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第3章 王立魔法学校入学編
189 お化け
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四限目は闇魔法学の授業だ。
一人で授業を受けるのは初めてなので、教室に入るのにも少し緊張する。
でも、新しく友達を作るチャンスだよね!
気持ちを切り替え、教室の扉を開く。だけど、教室には誰の姿もなかったを
「…あれ?」
もしかして、教室を間違えた?
再び廊下に出て、地図とにらめっこするけど、この教室で間違いはなさそうだ。
…この授業を受けるのが私一人なんてことはないよね?
怖い考えが頭を掠め、不安になる。でも幸いなことに、その考えは杞憂に終わった。
「邪魔」
「!!」
後ろから声をかけられて、慌てて後ろを振り返るけど、視線の先には誰もいなかった。
「あれ?誰もいない?」
「……下」
視線を下に向けると、小柄な女の子が立っていた。
私とは頭一つ分ほど違うだろうか、ウェーブのかかった紺色の髪を腰まで伸ばし、感情の読めない水色の瞳でこちらを見ている。
「どいて?」
「あ、ごめんねっ」
「ん」
体を横にずらすと、彼女はそのまますたすたと教室に入っていった。
貴族科の子なんだよね?
貴族らしからぬ話し方と言い、今まであった貴族科の生徒とはまた違った雰囲気の子だった。
彼女は席につくと、そうそうに本を開き、読書にいそしんでいる。
もしかしたら図書館で借りた本なのかも。
せっかくなのでおすすめの本など聞きたいところだけど、一番後ろの角の席に陣取っているところを見ると、あまり話しかけられたくないのかもしれない。
ここは話しかけるのを諦めて、私以外にも授業を受ける生徒がいるとわかっただけ良しとしよう。
これからの授業の中で仲良くなれるかもしれないしね!
しばらくすると女子生徒が四人、男子生徒が
四人教室に入ってきた。
時間的に授業を受ける生徒はこれで全員のようだ。光魔法学の授業でさえ二十人ほどはいたのに、私を含めて十人しかいないなんて驚きだ。闇属性は光属性よりも希少なのかな?
「なぁ、先生来るの遅くね?」
しばらくすると、授業開始の鐘が鳴ったにもかかわらず、先生が現れないことにしびれを切らした一人の生徒が疑問の声をあげる。それを皮切りに、他の生徒からも確かに遅いと次々と声が上がる。
始まらない授業に、どうしたものか悩む私たち。
「初日から教師が遅刻なんてあり得ない!」
「ぁ…、……ぃ……」
「職務怠慢ですわ!」
「ぃ……す」
「「「「「「ん?」」」」」」」
「な、なにか聞こえなかった?」
みんなの会話に混じって、か細い声が教室の中から聞こえることに気づくが、姿は見えない。
「だ、誰だっ!ふざけないででてこいっ!」
恐ろしい事態に静まるなか、灰色の髪の少年が恐怖に上ずる声で問いかける。
緊張が高まるなか、またしても声が聞こえた。
「ち……ぃ……す」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
みんながこの教室から逃げ出そうとしたその時、今度は先程よりもはっきりとした声が聞こえた。
「います」
「「「「「「「え?」」」」」」」
「ここに、います~」
教壇の上に人の頭が乗っていた。
艶のない黒髪が顔を覆い隠し、その髪の隙間から灰色の瞳を片目がギョロリと動いた。
頭だけの人物から話しかけられたと理解した瞬間、私たちの心は一つになった。
逃げないと、殺される!
「は、初めま……」
何やら話しかけられていたけれど、今度こそ本当に教室を飛び出し、職員室に助けを呼びに行った。
まさか、お化けの正体が闇魔法の先生で。
極度の人見知りのため、教壇の裏に隠れていたけれど、勇気を振り絞って顔だけを出して話しかけたのを私たちが勘違いしただけなんて、その時は思いもよらなかった。
一人で授業を受けるのは初めてなので、教室に入るのにも少し緊張する。
でも、新しく友達を作るチャンスだよね!
気持ちを切り替え、教室の扉を開く。だけど、教室には誰の姿もなかったを
「…あれ?」
もしかして、教室を間違えた?
再び廊下に出て、地図とにらめっこするけど、この教室で間違いはなさそうだ。
…この授業を受けるのが私一人なんてことはないよね?
怖い考えが頭を掠め、不安になる。でも幸いなことに、その考えは杞憂に終わった。
「邪魔」
「!!」
後ろから声をかけられて、慌てて後ろを振り返るけど、視線の先には誰もいなかった。
「あれ?誰もいない?」
「……下」
視線を下に向けると、小柄な女の子が立っていた。
私とは頭一つ分ほど違うだろうか、ウェーブのかかった紺色の髪を腰まで伸ばし、感情の読めない水色の瞳でこちらを見ている。
「どいて?」
「あ、ごめんねっ」
「ん」
体を横にずらすと、彼女はそのまますたすたと教室に入っていった。
貴族科の子なんだよね?
貴族らしからぬ話し方と言い、今まであった貴族科の生徒とはまた違った雰囲気の子だった。
彼女は席につくと、そうそうに本を開き、読書にいそしんでいる。
もしかしたら図書館で借りた本なのかも。
せっかくなのでおすすめの本など聞きたいところだけど、一番後ろの角の席に陣取っているところを見ると、あまり話しかけられたくないのかもしれない。
ここは話しかけるのを諦めて、私以外にも授業を受ける生徒がいるとわかっただけ良しとしよう。
これからの授業の中で仲良くなれるかもしれないしね!
しばらくすると女子生徒が四人、男子生徒が
四人教室に入ってきた。
時間的に授業を受ける生徒はこれで全員のようだ。光魔法学の授業でさえ二十人ほどはいたのに、私を含めて十人しかいないなんて驚きだ。闇属性は光属性よりも希少なのかな?
「なぁ、先生来るの遅くね?」
しばらくすると、授業開始の鐘が鳴ったにもかかわらず、先生が現れないことにしびれを切らした一人の生徒が疑問の声をあげる。それを皮切りに、他の生徒からも確かに遅いと次々と声が上がる。
始まらない授業に、どうしたものか悩む私たち。
「初日から教師が遅刻なんてあり得ない!」
「ぁ…、……ぃ……」
「職務怠慢ですわ!」
「ぃ……す」
「「「「「「ん?」」」」」」」
「な、なにか聞こえなかった?」
みんなの会話に混じって、か細い声が教室の中から聞こえることに気づくが、姿は見えない。
「だ、誰だっ!ふざけないででてこいっ!」
恐ろしい事態に静まるなか、灰色の髪の少年が恐怖に上ずる声で問いかける。
緊張が高まるなか、またしても声が聞こえた。
「ち……ぃ……す」
「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」
みんながこの教室から逃げ出そうとしたその時、今度は先程よりもはっきりとした声が聞こえた。
「います」
「「「「「「「え?」」」」」」」
「ここに、います~」
教壇の上に人の頭が乗っていた。
艶のない黒髪が顔を覆い隠し、その髪の隙間から灰色の瞳を片目がギョロリと動いた。
頭だけの人物から話しかけられたと理解した瞬間、私たちの心は一つになった。
逃げないと、殺される!
「は、初めま……」
何やら話しかけられていたけれど、今度こそ本当に教室を飛び出し、職員室に助けを呼びに行った。
まさか、お化けの正体が闇魔法の先生で。
極度の人見知りのため、教壇の裏に隠れていたけれど、勇気を振り絞って顔だけを出して話しかけたのを私たちが勘違いしただけなんて、その時は思いもよらなかった。
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