私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第4章 王立魔法学校一年目

206 みんなの召喚獣 (サラ編) ④

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レベッカ先生には不安かと聞かれたけれど、不思議なことに不安な気持ちは全くなかった。
きっと、マーブルとモスから契約についてはすべて任せてくれと言われていたからかも。
マーブル達が大丈夫だと言ってくれたから、私は安心して挑むことができた。

「さあ、こちらの魔方陣の中心にその子を」
「はい」

レベッカ先生の指示のもと、すでに用意されていた二つの魔方陣の内の小さな方にマーブルをそっと近づける。
すると、マーブルが私の両手から魔方陣の中心に自ら飛び降りた。

「では、わたくしが今から話すことをそのまま繰り返してちょうだい」
「わかりました」

聞き間違いのないように気を付けないと!
ひとつ深呼吸をすると、レベッカ先生に意識を集中させる。

「我、汝との契約を望む者なり」
「我、汝との契約を望む者なり」

「我、願う。汝と意識を共有することを」
「我、願う。汝と意識を共有することを」

「我、願う。汝と魔力を共有することを」
「我、願う。汝と魔力を共有することを」

「我、願う。汝と共に歩むことを」
「我、願う。汝と共に歩むことを」

「我、汝との契約を望む者なり」
「我、汝との契約を望む者なり」


呪文を復唱し終えると、魔方陣が仄かな光を帯び始める。

「さあ、ここからはあなたの言葉で相手にどう言った召喚獣になって欲しいのか、思いを伝えるの。相手がそれを受け入れてくれたら契約終了よ」

マーブルにかける言葉はすでに決まってる。

「マーブル、私頑張って強くなるよ。あなたを守れるように。だから、これからも一緒にいてくれる?」
「にゃん!」

マーブルが『もちろん』と言うように一声なくと、魔方陣がひときわ光輝く。
でも、その輝きは強烈な光と言うよりはどこか暖かみのある優しい光で、マーブルの体を一瞬だけ包みこんで消えた。

「おめでとう。契約は成功ですわ」
「ありがとうございます!」
「「「「「おめでとうっ!」」」」」
「みんな、ありがとう」

レベッカ先生の言葉に、一般科の生徒たちから祝福の言葉が次々と贈られる。
皆にもお礼を言ったあと、マーブルを抱き上げる。

「今までとは違う何かを感じるかしら?」
「何か、ですか?」

私にもマーブルに今までと違ったところはないように思えるけれど、これは本来の契約とは違うからかな?
どう答えれば良いか悩んでいると、マーブルが前足で私の腕をふみふみしてくる。
肉球がとても気持ちいいなぁ。
じゃなくて、何か言いたいことがあるようだ。

「マーブル、どうしたの?降りたいの」
「にゃん!」

マーブルを地面に下ろすと、マーブルはしっかりとした足取りでレベッカ先生の前に進み出る。
何をするつもりなのかな?
レベッカ先生に向かってマーブルが『僕を見ていて』と言うように一声鳴く。
…なんだか、とてつもなく悪い予感がするのは私の気のせいだろうか?
私がマーブルを再び抱き上げようと、手を伸ばしたときにはもう遅かった。

「まあっ!」
「マ、マーブルっ!?」

私とレベッカ先生の目の前で、マーブルの体がふわっと宙を舞う。

「「「「「「「…は?」」」」」」」

マーブルは私とレベッカ先生の周りを浮いたままの状態でぐるりと一周すると、私の肩に着地した。

「「「「「「「はぁぁぁぁあっ!?」」」」」」」

そこで、ようやくマーブル自身が魔法をつかったことを理解したみんなから驚きの声が上がる。
間近でマーブルの魔法を見ていたレベッカ先生も「こんなにすぐに魔法を使えるなんて」と驚いていた。

「にゃふんっ!」

どんなもんだと言わんばかりのマーブルの様子に、さっき貴族科の生徒にただの猫じゃんと言われたことを根に持っていたことを知る。
気持ちはわかるけど、やり過ぎだよぉっ!
おそるおそるアミーちゃん達の方を見れば、驚きで口をあんぐりさせているのが見えた。
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