私がいつの間にか精霊王の母親に!?

桜 あぴ子(旧名:あぴ子)

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第2章 王都へ

92 盗賊団⑤

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「いい加減にっ!くたばりやがれっ!」

まともに剣が当たらないことに苛立った首領が更にスピードをあげて大剣を振り回す。
それをアランさんはすべて避けきると、ついに馬の足を切りつけることに成功する。

「ひひひーんっ!」

馬が足元から崩れ落ちる。
ドサッ!

「ちっ!」

首領は馬から飛び降りると、そのまま大剣をアランさんに振り下ろす。
間一髪のところでかわすと、アランさんは首領から一旦距離をとる。

「馬から引きずり下ろしたことで、自分が有利になったとでも思ってんのか?」
「いや。そんなことはないさ」

アランさんは言葉の通り、剣を油断なく構えると首領の一挙一動に注目する。

「うおおおおおっ!」

首領は両手で大剣を持つと、アランさんに向かって大剣を振り下ろす!
アランさんは間一髪で避けると、首領の大剣は地面をえぐり、砂ぼこりが舞う。

「更に剣の振る速度も増すのか。すごいねっ」

アランさんは地面を蹴ると、首領に切りかかる。

ガキィィィンッ

「ふんっ!」

アランさんの攻撃をあっさり大剣で受け止めると弾き返す。
アランさんはそのまま剣ごと、吹っ飛ばされてしまう。

「アランさんっ!」
「「アランっ!」」

クルクルクル、シュタンッ!

アランさんは空中で体制を整えると、地面に着地する。 
怪我もしていないようで、すぐに立ち上がると剣を構え直す。

「良かったー」
『あっちの方の戦闘はもう終わったみたいだな』

リードに言われてシーラさんたちを見ると、盗賊の人たちはすべて倒されていて、マーヴェイさんが盗賊の人たちをロープでひとまとめにしているところだった。
詠唱防止のためか、全員の口を布で塞いでいる。
シーラさんはアランさんの戦闘をじっと見て、戦闘に加わるタイミングをうかがっているようだった。

「ちっ!全員捕まっちまったか」

首領も自分以外の仲間が倒されたことに気づくと顔を歪める。

「お前も観念して捕まる気になったか?」
「はっ!まさか」

アランさんが首領に投降を呼び掛けるけど、首領はそれを一蹴するとアランさんに向かって一直線に走り出す。
そこからは凄まじい剣同士の打ち合いが続く。
首領が袈裟懸けに振るった大剣をアランさんが逸らすように剣で受け流すと、首領が勢いを殺すことなくそれを切り返す。
 それをアランさんが弾けば、横払いが、アランさんがかわすと、今度はアランさんに向かって突きを放つ。
アランさんは剣を持ったままバグ転すると振り上げた足で首領の大剣を下から蹴りあげる。

「ぐっ!」

思いもよらなかった攻撃に、首領の手から大剣が離れる。
慌てて拾おうと大剣を手にしたところで、アランさんが首領の首に剣を突きつける。

「これで終わりだ」
「くそっ!」

首領がふてくされたように地面に座り込む。

「アラン、やったわね!」
「ああ。シーラ、ロープを持ってきてくれ。すぐに拘束しておこう」
「わかった!」

アランさんは首領から目を離さず、シーラさんに指示を出す。

「これで一件落着だね!」

強敵だった首領を倒すことができてほっとする。
けれど、リードは違う考えのようで首領の様子をじっと見ている。

「リード?」
『あいつまだなにか企んでるな。目が諦めてねぇ。拘束するまでは油断しない方がいい』

アランさんがあんなにしっかり見張ってるのに?
シーラさんがロープを渡そうと近づいたところで、リードの言葉通り首領が動き出す。
突然地面にあった砂をつかむと、アランさんの顔めがけて、思いっきり投げ捨てたのだ!

「うっ!」
「アランっ!」

そこからは一瞬だった。
シーラさんが投げた短剣を首領は簡単にかわすと、お腹を思いっきり蹴りつける。

「かはっ!」
「シーラっ!」
「シーラっ!アランっ!」

シーラさんの体はそのまま宙を舞い、受け身をとることなく地面に叩きつけられる。アランさんは砂が入ったのか、片目しか目が空いていない状態だ。
マーヴェイさんは二人のもとに向かうけど間に合わず、首領は大剣を取り戻す。
そのまま二人に切りかかるのかと思いきや、そのまま馬車に向かって走り去る。

「しまったっ!マーヴェイ、やつの目的は馬車だ!」

アランさんがマーヴェイさんに向かってそう言うと、自身も片目のまま馬車に向かう。
マーヴェイさんも方向転換して馬車に向かうけど、マーヴェイさんの距離よりも首領の位置の方が馬車に近い。
護衛の人たちも剣を構えているけど、首領の迫力に押されぎみだ。
首領が護衛の人たちに向けて大剣を構える。

「どけえええええっ!」

このままでは護衛の人たちが危ないっ!

「アースウォール!」

ゴゴゴゴッ!
とっさに護衛の人たちと首領の間に土の壁を作る。

「なにっ⁉️」

ガツッ!

間一髪のところで間に合い、首領の剣はむなしく土の壁に刺さる。

「くそっ!」

躍起になって土の壁を壊そうと切りつけているところを、ようやく両目が開いたアランさんとマーヴェイさんに拘束される。
私はそれを見届けると、慌ててシーラさんに回復魔法をかける。
すぐにシーラさんは体を起こして、空を見上げると、こちらに向かって手を振ってくれた。
ようやく盗賊団との戦いは終わり迎えたのだった。


---
戦闘シーンは難しいですね(>ω<。)
文才のなさを改めて実感しました(汗)
しばらくは戦闘シーンはない予定なので、それまでに少しでも上達するように頑張ります!
もしかしたら戦闘シーンの書き直しをするかも知れません。
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