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第3章 王立魔法学校入学編
149 入学式③
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壇上を降りる間も、みんなの視線が私に集中する。
視線を意識しないようにしつつ席に戻ると、アミーちゃんたちが「頑張ったね」と言って、笑顔で私を迎えてくれた。三人の変わらない様子になんだか嬉しくなる。
「でも、サラったら、歩く時に手と足が同時に出てたわよ」
「えっ?本当っ⁉️」
キャシーちゃんに言われて、壇上にあがる際に同じ側の手足を同時に出していたことを知る。道理で歩きにくいはずだ。
そんなたわいない話をしていたら、先生らしき人が、こちらにやって来た。
「みんな、入学おめでとう。私が今日から君たちを担任するモニカだ。よろしくな」
モニカ先生は肩で切り揃えられた紺色の髪に山吹色の瞳の女の先生だった。
背が高く すらりとしていて、話し方も相まって凛々しい印象を受けた。
貴族寮の生徒たちには、別の先生が話しかけていた。どうやら、その先生が貴族寮の生徒の担任の先生のようだった。
モニカ先生と貴族寮の先生の案内でこれから私たちが主に使う施設を見ていくことになった。
と言っても、施設の中には入らず外からの説明だったので、一時間ほどで終わった。
「では、最後に教室に案内する。そこでこれから使う教科書や授業内容の説明をするからな」
教室に到着すると、ここで貴族寮の生徒たちとはお別れのようで、隣の教室に入っていく。
「順番に席に座ってくれ」
並んでた順番に座ったので、アミーちゃんとは隣同士に、キャシーちゃんとハル君は後ろの席になった。
机の上には数冊の教科書と授業に関する資料や時間割りが置かれていた。
「時間割りは手元にあるな?」
モニカ先生の言葉を受けて、時間割りを手に持つ。
「時間割りの通り、授業を五日間受けたら、二日間はお休みだ。一日の授業時間としては1コマ一時間半で、午前中に2コマ、午後に2コマとなっている。ちなみに、五日目の最終日は毎週実施する教科が変わる。その週の教科に選ばれた授業を選択している生徒だけが受けるから、忘れないようにな」
授業は主に必修である一般教養の基礎魔法学や歴史、国語、数学、体術の授業の他に選択授業があった。
選択授業は様々な授業があって、召喚学や詠唱学、薬草学、光魔法、闇魔法、馬術、武術、美術、調理、商学、地理学、礼儀作法、舞踏などの中から5科目を選択する。
選択授業の場合は貴族寮の子達との合同授業になるらしい。
「朝のホームルームと一般教養の授業はこの教室で行う。今日はこの席だが、明日からは好きな席に座って良いからな」
「「「「「「「はーいっ」」」」」」」
「うん、いい返事だな」
みんなで元気に返事をすると、モニカ先生は口許をわずかにあげて笑う。
うむ。イケメンさんである。
「大体の授業の説明はしたわけだが、なにか質問はあるかな?」
「はいっ!」
モニカ先生の質問に茶色の瞳に水色の髪をおさげにした女の子が元気よく手を挙げる。眼鏡をかけていて、とても頭が良さそうだ。
学生寮で見かけた記憶がなかったので、つい最近来た子なのかな?
「何かな、レイラ君」
「私、宮廷魔術師になりたいんです!その場合はどの授業を選択した方がいいですが?」
宮廷魔術師って、確かお祖父さんが…。宮廷魔術師と聞いて、思わずレイラちゃんをまじまじと見てしまう。
「そう言うことなら説明が終わった後、個別に聞こう」
「ありがとうございますっ!」
モニカ先生の言葉にレイラちゃんは嬉しそうにお礼を言う。
既になりたい職業を決めてるなんて、すごいなぁ。
「他の生徒も授業の取り方で相談したいものは聞きに来るように」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
その他にもいくつかの注意事項をモニカ先生から聞いたあと、選択授業を決めることになった。
「では、他に特にないようであれば、説明はこれで終了だ。選択授業を決めたものから帰ってよし!」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
早速、選択授業の資料を片手に時間割りとにらめっこする。
「選び方によっては、午後に授業がない場合もあるんだね。みんなは何にするか決めた?」
「あたしは武術を選ぼうかな。家にいた時も宿に泊まった冒険者の人たちに親に内緒で教えてもらってたんだよね。それでもって、調理は絶対に選ばないわっ!」
「わたしは光魔法を選択するつもりよ。サラも回復魔法を使えるんだから、一緒にとりましょうよ!」
「俺は馬術と剣術は選択するかな。後は召喚学も!」
みんなとワイワイ話ながら選択授業を選んでいく。
召喚学は絶対でしょ?あとは使う機会のなかった闇魔法も気になるなぁ。
悩んで最終的に決めたのは、召喚学と詠唱学、薬草学、光魔法、闇魔法にした。
「詠唱学とるの?サラって無詠唱で魔法が使えるんじゃなかったっけ?」
選んだ科目をみんなで見せあっていたら、キャシーちゃんに指摘される。
確かに、呪文は必要ないのだけど、とある理由で呪文も覚えておこうと決めたのだ。
ちなみにアミーちゃんは召喚学、薬草学、武術、商学、礼儀作法を、キャシーちゃんは召喚学と光魔法、薬草学、調理、礼儀作法を、ハル君は召喚学と詠唱学、薬草学、武術、馬術を選択した。
「うん。でも、前に適当な呪文を唱えたらアランさんに笑われちゃったから。もうちょっと格好いい呪文を覚えたくって」
あれは、フェリシアの尻尾をソリで滑っていたときの事だ。とっさに詠唱がでなくって「スピードよ出ろー」なんて、微妙な詠唱になってしまった。あれは我ながら格好悪かったと思う。
キャシーちゃんとアミーちゃんは無詠唱が使えるのにわざわざ詠唱学を勉強しなくてもと呆れてたけど、ハル君は私の気持ちがよくわかるみたいで、「詠唱はロマンだよな」って言ってくれた。
よーし!頑張って勉強して格好いい詠唱を習得するぞ!
---
2/19 話の内容を少し変更しました。
選択授業の種類やサラたちが選んだ選択授業の内容を変更しました。
それにともなって、会話の内容も少し変更してあります。
視線を意識しないようにしつつ席に戻ると、アミーちゃんたちが「頑張ったね」と言って、笑顔で私を迎えてくれた。三人の変わらない様子になんだか嬉しくなる。
「でも、サラったら、歩く時に手と足が同時に出てたわよ」
「えっ?本当っ⁉️」
キャシーちゃんに言われて、壇上にあがる際に同じ側の手足を同時に出していたことを知る。道理で歩きにくいはずだ。
そんなたわいない話をしていたら、先生らしき人が、こちらにやって来た。
「みんな、入学おめでとう。私が今日から君たちを担任するモニカだ。よろしくな」
モニカ先生は肩で切り揃えられた紺色の髪に山吹色の瞳の女の先生だった。
背が高く すらりとしていて、話し方も相まって凛々しい印象を受けた。
貴族寮の生徒たちには、別の先生が話しかけていた。どうやら、その先生が貴族寮の生徒の担任の先生のようだった。
モニカ先生と貴族寮の先生の案内でこれから私たちが主に使う施設を見ていくことになった。
と言っても、施設の中には入らず外からの説明だったので、一時間ほどで終わった。
「では、最後に教室に案内する。そこでこれから使う教科書や授業内容の説明をするからな」
教室に到着すると、ここで貴族寮の生徒たちとはお別れのようで、隣の教室に入っていく。
「順番に席に座ってくれ」
並んでた順番に座ったので、アミーちゃんとは隣同士に、キャシーちゃんとハル君は後ろの席になった。
机の上には数冊の教科書と授業に関する資料や時間割りが置かれていた。
「時間割りは手元にあるな?」
モニカ先生の言葉を受けて、時間割りを手に持つ。
「時間割りの通り、授業を五日間受けたら、二日間はお休みだ。一日の授業時間としては1コマ一時間半で、午前中に2コマ、午後に2コマとなっている。ちなみに、五日目の最終日は毎週実施する教科が変わる。その週の教科に選ばれた授業を選択している生徒だけが受けるから、忘れないようにな」
授業は主に必修である一般教養の基礎魔法学や歴史、国語、数学、体術の授業の他に選択授業があった。
選択授業は様々な授業があって、召喚学や詠唱学、薬草学、光魔法、闇魔法、馬術、武術、美術、調理、商学、地理学、礼儀作法、舞踏などの中から5科目を選択する。
選択授業の場合は貴族寮の子達との合同授業になるらしい。
「朝のホームルームと一般教養の授業はこの教室で行う。今日はこの席だが、明日からは好きな席に座って良いからな」
「「「「「「「はーいっ」」」」」」」
「うん、いい返事だな」
みんなで元気に返事をすると、モニカ先生は口許をわずかにあげて笑う。
うむ。イケメンさんである。
「大体の授業の説明はしたわけだが、なにか質問はあるかな?」
「はいっ!」
モニカ先生の質問に茶色の瞳に水色の髪をおさげにした女の子が元気よく手を挙げる。眼鏡をかけていて、とても頭が良さそうだ。
学生寮で見かけた記憶がなかったので、つい最近来た子なのかな?
「何かな、レイラ君」
「私、宮廷魔術師になりたいんです!その場合はどの授業を選択した方がいいですが?」
宮廷魔術師って、確かお祖父さんが…。宮廷魔術師と聞いて、思わずレイラちゃんをまじまじと見てしまう。
「そう言うことなら説明が終わった後、個別に聞こう」
「ありがとうございますっ!」
モニカ先生の言葉にレイラちゃんは嬉しそうにお礼を言う。
既になりたい職業を決めてるなんて、すごいなぁ。
「他の生徒も授業の取り方で相談したいものは聞きに来るように」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
その他にもいくつかの注意事項をモニカ先生から聞いたあと、選択授業を決めることになった。
「では、他に特にないようであれば、説明はこれで終了だ。選択授業を決めたものから帰ってよし!」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
早速、選択授業の資料を片手に時間割りとにらめっこする。
「選び方によっては、午後に授業がない場合もあるんだね。みんなは何にするか決めた?」
「あたしは武術を選ぼうかな。家にいた時も宿に泊まった冒険者の人たちに親に内緒で教えてもらってたんだよね。それでもって、調理は絶対に選ばないわっ!」
「わたしは光魔法を選択するつもりよ。サラも回復魔法を使えるんだから、一緒にとりましょうよ!」
「俺は馬術と剣術は選択するかな。後は召喚学も!」
みんなとワイワイ話ながら選択授業を選んでいく。
召喚学は絶対でしょ?あとは使う機会のなかった闇魔法も気になるなぁ。
悩んで最終的に決めたのは、召喚学と詠唱学、薬草学、光魔法、闇魔法にした。
「詠唱学とるの?サラって無詠唱で魔法が使えるんじゃなかったっけ?」
選んだ科目をみんなで見せあっていたら、キャシーちゃんに指摘される。
確かに、呪文は必要ないのだけど、とある理由で呪文も覚えておこうと決めたのだ。
ちなみにアミーちゃんは召喚学、薬草学、武術、商学、礼儀作法を、キャシーちゃんは召喚学と光魔法、薬草学、調理、礼儀作法を、ハル君は召喚学と詠唱学、薬草学、武術、馬術を選択した。
「うん。でも、前に適当な呪文を唱えたらアランさんに笑われちゃったから。もうちょっと格好いい呪文を覚えたくって」
あれは、フェリシアの尻尾をソリで滑っていたときの事だ。とっさに詠唱がでなくって「スピードよ出ろー」なんて、微妙な詠唱になってしまった。あれは我ながら格好悪かったと思う。
キャシーちゃんとアミーちゃんは無詠唱が使えるのにわざわざ詠唱学を勉強しなくてもと呆れてたけど、ハル君は私の気持ちがよくわかるみたいで、「詠唱はロマンだよな」って言ってくれた。
よーし!頑張って勉強して格好いい詠唱を習得するぞ!
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2/19 話の内容を少し変更しました。
選択授業の種類やサラたちが選んだ選択授業の内容を変更しました。
それにともなって、会話の内容も少し変更してあります。
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