私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

文字の大きさ
上 下
142 / 278
第3章 王立魔法学校入学編

183 体術

しおりを挟む
あの後、更衣室でこっそりキャシーちゃんに数学の点数を教えてもらった。

「63点…」
「さっきも言ったけれど、あんたの場合は最終確認しておけば気づいたような単純なミスばっかりだったんだからね」
「うぅ。気を付けます」

アミーちゃんの話では、単純なミスがなかったら20点ぐらい点数が変わってたんじゃないかって。
アミーちゃんの指摘にキャシーちゃんは神妙に頷いていたので、次回のテストではもっと良い点数になるんじゃないかな。
私もミスには気を付けよう。


モニカ先生を待っていると、先程とは違ってモニカ先生は動きやすいズボン姿でやって来た。
初めてのズボン姿だけど、凛々しいモニカ先生にはとても似合っていて、女の子達にはとても好評だった。

「みんな揃ってるな。最初の10分は怪我しないように柔軟運動からやっていくぞ」
「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」
「最初に足首と手首をしっかりと回すんだ。これを怠ると怪我の原因になるからな」

モニカ先生の指導の元、柔軟をする。

「サラちゃん、体が柔らかいんだね」

床に座った状態で足を開き、上半身を床にぺたりと倒すと、アミーちゃんに褒められた。

「えへへ。そうかな?」

ちなみに、マーブルはモニカ先生の横で待機してもらっている。
流石にポシェットの中にマーブルを入れたまま体を動かすのは危ないもんね。
マーブルの他にも他の生徒たちが連れてきた
動物たちがいて、自分の主である生徒をじっと見守っている。
マーブルもこちらを寂しそうに見つめていた。
私もマーブルが側にいないのは寂しいけど、頑張るね!

「にゃんっ」

途端に元気になるマーブルを見て、嬉しくなる。最近、マーブルとは目だけで会話できている気がするな。
これって仲良しの証拠だよね!

「にゃふんっ♪」

どや顔も可愛いなんて、マーブルって完璧じゃないかしら。

「柔軟運動は以上だ。これからも体術の最初の10分はこの柔軟をするからな」

柔軟も終わり、いよいよ体術の授業が始まるわけだけど、どんな授業なのかな?
わくわくしつつ、モニカ先生の説明を聞く。

「今日の授業は追いかけっこだ。まずは私が君たちの中から10人、追いかける側を選ぶ。それ以外のみんなは逃げる側だな。捕まった生徒はこの円の中に入ること」

モニカ先生は説明をしながら、ロープを使って巨大な円を作る。
ふむふむ、ここに捕まった子は入れられるのね。

「逃げている側がロープの円を崩したら、円の中に囚われている生徒を救出することができ、円の中にいた生徒はもう一度逃げる側に戻ることができる。最後まで一人でも逃げ切ることができたら逃げる側の勝ち。全員が捕まったら追いかける側の勝ちだ。なお、魔法は禁止とする」

何だが、授業というよりも遊びみたい。
モニカ先生が何やら冊子を片手に生徒の中から10人を次々と選んでいく。
何か選ぶ基準があるのかな?
選ばれた中には何とフィン君がいた。

「先生が合図をしたら、スタートだ。みんな怪我には気を付けるんたぞ」
「「「「「「「「はいっ!」」」」」」」」

実は足の早さには自信があったりするんだよね。
村では足が早いねって褒められてたし。
 カイお兄ちゃんにはさすがに負けるけど、村の成人してない子供たちの中では一番早かったから、魔法を使わなくってもすぐには捕まらない自信があったりする。
ここで頑張ってアピールしなくちゃね。
密かに気合いをいれつつ、モニカ先生の合図を今か今かと待つ。

「よーい」
「「「「「「「「ごくりっ」」」」」」」」

モニカ先生が片手を上に挙げるのを全員で見つめる。

「スタートっ!」

挙げた手が下がったのと同時に私たちは一斉に走り始めた。


---
6/4 追いかけっこのルールを少し変更示した。
円に囚われた生徒を救出するには円の中に入って生徒の体に触れるとしていたのを、逃げる側の生徒がロープの円を崩したら、円から出れるに変更しました。
しおりを挟む
感想 263

あなたにおすすめの小説

好きでした、さようなら

豆狸
恋愛
「……すまない」 初夜の床で、彼は言いました。 「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」 悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。 なろう様でも公開中です。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつまりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

精霊の愛し子が濡れ衣を着せられ、婚約破棄された結果

あーもんど
恋愛
「アリス!私は真実の愛に目覚めたんだ!君との婚約を白紙に戻して欲しい!」 ある日の朝、突然家に押し掛けてきた婚約者───ノア・アレクサンダー公爵令息に婚約解消を申し込まれたアリス・ベネット伯爵令嬢。 婚約解消に同意したアリスだったが、ノアに『解消理由をそちらに非があるように偽装して欲しい』と頼まれる。 当然ながら、アリスはそれを拒否。 他に女を作って、婚約解消を申し込まれただけでも屈辱なのに、そのうえ解消理由を偽装するなど有り得ない。 『そこをなんとか······』と食い下がるノアをアリスは叱咤し、屋敷から追い出した。 その数日後、アカデミーの卒業パーティーへ出席したアリスはノアと再会する。 彼の隣には想い人と思われる女性の姿が·····。 『まだ正式に婚約解消した訳でもないのに、他の女とパーティーに出席するだなんて·····』と呆れ返るアリスに、ノアは大声で叫んだ。 「アリス・ベネット伯爵令嬢!君との婚約を破棄させてもらう!婚約者が居ながら、他の男と寝た君とは結婚出来ない!」 濡れ衣を着せられたアリスはノアを冷めた目で見つめる。 ······もう我慢の限界です。この男にはほとほと愛想が尽きました。 復讐を誓ったアリスは────精霊王の名を呼んだ。 ※本作を読んでご気分を害される可能性がありますので、閲覧注意です(詳しくは感想欄の方をご参照してください) ※息抜き作品です。クオリティはそこまで高くありません。 ※本作のざまぁは物理です。社会的制裁などは特にありません。 ※hotランキング一位ありがとうございます(2020/12/01)

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。