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第2章 王都へ
124 狼の主
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「おまたせ。貴女がサラさん?」
ラム先輩は青色の髪と青色の瞳の少女だった。髪はこの国の女性には珍しいことに男性のように短い。でも、中性的な顔立ちのラム先輩にはとても似合っていた。
「は、はい!私がサラです」
椅子から立ち上がり、ラム先輩に挨拶すると、「私がラムよ。よろしくね」と優しく微笑みながら、挨拶してくれた。
「私に用って何かしら?」
「あの、うちのマーブルがラム先輩の狼さんに怪我を負わせてしまって。本当に申し訳ありませんでしたっ!」
ラム先輩に向かって、がばりと頭を下げる。
「え?ファムの事?マーブルって?」
一刻も早く謝らなければと言う気持ちが強すぎて、説明が不十分だったようだ。ラム先輩の戸惑う声が聞こえてくる。
「マーブルはこの子です。どうも私が狼さんに興味を持ったのが嫌だったみたいで、狼さんの鼻をバリッと」
抱えていたマーブルをラム先輩の前に掲げて見せると、マーブルの正体が猫だったことに驚いたようで目と口をあんぐりと開けている。
「ゲオルドとファムが何故かサラちゃんの周りをぐるぐると回ったと思ったら、ポシェットにファムが鼻を突っ込んだんです。だから、ポシェットの中にいたマーブルも驚いちゃったんだと思います。それにサラちゃんが回復魔法で怪我は治してたから、今はもう怪我してませんよ」
「ヒューイ先輩…」
ヒューイ先輩の庇うような発言に胸がジーンとする。
なんて優しい先輩なんだろう!
でも、全面的にこちらが悪いので、もう一度ラム先輩に謝ろうと口を開くけど、その前にラム先輩に止められる。
「ちょ、ちょっと待って。ファムが猫に負けたの?本当に?」
「はい。ちょっと、ボクも信じられないんですけど、最後はゲオルドも一緒になって、お腹を見せてました」
「「「「「はぁっ⁉️」」」」」
ヒューイ先輩の言葉に、今度はラム先輩だけではなく一緒の席についていたヒューイ先輩以外の先輩たちまで驚きの声をあげている。
特にリチャード先輩は自分の使い魔と言うこともあって、驚きもひとしおのようだ。
「あのゲオルドが?てか、ゲオルドが何で?」
「さあ?ファムがしたから、つられてですかね」
「いやいや。おかしいだろう」
「ここで話してても埒が明かないわ。ファムたちに会いに行きましょう。サラさんも一緒に来てくれる?」
「はいっ」
こうして私たちは再び、ファムたちの元に行くことになった。
アミーちゃんたちやジョン先輩たちも興味があるようで一緒に行くことになった。
「ファム!」
「わうっ!」
二匹はさすがに先程の体勢のままではなかった。ラム先輩の声にファムは尻尾を振ってこちらにやって来る。
ゲオルドもリチャード先輩を見つけて、嬉しそうに近づいてきた。
「あなた猫に負けちゃったの?」
「がうっ?」
ラム先輩の言葉にファムは首をかしげるとラム先輩に体をすりよせる。
「怪我は無いのよねぇ。あ。治したって言ってたわね?」
「あ、はい!そうです」
「きゃんっ⁉️」
「キュピッ⁉️」
私の姿を見たファムとゲオルドの体が一瞬飛び上がる。
主人の前だからか、お腹を見せることはなかったけれど、足の間に尻尾を挟んでいるので、怖がっているのはまるわかりだ。
「ファムって狼の事だったんだ」
「狼やグリフォンが猫に怯えるなんて」
アミーちゃんたちもまさかマーブルが狼に怪我をさせたとは思わなかったみたいで驚いていた。
『精霊王さんが一瞬だけ魔力を解放して、脅かしたからなぁ。相当怖かったんじゃないか?』
「マーブル…」
「に、にー…」
マーブルを見ると反省したように耳をぺたりと後ろに倒してこちらの様子を伺っている。
でも、怪我をさせるのはやりすぎだし、それに魔力でも脅していたなんてっ!
ここは心を鬼にして部屋に戻ったら本格的にお説教しなくては。
ラム先輩は青色の髪と青色の瞳の少女だった。髪はこの国の女性には珍しいことに男性のように短い。でも、中性的な顔立ちのラム先輩にはとても似合っていた。
「は、はい!私がサラです」
椅子から立ち上がり、ラム先輩に挨拶すると、「私がラムよ。よろしくね」と優しく微笑みながら、挨拶してくれた。
「私に用って何かしら?」
「あの、うちのマーブルがラム先輩の狼さんに怪我を負わせてしまって。本当に申し訳ありませんでしたっ!」
ラム先輩に向かって、がばりと頭を下げる。
「え?ファムの事?マーブルって?」
一刻も早く謝らなければと言う気持ちが強すぎて、説明が不十分だったようだ。ラム先輩の戸惑う声が聞こえてくる。
「マーブルはこの子です。どうも私が狼さんに興味を持ったのが嫌だったみたいで、狼さんの鼻をバリッと」
抱えていたマーブルをラム先輩の前に掲げて見せると、マーブルの正体が猫だったことに驚いたようで目と口をあんぐりと開けている。
「ゲオルドとファムが何故かサラちゃんの周りをぐるぐると回ったと思ったら、ポシェットにファムが鼻を突っ込んだんです。だから、ポシェットの中にいたマーブルも驚いちゃったんだと思います。それにサラちゃんが回復魔法で怪我は治してたから、今はもう怪我してませんよ」
「ヒューイ先輩…」
ヒューイ先輩の庇うような発言に胸がジーンとする。
なんて優しい先輩なんだろう!
でも、全面的にこちらが悪いので、もう一度ラム先輩に謝ろうと口を開くけど、その前にラム先輩に止められる。
「ちょ、ちょっと待って。ファムが猫に負けたの?本当に?」
「はい。ちょっと、ボクも信じられないんですけど、最後はゲオルドも一緒になって、お腹を見せてました」
「「「「「はぁっ⁉️」」」」」
ヒューイ先輩の言葉に、今度はラム先輩だけではなく一緒の席についていたヒューイ先輩以外の先輩たちまで驚きの声をあげている。
特にリチャード先輩は自分の使い魔と言うこともあって、驚きもひとしおのようだ。
「あのゲオルドが?てか、ゲオルドが何で?」
「さあ?ファムがしたから、つられてですかね」
「いやいや。おかしいだろう」
「ここで話してても埒が明かないわ。ファムたちに会いに行きましょう。サラさんも一緒に来てくれる?」
「はいっ」
こうして私たちは再び、ファムたちの元に行くことになった。
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「ファム!」
「わうっ!」
二匹はさすがに先程の体勢のままではなかった。ラム先輩の声にファムは尻尾を振ってこちらにやって来る。
ゲオルドもリチャード先輩を見つけて、嬉しそうに近づいてきた。
「あなた猫に負けちゃったの?」
「がうっ?」
ラム先輩の言葉にファムは首をかしげるとラム先輩に体をすりよせる。
「怪我は無いのよねぇ。あ。治したって言ってたわね?」
「あ、はい!そうです」
「きゃんっ⁉️」
「キュピッ⁉️」
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主人の前だからか、お腹を見せることはなかったけれど、足の間に尻尾を挟んでいるので、怖がっているのはまるわかりだ。
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「マーブル…」
「に、にー…」
マーブルを見ると反省したように耳をぺたりと後ろに倒してこちらの様子を伺っている。
でも、怪我をさせるのはやりすぎだし、それに魔力でも脅していたなんてっ!
ここは心を鬼にして部屋に戻ったら本格的にお説教しなくては。
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