私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第3章 王立魔法学校入学編

179 噂

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 「しかし、反省文ひとつで終了とは、あの噂もあながち間違いではないのかもな~」
「「「「「噂?」」」」」


お説教タイムは終了し、和やかな雰囲気になったところでカイン先輩から気になる言葉が。
噂って何だろう?

「ん~、あくまで噂なんだけどな?」

カイン先輩は噂を強調した後、学校内でまことしやかに流れている噂を教えてくれた。

「一部の先生が貴族科の生徒だけ優遇してるらしいんだよな~。その筆頭が副校長先生って話なんだけど」
「「「「副校長先生…」」」」

って、会ったことあったかな?
入学式の際に紹介はされた覚えがなくて、みんなと一緒になって首をかしげていたら、カイン先輩が教えてくれた。

「あ~、入学式の進行をしてたのが副校長になるんだけど、わかるか?」
「そう言えばいたような?」


カイン先輩に言われて朧気ながら思い出す。
確かに一人の先生が入学式の進行をしていたような気がする。かろうじて男の先生だった事は思い出したけれど、顔をさっぱり思い出せない。

「まあ、どこまで本当のことなのかはわからんけどな~。俺らの学年は王太子様が貴族科の生徒をまとめてくれてるから比較的平穏だけど、それでも全くないわけでないし、他の学年にいたっては、貴族科の生徒が一般科の生徒をバカにする場面が多々あるみたいでさ、そう言うのが無くならないのは先生たちが貴族科の生徒を増長させてるからじゃないかって言う意見もあって、そんな噂が広がったんじゃないか~?」

魔法学校では身分差別はないってフェ様が言ってたけど、実際は色々と問題があるようだ。もしかしたら、フェ様から休日に会いたいって連絡があったのは、この事を伝えたかったのかな?
そうなると噂は真実ってことなのかしら?フェ様の目的が本当にそうとは限らないけれど、頭の片隅においておいた方が良さそうだ。

「だから、加護持ちの生徒が一般科の生徒から出たってことを知って、本当に嬉しかったんだよな~」
「私ですか?」

突然私の話題になり、ビックリする。
私が加護持ちだと知って、凄いとか、どうすれば授かれるのかとか、聞かれたことはあるけれど、嬉しいと言われたのは初めてだ。

「おう!一般科の生徒がバカにされるのはさ、貴族科の生徒の実力が一般科の生徒よりも全体的に高いのも理由にあるわけよ。小さい頃から家庭教師を付けて魔法に触れ合う機会があれば成績が良くなるのも当たり前だっつうのに、勘違いしてるバカが多くってさ~。こちとらしがない商人の息子だぞ。家の仕事を手伝ってたら魔法なんて1つ、2つしか知らなくて当然だろ~が!なのに、あいつら王太子様のいないところでネチネチと…」

どうやら、カイン先輩も色々たまっているようだ。比較的平穏といってたカイン先輩でもこうなのだから、他の学年では一体どうなっているのか、知りたいような知りたくないような…。
昨日の学生寮でのマリアさんや先輩たちの反応はこういったところから来てたのかな?

「な、なんか、兄貴も大変なんだなー」
「ん?いつの間にか話が脱線してたな、すまん、すまん。とにかく!サラちゃんには貴族科の生徒に負けないで頑張ってほしいわけよ!期待してるぞ~」
「が、頑張ります!」

ううっ。カイン先輩の迫力に負けて思わず答えちゃったけど、期待に応えれるかなぁ?
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