私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第2章 王都へ

103 観光④

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「「「「「いらっしゃいませ」」」」」

お店に入った途端に、お店の人から一斉に挨拶された。
すぐに一人の店員さんがこちらに近づいてくる。

「シーラ様とマーヴェイ様でしょうか?」
「え?そうですが、どうして私たちの名前をご存じなんですか?」

突然、店員さんに名前を呼ばれて、マーヴェイさんがすぐに私たちを背にかばい、シーラさんが警戒するように問いかける。

「クラウジアから先程ご連絡がありまして、二人の冒険者と四人のお子様がお見えになったら、個室にご案内するようにと」
「クラウジアさんが?」
「クラウジアはこの店のオーナーですので」

そう言って、私たちを個室に連れて行ってくれた。
店内は明るく広々としていて、その中を店員さんが華麗に歩き回り、お客さんにお水を出したり、注文を受けたりしていた。
席につくと、女性陣の一人一人に椅子を引いて座らせてくれ、メニューを渡してくた。

「至れり尽くせりね」

シーラさんが感心したように呟く。

「クラウジアから皆さんからのお代は不要とお聞きしております。どうぞ好きなものをお選びください」
「え?でも」
「ご注文が決まりましたら、お呼びください。では、失礼いたします」

私たちの言葉を待たず、すぐに店員さんは個室を去ってしまう。

「行っちゃった」
「お金はいらないって、良いのかな?」
「まぁ、店員さんに言っても仕方がないし、今回はお言葉に甘えましょうか。その代わりお土産屋でクラウジアさんに何か買っていきましょう」
「「「はいっ」」」
「俺はクラウジアさんの息子に土産買っていく!」
「あっ!それも良いね!」

シーラさんの提案にみんなで何をお土産に買おうか盛り上がる。 

「ふふ。今は何を食べるか選んだら?」
「「「「はーいっ」」」」
「サラちゃん、何にする?」
「うーん。たくさんあって悩んじゃうね」
「俺、絶対これにする!」
「わたしは苺味がいいかなぁ」

みんなであれやこれや考えながら、メニューを決めていく。
机の上にある呼び鈴を鳴らすと、すぐに店員さんがやって来て注文を聞いてくれた。

「しばらくお待ちください」

みんなでワクワクしながら、ジェラートがやって来るのを待つ。
しばらくすると、店員さんがカートを引いてやってくる。

「お待たせいたしました」

カートの上には私たちが注文したジェラートが乗っていた。

「「「「わあっ!」」」」
「どうぞ」

私は桃のジェラートを頼んでいた。
ジェラートには桃の果実が綺麗に盛り付けられていて、とっても美味しそうだ。

「この時期に苺が食べられるなんてっ!」

キャシーちゃんが目を輝かせてジェラートに釘つけになっている。

「では、いただきます」
「「「「いただきまーすっ」」」」
「…ます」

器を手で持つと、ひんやりと冷たい。
ジェラートをスプーンですくって口にいれる。
口にいれた瞬間にジェラートはふんわりととろけた。

「んーっ!」

思わず声が出てしまうほど、冷たくて美味しかった。この冷たさは、海でさんざん遊んで火照った体には心地よい。

「にゃっ、にゃっ!」
「マーブルも食べたいの?」
「にゃん♪」

ずっと大人しくしていたマーブルがポシェットから顔をだして、必死で鳴いている。

「んー、アイスは冷たすぎるから、桃でもよい?」
「にゃんっ♪」

桃を小さくカットして、手のひらに乗せる。

「はい。どうぞ」
「にゃーんっ」
「美味しい?」
「にゃんっ♪」

マーブルも大満足のようだ。
美味しくって、あっという間に食べ終わってしまう。

「美味しかったー」
「ジェラートもだけど、果物も瑞々しくって美味しかったね」
「うまかった!」
「苺も美味しかったよっ」

みんなで口々に感想を言い合いながら、お店を出る。

「「「「ありがとうございました」」」」

お店を出る際に、店員さんたちに一斉にこちらに頭を下げられ、店内にいた人の注目を浴びる。

「「「「「ご、ご馳走さまでしたっ!」」」」」

私たちは慌ててその場を後にした。


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