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第四章 アーディル十七歳
どうして、こうなったのでしょうか?
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[フィルディア視点]
「んまあっ!なあんて愛らしいのかしらっ!!」
ただいま王妃様の私室にて、絶賛着せ替え人形状態のワタクシ、中央侯侯爵家の長女にして、王太子の婚約者フィルディア・マディア・グランディバルカスと申します。
朝食後から、押しかけてきた王妃様付きの侍女達に護衛騎士諸共かっさらわれてから、ずっとこの状況です。
何故に?
しかもワタクシの身体中に、付けられまくっているアーディ様の痕を見つけては、王妃様と一緒になって、皆様顔を赤らめつつも、キャーキャーと老若関係なくはしゃがれておられます。
何ですの、これ?新手のイジメですか?恥ずかしすぎて死にたい……。
興奮しすぎた王妃様と侍女長なんて、一度席を外されました。貧血で(名目上)……。
かれこれ、陽も高くなっているというのに、まーーったく、ぜーーーんぜっん、終わる気配が見られません。
「アリスも着飾ると可愛らしくて楽しかったけれど、フィルちゃんも違った可愛らしさがあって、宜しいわね♪」
大変麗しいお顔でいらっしゃいますが、ワタクシの顔は作り笑顔で強ばっております。
……というか、お母様も経験者なんですのね。
お母様に至っては、侯爵家のお祖母様。伯爵家のお祖母様に加え、四侯の公爵夫人の方々も加わっていたのではないかと思うと、とりあえず王妃様だけで済んでいる現状は良いのではないかと思えてしまいます。
まあ、我が家の場合は、女の子沢山いるので、負担が分散されるのもあるのでしょうけれど……。
「一旦、お茶にしましょうか♪」
満足。とまではいかれてないようですが、王妃様がにこやかにそう言われて、そのままお茶会です。
ワタクシ担当の護衛騎士の皆さんが、隔離されているのは謎です。
「ねえ、フィルちゃん。最近、アーディに困らされていると耳にしたのだけど?」
「っ!?」
思わず口にしたお茶に噎せそうになりましたが、耐えきりました。ええ、耐えましたわ。淑女教育を活かす場面ですもの!
「こんな事を現状許しているとね。ズルズルと嫁いでからも続いてしまってよ?」
にこやかに微笑まれているというのに、何故でしょうか、背後に浮かんで見える黒い気配は……。
「…そういうわけで、フィルちゃんはしばらく私の部屋に隠れていましょうね♪」
「は?」
思わず声を上げてしまいましたけど、隠れるとは?
「王妃様。護衛の方々はどうしましょう?こちらに皆様がいらっしゃればバレるのでは?」
「そうね。護衛騎士の方は、私と一緒なのだから不要ね♪侯爵家にはアリスにだけ知らせておきましょうか。それから…」
ワタクシの目の前で、ワタクシそっちのけで話が決まっていきます。
ワタクシ、ナニモワルクナイデスワ。
ですが、かなりの時間こちらにいましたから、アーディは知ってるいるのではないでしょうか?
そう口にしたところ。
「まあ、大丈夫よ!前に使ったフィルちゃんの書き置き。模写の得意な書記官にお願いして、置き手紙を用意させたもの♪」
「…………左様でございますか…」
え?それ、してはいけないのではないでしょうか?
などと思いつつ、最高権力者に反論出来るわけもないので、従いましたけれども。
何度も言いますが、これ、絶対!
ワタクシ、何も悪くないですわ!!
「んまあっ!なあんて愛らしいのかしらっ!!」
ただいま王妃様の私室にて、絶賛着せ替え人形状態のワタクシ、中央侯侯爵家の長女にして、王太子の婚約者フィルディア・マディア・グランディバルカスと申します。
朝食後から、押しかけてきた王妃様付きの侍女達に護衛騎士諸共かっさらわれてから、ずっとこの状況です。
何故に?
しかもワタクシの身体中に、付けられまくっているアーディ様の痕を見つけては、王妃様と一緒になって、皆様顔を赤らめつつも、キャーキャーと老若関係なくはしゃがれておられます。
何ですの、これ?新手のイジメですか?恥ずかしすぎて死にたい……。
興奮しすぎた王妃様と侍女長なんて、一度席を外されました。貧血で(名目上)……。
かれこれ、陽も高くなっているというのに、まーーったく、ぜーーーんぜっん、終わる気配が見られません。
「アリスも着飾ると可愛らしくて楽しかったけれど、フィルちゃんも違った可愛らしさがあって、宜しいわね♪」
大変麗しいお顔でいらっしゃいますが、ワタクシの顔は作り笑顔で強ばっております。
……というか、お母様も経験者なんですのね。
お母様に至っては、侯爵家のお祖母様。伯爵家のお祖母様に加え、四侯の公爵夫人の方々も加わっていたのではないかと思うと、とりあえず王妃様だけで済んでいる現状は良いのではないかと思えてしまいます。
まあ、我が家の場合は、女の子沢山いるので、負担が分散されるのもあるのでしょうけれど……。
「一旦、お茶にしましょうか♪」
満足。とまではいかれてないようですが、王妃様がにこやかにそう言われて、そのままお茶会です。
ワタクシ担当の護衛騎士の皆さんが、隔離されているのは謎です。
「ねえ、フィルちゃん。最近、アーディに困らされていると耳にしたのだけど?」
「っ!?」
思わず口にしたお茶に噎せそうになりましたが、耐えきりました。ええ、耐えましたわ。淑女教育を活かす場面ですもの!
「こんな事を現状許しているとね。ズルズルと嫁いでからも続いてしまってよ?」
にこやかに微笑まれているというのに、何故でしょうか、背後に浮かんで見える黒い気配は……。
「…そういうわけで、フィルちゃんはしばらく私の部屋に隠れていましょうね♪」
「は?」
思わず声を上げてしまいましたけど、隠れるとは?
「王妃様。護衛の方々はどうしましょう?こちらに皆様がいらっしゃればバレるのでは?」
「そうね。護衛騎士の方は、私と一緒なのだから不要ね♪侯爵家にはアリスにだけ知らせておきましょうか。それから…」
ワタクシの目の前で、ワタクシそっちのけで話が決まっていきます。
ワタクシ、ナニモワルクナイデスワ。
ですが、かなりの時間こちらにいましたから、アーディは知ってるいるのではないでしょうか?
そう口にしたところ。
「まあ、大丈夫よ!前に使ったフィルちゃんの書き置き。模写の得意な書記官にお願いして、置き手紙を用意させたもの♪」
「…………左様でございますか…」
え?それ、してはいけないのではないでしょうか?
などと思いつつ、最高権力者に反論出来るわけもないので、従いましたけれども。
何度も言いますが、これ、絶対!
ワタクシ、何も悪くないですわ!!
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