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ドロシーの料理は世界一美味しい
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「疲れた……」
帝国に武器を売りに行って馬車で帰宅している最中、俺はついため息をついてしまう。ドロシーを3億で買ったことを知られた客からはそんなに稼いでるんだからもっと安くしろだの言われるし、俺の財産を狙ってならず者が襲われるわ、散々な日だった。
でも、金はしっかり稼いできたからコレットのツケ代も払えるし、酒も買ってきたから今日の分のお礼もできる。苦労に見合った分の対価は得られたかな。
ただ、ドロシーがどうして奴隷になったかの情報は得られなかった。奴隷商人に理由を問い詰めても、顧客情報を漏らすわけにはいきませんからと相手にもされない始末。……流石に本人の口から言ってもらうわけにもいかないし、今のところその件に関しては八方塞がりといったところだ。
まぁ今はとにかくドロシーが楽しく過ごせるよう頑張ることが優先か。お金も稼いだし、ドロシーがしたいことをさせてあげたいな。
「ん、なんかいい香りがするな」
自宅付近に着くと、何やら香ばしい香りが漂ってきた。あれ、もしかしてコレットが夜ご飯を作ってくれたのか?
「ただいま」
「あ、エリックお帰り」
「あ、コレット。今日は色々とありがとな、はいこれ酒。夜ご飯も作ってくれたみたいで、ほんと色々助かるよ」
「ふふーん、夜ご飯は私が作ったんじゃないよ」
「え? じゃあ……ど、ドロシーが?」
「うん! ドロシーさんが頑張ってるエリックのためにご飯を作ってあげたいってことで、夜ご飯を作ってるの。いやー、最初は私も手伝ってたんだけどさ……ドロシーさん凄いね。天才ってほんとにいるんだねぇ」
思ってもみないサプライズだ。ドロシーが俺のためにご飯を作ってくれるだなんて、それだけで正直めちゃくちゃ嬉しい。それに、コレットがドロシーを褒め称えているのを見るに、ドロシーの料理の腕は相当なものみたいだ。
「ほら、早く会ってあげな。ドロシーさん、エリックのことずっと待ってたんだから」
「おお。ただいま、ドロシー」
「え、エリック……! お、お帰り……」
料理に集中していたのか、ドロシーは俺が近くによるまで帰ってきていることに気づいていなかったようだ。お、こ、これは……な、なんて美味しそうな料理の数々! 香ばしくて食欲を唆る香りのステーキに、野菜たっぷりのポトフやグラタンが並べられているのをみたら、俺のお腹は正直にお腹を鳴らしてしまった。
「お、お腹空いたよねエリック。も、もうすぐ全部出来上がるから、もうちょっとだけ待っててね」
「あ、ああ。……こ、これ全部ドロシーが作ったのか?」
「う、うん……りょ、料理は初めてだったからうまくできたかわからないけど……え、エリックに少しでも喜んでもらいたくて……」
「あ、ありがとうドロシー!」
つい俺は嬉しさのあまりドロシーを抱きしめそうになるが、まだ料理中だったのでなんとか堪えた。でも、それくらい本当に嬉しかったんだ。
「で、できたよエリック、こ、コレットさん」
「ありがとうドロシーさん! ほんとに美味しそう~!」
「それじゃあ……いただきます!」
出来上がったドロシーの料理を、俺は早速食べてみる。……う、うまい! 思った通り、ドロシーの作った料理はめちゃくちゃ美味しくてばくばくと食べてしまう。これで料理を作ったのが初めてっていうんだから、本当にドロシーは天才だ。
「すごく美味しいよドロシー! ドロシーの料理、世界一美味しい!」
「そ、そんなことは……」
「ある! ドロシーは天才だ!」
「え、エリック……も、もう……」
「おーい、またドロシーさん燃えちゃう」
あまりに美味しかったのでまたドロシーを思いっきり褒めていたら、コレットに言われるまでドロシーがリンゴのように真っ赤な顔になっていることに気づかなかった。でも本当に美味しかったし、天才だって言葉もお世辞じゃなくて本気で思ってる。それくらい、ドロシーは凄い。
「で、でも……エリックに喜んでもらえて……良かった。ま、また作ってもいい?」
「大歓迎だよ! ドロシーの料理、毎日食べたいくらいだ!」
「そ、それは……わ、私はエリックの料理が好きだから……エリックの料理、食べられなくなるのは……イヤ」
「お、良かったじゃんエリック。それなら二人で作ることにしたら?」
「それは名案だなコレット! なら、一緒にいるときは二人で作ろっか」
「う、うん……!」
ドロシーに俺の料理が食べたいと言ってもらえることも嬉しかった。でも、それよりも、もっと嬉しかったことがある。
「あ、ドロシーさんの笑った顔可愛い!」
「え、そ、そう……ですか?」
今までぎこちなかったドロシーの笑顔が、今までよりもずっと穏やかで、可愛らしい笑顔になっていたことが、とても嬉しかった。まだ、それでもちょっぴり強張っていたけど、それでもドロシーがこんな風に笑えるようになってくれて……本当に良かった!
帝国に武器を売りに行って馬車で帰宅している最中、俺はついため息をついてしまう。ドロシーを3億で買ったことを知られた客からはそんなに稼いでるんだからもっと安くしろだの言われるし、俺の財産を狙ってならず者が襲われるわ、散々な日だった。
でも、金はしっかり稼いできたからコレットのツケ代も払えるし、酒も買ってきたから今日の分のお礼もできる。苦労に見合った分の対価は得られたかな。
ただ、ドロシーがどうして奴隷になったかの情報は得られなかった。奴隷商人に理由を問い詰めても、顧客情報を漏らすわけにはいきませんからと相手にもされない始末。……流石に本人の口から言ってもらうわけにもいかないし、今のところその件に関しては八方塞がりといったところだ。
まぁ今はとにかくドロシーが楽しく過ごせるよう頑張ることが優先か。お金も稼いだし、ドロシーがしたいことをさせてあげたいな。
「ん、なんかいい香りがするな」
自宅付近に着くと、何やら香ばしい香りが漂ってきた。あれ、もしかしてコレットが夜ご飯を作ってくれたのか?
「ただいま」
「あ、エリックお帰り」
「あ、コレット。今日は色々とありがとな、はいこれ酒。夜ご飯も作ってくれたみたいで、ほんと色々助かるよ」
「ふふーん、夜ご飯は私が作ったんじゃないよ」
「え? じゃあ……ど、ドロシーが?」
「うん! ドロシーさんが頑張ってるエリックのためにご飯を作ってあげたいってことで、夜ご飯を作ってるの。いやー、最初は私も手伝ってたんだけどさ……ドロシーさん凄いね。天才ってほんとにいるんだねぇ」
思ってもみないサプライズだ。ドロシーが俺のためにご飯を作ってくれるだなんて、それだけで正直めちゃくちゃ嬉しい。それに、コレットがドロシーを褒め称えているのを見るに、ドロシーの料理の腕は相当なものみたいだ。
「ほら、早く会ってあげな。ドロシーさん、エリックのことずっと待ってたんだから」
「おお。ただいま、ドロシー」
「え、エリック……! お、お帰り……」
料理に集中していたのか、ドロシーは俺が近くによるまで帰ってきていることに気づいていなかったようだ。お、こ、これは……な、なんて美味しそうな料理の数々! 香ばしくて食欲を唆る香りのステーキに、野菜たっぷりのポトフやグラタンが並べられているのをみたら、俺のお腹は正直にお腹を鳴らしてしまった。
「お、お腹空いたよねエリック。も、もうすぐ全部出来上がるから、もうちょっとだけ待っててね」
「あ、ああ。……こ、これ全部ドロシーが作ったのか?」
「う、うん……りょ、料理は初めてだったからうまくできたかわからないけど……え、エリックに少しでも喜んでもらいたくて……」
「あ、ありがとうドロシー!」
つい俺は嬉しさのあまりドロシーを抱きしめそうになるが、まだ料理中だったのでなんとか堪えた。でも、それくらい本当に嬉しかったんだ。
「で、できたよエリック、こ、コレットさん」
「ありがとうドロシーさん! ほんとに美味しそう~!」
「それじゃあ……いただきます!」
出来上がったドロシーの料理を、俺は早速食べてみる。……う、うまい! 思った通り、ドロシーの作った料理はめちゃくちゃ美味しくてばくばくと食べてしまう。これで料理を作ったのが初めてっていうんだから、本当にドロシーは天才だ。
「すごく美味しいよドロシー! ドロシーの料理、世界一美味しい!」
「そ、そんなことは……」
「ある! ドロシーは天才だ!」
「え、エリック……も、もう……」
「おーい、またドロシーさん燃えちゃう」
あまりに美味しかったのでまたドロシーを思いっきり褒めていたら、コレットに言われるまでドロシーがリンゴのように真っ赤な顔になっていることに気づかなかった。でも本当に美味しかったし、天才だって言葉もお世辞じゃなくて本気で思ってる。それくらい、ドロシーは凄い。
「で、でも……エリックに喜んでもらえて……良かった。ま、また作ってもいい?」
「大歓迎だよ! ドロシーの料理、毎日食べたいくらいだ!」
「そ、それは……わ、私はエリックの料理が好きだから……エリックの料理、食べられなくなるのは……イヤ」
「お、良かったじゃんエリック。それなら二人で作ることにしたら?」
「それは名案だなコレット! なら、一緒にいるときは二人で作ろっか」
「う、うん……!」
ドロシーに俺の料理が食べたいと言ってもらえることも嬉しかった。でも、それよりも、もっと嬉しかったことがある。
「あ、ドロシーさんの笑った顔可愛い!」
「え、そ、そう……ですか?」
今までぎこちなかったドロシーの笑顔が、今までよりもずっと穏やかで、可愛らしい笑顔になっていたことが、とても嬉しかった。まだ、それでもちょっぴり強張っていたけど、それでもドロシーがこんな風に笑えるようになってくれて……本当に良かった!
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