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第2章 王都へ
76 滑ります!
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「じゃあ、心の準備は良いかな?」
「はいっ」「にゃんっ」
ついに私たちの番になった。
マーブルもポシェットの中から、元気よく返事をする。
私たちは今、竜籠から出てフェリシアの背中にいる。
フェリシアが心配そうにこちらを向いているのが見える。
フェリシアの頭の上にはロンさんがいた。
あそこで操縦するのかな?
「これを使って滑るんだ」
アランさんは腰につけているウエストポーチから細長い板のようなものを取り出してフェリシアの体に置いた。
ポーチよりも大きなものが出てきて、思わずポーチを凝視してしまう。
それに気づいたアランさんが説明してくれた。
「ああ。これは魔法袋と言って、ある魔物の皮から作ることができる魔道具なんだ。このポーチの容量以上の物を入れることができるから、重宝しているんだよ。まあ、安物だから入る量もそれなりなんだけどね」
そう言って、ポーチを見せてくれる。
見た目は普通のポーチなのに、中を見ると、不思議な空間になっていて、何が入っているのか全くわからない。
「さぁ。みんなが待っているから早く滑ろうか」
もう少し魔法袋について聞きたかったけど、みんなを待たすわけにもいけないので我慢する。
「スピードが出るから、風魔法でスピードを殺して滑るんだけど、出来るかな?」
「大丈夫です」
風の勢いを殺せばいいんだよね?
板の片側には穴が開いていて、開いた穴には紐が通され輪っかになっている。
「この紐を持ち手にして、バランスを取るんだ。さすがに一人で乗せるのは危険だから、俺と一緒に乗ってもらうよ」
アランさんはそう言うと、先に板の上に乗り、私に向かって手を差しのべる。
私は手をのせて、アランさんの前に座ろうとして、思い出す。
「どうした? 」
「あ。ちょっと」
私が突然動きを止めたので、アランさんが不思議そうにしている。
でも、乗る前に大事なことを忘れてた。
後ろを振り向くと、相変わらずフェリシアが顔だけこちらを向けて、私を見ていた。
「フェリシアーっ!今からフェリシアの体で滑らせてもらうねーっ!」
「きゅるるるっ」
フェリシアに向かって、大声で叫ぶ。
フェシリアは私の言葉を聞いて、滑りやすいように尻尾をピンっと伸ばしてくれた。
「誰に向かって言ってるのかと思ってたら、竜に話しかけてたの?」
私とフェリシアの様子を見て、アランさんは驚いている。
「はいっ。フェリシアが心配そうにこっちを見てたから。何をするのか伝えておこうと思って」
「お陰で滑りやすくなったよ」
そう言って、アランさんは楽しそうに笑った。
「フェリシアーっ!ありがとう!」
「きゅっ」
フェリシアにお礼を言って、今度こそアランさんの前に座る。
アランさんが後ろから持ち手を掴み、私が板から落ちないように、抱え込んでくれた。
「滑るよ?準備はいい?」
「はいっ」「にゃん」
マーブルをポシェットごと抱え込む。
リードは私の頭の上でプカプカ浮いている。
アランさんが座りながら足で板を進めていく、すると、ある程度の距離で板がひとりでに動き出す。
アランさんが板の上に足を乗せても、止まることなく板が走り出した。
「少しずつスピードが速くなるから、舌を噛まないように気をつけて」
「はい」
最初の数十秒はゆっくりだったけど、少しずつ速くなっていく。
竜籠に乗っているときよりも、風を感じることができるし、景色が目まぐるしく変わってとても楽しい。
「そろそろ風魔法を使う準備をしておいて」
「はいっ」
どんどんスピードが上がってきて、たまに板が宙を浮く。
風が肌を刺して痛いくらいだ。
風魔法で風の勢いを殺し、スピードを弱める。
「あれ?今、詠唱した?」
「あっ!は、はい」
しまった!詠唱って何を言えばいいんだろう?
とりあえず、適当に詠唱すれば良いか。
スピードが弱まりすぎたから、今度は少しスピードをあげよう。
「えーと。もう少しスピードよ出ろー」
「ぶふっ」
私が魔法を唱えると何故かアランさんが吹き出す。
え?何で?
板は私の願い通り、先程よりもスピードがでる 。
「今のでいいんだ・・・」
アランさんが何か言ったみたいだけど、小声だったのと、風の音で声がかき消される。
「何か言いました?」
「んんっ。いや、何も」
アランさんは言う気は無いようだ。
諦めて、景色を楽しむことにした。
「マーブル、楽しいねっ!」
「にゃーんっ♪」
下の景色がどんどん近くなり、ついにあと5mほどになる。
「急ブレーキになら無いように、ここからはもっとスピードを落として。尻尾から落ちないようにまっすぐ進むんだよ」
「はいっ」
最後の方になると、尻尾も大分細くなるので、注意が必要だ。
アランさんが紐で調整してくれるので、私も風魔法でお手伝いする。
そしてついに尻尾から滑り降りて、地面に着地する。
ドスン
「あたっ」「にゃっ」
最後に風でクッションを作ればよかった。軽く打ち付けたお尻をさすっていると、少し離れたところで見ていた3人が駆け寄ってきた。
「ちょっと、大丈夫なの⁉️」
「サラちゃん、ケガはない?」
キャシーちゃんとアミーちゃんは相当心配だったようで、私の体をペタペタ触りながら、ケガはないか聞いてくる。
「えへへ。最後にお尻を打ち付けた以外は平気だよ。それももう痛くないし」
二人が心配してくれるのが嬉しくって、つい笑顔になる。
「何笑ってるのよ。こっちは心配したって言うのに」
そう言って、キャシーちゃんにほっぺをつねられる。
「いひゃいよー」
「ふん。少しは女の子らしくする事ね。そんなんじゃ男の子に嫌われちゃうわよ。男の子は自分より強い子なんて、苦手なんだから」
私が痛いと言ったら、つねるのを止めてくれたけど、注意されちゃった。
「うちの親は母ちゃんのが強いけどね」
「結婚したら女の人が強くなるのは当たり前じゃない!その前段階の話よ。まぁ、全部ママの受け売りだけど」
そう言って、キャシーちゃんは肩を竦める。
「なぁ。滑るの楽しかったか?」
話が一段落ついたところで、今まで黙っていたハル君が遠慮がちに聞いてくる。
「うんっ。すごく!もし、アランさんが良いって言ってくれたら、今度は一人で滑ってみたいなぁ」
板で滑った方がスピード感があって、とっても楽しかった。
あっという間に滑り終わってしまったので、物足りなく感じたほどだ。
「いいなぁ。俺は風魔法が使えないけど、お願いしたら滑らしてくれないかな」
ハル君も滑ってみたかったみたいで、とても残念そうにしている。
「じゃあ今から、アランさんに聞いてみる?」
「良いのかな?」
「ダメもとで頼んでみたら?サラちゃんも滑らしてもらったわけだし、お願いしたら許してくれるかもよ?」
「ハル君、わたしも一緒にお願いしてあげるよっ」
「キャシー、ありがとう」
「じゃあ、四人でアランさんの所に行こっか」
「「「うんっ」」」
私たちはアランさんの元へ駆け出した。
「はいっ」「にゃんっ」
ついに私たちの番になった。
マーブルもポシェットの中から、元気よく返事をする。
私たちは今、竜籠から出てフェリシアの背中にいる。
フェリシアが心配そうにこちらを向いているのが見える。
フェリシアの頭の上にはロンさんがいた。
あそこで操縦するのかな?
「これを使って滑るんだ」
アランさんは腰につけているウエストポーチから細長い板のようなものを取り出してフェリシアの体に置いた。
ポーチよりも大きなものが出てきて、思わずポーチを凝視してしまう。
それに気づいたアランさんが説明してくれた。
「ああ。これは魔法袋と言って、ある魔物の皮から作ることができる魔道具なんだ。このポーチの容量以上の物を入れることができるから、重宝しているんだよ。まあ、安物だから入る量もそれなりなんだけどね」
そう言って、ポーチを見せてくれる。
見た目は普通のポーチなのに、中を見ると、不思議な空間になっていて、何が入っているのか全くわからない。
「さぁ。みんなが待っているから早く滑ろうか」
もう少し魔法袋について聞きたかったけど、みんなを待たすわけにもいけないので我慢する。
「スピードが出るから、風魔法でスピードを殺して滑るんだけど、出来るかな?」
「大丈夫です」
風の勢いを殺せばいいんだよね?
板の片側には穴が開いていて、開いた穴には紐が通され輪っかになっている。
「この紐を持ち手にして、バランスを取るんだ。さすがに一人で乗せるのは危険だから、俺と一緒に乗ってもらうよ」
アランさんはそう言うと、先に板の上に乗り、私に向かって手を差しのべる。
私は手をのせて、アランさんの前に座ろうとして、思い出す。
「どうした? 」
「あ。ちょっと」
私が突然動きを止めたので、アランさんが不思議そうにしている。
でも、乗る前に大事なことを忘れてた。
後ろを振り向くと、相変わらずフェリシアが顔だけこちらを向けて、私を見ていた。
「フェリシアーっ!今からフェリシアの体で滑らせてもらうねーっ!」
「きゅるるるっ」
フェリシアに向かって、大声で叫ぶ。
フェシリアは私の言葉を聞いて、滑りやすいように尻尾をピンっと伸ばしてくれた。
「誰に向かって言ってるのかと思ってたら、竜に話しかけてたの?」
私とフェリシアの様子を見て、アランさんは驚いている。
「はいっ。フェリシアが心配そうにこっちを見てたから。何をするのか伝えておこうと思って」
「お陰で滑りやすくなったよ」
そう言って、アランさんは楽しそうに笑った。
「フェリシアーっ!ありがとう!」
「きゅっ」
フェリシアにお礼を言って、今度こそアランさんの前に座る。
アランさんが後ろから持ち手を掴み、私が板から落ちないように、抱え込んでくれた。
「滑るよ?準備はいい?」
「はいっ」「にゃん」
マーブルをポシェットごと抱え込む。
リードは私の頭の上でプカプカ浮いている。
アランさんが座りながら足で板を進めていく、すると、ある程度の距離で板がひとりでに動き出す。
アランさんが板の上に足を乗せても、止まることなく板が走り出した。
「少しずつスピードが速くなるから、舌を噛まないように気をつけて」
「はい」
最初の数十秒はゆっくりだったけど、少しずつ速くなっていく。
竜籠に乗っているときよりも、風を感じることができるし、景色が目まぐるしく変わってとても楽しい。
「そろそろ風魔法を使う準備をしておいて」
「はいっ」
どんどんスピードが上がってきて、たまに板が宙を浮く。
風が肌を刺して痛いくらいだ。
風魔法で風の勢いを殺し、スピードを弱める。
「あれ?今、詠唱した?」
「あっ!は、はい」
しまった!詠唱って何を言えばいいんだろう?
とりあえず、適当に詠唱すれば良いか。
スピードが弱まりすぎたから、今度は少しスピードをあげよう。
「えーと。もう少しスピードよ出ろー」
「ぶふっ」
私が魔法を唱えると何故かアランさんが吹き出す。
え?何で?
板は私の願い通り、先程よりもスピードがでる 。
「今のでいいんだ・・・」
アランさんが何か言ったみたいだけど、小声だったのと、風の音で声がかき消される。
「何か言いました?」
「んんっ。いや、何も」
アランさんは言う気は無いようだ。
諦めて、景色を楽しむことにした。
「マーブル、楽しいねっ!」
「にゃーんっ♪」
下の景色がどんどん近くなり、ついにあと5mほどになる。
「急ブレーキになら無いように、ここからはもっとスピードを落として。尻尾から落ちないようにまっすぐ進むんだよ」
「はいっ」
最後の方になると、尻尾も大分細くなるので、注意が必要だ。
アランさんが紐で調整してくれるので、私も風魔法でお手伝いする。
そしてついに尻尾から滑り降りて、地面に着地する。
ドスン
「あたっ」「にゃっ」
最後に風でクッションを作ればよかった。軽く打ち付けたお尻をさすっていると、少し離れたところで見ていた3人が駆け寄ってきた。
「ちょっと、大丈夫なの⁉️」
「サラちゃん、ケガはない?」
キャシーちゃんとアミーちゃんは相当心配だったようで、私の体をペタペタ触りながら、ケガはないか聞いてくる。
「えへへ。最後にお尻を打ち付けた以外は平気だよ。それももう痛くないし」
二人が心配してくれるのが嬉しくって、つい笑顔になる。
「何笑ってるのよ。こっちは心配したって言うのに」
そう言って、キャシーちゃんにほっぺをつねられる。
「いひゃいよー」
「ふん。少しは女の子らしくする事ね。そんなんじゃ男の子に嫌われちゃうわよ。男の子は自分より強い子なんて、苦手なんだから」
私が痛いと言ったら、つねるのを止めてくれたけど、注意されちゃった。
「うちの親は母ちゃんのが強いけどね」
「結婚したら女の人が強くなるのは当たり前じゃない!その前段階の話よ。まぁ、全部ママの受け売りだけど」
そう言って、キャシーちゃんは肩を竦める。
「なぁ。滑るの楽しかったか?」
話が一段落ついたところで、今まで黙っていたハル君が遠慮がちに聞いてくる。
「うんっ。すごく!もし、アランさんが良いって言ってくれたら、今度は一人で滑ってみたいなぁ」
板で滑った方がスピード感があって、とっても楽しかった。
あっという間に滑り終わってしまったので、物足りなく感じたほどだ。
「いいなぁ。俺は風魔法が使えないけど、お願いしたら滑らしてくれないかな」
ハル君も滑ってみたかったみたいで、とても残念そうにしている。
「じゃあ今から、アランさんに聞いてみる?」
「良いのかな?」
「ダメもとで頼んでみたら?サラちゃんも滑らしてもらったわけだし、お願いしたら許してくれるかもよ?」
「ハル君、わたしも一緒にお願いしてあげるよっ」
「キャシー、ありがとう」
「じゃあ、四人でアランさんの所に行こっか」
「「「うんっ」」」
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