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第2章 王都へ
100 観光①
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停留所には三人の神父様が既にいて、フェ様を待っていた。
「お待ちしておりました」
フェ様に向かって一斉に頭を下げると、私たちを馬車まで案内しようと進み出る。
「あー、せっかく待ってくれていたのに申し訳ないが、今日はクラウジア殿の家に誘われて泊まることになってな」
「お久しぶりです」
「「「クラウジア殿⁉️」」」
フェ様がクラウジアさんを紹介すると、神父様がクラウジアさんを見て驚いている。
「フェビラル様とクラウジア殿がなぜご一緒に?」
神父様たちとクラウジアさんは知り合いだったみたいで、二人が一緒の姿を見て不思議そうにしている。
「町に帰る途中で、盗賊団に襲われましてね。あわやの所を救ってもらったんです。その命の恩人たちを是非我が家でもてなしたいと誘わせてもらいました」
「盗賊団ですか⁉️よくご無事で」
「今回はさすがに死ぬかと思いましたよ」
「それで、あの。盗賊団はどこに?」
盗賊団も一緒に連れてきたと思ったのか、一人の神父様が恐々と辺りを見回している。
「私の護衛たちが後から連れてきます。そんな訳で、フェビラル神官長様たちは我が家で泊まってもらうので、そのように神官長様に伝えてもらえないですか?もちろん私からも後で連絡を入れさせてもらいますので」
「しかし」
「頼みます!私を恩知らずにさせないでください」
さすがに神父様の独断で判断できないのか、迷うようにお互いの顔を見合わせている。
「王都から戻るときは必ず寄るので、今回はクラウジア殿の言う通りにしてくれ」
見かねたフェ様が声をかけ、ようやく神父様たちは納得してくれた。
「わかりました。では、せめて馬車はそのままお好きにお使いください」
「見たところクラウジア殿の家のものはどなたもいないようだ。馬車を呼ぶにも時間がかかるでしょう」
「馬車は2台ございますので、全員乗ることが可能です」
「よろしいのですか?」
「「「はい」」」
神父様たちのご厚意で、私たちは馬車を使わせてもらうことになった。
「「「「ありがとうございます」」」」
神父様たちにみんなでお礼を言う。
「皆様のこれからの旅路が幸多からんことをお祈りしています」
神父様たちはそう言うと、その場を去っていった。
「さて、馬車は二台あることだから、クラウジア殿の家に行くものと、観光に行くものとに別れて乗りましょうか」
フェ様の指示のもと、私たちは二手に別れることになった。
フェ様とクラウジアさんはアランさんの護衛でクラウジアさんの家に。
私たち四人はシーラさんとマーヴェイさんの護衛で、そのまま観光に行くことになった。
「本当にこのまま観光に行って良いんですか?」
「神父様に怒られないかな?」
一度クラウジアさんの家に行くものと思っていたので、本当に良いのか心配になる。
それに神父様からお借りした馬車で遊びに行っても良いのだろうか?
気になることが多すぎて、素直に喜べない私たち。
「好きに使って良いといってたんだから大丈夫でしょう」
そんな私たちとは裏腹にフェ様はあっけらかんとしている。
「私のことは気にせず、このまま観光を楽しんでおいで。本当は私がフィッツ町の見所を案内できれば良いんだけど、この花を一刻も早く息子に届けたいので、申し訳ない」
クラウジアさんの手元を見ると、最初に見たときよりも、少し花びらが開きかけていた。
「あ!花が少し開いてる」
「本当だ!」
「おじさん、早く家に帰らないと!」
「引き止めちゃって、ごめんなさい」
「気にかけてくれて、ありがとう。でも、まだ大丈夫。そうだ!ここの町は魚料理だけでなく、スイーツも有名なんだ。その中でもトトマという店のジェラートは美味しいと評判なんだよ。是非、行ってごらん。冷たくって、美味しくって、きっと気に入ると思うよ!」
「じぇらーと?」
「アミー、あんた知ってる?」
「ううん。初めて聞くわ」
「ごくりっ」
クラウジアさんの言葉に私たちの妄想は膨らむばかりだ。
「では、四人を頼んだぞ」
「かしこまりました。あの、アラン…」
「俺は神官長たちを無事に届けたら、ギルドに行ってくるよ」
「ついて行かなくて、大丈夫か?」
「いい大人なんだから、大丈夫さ。お前たちも後から呼ばれるとは思うから、その時はよろしくな」
「ええ」「ん」
アランさんは一人でギルドに行くつもりなんだ。
ギルドからの処罰がどんなものになるのか、わからず心配になる。
するといつのまにか私たちの後ろにいたフェ様がアランさんたちに聞こえないように、こっそりと教えてくれた。
「あまり重い処罰にならないよう、私からもギルドに伝えておくから。安心しなさい」
「「「「本当ですかっ!」」」」
「しっ。静かに。アランたちに聞こえてしまいますよ」
「「「「ごめんなさい」」」」
アランさんたちの方を見ると、特にこちらを気にしている様子はなくてほっとする。
「神官長様、今の話は本当ですか?」
今度はアランさんたちに聞こえないように、声をひそめて聞く。
「ええ。だから君たちは観光を楽しんできなさい」
「「「「はいっ!」」」」
私たちはフェ様に促されて、今度こそ馬車に乗り込む。
「アランさんたちと王都まで一緒に行けると良いわね」
「だな!俺、またアランさんにソリに乗せてもらいたいなぁ」
「わたしもメンバーが変わっちゃうのは嫌だな」
「良い結果になると良いね」
私たちの秘密のお話は、シーラさんたちが馬車に乗り込むまで続いた。
「お待ちしておりました」
フェ様に向かって一斉に頭を下げると、私たちを馬車まで案内しようと進み出る。
「あー、せっかく待ってくれていたのに申し訳ないが、今日はクラウジア殿の家に誘われて泊まることになってな」
「お久しぶりです」
「「「クラウジア殿⁉️」」」
フェ様がクラウジアさんを紹介すると、神父様がクラウジアさんを見て驚いている。
「フェビラル様とクラウジア殿がなぜご一緒に?」
神父様たちとクラウジアさんは知り合いだったみたいで、二人が一緒の姿を見て不思議そうにしている。
「町に帰る途中で、盗賊団に襲われましてね。あわやの所を救ってもらったんです。その命の恩人たちを是非我が家でもてなしたいと誘わせてもらいました」
「盗賊団ですか⁉️よくご無事で」
「今回はさすがに死ぬかと思いましたよ」
「それで、あの。盗賊団はどこに?」
盗賊団も一緒に連れてきたと思ったのか、一人の神父様が恐々と辺りを見回している。
「私の護衛たちが後から連れてきます。そんな訳で、フェビラル神官長様たちは我が家で泊まってもらうので、そのように神官長様に伝えてもらえないですか?もちろん私からも後で連絡を入れさせてもらいますので」
「しかし」
「頼みます!私を恩知らずにさせないでください」
さすがに神父様の独断で判断できないのか、迷うようにお互いの顔を見合わせている。
「王都から戻るときは必ず寄るので、今回はクラウジア殿の言う通りにしてくれ」
見かねたフェ様が声をかけ、ようやく神父様たちは納得してくれた。
「わかりました。では、せめて馬車はそのままお好きにお使いください」
「見たところクラウジア殿の家のものはどなたもいないようだ。馬車を呼ぶにも時間がかかるでしょう」
「馬車は2台ございますので、全員乗ることが可能です」
「よろしいのですか?」
「「「はい」」」
神父様たちのご厚意で、私たちは馬車を使わせてもらうことになった。
「「「「ありがとうございます」」」」
神父様たちにみんなでお礼を言う。
「皆様のこれからの旅路が幸多からんことをお祈りしています」
神父様たちはそう言うと、その場を去っていった。
「さて、馬車は二台あることだから、クラウジア殿の家に行くものと、観光に行くものとに別れて乗りましょうか」
フェ様の指示のもと、私たちは二手に別れることになった。
フェ様とクラウジアさんはアランさんの護衛でクラウジアさんの家に。
私たち四人はシーラさんとマーヴェイさんの護衛で、そのまま観光に行くことになった。
「本当にこのまま観光に行って良いんですか?」
「神父様に怒られないかな?」
一度クラウジアさんの家に行くものと思っていたので、本当に良いのか心配になる。
それに神父様からお借りした馬車で遊びに行っても良いのだろうか?
気になることが多すぎて、素直に喜べない私たち。
「好きに使って良いといってたんだから大丈夫でしょう」
そんな私たちとは裏腹にフェ様はあっけらかんとしている。
「私のことは気にせず、このまま観光を楽しんでおいで。本当は私がフィッツ町の見所を案内できれば良いんだけど、この花を一刻も早く息子に届けたいので、申し訳ない」
クラウジアさんの手元を見ると、最初に見たときよりも、少し花びらが開きかけていた。
「あ!花が少し開いてる」
「本当だ!」
「おじさん、早く家に帰らないと!」
「引き止めちゃって、ごめんなさい」
「気にかけてくれて、ありがとう。でも、まだ大丈夫。そうだ!ここの町は魚料理だけでなく、スイーツも有名なんだ。その中でもトトマという店のジェラートは美味しいと評判なんだよ。是非、行ってごらん。冷たくって、美味しくって、きっと気に入ると思うよ!」
「じぇらーと?」
「アミー、あんた知ってる?」
「ううん。初めて聞くわ」
「ごくりっ」
クラウジアさんの言葉に私たちの妄想は膨らむばかりだ。
「では、四人を頼んだぞ」
「かしこまりました。あの、アラン…」
「俺は神官長たちを無事に届けたら、ギルドに行ってくるよ」
「ついて行かなくて、大丈夫か?」
「いい大人なんだから、大丈夫さ。お前たちも後から呼ばれるとは思うから、その時はよろしくな」
「ええ」「ん」
アランさんは一人でギルドに行くつもりなんだ。
ギルドからの処罰がどんなものになるのか、わからず心配になる。
するといつのまにか私たちの後ろにいたフェ様がアランさんたちに聞こえないように、こっそりと教えてくれた。
「あまり重い処罰にならないよう、私からもギルドに伝えておくから。安心しなさい」
「「「「本当ですかっ!」」」」
「しっ。静かに。アランたちに聞こえてしまいますよ」
「「「「ごめんなさい」」」」
アランさんたちの方を見ると、特にこちらを気にしている様子はなくてほっとする。
「神官長様、今の話は本当ですか?」
今度はアランさんたちに聞こえないように、声をひそめて聞く。
「ええ。だから君たちは観光を楽しんできなさい」
「「「「はいっ!」」」」
私たちはフェ様に促されて、今度こそ馬車に乗り込む。
「アランさんたちと王都まで一緒に行けると良いわね」
「だな!俺、またアランさんにソリに乗せてもらいたいなぁ」
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