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第3章 王立魔法学校入学編
200 休日二日目②
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「フ、じゃない!神官長様どうか顔をあげてくださいっ」
突然のことに混乱して、危うく心の中でだけ呼んでいた呼び名で声をかけるところだったよ。
それだけ、フェ様の謝罪は予想外のことだった。
全く心当たりのなかった私は、とりあえず頭をあげてほしいとフェ様に頼むと、ようやくフェ様は顔をあげてくれた。
「しかし、私はサラ様とマーク殿に嘘をついてしまった。本来ならキャシー君達にも謝罪をしたかったのだが、ガストに止められてしまいましてね。今回サラ様に会う暁には絶対謝罪をしなければと思っていたのですよ」
何でここでキャシーちゃんの名前が?
フェ様は顔を上げたことで私が全く分かっていないことに気づいてくれたみたいで、謝罪の理由を教えてくれた。
「サーズ町の教会の中で学校の説明をさせていただいた時のことを覚えていますか?」
「はい!それはもちろん!えっと、生徒は貴族も平民も関係なく学費がいらなくて、必ず寮に入るんですよね?」
「そうです。そして身分を笠に平民を傷つけるようなことがあれば、厳しい処罰があると伝えました。にもかかわらず、今回キャシー君の件では反省文の身の処罰だったとか」
「あ!」
さすがにそこまで言われたら、鈍い私でもわかった。
今回の件で、フェ様が話したことと違った結果になったことを気にしていたようだ。
「サラ様からのお返事を王太子殿下から聞いた際、今回の騒動を知りました。入学式の際にもガストよりこの学校の理念について話していたにもかかわらず、嘆かわしいことです。しかし、何よりも嘆かわしいのは教師の中に貴族科の生徒を優遇しようとする輩がいると言うことです!」
「え!?じゃあ、あの噂って本当なんですか?」
カイン先輩に聞いた噂は本当のことだったんだ!
驚きで思わず心の声を口に出してしまう。
フェ様は噂のことを知らなかったようで、「噂とは?」と首をかしげていた。
流石に思いっきり言葉に出してたら誤魔化せるものではなく、カイン先輩の名前は出さないで教えてもらった噂を話した。
フェ様は生徒の噂になる程、教師の態度が露骨だったのかと更に腹を立てているようだった。
「私はここに間借りさせてもらっているだけの身ですので、さすがに職員会議に出ることはできませんでした。ですが、きっと満足のいく処罰が与えられると信じていたのです。しかし、結果があれとは……。明らかに貴族科の生徒に非があるにもかかわらず、加害者に謝罪をさせることもしないとは思いもしませんでした。マーク殿に安心してくださいと言った身としては誠に申し訳なく……」
フェ様は今回の件を相当気にしているようで、いつもの飄々とした態度は見る影もないくらい落ち込んでいた。
私がキャシーちゃん達はそこまで気にしていなかったと言っても、効き目はなかった。
「サラ様に気を遣わせるなんて」と更に落ち込んでしまう。
本当のことなんだけどなぁ。
キャシーちゃん自身はローズさんの髪を掴んだことがお咎めなしだったのを喜んでたくらいだし、これ以上関わり合いになるほうが嫌だって言ってたから、自分の意志ではない謝罪をされてもって思うだろうし。
「ガストには教師の指導を徹底するようにとマリアと二人がかりできつく言っておきましたら、少しは改善されると思いますが、こちらも王族と貴族の関係のように簡単にはいかないようです」
マリアさんと二人がかり……。
そう言えばマリアさんもガスト校長とお話ししてくるって言ってたもんね。
マリアさんに怒られているガスト校長先生の姿が思い浮かび、あまりの怖さにガスト校長先生がかわいそうになる。
ガスト校長先生の無事を祈っておこう。……もう終わったことだから、今更かな?
「でも、驚きました。本当ならもっと違った処罰内容だったんですか?」
学校に入ったばかりの私には処罰内容が反省文なのが正しいのかなんてよくわからない。
キャシーちゃん達だってそうだろう。
だから、フェ様がどうしてそこまで落ち込んでいるのかよくわからなかった。
「私の学生時代なら一週間のトイレ掃除や一か月の外出禁止なんてのもありましたよ。貴族科の生徒にはとてもきつい処罰でしょうが、このくらいしないと反省なんてしませんからね」
フェ様が懐かしそうに処罰内容を教えてくれたけれど、「いや~、懐かしい!」なんて言うってことは処罰されたことがあるんですね?
私が疑いのまなざしで見ていたことに気づいたのか、フェ様が慌てたように一般科の生徒をいじめたわけではないと否定する。
「ただ、門限破りをしたり、学校の機材を壊しただけです!」
でも、それは威張って言うことではないと思いますよ?
どうやら、フェ様の学生時代は相当の問題児だったようだ。
突然のことに混乱して、危うく心の中でだけ呼んでいた呼び名で声をかけるところだったよ。
それだけ、フェ様の謝罪は予想外のことだった。
全く心当たりのなかった私は、とりあえず頭をあげてほしいとフェ様に頼むと、ようやくフェ様は顔をあげてくれた。
「しかし、私はサラ様とマーク殿に嘘をついてしまった。本来ならキャシー君達にも謝罪をしたかったのだが、ガストに止められてしまいましてね。今回サラ様に会う暁には絶対謝罪をしなければと思っていたのですよ」
何でここでキャシーちゃんの名前が?
フェ様は顔を上げたことで私が全く分かっていないことに気づいてくれたみたいで、謝罪の理由を教えてくれた。
「サーズ町の教会の中で学校の説明をさせていただいた時のことを覚えていますか?」
「はい!それはもちろん!えっと、生徒は貴族も平民も関係なく学費がいらなくて、必ず寮に入るんですよね?」
「そうです。そして身分を笠に平民を傷つけるようなことがあれば、厳しい処罰があると伝えました。にもかかわらず、今回キャシー君の件では反省文の身の処罰だったとか」
「あ!」
さすがにそこまで言われたら、鈍い私でもわかった。
今回の件で、フェ様が話したことと違った結果になったことを気にしていたようだ。
「サラ様からのお返事を王太子殿下から聞いた際、今回の騒動を知りました。入学式の際にもガストよりこの学校の理念について話していたにもかかわらず、嘆かわしいことです。しかし、何よりも嘆かわしいのは教師の中に貴族科の生徒を優遇しようとする輩がいると言うことです!」
「え!?じゃあ、あの噂って本当なんですか?」
カイン先輩に聞いた噂は本当のことだったんだ!
驚きで思わず心の声を口に出してしまう。
フェ様は噂のことを知らなかったようで、「噂とは?」と首をかしげていた。
流石に思いっきり言葉に出してたら誤魔化せるものではなく、カイン先輩の名前は出さないで教えてもらった噂を話した。
フェ様は生徒の噂になる程、教師の態度が露骨だったのかと更に腹を立てているようだった。
「私はここに間借りさせてもらっているだけの身ですので、さすがに職員会議に出ることはできませんでした。ですが、きっと満足のいく処罰が与えられると信じていたのです。しかし、結果があれとは……。明らかに貴族科の生徒に非があるにもかかわらず、加害者に謝罪をさせることもしないとは思いもしませんでした。マーク殿に安心してくださいと言った身としては誠に申し訳なく……」
フェ様は今回の件を相当気にしているようで、いつもの飄々とした態度は見る影もないくらい落ち込んでいた。
私がキャシーちゃん達はそこまで気にしていなかったと言っても、効き目はなかった。
「サラ様に気を遣わせるなんて」と更に落ち込んでしまう。
本当のことなんだけどなぁ。
キャシーちゃん自身はローズさんの髪を掴んだことがお咎めなしだったのを喜んでたくらいだし、これ以上関わり合いになるほうが嫌だって言ってたから、自分の意志ではない謝罪をされてもって思うだろうし。
「ガストには教師の指導を徹底するようにとマリアと二人がかりできつく言っておきましたら、少しは改善されると思いますが、こちらも王族と貴族の関係のように簡単にはいかないようです」
マリアさんと二人がかり……。
そう言えばマリアさんもガスト校長とお話ししてくるって言ってたもんね。
マリアさんに怒られているガスト校長先生の姿が思い浮かび、あまりの怖さにガスト校長先生がかわいそうになる。
ガスト校長先生の無事を祈っておこう。……もう終わったことだから、今更かな?
「でも、驚きました。本当ならもっと違った処罰内容だったんですか?」
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キャシーちゃん達だってそうだろう。
だから、フェ様がどうしてそこまで落ち込んでいるのかよくわからなかった。
「私の学生時代なら一週間のトイレ掃除や一か月の外出禁止なんてのもありましたよ。貴族科の生徒にはとてもきつい処罰でしょうが、このくらいしないと反省なんてしませんからね」
フェ様が懐かしそうに処罰内容を教えてくれたけれど、「いや~、懐かしい!」なんて言うってことは処罰されたことがあるんですね?
私が疑いのまなざしで見ていたことに気づいたのか、フェ様が慌てたように一般科の生徒をいじめたわけではないと否定する。
「ただ、門限破りをしたり、学校の機材を壊しただけです!」
でも、それは威張って言うことではないと思いますよ?
どうやら、フェ様の学生時代は相当の問題児だったようだ。
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