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第3章 王立魔法学校入学編
153 授業1日目③
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「うわぁ!人がたくさんだね」
「一般教養の教室の3倍ぐらいの広さはあるんじゃないか?」
「召喚獣の授業は貴族科の生徒たちにも人気の授業だからね。一年生のほぼ全員が受講してるんじゃないかなー?」
つい話に夢中になってしまい、教室に到着したのは授業開始5分前だった。召喚学の教室は一年生全員が席につけるほどの広い教室だった。階段教室になっていて、机と机の間に通路があり、四列の長机が扇状に設置されていた。既に席はほぼ埋まっていて、一般科の生徒と貴族科の生徒で左右二列にきれいに別れていた。教室の中にはいると、既に座っている貴族科の生徒の視線が一斉に私に集中するのがわかった。
「サラちゃん…」
アミーちゃんとキャシーちゃんが心配そうにこちらを見ていて、ハル君とフィン君は貴族科の生徒の視線から隠すように私たちを背中にかばってくれる。
「みんな、ありがとう。でも、大丈夫だから、早く席につこう?」
四人の優しさがとても嬉しくって、思わずアミーちゃんとキャシーちゃんの片腕に抱きつき、そのままみんなを促して空いている席に向かう。四人に言った通り、貴族科の子たちのことはそんなに心配してなかった。
ガスト校長先生が入学式の時に念押ししてくれたんだもん。問題ないはず。
それよりも、モスが貴族科の生徒たちを無表情に見つめているのがとても気になる。
昨日、教室や学生寮で質問攻めにされてた時は普通だったのに、どうしたのかな?
(モス、あの、本当に私は大丈夫だからね?穏便に、穏便にだよ)
『ですが…、いえ、わかりました』
何か気になることでもあるのか言葉を濁してたけど、なんとか納得してくれたようでほっとする。
質問ぐらいなら既に昨日、教室や学生寮で質問攻めにされて耐性ができてるから大丈夫なのに、ふふっ、モスも心配性だなぁ。
まあ、学生寮では教室の時以上にたくさんの人に囲まれてしまって焦ったけれど。でも、リチャード先輩とラム先輩が私たちが押し潰されないように押し止めてくれて、ヒューイ先輩たちがその間にマリアさんを呼びにいってくれたことで、大きな混乱を招くことなく、事態を収縮することができた。
リチャード先輩とラム先輩、ヒューイ先輩たちには改めて助けてくれたお礼と黙っていたことを謝ったら、笑顔で許してくれた。本当に優しい先輩たちばかりだ。
結局時間も時間だったからか、貴族科の生徒に話しかけられることもなく授業開始のチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
「授業を始めます。皆さん席にお座りになって」
召喚学の先生は金髪碧眼の女性の先生だった。容姿もさることながら、所作や言葉使いがとても美しく、肩に赤い小鳥を乗せていた。先生の召喚獣かな?
『フェニックスとは珍しい』
モスが先生の肩に止まっている小鳥の姿を見て、軽く目を見張っていた。
モスに先生の召喚獣のことを聞こうとしたところで先生の自己紹介が始まり、そちらに意識が向く。
「わたくしがこの授業を受け持つことになりました、レベッカと申します。この子はフルートで、わたくしの召喚獣ですわ」
「ピュイッ!」
フルートは一声鳴くと、レベッカ先生の肩から飛びたち、挨拶代わりとばかりに生徒の肩や頭に乗ったり、手に止まったりといった行動を繰り返した後、再びレベッカ先生の肩に止まる。
フルートの可愛らしい行動に教室の雰囲気がとても和やかなものに変わる。
和やかな雰囲気のまま、いよいよ授業が始まると思った矢先に、一人の生徒の発言で全てが一変した。
「はっ。召喚学の教師が女性とはな」
---
2/25 一部の文章を訂正しました。
誤: 「けっ。女が先生かよ」
正:「はっ。召喚学の教師が女性とはな」
「一般教養の教室の3倍ぐらいの広さはあるんじゃないか?」
「召喚獣の授業は貴族科の生徒たちにも人気の授業だからね。一年生のほぼ全員が受講してるんじゃないかなー?」
つい話に夢中になってしまい、教室に到着したのは授業開始5分前だった。召喚学の教室は一年生全員が席につけるほどの広い教室だった。階段教室になっていて、机と机の間に通路があり、四列の長机が扇状に設置されていた。既に席はほぼ埋まっていて、一般科の生徒と貴族科の生徒で左右二列にきれいに別れていた。教室の中にはいると、既に座っている貴族科の生徒の視線が一斉に私に集中するのがわかった。
「サラちゃん…」
アミーちゃんとキャシーちゃんが心配そうにこちらを見ていて、ハル君とフィン君は貴族科の生徒の視線から隠すように私たちを背中にかばってくれる。
「みんな、ありがとう。でも、大丈夫だから、早く席につこう?」
四人の優しさがとても嬉しくって、思わずアミーちゃんとキャシーちゃんの片腕に抱きつき、そのままみんなを促して空いている席に向かう。四人に言った通り、貴族科の子たちのことはそんなに心配してなかった。
ガスト校長先生が入学式の時に念押ししてくれたんだもん。問題ないはず。
それよりも、モスが貴族科の生徒たちを無表情に見つめているのがとても気になる。
昨日、教室や学生寮で質問攻めにされてた時は普通だったのに、どうしたのかな?
(モス、あの、本当に私は大丈夫だからね?穏便に、穏便にだよ)
『ですが…、いえ、わかりました』
何か気になることでもあるのか言葉を濁してたけど、なんとか納得してくれたようでほっとする。
質問ぐらいなら既に昨日、教室や学生寮で質問攻めにされて耐性ができてるから大丈夫なのに、ふふっ、モスも心配性だなぁ。
まあ、学生寮では教室の時以上にたくさんの人に囲まれてしまって焦ったけれど。でも、リチャード先輩とラム先輩が私たちが押し潰されないように押し止めてくれて、ヒューイ先輩たちがその間にマリアさんを呼びにいってくれたことで、大きな混乱を招くことなく、事態を収縮することができた。
リチャード先輩とラム先輩、ヒューイ先輩たちには改めて助けてくれたお礼と黙っていたことを謝ったら、笑顔で許してくれた。本当に優しい先輩たちばかりだ。
結局時間も時間だったからか、貴族科の生徒に話しかけられることもなく授業開始のチャイムが鳴り、先生が教室に入ってきた。
「授業を始めます。皆さん席にお座りになって」
召喚学の先生は金髪碧眼の女性の先生だった。容姿もさることながら、所作や言葉使いがとても美しく、肩に赤い小鳥を乗せていた。先生の召喚獣かな?
『フェニックスとは珍しい』
モスが先生の肩に止まっている小鳥の姿を見て、軽く目を見張っていた。
モスに先生の召喚獣のことを聞こうとしたところで先生の自己紹介が始まり、そちらに意識が向く。
「わたくしがこの授業を受け持つことになりました、レベッカと申します。この子はフルートで、わたくしの召喚獣ですわ」
「ピュイッ!」
フルートは一声鳴くと、レベッカ先生の肩から飛びたち、挨拶代わりとばかりに生徒の肩や頭に乗ったり、手に止まったりといった行動を繰り返した後、再びレベッカ先生の肩に止まる。
フルートの可愛らしい行動に教室の雰囲気がとても和やかなものに変わる。
和やかな雰囲気のまま、いよいよ授業が始まると思った矢先に、一人の生徒の発言で全てが一変した。
「はっ。召喚学の教師が女性とはな」
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2/25 一部の文章を訂正しました。
誤: 「けっ。女が先生かよ」
正:「はっ。召喚学の教師が女性とはな」
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