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第3章 王立魔法学校入学編
192 休日一日目②
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「ここね"猫の庭"は」
宿の看板には黒猫と庭の絵がほのぼのとしたタッチで描かれていて、アランさん達が泊まる宿にしては少し可愛らしい印象を持った。
「思ったよりすぐについたわね」
キャシーちゃんの言う通り、宿屋は本通りから外れた場所にあり、繁華街の喧騒からは外れた場所にあった。
「王都の宿がどれ程のものか確認させてもらおうじゃない」
旅の間は教会で寝泊まりさせてもっていたこともあって、アミーちゃん達にとっては初めての宿屋利用となる。
お泊りするわけではないけれど、家族で宿屋を経営するアミーちゃんとしては何か参考にできるものはないかと興味津々のようだアミーちゃんが扉を開けると扉につけられた鈴からチリンとかわいらしい音がした。
音を聞きつけてか奥から宿屋の店員さんが「いらっしゃい」と声をかけてくれる。
「「「「おはようございます」」」」
「あらまっ。王立魔法学校の学生さんね。うちに来るには珍しいお客様だこと」
店員さんは笑顔が優しそうなおばさんで、私達の来客に驚いていた。
「あ、お母さん、きっと彼女たちがアランさん達が言ってた今日来る予定の子達よ!」
「ああ。この子達が!」
店員さんにどう言おうか悩んでいたら、また奥から十代後半くらいの女性が出てきて、アランさんの名前を口にする。
「えーと、サラちゃんに、キャシーちゃん、アミーちゃんに、ハル君、だったかしら?」
「「「「はい」」」」
「猫の庭にようこそ。私はここの宿屋の娘でアンリよ。で、私の母のアンネ。」
「アンリさんとアンネさん」
アランさん達は事前に宿屋の人達にお話ししてくれていたようで、アンリさんがアランさん達のもとまで連れて行ってくれることになった。
アランさん達の泊っている部屋に案内されると思っていたけれど、案内されたのは宿屋の食堂だった。
まだお昼前ながらすでに賑わいを見せていて、そこにはアランさんたち以外の冒険者達や商人、旅人など様々な人たちが食事やお酒を楽しんでいた。
「みんな!こっちよ」
シーラさんが私達を見つけてこちらに声をかけてくれた。シーラさんの傍にはアランさんとマーヴェイさんの姿もあって、私たちは三人の傍に駆け寄った。
「みんな元気だった?」
「「「「はいっ」」」」
「ふふっ。制服似合っているじゃないの。アラン達もそう思うわよね?」
「そうだな」「ああ」
三人に制服を褒められ照れていると、いつの間にか席をはずしていたアンリさんがお水を持ってきてくれた。
「アンリちゃん、案内ありがとうな」
「いえ!アランさんのためですから!」
アンリさんはアランさんの言葉に瞳を輝かせて答える。頬を染めた姿はキャシーちゃんがハル君を見つめるときの姿にそっくりだ。これはもしかすると……。
「ちょっと、そこの二人!独り身の私達にあんまり見せつけないでちょうだい」
「何がだよ?」
「きゃっ♪シーラさんったら、そんなはっきり言うなんて♪」
シーラさんがアランさんとアンリさんをからかうように言うと、アランさんは何を言われたのかわからずキョトンとしていた。
アンリさんは顔を更に真っ赤にして、なぜかマーヴェイさんの肩をお盆で叩いていた。
マーヴェイさんはその状態で普通にお水を飲んでいるけれど、痛くないのかな?
「ここのご飯はアンリちゃんの親父さんのガウディさんがすべて作ってるんだ。種類もたくさんあって、どれも全部旨いんだ。まだお昼には早いけどみんなにも食べさせたくてさ」
何でもガウディさんは王都でも有名な料理店で働いていたらしい。
けれど、宿屋の一人娘で当時料理人を探していたアンネさんに一目ぼれしたガウディさんは即座に料理店を辞めると、この宿屋に押しかけ料理人として働き始めたそうだ。
働く合間にアンネさんにお花やお手紙など熱烈アピールをした結果、見事アンネさんの心を射止めることに成功したらしい。
「ここら辺では有名な話なのよ」
「すごく情熱的だわ!」
キャシーちゃんはシーラさんから聞くアンネさん夫婦の馴れ初め話にうっとりとした表情で聞き入っていた。
ハル君は話に興味がなかったようで、アランさんに手渡されたメニュー表を片手に何を頼もうか悩んでいた。
アミーちゃんは「その手があったわね」と頷いていたけれど、その手ってどういうことだったのかな?
---
6/27 文章を一部訂正いたしました。
誤:"アンネ"ちゃんは「その手があったわね」と頷いていたけれど、
正:"アミー"ちゃんは「その手があったわね」と頷いていたけれど、
宿の看板には黒猫と庭の絵がほのぼのとしたタッチで描かれていて、アランさん達が泊まる宿にしては少し可愛らしい印象を持った。
「思ったよりすぐについたわね」
キャシーちゃんの言う通り、宿屋は本通りから外れた場所にあり、繁華街の喧騒からは外れた場所にあった。
「王都の宿がどれ程のものか確認させてもらおうじゃない」
旅の間は教会で寝泊まりさせてもっていたこともあって、アミーちゃん達にとっては初めての宿屋利用となる。
お泊りするわけではないけれど、家族で宿屋を経営するアミーちゃんとしては何か参考にできるものはないかと興味津々のようだアミーちゃんが扉を開けると扉につけられた鈴からチリンとかわいらしい音がした。
音を聞きつけてか奥から宿屋の店員さんが「いらっしゃい」と声をかけてくれる。
「「「「おはようございます」」」」
「あらまっ。王立魔法学校の学生さんね。うちに来るには珍しいお客様だこと」
店員さんは笑顔が優しそうなおばさんで、私達の来客に驚いていた。
「あ、お母さん、きっと彼女たちがアランさん達が言ってた今日来る予定の子達よ!」
「ああ。この子達が!」
店員さんにどう言おうか悩んでいたら、また奥から十代後半くらいの女性が出てきて、アランさんの名前を口にする。
「えーと、サラちゃんに、キャシーちゃん、アミーちゃんに、ハル君、だったかしら?」
「「「「はい」」」」
「猫の庭にようこそ。私はここの宿屋の娘でアンリよ。で、私の母のアンネ。」
「アンリさんとアンネさん」
アランさん達は事前に宿屋の人達にお話ししてくれていたようで、アンリさんがアランさん達のもとまで連れて行ってくれることになった。
アランさん達の泊っている部屋に案内されると思っていたけれど、案内されたのは宿屋の食堂だった。
まだお昼前ながらすでに賑わいを見せていて、そこにはアランさんたち以外の冒険者達や商人、旅人など様々な人たちが食事やお酒を楽しんでいた。
「みんな!こっちよ」
シーラさんが私達を見つけてこちらに声をかけてくれた。シーラさんの傍にはアランさんとマーヴェイさんの姿もあって、私たちは三人の傍に駆け寄った。
「みんな元気だった?」
「「「「はいっ」」」」
「ふふっ。制服似合っているじゃないの。アラン達もそう思うわよね?」
「そうだな」「ああ」
三人に制服を褒められ照れていると、いつの間にか席をはずしていたアンリさんがお水を持ってきてくれた。
「アンリちゃん、案内ありがとうな」
「いえ!アランさんのためですから!」
アンリさんはアランさんの言葉に瞳を輝かせて答える。頬を染めた姿はキャシーちゃんがハル君を見つめるときの姿にそっくりだ。これはもしかすると……。
「ちょっと、そこの二人!独り身の私達にあんまり見せつけないでちょうだい」
「何がだよ?」
「きゃっ♪シーラさんったら、そんなはっきり言うなんて♪」
シーラさんがアランさんとアンリさんをからかうように言うと、アランさんは何を言われたのかわからずキョトンとしていた。
アンリさんは顔を更に真っ赤にして、なぜかマーヴェイさんの肩をお盆で叩いていた。
マーヴェイさんはその状態で普通にお水を飲んでいるけれど、痛くないのかな?
「ここのご飯はアンリちゃんの親父さんのガウディさんがすべて作ってるんだ。種類もたくさんあって、どれも全部旨いんだ。まだお昼には早いけどみんなにも食べさせたくてさ」
何でもガウディさんは王都でも有名な料理店で働いていたらしい。
けれど、宿屋の一人娘で当時料理人を探していたアンネさんに一目ぼれしたガウディさんは即座に料理店を辞めると、この宿屋に押しかけ料理人として働き始めたそうだ。
働く合間にアンネさんにお花やお手紙など熱烈アピールをした結果、見事アンネさんの心を射止めることに成功したらしい。
「ここら辺では有名な話なのよ」
「すごく情熱的だわ!」
キャシーちゃんはシーラさんから聞くアンネさん夫婦の馴れ初め話にうっとりとした表情で聞き入っていた。
ハル君は話に興味がなかったようで、アランさんに手渡されたメニュー表を片手に何を頼もうか悩んでいた。
アミーちゃんは「その手があったわね」と頷いていたけれど、その手ってどういうことだったのかな?
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6/27 文章を一部訂正いたしました。
誤:"アンネ"ちゃんは「その手があったわね」と頷いていたけれど、
正:"アミー"ちゃんは「その手があったわね」と頷いていたけれど、
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