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・廃ゲーマー オリ主ムーブを正当化する
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「レベルアーープッッ!! はぁ……っ」
「お、おいっ!?」
戦いが終わるとミシェーラ皇女が背中から倒れかけた。
それに俺は飛び付いて、背中に腕を回して抱き留めた。
「まあ、ヴァー様は意外とたくましいのですね……」
「意外は余計だろ……。大丈夫か、ミシェーラ――皇女殿下」
これまで体験したことのない活力を自分の全身から感じた。
これが高フィジカルの肉体を持った者の世界。そしてレベルアップ。
片腕だけで女性を軽々と抱き留める自分に酔ってしまいそうだった。
「ふふ、とっても、楽しかったです……♪」
「お前な……っ、どんだけバトルマニアなんだよ……っ」
ミシェーラ皇女を片腕に抱きながら俺も腰を落とした。
俺の膝を背もたれにしてやって、彼女の傷の状態を確かめる。
「こんなことなら意地を張らず……メメを連れて来るのでした……」
「ああ、メメさんか。メメさんならさっき会った」
「えっ!?」
「すぐに来る。それまで少し我慢しろ」
メメさんは回復魔法が使える。
メメさんさえ合流すれば、傷を止血してこの【ザザの古戦場】を出られる。
「驚きました……」
「俺もだ。面白い人だよな、メメさん」
メメさんのことを褒めると、どういうわけかミシェーラ皇女は眉を歪めた。
傷が痛むのだろうか。心配で顔をのぞき込んでしまった。
「ヴァー様は、どうしてここに……?」
「皇女殿下たちを尾行してた」
「私を……? ですが、町を離れていたのではないのですか……?」
「いや、俺は家を勘当されているんだ」
「か、勘当ですかっ!?」
「けど風の噂で皇女殿下の来訪の予定を知ってな。空振りさせるのも悪いし、久しぶりに帰って来たんだな」
「まあ……っ、そうとは知らず私ったら……わざわざご足労いただき申し訳ありません……」
これがさっきまで血に飢えていた女性だろうか。
俺はミシェーラ皇女の顔をのぞき込み、よく観察した。
一人のプレイヤーとして、俺はミシェーラ皇女の毒のない顔立ちが好きだった。
彼女は魔法戦士としてのたくましさと、姫君らしい無垢さをあわせ持った魅力的なキャラクターだった。
ミシェーラ皇女ルートをクリアーした回数は、きっとメメさんの回数に並ぶ。
「あの……」
「ん……?」
「なぜ、私の顔を、そんなに……のぞき込むのですか……?」
「そりゃ――」
キャラクターとして大好きだから――なんて言えるわけがない。
この女性を物語の主人公に独り占めされるのは、何か無性に、いや非常に、気に食わないような気がしてきた……。
だって俺はミシェーラ皇女とメメさんのファンだ。
それがいずれ現れる狂気の17股主人公に持って行かれるなんて、理不尽ではないか?
そんだけモテにモテまくることが確定してんだから、メインキャラの一人や二人くらい俺みたいなモブに回してくれてもいいだろっ!?
と、考えなくもない。
「あ、あの……恥ずかしい……です……。ぁぁ……もしやこの方は、私に……」
ミシェーラ皇女はストーリー進行上の大きな役割を持っている。
この世界の進行を破綻させ、バグらせたいのならば、お友達以上の関係になって主人公との縁を奪えばいい。
二次創作小説のオリ主(オリジナル主人公)がやってることと全く同じでしゃくだが、目的を考えればそれこそが正しい。
「ミシェーラ皇女殿下」
「は、はい……っ」
「よろしければ、この機会に俺と学友になって下さ――」
「お楽しみのところ申しわけないでしゅが!」
声に驚いて顔を上げる。
するとメメさんが眼の前で俺たちを見下ろしていた。
さらにその後ろには、元気になったネルヴァまで立っている。
「そろそろ、姫様を治癒してよろしいでごじゃりますか?」
「クソ……ッ、俺を完全に無視しやがって……っっ」
いつのまにメメさんは来ていたのだろう。
いつのまにネルヴァを治癒したのだろう。
憧れのミシェーラ皇女に夢中で、何も気付かなかった……。
「ネルヴァ様もネルヴァ様でごじゃいます。姫様をまともに守れなかった挙げ句に、嘘まで突いていたのでごじゃりますからね?」
「そ、それは……父上と母上が、勝手に……」
「同じ嘘吐きは嘘吐きでしゅ」
「こ、この……メイドごときが……っ」
「メメとやるでしゅか……?」
殺気をはらんだ鋭い目でメメさんがネルヴァを睨んだ。
ネルヴァはそれに本能的な恐怖を覚えて後ずさった。それが正しい。
「そのつもりなら、メメがいつでも殺してやるでしゅ」
「な、何を……っ」
「メメのミシェーラ様を、こんなボロボロにした挙げ句に、取り入りたくて嘘まで吐いた下郎が……。恥を知るでごじゃる」
「なぜ、俺が、こんな小娘に……うっ?!」
メメさんは次期皇帝の守護という大任を、たった一人でこなす才女だ。
真の実力を知るプレイヤーから言わせれば、ネルヴァとは格が違う。
ともかくミシェーラ皇女をメメさんに任せて、俺はワイバーンの消滅により鎮火した焼け野原を探った。
運が良ければアレが手に入るはずだった。
雑魚モンスターと異なり、ボスモンスターの核のドロップ率は低くて25%、高くて100%確実だ。
「ん……?」
「さがしもの、これー?」
「おお、それそれ。拾っておいてくれたのか、まおー様!」
「つくってー、つくってー、ワレのー、こぶんにするんだー」
「ドラゴンが、スライムの子分な? ま、それはそれで面白いか?」
ロゼカラーになったまおー様がいつものポケットに収まった。
俺はそのポケットに手に入れて、青白く結晶化したワイバーンの核を受け取った。
―――――――――――――――――――――
【名称】ワイバーンの核
【区分】錬成アイテム
【効果】錬成でワイバーンが誕生
【解説】全ての竜系統に
進化できる基本的な竜族種の核
―――――――――――――――――――――
アイデンティファイをかけてみると、期待通りのモンスター錬成素材だった。
「こぶんにしてー、せなかに、のせてもらうんだー」
「魔王のくせにファンシーな生き方しやがって……」
ポケットにワイバーンの核を戻して、管理を自称親分さんに任せた。
「ああそうそう、ちょっとお前も見せてもらうぜ」
「うん、いいよー。ワレもみたーい」
――――――――――――――――
【名称】まおー
【種族】スライム
【段階】エンジェリング・スライム(炎)
【能力】力42魔100耐139速48運1
【戦技1】灼熱の業火
【戦技1効果】威力999・命中35%
【魔法1】ファイアーボール
【魔法1効果】威力50・命中90%
【解説】あいきゃん・ふらーい。ワレにさわると、やけどするぜ。べいべー。
――――――――――――――――
「お前さ……この常時クリティカルヒット体質、どうにかなんねーの……?」
「ならないんだなー。べいべー」
このスライム、前線に立たせるのはよした方がよさそうだ。
満足した俺は帰り支度をする皆と一緒に【ザザの古戦場】から屋敷へ帰投した。
「お、おいっ!?」
戦いが終わるとミシェーラ皇女が背中から倒れかけた。
それに俺は飛び付いて、背中に腕を回して抱き留めた。
「まあ、ヴァー様は意外とたくましいのですね……」
「意外は余計だろ……。大丈夫か、ミシェーラ――皇女殿下」
これまで体験したことのない活力を自分の全身から感じた。
これが高フィジカルの肉体を持った者の世界。そしてレベルアップ。
片腕だけで女性を軽々と抱き留める自分に酔ってしまいそうだった。
「ふふ、とっても、楽しかったです……♪」
「お前な……っ、どんだけバトルマニアなんだよ……っ」
ミシェーラ皇女を片腕に抱きながら俺も腰を落とした。
俺の膝を背もたれにしてやって、彼女の傷の状態を確かめる。
「こんなことなら意地を張らず……メメを連れて来るのでした……」
「ああ、メメさんか。メメさんならさっき会った」
「えっ!?」
「すぐに来る。それまで少し我慢しろ」
メメさんは回復魔法が使える。
メメさんさえ合流すれば、傷を止血してこの【ザザの古戦場】を出られる。
「驚きました……」
「俺もだ。面白い人だよな、メメさん」
メメさんのことを褒めると、どういうわけかミシェーラ皇女は眉を歪めた。
傷が痛むのだろうか。心配で顔をのぞき込んでしまった。
「ヴァー様は、どうしてここに……?」
「皇女殿下たちを尾行してた」
「私を……? ですが、町を離れていたのではないのですか……?」
「いや、俺は家を勘当されているんだ」
「か、勘当ですかっ!?」
「けど風の噂で皇女殿下の来訪の予定を知ってな。空振りさせるのも悪いし、久しぶりに帰って来たんだな」
「まあ……っ、そうとは知らず私ったら……わざわざご足労いただき申し訳ありません……」
これがさっきまで血に飢えていた女性だろうか。
俺はミシェーラ皇女の顔をのぞき込み、よく観察した。
一人のプレイヤーとして、俺はミシェーラ皇女の毒のない顔立ちが好きだった。
彼女は魔法戦士としてのたくましさと、姫君らしい無垢さをあわせ持った魅力的なキャラクターだった。
ミシェーラ皇女ルートをクリアーした回数は、きっとメメさんの回数に並ぶ。
「あの……」
「ん……?」
「なぜ、私の顔を、そんなに……のぞき込むのですか……?」
「そりゃ――」
キャラクターとして大好きだから――なんて言えるわけがない。
この女性を物語の主人公に独り占めされるのは、何か無性に、いや非常に、気に食わないような気がしてきた……。
だって俺はミシェーラ皇女とメメさんのファンだ。
それがいずれ現れる狂気の17股主人公に持って行かれるなんて、理不尽ではないか?
そんだけモテにモテまくることが確定してんだから、メインキャラの一人や二人くらい俺みたいなモブに回してくれてもいいだろっ!?
と、考えなくもない。
「あ、あの……恥ずかしい……です……。ぁぁ……もしやこの方は、私に……」
ミシェーラ皇女はストーリー進行上の大きな役割を持っている。
この世界の進行を破綻させ、バグらせたいのならば、お友達以上の関係になって主人公との縁を奪えばいい。
二次創作小説のオリ主(オリジナル主人公)がやってることと全く同じでしゃくだが、目的を考えればそれこそが正しい。
「ミシェーラ皇女殿下」
「は、はい……っ」
「よろしければ、この機会に俺と学友になって下さ――」
「お楽しみのところ申しわけないでしゅが!」
声に驚いて顔を上げる。
するとメメさんが眼の前で俺たちを見下ろしていた。
さらにその後ろには、元気になったネルヴァまで立っている。
「そろそろ、姫様を治癒してよろしいでごじゃりますか?」
「クソ……ッ、俺を完全に無視しやがって……っっ」
いつのまにメメさんは来ていたのだろう。
いつのまにネルヴァを治癒したのだろう。
憧れのミシェーラ皇女に夢中で、何も気付かなかった……。
「ネルヴァ様もネルヴァ様でごじゃいます。姫様をまともに守れなかった挙げ句に、嘘まで突いていたのでごじゃりますからね?」
「そ、それは……父上と母上が、勝手に……」
「同じ嘘吐きは嘘吐きでしゅ」
「こ、この……メイドごときが……っ」
「メメとやるでしゅか……?」
殺気をはらんだ鋭い目でメメさんがネルヴァを睨んだ。
ネルヴァはそれに本能的な恐怖を覚えて後ずさった。それが正しい。
「そのつもりなら、メメがいつでも殺してやるでしゅ」
「な、何を……っ」
「メメのミシェーラ様を、こんなボロボロにした挙げ句に、取り入りたくて嘘まで吐いた下郎が……。恥を知るでごじゃる」
「なぜ、俺が、こんな小娘に……うっ?!」
メメさんは次期皇帝の守護という大任を、たった一人でこなす才女だ。
真の実力を知るプレイヤーから言わせれば、ネルヴァとは格が違う。
ともかくミシェーラ皇女をメメさんに任せて、俺はワイバーンの消滅により鎮火した焼け野原を探った。
運が良ければアレが手に入るはずだった。
雑魚モンスターと異なり、ボスモンスターの核のドロップ率は低くて25%、高くて100%確実だ。
「ん……?」
「さがしもの、これー?」
「おお、それそれ。拾っておいてくれたのか、まおー様!」
「つくってー、つくってー、ワレのー、こぶんにするんだー」
「ドラゴンが、スライムの子分な? ま、それはそれで面白いか?」
ロゼカラーになったまおー様がいつものポケットに収まった。
俺はそのポケットに手に入れて、青白く結晶化したワイバーンの核を受け取った。
―――――――――――――――――――――
【名称】ワイバーンの核
【区分】錬成アイテム
【効果】錬成でワイバーンが誕生
【解説】全ての竜系統に
進化できる基本的な竜族種の核
―――――――――――――――――――――
アイデンティファイをかけてみると、期待通りのモンスター錬成素材だった。
「こぶんにしてー、せなかに、のせてもらうんだー」
「魔王のくせにファンシーな生き方しやがって……」
ポケットにワイバーンの核を戻して、管理を自称親分さんに任せた。
「ああそうそう、ちょっとお前も見せてもらうぜ」
「うん、いいよー。ワレもみたーい」
――――――――――――――――
【名称】まおー
【種族】スライム
【段階】エンジェリング・スライム(炎)
【能力】力42魔100耐139速48運1
【戦技1】灼熱の業火
【戦技1効果】威力999・命中35%
【魔法1】ファイアーボール
【魔法1効果】威力50・命中90%
【解説】あいきゃん・ふらーい。ワレにさわると、やけどするぜ。べいべー。
――――――――――――――――
「お前さ……この常時クリティカルヒット体質、どうにかなんねーの……?」
「ならないんだなー。べいべー」
このスライム、前線に立たせるのはよした方がよさそうだ。
満足した俺は帰り支度をする皆と一緒に【ザザの古戦場】から屋敷へ帰投した。
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