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第2章 王都へ
68 竜はフェリシアでした
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「皆さんおはようございます」
「「「「おはようございます」」」」
フェ様に全員で挨拶する。
王都に行くのはフェ様だけなのかな?
フェ様は旅用なのか、簡素な神官服を着ているけど、副神官長様はいつもの格好だ。
「この教会の神官長、フェビラルです。今回は私も同行しますので、道中よろしくお願いしますね」
「「「「はいっ」」」」
「では出発しましょうか」
フェ様にそう言われて、ソワソワする。
実はずっと気になってたんだけど、あそこにいる竜ってフェリシアじゃないかな?
フェ様の向かう先にいる竜は、3ヶ月前に出会ったフェリシアにそっくりだった。
他の3人は竜を間近で見て、あまりの大きさにお口をあんぐりと開けている。
竜の側にはロンさんがいて、竜に水を飲ませていた。
「ロンさんっ!おはようございます」
「おお、嬢ちゃんか。久しぶりだな」
ロンさんに挨拶すると、覚えてくれていたのか、挨拶し返してくれた。
「あの。この竜って、もしかしてフェリシアですか?」
「よくわかったな」
「やっぱり!でも、フェリシアしか竜には会ったことないから、他の竜が来てもフェリシアだと思ったかも」
「ははっ。そうかもな」
ロンさんと話していると、フェリシアが水を飲むのをやめ、こちらをじっと見つめている。
もしかして、私のこと覚えてるのかな?
「フェリシア、おはよう!サラだよ。私の事、覚えてる?」
「きゅるるる」
フェリシアが顔を近づけてくれたので、頭を撫でる。
「ふふっ。今日もすべすべだね」
「きゅっ」
「サ、サラちゃん、恐くないの?」
アミーちゃんが私とフェリシアの顔を交互に見ながら、恐る恐る話しかけてくる。
「恐くないよ。フェリシアは大人しくて優しい竜だよ」
フェリシアは私とアミーちゃんの会話の間も、身じろぐ事もなく大人しくしている。
「俺も触っても大丈夫かな?」
ハル君は竜に興味があるのか、少し期待した目でロンさんを見上げる。
「すぐに出発だから、ほんの少しにしてくれよ。それと、竜自身にも触って良いか聞いてくれ。嫌がったら、触るのは止めるんだぞ。無理に触ろうとすると、危険だからな」
「はいっ」
「ハ、ハル君⁉️危ないから、やめなよ!」
ロンさんのお許しが出て、ハル君は嬉しそう。だけど、キャシーちゃんは心配なのか、ハル君の袖をつかみ、止めている。
「フェリシアは頭がいいから、嫌がる事をしなれば大丈夫だよ。キャシーちゃんも触ってみる?触ると、とっても気持ちいいよ」
「わ、わたしはいいっ!」
キャシーちゃんは勢いよく首を横に振ると、フェ様の後ろに隠れてしまった。
すべすべで気持ちいいのに、勿体ない。
アミーちゃんの方を見ると、こちらも顔が強張っている。
「あたしも、止めておくわ。まだ、心の準備ができてないし。でも、気にはなるから、今度の休憩の時にでもお願いする」
「そっかー」
残念だけど無理強いはよくないので、諦めて、ハル君が触れるように場所を譲る。
「お、俺はハルって言うんだ。フェリシアに触っても良いか?」
「くるるる」
フェリシアがハル君に顔を寄せる。
ハル君はフェリシアの顔がすぐ側に来たので、目を白黒させている。
「ハル君、触っていいって!」
「そ、そうなのか?」
ハル君は恐る恐る触ると、すぐに手を引っ込める。けれど、もう一度フェリシアの顔に手をやり、今度は感触を確かめるかのように撫でる。
「すげーっ!俺、竜に触ってるんだ!」
「竜って、すべすべで気持ちいいよね?」
「うん!」
ハル君は目をキラキラさせて、フェリシアを見つめる。
「フェリシア、ありがとう」
「もう、良いの?」
「うん。サラの言った通り、竜って賢くて、格好いいなっ!」
そう言って、ハル君は顔をくしゃくしゃにして笑った。
「「「「おはようございます」」」」
フェ様に全員で挨拶する。
王都に行くのはフェ様だけなのかな?
フェ様は旅用なのか、簡素な神官服を着ているけど、副神官長様はいつもの格好だ。
「この教会の神官長、フェビラルです。今回は私も同行しますので、道中よろしくお願いしますね」
「「「「はいっ」」」」
「では出発しましょうか」
フェ様にそう言われて、ソワソワする。
実はずっと気になってたんだけど、あそこにいる竜ってフェリシアじゃないかな?
フェ様の向かう先にいる竜は、3ヶ月前に出会ったフェリシアにそっくりだった。
他の3人は竜を間近で見て、あまりの大きさにお口をあんぐりと開けている。
竜の側にはロンさんがいて、竜に水を飲ませていた。
「ロンさんっ!おはようございます」
「おお、嬢ちゃんか。久しぶりだな」
ロンさんに挨拶すると、覚えてくれていたのか、挨拶し返してくれた。
「あの。この竜って、もしかしてフェリシアですか?」
「よくわかったな」
「やっぱり!でも、フェリシアしか竜には会ったことないから、他の竜が来てもフェリシアだと思ったかも」
「ははっ。そうかもな」
ロンさんと話していると、フェリシアが水を飲むのをやめ、こちらをじっと見つめている。
もしかして、私のこと覚えてるのかな?
「フェリシア、おはよう!サラだよ。私の事、覚えてる?」
「きゅるるる」
フェリシアが顔を近づけてくれたので、頭を撫でる。
「ふふっ。今日もすべすべだね」
「きゅっ」
「サ、サラちゃん、恐くないの?」
アミーちゃんが私とフェリシアの顔を交互に見ながら、恐る恐る話しかけてくる。
「恐くないよ。フェリシアは大人しくて優しい竜だよ」
フェリシアは私とアミーちゃんの会話の間も、身じろぐ事もなく大人しくしている。
「俺も触っても大丈夫かな?」
ハル君は竜に興味があるのか、少し期待した目でロンさんを見上げる。
「すぐに出発だから、ほんの少しにしてくれよ。それと、竜自身にも触って良いか聞いてくれ。嫌がったら、触るのは止めるんだぞ。無理に触ろうとすると、危険だからな」
「はいっ」
「ハ、ハル君⁉️危ないから、やめなよ!」
ロンさんのお許しが出て、ハル君は嬉しそう。だけど、キャシーちゃんは心配なのか、ハル君の袖をつかみ、止めている。
「フェリシアは頭がいいから、嫌がる事をしなれば大丈夫だよ。キャシーちゃんも触ってみる?触ると、とっても気持ちいいよ」
「わ、わたしはいいっ!」
キャシーちゃんは勢いよく首を横に振ると、フェ様の後ろに隠れてしまった。
すべすべで気持ちいいのに、勿体ない。
アミーちゃんの方を見ると、こちらも顔が強張っている。
「あたしも、止めておくわ。まだ、心の準備ができてないし。でも、気にはなるから、今度の休憩の時にでもお願いする」
「そっかー」
残念だけど無理強いはよくないので、諦めて、ハル君が触れるように場所を譲る。
「お、俺はハルって言うんだ。フェリシアに触っても良いか?」
「くるるる」
フェリシアがハル君に顔を寄せる。
ハル君はフェリシアの顔がすぐ側に来たので、目を白黒させている。
「ハル君、触っていいって!」
「そ、そうなのか?」
ハル君は恐る恐る触ると、すぐに手を引っ込める。けれど、もう一度フェリシアの顔に手をやり、今度は感触を確かめるかのように撫でる。
「すげーっ!俺、竜に触ってるんだ!」
「竜って、すべすべで気持ちいいよね?」
「うん!」
ハル君は目をキラキラさせて、フェリシアを見つめる。
「フェリシア、ありがとう」
「もう、良いの?」
「うん。サラの言った通り、竜って賢くて、格好いいなっ!」
そう言って、ハル君は顔をくしゃくしゃにして笑った。
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