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本編
魔国防衛戦略
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デザートのメロンを食べて少ししてから、アニスを昼寝に寝かしつけた。
その後は、大人の時間だ。
食卓を片付けて、会議を始める。まずは状況報告。
「一歳であんな感じなんで、俺まだ当面は、仕事は片手間程度にしかできないわ」
「あれだと最低でも五、六年は付きっきりじゃない?」
「だろうなあ」
しょっちゅう手伝いに来てくれているニコルはもちろん、そこそこ頻繁に様子を見に来ているシェムも、俺の見立てに同意した。
目下の問題は、俺が不在の間、軍をどうするかだ。
平時であれば、軍なんて名ばかりの、単なる警備隊でしかない。危険のある仕事と言ったら、たまに動物園やサーカスから猛獣が逃げ出し、捕獲に駆り出されることがあるくらいか。あとは災害救助とか。凶暴な魔獣が居住区近くに現れたときに、駆除することもある。
それ以外は国境警備という名の単なる見回りやら、酔っ払い同士のけんかの仲裁やらが、主な通常業務。果ては逃げた家畜の捜索なんて仕事まで舞い込むくらいには、魔国内は平和だ。
だが、聖女が生まれたとなれば、話が変わる。
聖女が生まれたなら、どこかに勇者も生まれているはず。勇者と聖女はそろったときに魔族にとって最大限の災厄となるが、どちらか単体でも脅威であることに変わりはない。攻め込まれたときの被害を最小限に抑えるために、事前の準備と訓練は欠かすことができないのだ。
となると、その計画と全体指揮を誰が執るのか、が問題になる。
もちろん、俺が見られれば一番話が早いのだが、あいにくアニスに掛かりっきりだ。死なせず、無事に育て上げるのがこんなに大変とは思わなかった。あいつ、ちょっとでも目を離すとすぐ死にそうなんだよ……。
歩き始めたばかりの頃、ちょろちょろと動き回るのが心配でたまらなかった。せっかく立って歩けるようになったのだから、練習させてやりたいとは思う。だからといって、歩き回るのに四六時中張り付くなんて不可能だ。
それで、リードをつけて行動範囲を制限してはどうかと考えた。我ながら名案だと、自画自賛したものだ。しかし結果から言うと、この案はボツになった。逆に危険性が増したからだ。
適度な長さのひもを用意し、アニスの腰にくくりつける。反対側の端を持っていれば、ひもの長さを半径とした範囲しか動き回れないはずだ──理論上は。
ところが、見慣れないものを腰につけられたアニスは、こちらが思ってもみない行動に出た。歩き回る代わりに、ひもで遊び始めたのだ。
遊ぶと言ったって、こいつにはまだひもを結ぶなんて器用なことはできやしない。ただ引っ張ったり、体に巻いたりするだけだ。しかしこの「巻く」という行動が危険すぎた。
「うわああああ! 何してるんだ! やめなさい! 首に巻くんじゃない‼」
本人としては、別に首にひもを巻こうとしたわけじゃないと思う。ただ単に、遊んでいたら絡まっちゃっただけなんだろう。
だけど、本人の意図とか経過とか、そんなものは関係ないんだよ。首にひもが引っ掛かった状態でコケたらと想像すると、ゾッとして肝が冷える。そして賭けてもいい。こいつはコケる。
ひもはダメだ。ひもはやばい。
思い出すと、今でも嫌な汗が出てくる。あれはとんだ恐怖体験だった。泡を食ったあまり、即座に家じゅうのカーテンタッセルを撤去したほどだ。
リードを首に掛けているところを見ちゃうと、遊んでいる最中にタッセルで首を吊る光景が容易に想像できてしまった。ひもはやばい。ほんと、やばい。
とにかくそんなわけで、こいつからは片時も目を離すことができないのだ。目を離したが最後、思いもかけない理由で死ぬとみて間違いない。多少なりとも気を抜けるのは、寝ているときくらいなものだ。
俺がアニスに掛かりっきり、ニコルも俺のサポートで結構な時間を割いてくれている。軍のトップ二人が事実上、戦力外である。
こうした現状を踏まえ、シェムが結論を出した。
「となると消去法で、僕だねえ」
「頼めるか」
「だって、やるしかないでしょ。ちょくちょく相談に乗ってもらうことにはなるだろうけど」
「それくらいは当然だ」
シェムは少し考え込んだ後、顔を上げ、頬杖をついた。
「魔王役は、どうしようか」
「伝統どおりでいいんじゃね?」
シェムの言う「魔王役」とは、言葉どおりの意味だ。魔王という役を演じる者。誰に対して演じるかというと、勇者に対してである。
俺は聖女であるアニスを死なせないよう四苦八苦しているが、勇者も同様に死なせてはいけない存在だ。死ぬたびにまたどこかに生まれ変わって、育つと攻め込んでくる。そんなことを何度も繰り返されるのは、勘弁してほしいわけだ。だからといって攻め込まれるがままにまかせ、魔国内で虐殺し放題なんて暴虐を許せるはずがない。
そこで編み出されたのが、勇者対策メソッドだ。
勇者と聖女が魔国に攻め込んでくるのは、魔王を倒すのが目的だということがわかっている。魔王を倒しさえすれば、おとなしく人間たちの縄張りに帰っていく。ここで重要なのは、やつらが本当に魔王を倒すかどうかではない。やつらが「自分たちは魔王を倒した」と思うかどうかなのだ。
だから幻影魔法を駆使して、やつらが満足するよう、うまく誘導する。言葉にすると簡単そうだが、相手は殺意も殺傷力も高い勇者。国民の犠牲を出すことなく彼らを満足させるには、入念な準備と訓練が欠かせない。
しかもやつらは、魔王の容姿にも一家言あるらしい。ゴブリンやコボルトなどの小型種は論外として、中型種でも、たぶんシェムだと相手にされない。見た目が若くて線も細いから。間違いなく俺も無理。自分で言って悲しくなるが、貫禄ないんだよな。
だから伝統的に、魔王役はオーク族から選出されることが多い。なるべく顔つきと体格ともに厳つい者が役向きとされる。ただし、もちろん見た目だけでなく、魔王役を張れるだけの臨機応変さも求められるから、適任者探しは難しい。
だいたいさ、ムキムキ揃いのオーク族の中でも特に体格の優れた者でないと認めないとか、魔王の容姿に夢見過ぎじゃないかな。魔王なんて別に、体格で選ばれるものじゃないんだよ。ありゃ、不運にして能力的に適任だったやつに、周囲から押しつけられる仕事でしかない。俺が軍のまとめ役をやらされてるのと、同じことだ。
こうして話し合いを終え、アニスの様子を確認しに寝室のドアを開けた。そろそろ昼寝から目を覚ます時間だ。思ったとおり、目を覚ましていた。そして、とんでもないことをしでかしていやがった。
「うわあああああ! 落ちる!」
アニスがベッドの柵をよじ登っていたのだ。しかも俺の見ている前で、手を滑らせてグラッと外側に倒れ込む。それも頭を下にして。このときほど、自分がパワーよりスピードに優れたタイプなのを感謝したことはない。猛ダッシュして、真っ逆さまに柵から落ちたアニスを、すんでのところで抱きとめることができた。
危なかった。心臓がバクバクしている。リード事件と並ぶほどのやばさだった。
俺の叫び声にびっくりして泣き出したアニスをあやしながら、この先どうしたものかと頭を悩ませる。一度やらかしたなら、こいつは必ずや二度でも三度でも繰り返すのだ。
一部始終を見ていたシェムは「ダリオンの声がするほうへ行こうとしてたんだろうねえ」と苦笑する。そして手軽に実現できそうな提案をしてくれた。
「もうさ、上も柵で覆っちゃったら?」
「本格的に檻だな」
シェムの案には、鉄壁の安全性に心惹かれるものがある。だが結局、ベッドを壁面にくっつけて対処することにした。どうやら、横の桟に足をかけてよじ登ったらしいと判明したからだ。この桟は、柵を開閉できる部分にだけついている。だから、その面を壁につけたのだ。
こうすれば、たとえよじ登ったとしても外側に落ちる心配はない。まあ、それでもよじ登るんだけどな。よじ登ったはいいが、柵は壁面についているから乗り越えることができず、かといって自分で降りることもできなくなって泣いていた。お前は木に登って降りられなくなる猫か。
このときついでに、寝室のカーペットも入れ替えた。毛足が長く、クッション性の高いものに替えたのだ。これならたとえ何かの間違いで落っこちたとしても、そうそう死にはしないはず。
そもそも落ちない対策を徹底すべきだとは思うが、安全策はいくつ重ねて用意したっていいものだ。何ごとにも万が一ということがある。特にこいつは、予想外のことをしでかす天才だから。
その後は、大人の時間だ。
食卓を片付けて、会議を始める。まずは状況報告。
「一歳であんな感じなんで、俺まだ当面は、仕事は片手間程度にしかできないわ」
「あれだと最低でも五、六年は付きっきりじゃない?」
「だろうなあ」
しょっちゅう手伝いに来てくれているニコルはもちろん、そこそこ頻繁に様子を見に来ているシェムも、俺の見立てに同意した。
目下の問題は、俺が不在の間、軍をどうするかだ。
平時であれば、軍なんて名ばかりの、単なる警備隊でしかない。危険のある仕事と言ったら、たまに動物園やサーカスから猛獣が逃げ出し、捕獲に駆り出されることがあるくらいか。あとは災害救助とか。凶暴な魔獣が居住区近くに現れたときに、駆除することもある。
それ以外は国境警備という名の単なる見回りやら、酔っ払い同士のけんかの仲裁やらが、主な通常業務。果ては逃げた家畜の捜索なんて仕事まで舞い込むくらいには、魔国内は平和だ。
だが、聖女が生まれたとなれば、話が変わる。
聖女が生まれたなら、どこかに勇者も生まれているはず。勇者と聖女はそろったときに魔族にとって最大限の災厄となるが、どちらか単体でも脅威であることに変わりはない。攻め込まれたときの被害を最小限に抑えるために、事前の準備と訓練は欠かすことができないのだ。
となると、その計画と全体指揮を誰が執るのか、が問題になる。
もちろん、俺が見られれば一番話が早いのだが、あいにくアニスに掛かりっきりだ。死なせず、無事に育て上げるのがこんなに大変とは思わなかった。あいつ、ちょっとでも目を離すとすぐ死にそうなんだよ……。
歩き始めたばかりの頃、ちょろちょろと動き回るのが心配でたまらなかった。せっかく立って歩けるようになったのだから、練習させてやりたいとは思う。だからといって、歩き回るのに四六時中張り付くなんて不可能だ。
それで、リードをつけて行動範囲を制限してはどうかと考えた。我ながら名案だと、自画自賛したものだ。しかし結果から言うと、この案はボツになった。逆に危険性が増したからだ。
適度な長さのひもを用意し、アニスの腰にくくりつける。反対側の端を持っていれば、ひもの長さを半径とした範囲しか動き回れないはずだ──理論上は。
ところが、見慣れないものを腰につけられたアニスは、こちらが思ってもみない行動に出た。歩き回る代わりに、ひもで遊び始めたのだ。
遊ぶと言ったって、こいつにはまだひもを結ぶなんて器用なことはできやしない。ただ引っ張ったり、体に巻いたりするだけだ。しかしこの「巻く」という行動が危険すぎた。
「うわああああ! 何してるんだ! やめなさい! 首に巻くんじゃない‼」
本人としては、別に首にひもを巻こうとしたわけじゃないと思う。ただ単に、遊んでいたら絡まっちゃっただけなんだろう。
だけど、本人の意図とか経過とか、そんなものは関係ないんだよ。首にひもが引っ掛かった状態でコケたらと想像すると、ゾッとして肝が冷える。そして賭けてもいい。こいつはコケる。
ひもはダメだ。ひもはやばい。
思い出すと、今でも嫌な汗が出てくる。あれはとんだ恐怖体験だった。泡を食ったあまり、即座に家じゅうのカーテンタッセルを撤去したほどだ。
リードを首に掛けているところを見ちゃうと、遊んでいる最中にタッセルで首を吊る光景が容易に想像できてしまった。ひもはやばい。ほんと、やばい。
とにかくそんなわけで、こいつからは片時も目を離すことができないのだ。目を離したが最後、思いもかけない理由で死ぬとみて間違いない。多少なりとも気を抜けるのは、寝ているときくらいなものだ。
俺がアニスに掛かりっきり、ニコルも俺のサポートで結構な時間を割いてくれている。軍のトップ二人が事実上、戦力外である。
こうした現状を踏まえ、シェムが結論を出した。
「となると消去法で、僕だねえ」
「頼めるか」
「だって、やるしかないでしょ。ちょくちょく相談に乗ってもらうことにはなるだろうけど」
「それくらいは当然だ」
シェムは少し考え込んだ後、顔を上げ、頬杖をついた。
「魔王役は、どうしようか」
「伝統どおりでいいんじゃね?」
シェムの言う「魔王役」とは、言葉どおりの意味だ。魔王という役を演じる者。誰に対して演じるかというと、勇者に対してである。
俺は聖女であるアニスを死なせないよう四苦八苦しているが、勇者も同様に死なせてはいけない存在だ。死ぬたびにまたどこかに生まれ変わって、育つと攻め込んでくる。そんなことを何度も繰り返されるのは、勘弁してほしいわけだ。だからといって攻め込まれるがままにまかせ、魔国内で虐殺し放題なんて暴虐を許せるはずがない。
そこで編み出されたのが、勇者対策メソッドだ。
勇者と聖女が魔国に攻め込んでくるのは、魔王を倒すのが目的だということがわかっている。魔王を倒しさえすれば、おとなしく人間たちの縄張りに帰っていく。ここで重要なのは、やつらが本当に魔王を倒すかどうかではない。やつらが「自分たちは魔王を倒した」と思うかどうかなのだ。
だから幻影魔法を駆使して、やつらが満足するよう、うまく誘導する。言葉にすると簡単そうだが、相手は殺意も殺傷力も高い勇者。国民の犠牲を出すことなく彼らを満足させるには、入念な準備と訓練が欠かせない。
しかもやつらは、魔王の容姿にも一家言あるらしい。ゴブリンやコボルトなどの小型種は論外として、中型種でも、たぶんシェムだと相手にされない。見た目が若くて線も細いから。間違いなく俺も無理。自分で言って悲しくなるが、貫禄ないんだよな。
だから伝統的に、魔王役はオーク族から選出されることが多い。なるべく顔つきと体格ともに厳つい者が役向きとされる。ただし、もちろん見た目だけでなく、魔王役を張れるだけの臨機応変さも求められるから、適任者探しは難しい。
だいたいさ、ムキムキ揃いのオーク族の中でも特に体格の優れた者でないと認めないとか、魔王の容姿に夢見過ぎじゃないかな。魔王なんて別に、体格で選ばれるものじゃないんだよ。ありゃ、不運にして能力的に適任だったやつに、周囲から押しつけられる仕事でしかない。俺が軍のまとめ役をやらされてるのと、同じことだ。
こうして話し合いを終え、アニスの様子を確認しに寝室のドアを開けた。そろそろ昼寝から目を覚ます時間だ。思ったとおり、目を覚ましていた。そして、とんでもないことをしでかしていやがった。
「うわあああああ! 落ちる!」
アニスがベッドの柵をよじ登っていたのだ。しかも俺の見ている前で、手を滑らせてグラッと外側に倒れ込む。それも頭を下にして。このときほど、自分がパワーよりスピードに優れたタイプなのを感謝したことはない。猛ダッシュして、真っ逆さまに柵から落ちたアニスを、すんでのところで抱きとめることができた。
危なかった。心臓がバクバクしている。リード事件と並ぶほどのやばさだった。
俺の叫び声にびっくりして泣き出したアニスをあやしながら、この先どうしたものかと頭を悩ませる。一度やらかしたなら、こいつは必ずや二度でも三度でも繰り返すのだ。
一部始終を見ていたシェムは「ダリオンの声がするほうへ行こうとしてたんだろうねえ」と苦笑する。そして手軽に実現できそうな提案をしてくれた。
「もうさ、上も柵で覆っちゃったら?」
「本格的に檻だな」
シェムの案には、鉄壁の安全性に心惹かれるものがある。だが結局、ベッドを壁面にくっつけて対処することにした。どうやら、横の桟に足をかけてよじ登ったらしいと判明したからだ。この桟は、柵を開閉できる部分にだけついている。だから、その面を壁につけたのだ。
こうすれば、たとえよじ登ったとしても外側に落ちる心配はない。まあ、それでもよじ登るんだけどな。よじ登ったはいいが、柵は壁面についているから乗り越えることができず、かといって自分で降りることもできなくなって泣いていた。お前は木に登って降りられなくなる猫か。
このときついでに、寝室のカーペットも入れ替えた。毛足が長く、クッション性の高いものに替えたのだ。これならたとえ何かの間違いで落っこちたとしても、そうそう死にはしないはず。
そもそも落ちない対策を徹底すべきだとは思うが、安全策はいくつ重ねて用意したっていいものだ。何ごとにも万が一ということがある。特にこいつは、予想外のことをしでかす天才だから。
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