25 / 36
本編
アニス、旅立つ
しおりを挟む
アニスは何と言うだろうか。まだまだ子どもと思う気持ちはあるものの、少なくとも俺から指図するつもりはない。本人の意思を尊重しようと思う。
ところがアニスが口にしたのは、思ってもみない質問だった。
「あの子は今、どうしてるの?」
「あの子?」
「あの勇者の子」
クレメントは「ああ」とうなずいてから、簡潔に答えた。
「魔獣討伐のために、国中を回ってくれていますよ」
「たったひとりで?」
「そうですね。並みの者では、足手まといにしかなりませんから」
アニスはここで「そう」とつぶやいてから、押し黙った。しばらくしてから、静かな表情でクレメントに尋ねる。
「さっきの話、少し考えてから返事をするのでもいい?」
「もちろんです」
アニスとクレメントのこのやり取りに、俺は何だか嫌な予感がした。もちろん、本人の意思を尊重するつもりではある。けど、まさか人間の国に行くなんて言い出さないよな……?
ところが、そのまさかだった。
その日、クレメントたち一行は王城に泊まった。アニスにゆっくり考える時間を与えるためだ。国境外に待機していたクレメントの護衛たちも呼び寄せ、王城内に宿泊させることになった。いくら交流を絶った相手とはいえ、一応、平和な来訪者だ。野宿していると知っていて放置するのは、あまり気分のいいもんじゃないからな。
宿泊するにあたっては、前回の食事のときと同じように、人間たちの間でひと悶着あったらしい。同じフロアだと身分がどうとか。面倒くせえ。半ば呆れ顔のシェムが、「護衛と言うなら、護衛対象の近くに寝泊まりするのが筋なんじゃないの?」と押し切って黙らせた。
夕食は護衛たちも交え、大人数で賑やかだった。人間の国の風習など、無難な話題で盛り上がる。なのに、いつもならよくしゃべるアニスが不思議と静かだ。しかも物思いに沈んでいる様子なのが、どうにも気に掛かった。
人間たちとの会食が終わり、アニスと二人、家に帰る。家に入ると、アニスは改まった顔をして俺に向き直った。この子のこんな顔を見るのは、初めてだ。
「ダリオン」
「どうした?」
あえてなにげない様子で返事をするも、アニスの真剣な顔つきには変化がない。嫌な予感がひしひしとした。アニスは俺をまっすぐに見つめて、こう告げた。
「私、人間の国に行く」
アニスの言葉に、めまいがする。
なんでだ? 行って助けてやる義理なんぞ、どこにもないだろう。お前の生みの母親は、お前の実の父親に殺された。お前自身だって、父親に捨てられたんだぞ。捨てられたどころか、死ねとばかりに草むらに放置されていた。そんなやつらの国なんぞ、どうなったってかまわないじゃないか。
お前の叔父クレメントは、その非道な父親に処罰を下したと言うけど、そんなのはただの因果応報にすぎないよな。お前が人間たちを助けてやる理由になんか、ならないだろ。
言いたいことは、山ほどある。だがアニスの迷いのない目を見たら、どれも言葉にならなかった。
だから代わりに、ひとつだけ質問した。
「何のために?」
「あのね、あの勇者の子、親がいないんだって」
アニスの言葉は、俺の質問に答えているようには聞こえない。だが俺は「そうなのか」と相づちを打ち、続きを待った。
「でも、私には本当のお父さんとお母さんがいて、二人ともひと目でいいから私に会いたいと言ってるって、あのとき言ってたの。だから会ってあげてくれないかって」
「そうか」
俺は眉をひそめながらも、口は挟まなかった。
あの少年は、一緒にいた大人たちから聞かされていたとおりのことをアニスに話した。あの子は本当にそれを信じていたんだろう。だから男たちが無理矢理アニスを連れ去ったのを見て、ショックを受けた。そこで初めて大人に騙されていたことに気づき、泣きそうな顔でアニスに謝ったと言う。
ここまで聞いても、まだアニスが何を言いたいのか、俺にはわからなかった。どう考えても、人間たちを助けに行く理由なんてない。
「たぶんね、あの子、そんなに強くない。普通の人間よりはずっと強いんだろうけど」
「かもな」
やっぱりわからない。アニスは何を言いたいんだ?
「あの子が魔獣討伐をひとりで頑張ってるけど、追いついてないってクレメントは言ってたでしょ?」
「ああ、言っていた」
「私が行かなかったら、いつかあの子は討伐に失敗して死ぬと思うの」
「そうかもな」
相づちを打ってから、はたと俺は気づいた。そうか、そういうことか。この子は人間を助けに行こうとしているわけじゃない。助けたいのは、勇者だ。そしてこの子が守りたいのは、魔国なんだ。
「あの子が死んだら、またどこかに勇者が生まれるんでしょう?」
「そう言われてる」
「きっと生まれ変わっても、またあの子は騙されるんじゃないかな。そうして今度は、魔国に攻め入ってくるかもしれないでしょ」
否定はできない。何と言っていいのかわからず、俺は口をつぐんだ。
「だから、私は人間の国に行く。あの子に、魔国に攻め入るようなことをさせないために」
アニスの表情には、はっきりと覚悟が浮かんでいた。俺はため息をつき、確認のために尋ねる。
「もう決めたのか」
「うん」
アニスはしばらく沈黙した後、花がほころぶように笑みを浮かべた。
「ダリオン、今まで育ててくれてありがとう。私、絶対にあの子を魔国に攻め入らせたりしないから!」
そんなことのためにお前を育ててきたわけじゃない──と、喉もとまで出かかった。が、言えなかった。だって、アニスを拾って育て始めた最初の動機は、魔国のためでしかなかったからだ。
だけど育てているうちに、気持ちがどんどん変わっていったんだ。ただ無事に育つだけでなく、いつも笑顔でいてほしくなった。泣くような目には、遭わせたくない。心も健やかに、幸せであれと願うようになった。
お前は人間の国に行って、幸せになれるのか? ──俺のもの問いたげな視線に、何を勘違いしたのかアニスはトンチンカンな答えを返した。
「大丈夫。私はダリオンとニコルの娘だもの。きっとうまくやれる」
その自信満々な顔を見たら、尋ねるまでもないことのように思えてきた。だから俺は「そうだな」とだけ言って、もっと小さいときによくしたように、頭をなでてやった。
アニスはその数日後、クレメントたち一行とともに、魔国の国境を越えて行った。国境までは、俺もニコルと一緒に見送りに行った。アニスは少し進むたびに振り向いて、大きく手を振る。手を振り返してやれば、それだけで満足してうれしそうに笑う。
そうして何度も何度も振り返り、手を振って、ついに峠の向こう側に姿を消した。アニスの姿が見えなくなっても、俺とニコルはしばらくそこでアニスたちの消えた方角を見つめていた。風を繰っても、一行の足音が聞こえなくなるまで。
ところがアニスが口にしたのは、思ってもみない質問だった。
「あの子は今、どうしてるの?」
「あの子?」
「あの勇者の子」
クレメントは「ああ」とうなずいてから、簡潔に答えた。
「魔獣討伐のために、国中を回ってくれていますよ」
「たったひとりで?」
「そうですね。並みの者では、足手まといにしかなりませんから」
アニスはここで「そう」とつぶやいてから、押し黙った。しばらくしてから、静かな表情でクレメントに尋ねる。
「さっきの話、少し考えてから返事をするのでもいい?」
「もちろんです」
アニスとクレメントのこのやり取りに、俺は何だか嫌な予感がした。もちろん、本人の意思を尊重するつもりではある。けど、まさか人間の国に行くなんて言い出さないよな……?
ところが、そのまさかだった。
その日、クレメントたち一行は王城に泊まった。アニスにゆっくり考える時間を与えるためだ。国境外に待機していたクレメントの護衛たちも呼び寄せ、王城内に宿泊させることになった。いくら交流を絶った相手とはいえ、一応、平和な来訪者だ。野宿していると知っていて放置するのは、あまり気分のいいもんじゃないからな。
宿泊するにあたっては、前回の食事のときと同じように、人間たちの間でひと悶着あったらしい。同じフロアだと身分がどうとか。面倒くせえ。半ば呆れ顔のシェムが、「護衛と言うなら、護衛対象の近くに寝泊まりするのが筋なんじゃないの?」と押し切って黙らせた。
夕食は護衛たちも交え、大人数で賑やかだった。人間の国の風習など、無難な話題で盛り上がる。なのに、いつもならよくしゃべるアニスが不思議と静かだ。しかも物思いに沈んでいる様子なのが、どうにも気に掛かった。
人間たちとの会食が終わり、アニスと二人、家に帰る。家に入ると、アニスは改まった顔をして俺に向き直った。この子のこんな顔を見るのは、初めてだ。
「ダリオン」
「どうした?」
あえてなにげない様子で返事をするも、アニスの真剣な顔つきには変化がない。嫌な予感がひしひしとした。アニスは俺をまっすぐに見つめて、こう告げた。
「私、人間の国に行く」
アニスの言葉に、めまいがする。
なんでだ? 行って助けてやる義理なんぞ、どこにもないだろう。お前の生みの母親は、お前の実の父親に殺された。お前自身だって、父親に捨てられたんだぞ。捨てられたどころか、死ねとばかりに草むらに放置されていた。そんなやつらの国なんぞ、どうなったってかまわないじゃないか。
お前の叔父クレメントは、その非道な父親に処罰を下したと言うけど、そんなのはただの因果応報にすぎないよな。お前が人間たちを助けてやる理由になんか、ならないだろ。
言いたいことは、山ほどある。だがアニスの迷いのない目を見たら、どれも言葉にならなかった。
だから代わりに、ひとつだけ質問した。
「何のために?」
「あのね、あの勇者の子、親がいないんだって」
アニスの言葉は、俺の質問に答えているようには聞こえない。だが俺は「そうなのか」と相づちを打ち、続きを待った。
「でも、私には本当のお父さんとお母さんがいて、二人ともひと目でいいから私に会いたいと言ってるって、あのとき言ってたの。だから会ってあげてくれないかって」
「そうか」
俺は眉をひそめながらも、口は挟まなかった。
あの少年は、一緒にいた大人たちから聞かされていたとおりのことをアニスに話した。あの子は本当にそれを信じていたんだろう。だから男たちが無理矢理アニスを連れ去ったのを見て、ショックを受けた。そこで初めて大人に騙されていたことに気づき、泣きそうな顔でアニスに謝ったと言う。
ここまで聞いても、まだアニスが何を言いたいのか、俺にはわからなかった。どう考えても、人間たちを助けに行く理由なんてない。
「たぶんね、あの子、そんなに強くない。普通の人間よりはずっと強いんだろうけど」
「かもな」
やっぱりわからない。アニスは何を言いたいんだ?
「あの子が魔獣討伐をひとりで頑張ってるけど、追いついてないってクレメントは言ってたでしょ?」
「ああ、言っていた」
「私が行かなかったら、いつかあの子は討伐に失敗して死ぬと思うの」
「そうかもな」
相づちを打ってから、はたと俺は気づいた。そうか、そういうことか。この子は人間を助けに行こうとしているわけじゃない。助けたいのは、勇者だ。そしてこの子が守りたいのは、魔国なんだ。
「あの子が死んだら、またどこかに勇者が生まれるんでしょう?」
「そう言われてる」
「きっと生まれ変わっても、またあの子は騙されるんじゃないかな。そうして今度は、魔国に攻め入ってくるかもしれないでしょ」
否定はできない。何と言っていいのかわからず、俺は口をつぐんだ。
「だから、私は人間の国に行く。あの子に、魔国に攻め入るようなことをさせないために」
アニスの表情には、はっきりと覚悟が浮かんでいた。俺はため息をつき、確認のために尋ねる。
「もう決めたのか」
「うん」
アニスはしばらく沈黙した後、花がほころぶように笑みを浮かべた。
「ダリオン、今まで育ててくれてありがとう。私、絶対にあの子を魔国に攻め入らせたりしないから!」
そんなことのためにお前を育ててきたわけじゃない──と、喉もとまで出かかった。が、言えなかった。だって、アニスを拾って育て始めた最初の動機は、魔国のためでしかなかったからだ。
だけど育てているうちに、気持ちがどんどん変わっていったんだ。ただ無事に育つだけでなく、いつも笑顔でいてほしくなった。泣くような目には、遭わせたくない。心も健やかに、幸せであれと願うようになった。
お前は人間の国に行って、幸せになれるのか? ──俺のもの問いたげな視線に、何を勘違いしたのかアニスはトンチンカンな答えを返した。
「大丈夫。私はダリオンとニコルの娘だもの。きっとうまくやれる」
その自信満々な顔を見たら、尋ねるまでもないことのように思えてきた。だから俺は「そうだな」とだけ言って、もっと小さいときによくしたように、頭をなでてやった。
アニスはその数日後、クレメントたち一行とともに、魔国の国境を越えて行った。国境までは、俺もニコルと一緒に見送りに行った。アニスは少し進むたびに振り向いて、大きく手を振る。手を振り返してやれば、それだけで満足してうれしそうに笑う。
そうして何度も何度も振り返り、手を振って、ついに峠の向こう側に姿を消した。アニスの姿が見えなくなっても、俺とニコルはしばらくそこでアニスたちの消えた方角を見つめていた。風を繰っても、一行の足音が聞こえなくなるまで。
64
お気に入りに追加
193
あなたにおすすめの小説
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
魔王討伐から凱旋した幼馴染みの勇者に捨てられた
海野宵人
恋愛
魔王を倒した勇者ライナスは、わたしの幼馴染みだ。
共に将来を誓い合った仲でもある。
確かにそのはずだった、のだけれど────。
二年近くに及ぶ魔王討伐から凱旋してきたライナスは、私の知っている彼とはまったくの別人になってしまっていた。
魔王討伐に聖女として参加していらした王女さまと旅の間に仲を深め、この度めでたく結婚することになったのだと言う。
本人の口から聞いたので、間違いない。
こんなことになるのじゃないかと思って、前から少しずつ準備しておいてよかった。
急がなくちゃ。旅支度を。
────これは、最後の勇者ライナスと私による本当の魔王討伐の物語。
※序盤のヒーローはかなり情けないやつですが、それなりに成長するので見捨てないでやってください。
本編14話+番外12話+魔王城編12話+帰還編54話。
全てを奪われ追放されたけど、実は地獄のようだった家から逃げられてほっとしている。もう絶対に戻らないからよろしく!
蒼衣翼
ファンタジー
俺は誰もが羨む地位を持ち、美男美女揃いの家族に囲まれて生活をしている。
家や家族目当てに近づく奴や、妬んで陰口を叩く奴は数しれず、友人という名のハイエナ共に付きまとわれる生活だ。
何よりも、外からは最高に見える家庭環境も、俺からすれば地獄のようなもの。
やるべきこと、やってはならないことを細かく決められ、家族のなかで一人平凡顔の俺は、みんなから疎ましがられていた。
そんなある日、家にやって来た一人の少年が、鮮やかな手並みで俺の地位を奪い、とうとう俺を家から放逐させてしまう。
やった! 準備をしつつも諦めていた自由な人生が始まる!
俺はもう戻らないから、後は頼んだぞ!
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ
Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」
結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。
「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」
とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。
リリーナは結界魔術師2級を所持している。
ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。
……本当なら……ね。
※完結まで執筆済み
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
眠り姫な私は王女の地位を剥奪されました。実は眠りながらこの国を護っていたのですけれどね
たつき
ファンタジー
「おまえは王族に相応しくない!今日限りで追放する!」
「お父様!何故ですの!」
「分かり切ってるだろ!おまえがいつも寝ているからだ!」
「お兄様!それは!」
「もういい!今すぐ出て行け!王族の権威を傷つけるな!」
こうして私は王女の身分を剥奪されました。
眠りの世界でこの国を魔物とかから護っていただけですのに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる