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第2章 王都へ
127 キャシーちゃんは起きられない
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「にゃーんっ!」
「んー?もう朝?」
「にゃんっ!」
『はよっ』
「おはよう」
何時ものようにマーブルに起こしてもらい、ベットから降りる。
身支度を整えて扉を開けると、タイミングよくアミーちゃんが部屋から出てくるところだった。
「アミーちゃん、おはようっ」
「おはよう!バッチリなタイミングね」
「うん!キャシーちゃんは?」
「まだ、寝てるようね」
アミーちゃんに駆け寄って、キャシーちゃんの事を聞く。どうやら、キャシーちゃんは部屋の中のようだ。
「朝食の時間もあるし、起こしましょう」
「そうだね」
二人で頷き合い、扉を叩く。
トントンッ!
「キャシー!もう朝よっ。起きなさい!」
「へっ?あっ!」
バサバサッ、ドスンッ!
「いったぁ~!」
部屋の中からすごい音がしたと思ったら、キャシーちゃんの痛がる声が聞こえる。
「どうやら、ベットから落ちたようね」
「キ、キャシーちゃん、大丈夫?」
「す、すぐ行くからちょっと待って!」
呼び掛けると返答があり、しばらくキャシーちゃんがドタバタしてる音が聞こえてくる。
「旅の間も思ったけど、あの子って朝が弱いわね」
「今までは同じ部屋だったから起こせたけど、これから一人で大丈夫か心配だね」
「なるべく二人で起こしてあげましょうか」
「うん!」
二人で話していると、扉が開かれる。
「お、お待たせっ!」
キャシーちゃんは相当急いだようで、肩で息をしていた。
「キャシーちゃん、大丈夫?」
「な、何とか」
「 ほら、深呼吸して」
「すーっ、はーっ」
深呼吸を何度か繰り返してなんとか落ち着くと、三人で食堂に向かう。
食堂に行くまでの間に何人かの先輩が挨拶してくれる。
「おはよう!」
「「「おはようございます」」」
先輩方は歩くのが早くって、あっという間に追い抜かれてしまう。
「あたしたちも急ぎましょ」
「うん」「そうね」
少し早歩きで歩いていると、寮母室の前でマリアさんに呼び止められる。
「三人ともおはよう」
「「「おはようございますっ」」」
「昨日はよく眠れたかしら?」
「「「はいっ」」」
「なら、良かった」
三人でマリアさんに元気よく返事する。
「サラ、朝食の後に寮母室によってもらえるかしら?」
「は、はい」
マリアさんの言葉にどきりとする。やっぱり昨日の事が問題に?
私の不安な思いが表情に出ていたのか、マリアさんが安心させるように微笑んで、私の耳元に顔を近づけると理由を教えてくれる。
「フェビラル様がいらしたの。朝食が終わり次第、校長室に案内するわ」
「っ!わかりましたっ」
いよいよこれからの事の話し合いが行われるんだ。
ご飯を食べ終わってからで良いとのことだったので、マリアさんとは一旦別れてみんなと食堂に向かう。
「マリアさんは何だって?」
「神官長様がいらっしゃったって。ご飯を食べ終わったら、マリアさんが校長室まで連れていってくれるそうなの」
「じゃあ、サラちゃんが昨日言ってたように、予定をそこで決めるのかな?」
「だと思う」
「じゃあ、あたしたちは談話室で待ってるね」
「うん!」
食堂の前にはハル君がすでにいて、私たちを待っていてくれた。
「「「おはよう」」」
「おはよう!」
みんなで挨拶し合い、食堂の中にはいる。知り合いがいるか探すけど、ヒューイ先輩たちはまだ来てないみたいだ。自分のご飯を受け取った後、マーブルのご飯を取りに向かう。ファムたちがいるかなと思ったけど、残念ながらこちらも部屋には誰もいなかった。
席に戻った後はいつものメンバーでご飯を食べる。
「昨日三人で話してたんだけど、今日は談話室で学校が始まる前に何をするか決めない?」
「わたしは王都観光がしたいって話してたの。ハル君は何がしたい?」
「王都は広いから、目的を決めて行く方がいいもんな。どうせなら談話室にいる先輩に相談してみようぜ」
「それは良いわね!」
みんなの楽しそうな顔を見て、一緒に話せないのが残念に思う。
でも、フェ様とのお話が終われば私も参加できるはずと気を取り直す。
「私は最初は参加できないけど、終わり次第すぐに行くからっ!」
「ん?何でだ?」
「神官長様が学校に来たんだって」
「じゃあ、えっけむぐっ!」
「こんな人が多いところでしゃべらないっ!」
ハル君が謁見と言いかけたところで、すかさずアミーちゃんがハル君の口を塞ぐ。アミーちゃんの気遣いはとても嬉しいけど、ハル君の口だけじゃなく鼻まで塞いじゃってるよ!
「むぐーっ!」
「アミーちゃん、鼻、鼻っ!」
「ハル君が苦しがってるから!」
「あ、ごめん」
アミーちゃんが手を離すと、ハル君はしばらく苦しそうにしていた。
「あー、死ぬかと思った」
「悪かったわよ。でも、こんなところで話したら、他の人に聞こえちゃうでしょ!」
「あ、そうか。サラ、ごめんな」
「大丈夫。アミーちゃん、ありがとうね」
「どういたしまして」
ご飯を食べ終わった後、食堂で三人と別れて寮母室に向かう。
トントン
「サラです」
声をかけると、部屋からマリアさんが出てきた。
「では、向かいましょうか」
「はいっ」
「んー?もう朝?」
「にゃんっ!」
『はよっ』
「おはよう」
何時ものようにマーブルに起こしてもらい、ベットから降りる。
身支度を整えて扉を開けると、タイミングよくアミーちゃんが部屋から出てくるところだった。
「アミーちゃん、おはようっ」
「おはよう!バッチリなタイミングね」
「うん!キャシーちゃんは?」
「まだ、寝てるようね」
アミーちゃんに駆け寄って、キャシーちゃんの事を聞く。どうやら、キャシーちゃんは部屋の中のようだ。
「朝食の時間もあるし、起こしましょう」
「そうだね」
二人で頷き合い、扉を叩く。
トントンッ!
「キャシー!もう朝よっ。起きなさい!」
「へっ?あっ!」
バサバサッ、ドスンッ!
「いったぁ~!」
部屋の中からすごい音がしたと思ったら、キャシーちゃんの痛がる声が聞こえる。
「どうやら、ベットから落ちたようね」
「キ、キャシーちゃん、大丈夫?」
「す、すぐ行くからちょっと待って!」
呼び掛けると返答があり、しばらくキャシーちゃんがドタバタしてる音が聞こえてくる。
「旅の間も思ったけど、あの子って朝が弱いわね」
「今までは同じ部屋だったから起こせたけど、これから一人で大丈夫か心配だね」
「なるべく二人で起こしてあげましょうか」
「うん!」
二人で話していると、扉が開かれる。
「お、お待たせっ!」
キャシーちゃんは相当急いだようで、肩で息をしていた。
「キャシーちゃん、大丈夫?」
「な、何とか」
「 ほら、深呼吸して」
「すーっ、はーっ」
深呼吸を何度か繰り返してなんとか落ち着くと、三人で食堂に向かう。
食堂に行くまでの間に何人かの先輩が挨拶してくれる。
「おはよう!」
「「「おはようございます」」」
先輩方は歩くのが早くって、あっという間に追い抜かれてしまう。
「あたしたちも急ぎましょ」
「うん」「そうね」
少し早歩きで歩いていると、寮母室の前でマリアさんに呼び止められる。
「三人ともおはよう」
「「「おはようございますっ」」」
「昨日はよく眠れたかしら?」
「「「はいっ」」」
「なら、良かった」
三人でマリアさんに元気よく返事する。
「サラ、朝食の後に寮母室によってもらえるかしら?」
「は、はい」
マリアさんの言葉にどきりとする。やっぱり昨日の事が問題に?
私の不安な思いが表情に出ていたのか、マリアさんが安心させるように微笑んで、私の耳元に顔を近づけると理由を教えてくれる。
「フェビラル様がいらしたの。朝食が終わり次第、校長室に案内するわ」
「っ!わかりましたっ」
いよいよこれからの事の話し合いが行われるんだ。
ご飯を食べ終わってからで良いとのことだったので、マリアさんとは一旦別れてみんなと食堂に向かう。
「マリアさんは何だって?」
「神官長様がいらっしゃったって。ご飯を食べ終わったら、マリアさんが校長室まで連れていってくれるそうなの」
「じゃあ、サラちゃんが昨日言ってたように、予定をそこで決めるのかな?」
「だと思う」
「じゃあ、あたしたちは談話室で待ってるね」
「うん!」
食堂の前にはハル君がすでにいて、私たちを待っていてくれた。
「「「おはよう」」」
「おはよう!」
みんなで挨拶し合い、食堂の中にはいる。知り合いがいるか探すけど、ヒューイ先輩たちはまだ来てないみたいだ。自分のご飯を受け取った後、マーブルのご飯を取りに向かう。ファムたちがいるかなと思ったけど、残念ながらこちらも部屋には誰もいなかった。
席に戻った後はいつものメンバーでご飯を食べる。
「昨日三人で話してたんだけど、今日は談話室で学校が始まる前に何をするか決めない?」
「わたしは王都観光がしたいって話してたの。ハル君は何がしたい?」
「王都は広いから、目的を決めて行く方がいいもんな。どうせなら談話室にいる先輩に相談してみようぜ」
「それは良いわね!」
みんなの楽しそうな顔を見て、一緒に話せないのが残念に思う。
でも、フェ様とのお話が終われば私も参加できるはずと気を取り直す。
「私は最初は参加できないけど、終わり次第すぐに行くからっ!」
「ん?何でだ?」
「神官長様が学校に来たんだって」
「じゃあ、えっけむぐっ!」
「こんな人が多いところでしゃべらないっ!」
ハル君が謁見と言いかけたところで、すかさずアミーちゃんがハル君の口を塞ぐ。アミーちゃんの気遣いはとても嬉しいけど、ハル君の口だけじゃなく鼻まで塞いじゃってるよ!
「むぐーっ!」
「アミーちゃん、鼻、鼻っ!」
「ハル君が苦しがってるから!」
「あ、ごめん」
アミーちゃんが手を離すと、ハル君はしばらく苦しそうにしていた。
「あー、死ぬかと思った」
「悪かったわよ。でも、こんなところで話したら、他の人に聞こえちゃうでしょ!」
「あ、そうか。サラ、ごめんな」
「大丈夫。アミーちゃん、ありがとうね」
「どういたしまして」
ご飯を食べ終わった後、食堂で三人と別れて寮母室に向かう。
トントン
「サラです」
声をかけると、部屋からマリアさんが出てきた。
「では、向かいましょうか」
「はいっ」
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