私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第2章 王都へ

135 全員集合

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「んー?後ろでまとめるのって難しいね」
「にゃー?」

いつもとは違う髪型に悪戦苦闘しつつ、何とか髪をまとめる。

「よし、できたっ!マーブル似合う?」
「にゃん♪」
「えへへ!ありがとう」

いよいよ今日は国王様との謁見の日だ。
緊張するけど、私には心強い味方がたくさんいるもんね。

『姐さん、そろそろみんなを呼んだ方が良いんじゃねぇか?』
「あ!そうだね」

今呼ばないと謁見までの間に呼ぶ時間がないかも。
あれ?でも、何て呼べばいいんだろう?
首をかしげていると、リードが楽しそうに教えてくれた。

『名前を呼んでやりな。すぐにやって来るから』
「うん。アクア!ティネ!モス様!」
『『『はい』』』

それは一瞬の事だった。
私とマーブルの正面にみんながいつの間にか跪いていて、呼んだのは私なのにびっくりする。
前の時もそうだったけど、いつ来たのか全然わからなかった。
久しぶりに全員が揃うとその美しすぎる美貌に目がチカチカしてしまう。

「み、みんな久しぶりだね。特にモス様はあの時以来だから、三ヶ月ぶりですね」

気を取り直して、みんなに話しかけるけれど、何故かモス様は眉をひそめてこちらを見ている。
な、何か怒らせるようなこと言っちゃったかな?
モス様は他の精霊様よりも威厳があって、なんだか緊張しちゃうんだよね。

『サラ様、他のものは呼び捨てのようですが』
「う、うん。みんながそっちの方が良いって。ダメでしたか?」
『うふふっ!モスも呼び捨てで呼んで欲しいのよね?素直におねだりすれば良いのに』
『私はただ、精霊王様を差し置いて私だけが様付けなのはどうかと思っただけでっ!』

ティナの言葉を慌てて否定してるけれど、ティナの言うことが真実なのだとその態度が物語っていた。

「じゃあ、モスの事も呼び捨てで呼ばせてもらいますね?」
『…敬語も不要です』
「えへへ、わかった。じゃあ、そうさせてもらうね」
『はい』

今も眉をひそめてるけれど、もしかして怒ってるんじゃなくて照れてるのかな?
そう思ったら一気に親近感がわく。
来月はリードの代わりにモスが側にいてくれることになってるから、仲良くしてもらえるか不安だったけれど、この様子なら心配しなくても大丈夫そう。

『ここがサラ様の仮宿ですの?』

アクアは静かだなと思っていたら、興味深げに部屋の様子を見ていた。

「うん!学校に通う間はここで暮らすんだよ。一人部屋だから、この部屋にいる間は周りを気にしないでみんなとお話しできるから」
『姐さん、そろそろ部屋を出た方がいいんじゃないか?』
「本当だっ!リード、ありがとう!早く行かないとっ」

何のためにみんなを呼んだのか忘れるところだった。
慌ててマーブルを腕に抱き、部屋を出ようとして、肝心なことを忘れていたことに気づく。

『サラ様?どうされましたかな?』
「あの、今日はよろしくお願いします!」

今日はみんなの力を借りるわけだから、ちゃんとお願いしないとね!
突然立ち止まった私を不思議そうに見ているみんなに向かって、改めてお願いする。みんなは少し驚いた顔をした後、すぐに返事をしてくれた。


『『『『サラ様の仰せのままに』』』』



…でも、跪くのはやりすぎじゃないかな?


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