ先生がサーシャ先生を止めてくれた。
「三人とも気を失っているだけですから、不要ですわ」
「ですが、こんなに血がっ」
「すでに回復魔法をかけてもらっていますの。二人の意識がないのは、きっと魔力切れのせいですわ」
「あっ!もしかして、フルートちゃんが治したんですか?」
さすがですね!と瞳をキラキラさせて言うサーシャ先生に、レベッカ先生は深いため息をつく。
「話はしっかりお聞きなさいな。わたくしはかけてもらったと言ったでしょう」
「え?でも、一体誰に?」
サーシャ先生の誰何の声に、心臓が飛び跳ねる。
レベッカ先生には治すところを見られているわけだし、ばれたからってどうなるわけでもないとは思うけど、誰が治したのかと注目されているこの状況で名乗り出る勇気はない。
そんな私の気持ちが伝わったのか、レベッカ先生は「そんな質問をする前に、あなたにはするべきことがたくさんあるでしょう」とサーシャ先生の質問を一蹴した。
「することですか?」
きょとんとした様子のサーシャ先生に、レベッカ先生のこめかみがひくりと動いた。
「あなたは引き続き生徒のけがの治療と、他の先生方と協力して生徒が全員そろっているのか確認をなさい。それが終わり次第、生徒達を学生寮に帰すのです。わかりましたわね?」
「は、はい!」
レベッカ先生の指示に、サーシャ先生と他の先生達が我先にと慌てた様子で動き出す。
結果、レベッカ先生達のそばには誰もいなくなり、
「誰もいなくなってどうするのですかっ!!ジャスパーとモニカ教諭達を保健室に連れて行きなさい!!」
レベッカ先生の怒鳴り声が玄関中に響き渡るのだった。
◇◇◇
「次の授業まで召喚獣達は召喚したままにしておくのですよ。今回の課題は召喚獣との仲を深めること、よろしいですわね?」
体力も限界だったのだろう。
レベッカ先生は私達に息も絶え絶えにそう言い残すと、モニカ先生達と同じように保険室に連れていかれた。
レベッカ先生の後姿をじっと見つめていると、私の肩に誰かの手がそっと置かれる。
振り返ると、そこにいたのはマーティン先生だった。
「サ、サラさ……は、こっちに……」
話を聞ける相手が私しかいないと言うことで、呼び出しがかかったのだ。
心配げにこちらを見ているアミーちゃん達に、大丈夫だからと声をかけ、すこし周りと離れたところでマーティン先生に先ほどよりも詳しく説明をする。
と言っても、話せることなんてそんなにあるわけではないのだけど。
逃げ遅れたこと、精霊様に教えてもらって結界を張ったこと、話し合いの最中にケルベロスを怒らせてしまったこと。
もう戦うしかないのかと思ったときにずっと眠っていた右の首が起きて、他の首を説得してくれて帰ったくれたことなどを話していく。
もちろんマーブルに関することは話さない。
「以上です」
無事に話し終えてほっとした私に、マーティン先生が分かったと言うように頷く。
これで解放されるかと思いきや、最後の最後でとんでもない爆弾が私を待ち構えていた。
「サラっ!!」
私を呼ぶ聞きおぼえにある声に、たらりと汗がしたたり落ちる。
この学校で知らない人はいないであろう人物がこちらに駆けて来るのが見えた。
私を呼んだのは王太子様だった。
「治療します!」
あ!私がもう回復魔法をかけましたって言わないと!
慌てる私をよそに、レベッカ先生がサーシャ先生を止めてくれた。
「三人とも気を失っているだけですから、不要ですわ」
「ですが、こんなに血がっ」
「すでに回復魔法をかけてもらっていますの。二人の意識がないのは、きっと魔力切れのせいですわ」
「あっ!もしかして、フルートちゃんが治したんですか?」
さすがですね!と瞳をキラキラさせて言うサーシャ先生に、レベッカ先生は深いため息をつく。
「話はしっかりお聞きなさいな。わたくしはかけてもらったと言ったでしょう」
「え?でも、一体誰に?」
サーシャ先生の誰何の声に、心臓が飛び跳ねる。
レベッカ先生には治すところを見られているわけだし、ばれたからってどうなるわけでもないとは思うけど、誰が治したのかと注目されているこの状況で名乗り出る勇気はない。
そんな私の気持ちが伝わったのか、レベッカ先生は「そんな質問をする前に、あなたにはするべきことがたくさんあるでしょう」とサーシャ先生の質問を一蹴した。
「することですか?」
きょとんとした様子のサーシャ先生に、レベッカ先生のこめかみがひくりと動いた。
「あなたは引き続き生徒のけがの治療と、他の先生方と協力して生徒が全員そろっているのか確認をなさい。それが終わり次第、生徒達を学生寮に帰すのです。わかりましたわね?」
「は、はい!」
レベッカ先生の指示に、サーシャ先生と他の先生達が我先にと慌てた様子で動き出す。
結果、レベッカ先生達のそばには誰もいなくなり、
「誰もいなくなってどうするのですかっ!!ジャスパーとモニカ教諭達を保健室に連れて行きなさい!!」
レベッカ先生の怒鳴り声が玄関中に響き渡るのだった。
◇◇◇
「次の授業まで召喚獣達は召喚したままにしておくのですよ。今回の課題は召喚獣との仲を深めること、よろしいですわね?」
体力も限界だったのだろう。
レベッカ先生は私達に息も絶え絶えにそう言い残すと、モニカ先生達と同じように保険室に連れていかれた。
レベッカ先生の後姿をじっと見つめていると、私の肩に誰かの手がそっと置かれる。
振り返ると、そこにいたのはマーティン先生だった。
「サ、サラさ……は、こっちに……」
話を聞ける相手が私しかいないと言うことで、呼び出しがかかったのだ。
心配げにこちらを見ているアミーちゃん達に、大丈夫だからと声をかけ、すこし周りと離れたところでマーティン先生に先ほどよりも詳しく説明をする。
と言っても、話せることなんてそんなにあるわけではないのだけど。
逃げ遅れたこと、精霊様に教えてもらって結界を張ったこと、話し合いの最中にケルベロスを怒らせてしまったこと。
もう戦うしかないのかと思ったときにずっと眠っていた右の首が起きて、他の首を説得してくれて帰ったくれたことなどを話していく。
もちろんマーブルに関することは話さない。
「以上です」
無事に話し終えてほっとした私に、マーティン先生が分かったと言うように頷く。
これで解放されるかと思いきや、最後の最後でとんでもない爆弾が私を待ち構えていた。
「サラっ!!」
私を呼ぶ聞きおぼえにある声に、たらりと汗がしたたり落ちる。
この学校で知らない人はいないであろう人物がこちらに駆けて来るのが見えた。
私を呼んだのは王太子様だった。
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