7 / 12
【内政】建設:畑
しおりを挟む
「さて、今なら特別料金300シルバーで、屋敷の掃除をさせていただきますが、どういたしましょうか?」
見送りを済ませて書斎に戻ると、荒れ果てた屋敷を見るに見かねてか、ノワールさんがそんな提案をしてくれた。
300シルバーで大掃除をしてもらえるなら安いものだけど、今は予算に限りがある。
「大丈夫、ここの掃除は自分でやるよ。それより見てほしいものがある」
そう言って僕は書斎机のザラキアの地図に手を差し出して、あの力を使った。
――――――――――――――――――
【内政:辺境伯領ザラキア】
【兵糧】2014 (+53)
【金】 853 (+28)
【人口】 507 (ー 1)
【治安】 70/100(+ 0)
【民忠】 52/100(+ 0)
【兵力】 10
【馬】 0
【魔導師】 0
【魔導兵】 0
【求職者】 10
【施設数】0/6
【補足】
金・兵糧の()は来月予測
その他の()は先月比
――――――――――――――――――
雇い主の目が『ギラーンッ』と光っておかしな映像が現れると、さすがのクールビューティも驚いたようだった。
「これがアルト様の……。ミュラー様に聞かされたときは半信半疑でしたが、なるほど、これは恐ろしい……」
傭兵からすればそうだろう。
この力を使われたら、ものの一瞬で戦力を把握されてしまうのだから。
「やっぱり聞かされてたんだね」
「そもそもこの仕事、ミュラー将軍からの依頼でなければ受けておりません」
「じゃあ、この画面についても聞いているよね」
内心ワクワクとしながら、画面左の【建設】コマンドを押した。
――――――――――――――――――――――――――――
【内政施設】
【畑】
Lv1【費用 金200】
【効果:兵糧200(月)】
【商店街】
Lv1【費用 金400】
【効果:金50(月)】
【兵舎】
Lv1【費用 金200 石材50】
【効果:正規兵上限250
治安低下抑制・小】
【歓楽街】
Lv1【費用 金800】
【効果:人材5(月)
民忠誠増加・小】
【職人街】
Lv1【費用 金200 人材5】
【効果:金100(月)】
【錬金術工房】
Lv1【費用 金1000
人材1 鉄材50 石材50】
【効果:金・兵糧収入+25%】
【ワイン工房】
Lv1【費用 金200 木材200 人材3】
【効果:金20(月)
特産品ワイン50追加】
【馬産地】
Lv1【費用 金700】【効果:馬50(月)】
【ドロイド試作所】
Lv1【費用 金50 人材1】
【効果:効果:ドロイド人口10(月)】
【魔導工房】
Lv1【費用 金2000
木材・鉄材・石材2000 人材3】
【効果:魔導兵50(月)】
――――――――――――――――――――――――――――
おお、なんか想像よりも――ファンタジックだ!
特にこの【ドロイド試作所】というのが気になる!
表示によると金は853ある。
「まずは【畑】と【商店街】の建設かな。これで金600の消費。残金の253は使わずに残しておいた方が現実的だろうね」
「は、はぁ……?」
「仕組みがわからない人間には、まあわからないよね、これだけじゃ」
検証のためにバックからお金を取り出した。そこには兄上が今日のために工面してくれた金貨袋が入っている。その金貨を10枚ずつそろえて机に並べた。
小金貨が80枚、しめて80万シルバーだ。
「まず、【畑】を建設するよ」
――――――――――――――――――――――――――――
領主:アルト(100/100) に費用・金200で命令を実行させますか?
→【是】・【否】
――――――――――――――――――――――――――――
日本円にして200万シルバーの投資だ。とても安いとは言えない。
指を振るわせながら僕は【是】を押した。
―――――――――――――――――――――
建設予定地を指さして下さい。
(現在光っている大地が建設予定地です。
―――――――――――――――――――――
え、これってどういうこと……?
指を指せといわれても、画面に変化がない。
「な……っ!? ご領主様っ、外をご覧下さいっ!」
「え、外……? えっ、ええええーっっ!?」
書斎の窓から外を確かめると、ザラキアの大地が光っていた!
川の方に3つ、街道沿いに5つ。それぞれの建設候補地が正方形に光を上げて輝いていた!
しかもでかい……。
一辺250メートルはあるように見える……。
「じゃ、じゃあ、いくよ、見ててね……」
「り、理解が追い付かない……」
川沿いの土地の一番遠いところを指さした。
――――――――――――――――――――――――――――――――
家事手伝い:アルト(100/100)は【畑】の建築を進めた!
成功! 【畑】の建設度が100%となり【畑】が完成した!
土地整備により木材31を獲得! 石材9を獲得!
【特性:開墾】により、金の消費が100軽減された!
――――――――――――――――――――――――――――――――
かつてうちの花壇で起きた現象と同じことが起きた。
管理を放棄され荒れ果てた土地が光輝き、群生していた草木が消滅した。
そしてそこに麦畑が生えた。
ぐんぐんと光輝きながら背を伸ばし、青から黄金のグラデーションを描く美しい麦畑が誕生した。
「私は、夢でも見ているのか……?」
「現実だよ。だってほら……小金貨が10枚消えている」
【特性:開墾】によるコスト半減効果を忘れていた僕は今、ちょっとした棚からぼた餅の気分だった。
見送りを済ませて書斎に戻ると、荒れ果てた屋敷を見るに見かねてか、ノワールさんがそんな提案をしてくれた。
300シルバーで大掃除をしてもらえるなら安いものだけど、今は予算に限りがある。
「大丈夫、ここの掃除は自分でやるよ。それより見てほしいものがある」
そう言って僕は書斎机のザラキアの地図に手を差し出して、あの力を使った。
――――――――――――――――――
【内政:辺境伯領ザラキア】
【兵糧】2014 (+53)
【金】 853 (+28)
【人口】 507 (ー 1)
【治安】 70/100(+ 0)
【民忠】 52/100(+ 0)
【兵力】 10
【馬】 0
【魔導師】 0
【魔導兵】 0
【求職者】 10
【施設数】0/6
【補足】
金・兵糧の()は来月予測
その他の()は先月比
――――――――――――――――――
雇い主の目が『ギラーンッ』と光っておかしな映像が現れると、さすがのクールビューティも驚いたようだった。
「これがアルト様の……。ミュラー様に聞かされたときは半信半疑でしたが、なるほど、これは恐ろしい……」
傭兵からすればそうだろう。
この力を使われたら、ものの一瞬で戦力を把握されてしまうのだから。
「やっぱり聞かされてたんだね」
「そもそもこの仕事、ミュラー将軍からの依頼でなければ受けておりません」
「じゃあ、この画面についても聞いているよね」
内心ワクワクとしながら、画面左の【建設】コマンドを押した。
――――――――――――――――――――――――――――
【内政施設】
【畑】
Lv1【費用 金200】
【効果:兵糧200(月)】
【商店街】
Lv1【費用 金400】
【効果:金50(月)】
【兵舎】
Lv1【費用 金200 石材50】
【効果:正規兵上限250
治安低下抑制・小】
【歓楽街】
Lv1【費用 金800】
【効果:人材5(月)
民忠誠増加・小】
【職人街】
Lv1【費用 金200 人材5】
【効果:金100(月)】
【錬金術工房】
Lv1【費用 金1000
人材1 鉄材50 石材50】
【効果:金・兵糧収入+25%】
【ワイン工房】
Lv1【費用 金200 木材200 人材3】
【効果:金20(月)
特産品ワイン50追加】
【馬産地】
Lv1【費用 金700】【効果:馬50(月)】
【ドロイド試作所】
Lv1【費用 金50 人材1】
【効果:効果:ドロイド人口10(月)】
【魔導工房】
Lv1【費用 金2000
木材・鉄材・石材2000 人材3】
【効果:魔導兵50(月)】
――――――――――――――――――――――――――――
おお、なんか想像よりも――ファンタジックだ!
特にこの【ドロイド試作所】というのが気になる!
表示によると金は853ある。
「まずは【畑】と【商店街】の建設かな。これで金600の消費。残金の253は使わずに残しておいた方が現実的だろうね」
「は、はぁ……?」
「仕組みがわからない人間には、まあわからないよね、これだけじゃ」
検証のためにバックからお金を取り出した。そこには兄上が今日のために工面してくれた金貨袋が入っている。その金貨を10枚ずつそろえて机に並べた。
小金貨が80枚、しめて80万シルバーだ。
「まず、【畑】を建設するよ」
――――――――――――――――――――――――――――
領主:アルト(100/100) に費用・金200で命令を実行させますか?
→【是】・【否】
――――――――――――――――――――――――――――
日本円にして200万シルバーの投資だ。とても安いとは言えない。
指を振るわせながら僕は【是】を押した。
―――――――――――――――――――――
建設予定地を指さして下さい。
(現在光っている大地が建設予定地です。
―――――――――――――――――――――
え、これってどういうこと……?
指を指せといわれても、画面に変化がない。
「な……っ!? ご領主様っ、外をご覧下さいっ!」
「え、外……? えっ、ええええーっっ!?」
書斎の窓から外を確かめると、ザラキアの大地が光っていた!
川の方に3つ、街道沿いに5つ。それぞれの建設候補地が正方形に光を上げて輝いていた!
しかもでかい……。
一辺250メートルはあるように見える……。
「じゃ、じゃあ、いくよ、見ててね……」
「り、理解が追い付かない……」
川沿いの土地の一番遠いところを指さした。
――――――――――――――――――――――――――――――――
家事手伝い:アルト(100/100)は【畑】の建築を進めた!
成功! 【畑】の建設度が100%となり【畑】が完成した!
土地整備により木材31を獲得! 石材9を獲得!
【特性:開墾】により、金の消費が100軽減された!
――――――――――――――――――――――――――――――――
かつてうちの花壇で起きた現象と同じことが起きた。
管理を放棄され荒れ果てた土地が光輝き、群生していた草木が消滅した。
そしてそこに麦畑が生えた。
ぐんぐんと光輝きながら背を伸ばし、青から黄金のグラデーションを描く美しい麦畑が誕生した。
「私は、夢でも見ているのか……?」
「現実だよ。だってほら……小金貨が10枚消えている」
【特性:開墾】によるコスト半減効果を忘れていた僕は今、ちょっとした棚からぼた餅の気分だった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
美少女ゲームの悪役令息に転生した俺、『本編先乗り』と【モンスター錬成】で原作を破壊する
ふつうのにーちゃん
ファンタジー
美少女ゲーム【ドラゴンズ・ティアラ】は、バグが多いのが玉に瑕の1000時間遊べる名作RPGだ。
そんな【ドラゴンズ・ティアラ】を正規プレイからバグ利用プレイまで全てを遊び尽くした俺は、憧れのゲーム世界に転生してしまう。
俺が転生したのは子爵家の次男ヴァレリウス。ゲーム中盤で惨たらしい破滅を迎えることになる、やられ役の悪役令息だった。
冷酷な兄との対立。父の失望からの勘当。学生ランクFへの降格。破滅の未来。
前世の記憶が蘇るなり苦難のスタートとなったが、むしろ俺はハッピーだった。
家族にハズレ扱いされたヴァレリウスの【モンスター錬成】スキルは、最強キャラクター育成の鍵だったのだから。
差し当たって目指すは最強。そして本編ごとの破滅シナリオの破壊。
元よりバランス崩壊上等のプレイヤーだった俺は、自重無しのストロングスタイルで、突っかかってくる家族を返り討ちにしつつ、ストーリー本編を乗っ取ってゆく。
(他サイトでも連載中)
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる