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第3章 王立魔法学校入学編
166 神官長からのお誘い
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「もしかして、私を探してましたか?」
「ああ。サラの予定が埋まらない内にと思ってね。ただ、あの子達に会ったのは本当に偶然だけどね。慌てた様子で廊下を走ってる彼らを見かけて私から声をかけたんだ。聞けば友人が貴族科の生徒に絡まれているので教師を呼びに行く途中だと言うじゃないか。近くに教師はいなかったから、私が行く方が早いと判断して一緒について行ったが、まさかそこにサラがいるとは思いもしなかったよ」
「そうだったんですね」
王太子様がたまたまここを通りかかることなんてあるのかなと不思議だったけど、私を探してのことなら納得がいく。
「それでどうかな?すでに予定は入ってしまった?」
フェ様とは早い内に会いたかったので、フェ様から誘ってもらえたのは良かったのだけど、あいにくすでに休みの一日は予定をいれてしまっていた。
空いている日でも良いか確認すると、問題ないとの事だったのでほっとする。
「良かった!大叔父上も喜ぶよ」
「あの、ちなみに今回はどこかに行く予定をしてるんでしょうか?」
「君と話したいとしか聞いていないが、どこか連れていって欲しいところでもあるの?それなら大叔父上に伝えておくよ」
「あ、いえ。できれば落ち着いたところで神官長様と二人きりでお話ししたいなと思って」
フェ様とラブュ様を会わせてあげよう計画を実行に移すためにも、ぜひ二人で会える機会がほしいと考えていたのだ。
「では、大叔父上にはそう伝えておくよ。また、詳しい時間や待ち合わせ場所が決まったら教えるね」
「ありがとうございますっ!」
気づけば教室内の片付けは終わり、みんながこちらを見ていた。
王太子様に軽く会釈して、みんなのところに戻る。
「カイト、この子たちを寮まで送ってあげて」
「はっ」
「私は職員室に行ってくる。フィリップたちは先程の彼女たちの話を聞いてきてくれ。」
「今からですか?」
「時間がたてばたつほど人間は自分のいいように記憶を改竄するものだ。さすがに女子寮に帰っているだろうから、女子寮の寮母に面会の場を用立ててもらうように。彼女の家名はダフィル。ダフィル・ローズだ」
「わかりました」
「殿下、お待ちください。お一人で行くおつもりですか?せめて、ニコラスを連れて行って下さい」
「一人でも問題ない」
渋るカイト先輩を王太子様が一蹴すると、カイト先輩はしゅんとした顔で口を閉ざす。その姿はまさに捨てられた子犬のようで可哀想になる。
みんなも同じ気持ちなのか、このままカイト先輩についてきてもらうのは申し訳ないという意見で一致した。
「王太子様!私たちだけで別に大丈夫ですから、カイト先輩も連れていってあげてください」
「っ!」
私が代表して扉に手をかけた王太子様に声をかける。
カイト先輩は私の言葉に嬉しそうに瞳を輝かせている。
「しかし、あんな事があったばかりで、不安だろう。カイトの事は気にする必要はない」
「本当に大丈夫です。それに、フィリップ先輩たちも寮に行くんですよね?それなら、帰り道はほぼ一緒ですし」
「しかし…」
「殿下、私たちが寮の前まで一緒にいきますから」
「…わかった」
フィリップ先輩の助け船もあって、ようやく王太子様は納得してくれた。
私の隣でモスが『私がいて、サラ様を危険にさらすわけがなかろうがっ』とお怒りぎみだったので、モスには寮に帰ったら、王太子様に悪気がないとちゃんと伝えておかないと。
「せめて、途中までは一緒に行こう」
全員で教室をでると、流石に授業が終わってから時間がたっていたからか、廊下には人気がなかった。
王太子様と一緒に歩いてるところを見られたら、絶対に注目の的になるのは予測できるので、人気がなくてほっとする。
それでも、何人かの生徒には目撃されてしまったけれど。
物言いたげな視線が生徒たちから注がれているのに、王太子様は心なしか満足げな顔をしているように見えたのは気のせいかな?
「じゃあ、私たちはここで」
「色々とありがとうございました」
「「「「「「ありがとうございました」」」」」」
王太子様とカイト先輩は職員室に向かうため、途中でお別れとなった。
「二人とも、彼女たちを頼むよ」
「かしこまりました」「了解です」
王太子様はフィリップ先輩たちに一声かけるとその場を颯爽と立ち去る。
カイト先輩が最後にこちらに向かって軽く頭を下げると、王太子様の後に続く。
「じゃあ、私たちも行くか」
「「「「「「「はいっ」」」」」」」
王太子様の姿が見えなくなるまでみんなで見送った後、私たちもその場を後にした。
「ああ。サラの予定が埋まらない内にと思ってね。ただ、あの子達に会ったのは本当に偶然だけどね。慌てた様子で廊下を走ってる彼らを見かけて私から声をかけたんだ。聞けば友人が貴族科の生徒に絡まれているので教師を呼びに行く途中だと言うじゃないか。近くに教師はいなかったから、私が行く方が早いと判断して一緒について行ったが、まさかそこにサラがいるとは思いもしなかったよ」
「そうだったんですね」
王太子様がたまたまここを通りかかることなんてあるのかなと不思議だったけど、私を探してのことなら納得がいく。
「それでどうかな?すでに予定は入ってしまった?」
フェ様とは早い内に会いたかったので、フェ様から誘ってもらえたのは良かったのだけど、あいにくすでに休みの一日は予定をいれてしまっていた。
空いている日でも良いか確認すると、問題ないとの事だったのでほっとする。
「良かった!大叔父上も喜ぶよ」
「あの、ちなみに今回はどこかに行く予定をしてるんでしょうか?」
「君と話したいとしか聞いていないが、どこか連れていって欲しいところでもあるの?それなら大叔父上に伝えておくよ」
「あ、いえ。できれば落ち着いたところで神官長様と二人きりでお話ししたいなと思って」
フェ様とラブュ様を会わせてあげよう計画を実行に移すためにも、ぜひ二人で会える機会がほしいと考えていたのだ。
「では、大叔父上にはそう伝えておくよ。また、詳しい時間や待ち合わせ場所が決まったら教えるね」
「ありがとうございますっ!」
気づけば教室内の片付けは終わり、みんながこちらを見ていた。
王太子様に軽く会釈して、みんなのところに戻る。
「カイト、この子たちを寮まで送ってあげて」
「はっ」
「私は職員室に行ってくる。フィリップたちは先程の彼女たちの話を聞いてきてくれ。」
「今からですか?」
「時間がたてばたつほど人間は自分のいいように記憶を改竄するものだ。さすがに女子寮に帰っているだろうから、女子寮の寮母に面会の場を用立ててもらうように。彼女の家名はダフィル。ダフィル・ローズだ」
「わかりました」
「殿下、お待ちください。お一人で行くおつもりですか?せめて、ニコラスを連れて行って下さい」
「一人でも問題ない」
渋るカイト先輩を王太子様が一蹴すると、カイト先輩はしゅんとした顔で口を閉ざす。その姿はまさに捨てられた子犬のようで可哀想になる。
みんなも同じ気持ちなのか、このままカイト先輩についてきてもらうのは申し訳ないという意見で一致した。
「王太子様!私たちだけで別に大丈夫ですから、カイト先輩も連れていってあげてください」
「っ!」
私が代表して扉に手をかけた王太子様に声をかける。
カイト先輩は私の言葉に嬉しそうに瞳を輝かせている。
「しかし、あんな事があったばかりで、不安だろう。カイトの事は気にする必要はない」
「本当に大丈夫です。それに、フィリップ先輩たちも寮に行くんですよね?それなら、帰り道はほぼ一緒ですし」
「しかし…」
「殿下、私たちが寮の前まで一緒にいきますから」
「…わかった」
フィリップ先輩の助け船もあって、ようやく王太子様は納得してくれた。
私の隣でモスが『私がいて、サラ様を危険にさらすわけがなかろうがっ』とお怒りぎみだったので、モスには寮に帰ったら、王太子様に悪気がないとちゃんと伝えておかないと。
「せめて、途中までは一緒に行こう」
全員で教室をでると、流石に授業が終わってから時間がたっていたからか、廊下には人気がなかった。
王太子様と一緒に歩いてるところを見られたら、絶対に注目の的になるのは予測できるので、人気がなくてほっとする。
それでも、何人かの生徒には目撃されてしまったけれど。
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「じゃあ、私たちはここで」
「色々とありがとうございました」
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「じゃあ、私たちも行くか」
「「「「「「「はいっ」」」」」」」
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