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第十二章 トラブルは続く、何処までも……
獣は獣…
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[ラフィン視点]
「ええいっ!邪魔をするでないのですよ!」
「後から来やがったのはてめぇだろうがっ!とっとと、坊主をこっちに返しやがれ!!」
また始まってしまいました…。
坊っちゃま達が這い回り出した頃、神獣様達がよく来られるようになりました。
加護をお与えになられているので、様子を見に来られるのだと理解はしております。
しておりますが……。
何故、取り合いを始められるのでしょうか……?
本日はお嬢様がお昼寝してましたので、坊っちゃまが不死鳥様と黒獅子様の間で、取り合われております。
グランディバルカス家の者達にとっては、既に見慣れた光景となりましたが、現在当家には、エイデル商会からの研修メイド達がいるのです。
『ラフィン様ぁ~っ!!』
涙目で駆け込んで来た時には、何事かと思いましたよ。
まあ、神獣様達が相手では仕方ありません。
それよりも問題なのは、目の前の状況です。
本日は若奥様が本邸で、奥様の主催されているお茶会に出ておられるのです。
正直に申します……。
私共で神獣様達を止めるなど、無理の極みです!
以前、お話を伺った際に、《神託》にて神の眷属たるお方からお言葉を受けたそうです。
『人の子に四人以上の神獣の加護を与えることをこれ以降禁ずる』
バスティン様経由だったそうです。
これに対して、皆様は『人の子』。つまり、『赤ん坊』や『子供』以外なら構わないと判断され、若様に加護を与えてしまわれました。
ええ。即座に取得されましたよ、《浮遊》も《空間移動》も……。
それが判明するや否や、再びのお叱りを直接受けたのだとか……。
お話を伺う限り、御影様の様でございました。
お声を聞いてるだけで、身体が凍りつくようだったそうです。納得です。
有難いことに、その際。坊っちゃま達が自分で座って動けるようになるまでの接触は禁止として下さっていたそうで……。
突然、来なくなったので何事かと思いましたよね……。
「アルはあたくしと遊ぶのです!」
「いーや、俺様の腹に乗って遊ぶんだ!!」
人型で揉めていたというのに、いつの間にやら神獣姿に戻られています。
不死鳥様が羽を動かす度に起こる風で、坊っちゃまが転がりました。
転がった先には、興奮した黒獅子様の前脚が振り下ろされるとこでした。
「坊っちゃま!」
当たる直前に《空間移動》をされましたので、無事にすみました。
無事に済まないのは、神獣様方です……。
「ケガはありませんか、アルヴィン?」
私のすぐ後ろに若奥様が、坊っちゃまを抱いて立たれています。
ステリナに呼びに行かせていたのですが、間に合ったようです。
「申し訳ございません、若奥様…」
研修メイド達を背後に立たせ、共に若奥様に頭を下げます。
「大丈夫ですよ。悪いのは貴女方ではないのですから」
にっこりと微笑んでそう言われると、若奥様はステリナに坊っちゃまを渡しました。
「ええ。貴女方は悪くありませんとも。悪いのは何回お伝えしても、覚えていられない、獣の頭なのですから…」
若奥様は右手に〖ハリセン〗を掴むと、揉めている神獣様達へと向かわれました。
「……人の邸で揉めないで下さいと、何度言ったら覚えるんですかっ!!!!」
パシコーン!パシコーン!
若奥様の叫び声と共に、神獣様達は彼方へと飛ばされて行きました。
おいでになる度にお約束と化してきましたね。
若奥様がいつもこうして止められるのです。
神獣と言えども、やはり獣ということでしょうか?
そして、若奥様が神獣様達を吹っ飛ばす様を、キャッキャッと声を上げて、楽しんでいらっしゃる坊っちゃまの将来が、今から少し不安でございますーーーー。
********
電波繋がらなくて、この時間になりました。
すみません!
電波探して、山から降りましたよ!
泣ける………。
「ええいっ!邪魔をするでないのですよ!」
「後から来やがったのはてめぇだろうがっ!とっとと、坊主をこっちに返しやがれ!!」
また始まってしまいました…。
坊っちゃま達が這い回り出した頃、神獣様達がよく来られるようになりました。
加護をお与えになられているので、様子を見に来られるのだと理解はしております。
しておりますが……。
何故、取り合いを始められるのでしょうか……?
本日はお嬢様がお昼寝してましたので、坊っちゃまが不死鳥様と黒獅子様の間で、取り合われております。
グランディバルカス家の者達にとっては、既に見慣れた光景となりましたが、現在当家には、エイデル商会からの研修メイド達がいるのです。
『ラフィン様ぁ~っ!!』
涙目で駆け込んで来た時には、何事かと思いましたよ。
まあ、神獣様達が相手では仕方ありません。
それよりも問題なのは、目の前の状況です。
本日は若奥様が本邸で、奥様の主催されているお茶会に出ておられるのです。
正直に申します……。
私共で神獣様達を止めるなど、無理の極みです!
以前、お話を伺った際に、《神託》にて神の眷属たるお方からお言葉を受けたそうです。
『人の子に四人以上の神獣の加護を与えることをこれ以降禁ずる』
バスティン様経由だったそうです。
これに対して、皆様は『人の子』。つまり、『赤ん坊』や『子供』以外なら構わないと判断され、若様に加護を与えてしまわれました。
ええ。即座に取得されましたよ、《浮遊》も《空間移動》も……。
それが判明するや否や、再びのお叱りを直接受けたのだとか……。
お話を伺う限り、御影様の様でございました。
お声を聞いてるだけで、身体が凍りつくようだったそうです。納得です。
有難いことに、その際。坊っちゃま達が自分で座って動けるようになるまでの接触は禁止として下さっていたそうで……。
突然、来なくなったので何事かと思いましたよね……。
「アルはあたくしと遊ぶのです!」
「いーや、俺様の腹に乗って遊ぶんだ!!」
人型で揉めていたというのに、いつの間にやら神獣姿に戻られています。
不死鳥様が羽を動かす度に起こる風で、坊っちゃまが転がりました。
転がった先には、興奮した黒獅子様の前脚が振り下ろされるとこでした。
「坊っちゃま!」
当たる直前に《空間移動》をされましたので、無事にすみました。
無事に済まないのは、神獣様方です……。
「ケガはありませんか、アルヴィン?」
私のすぐ後ろに若奥様が、坊っちゃまを抱いて立たれています。
ステリナに呼びに行かせていたのですが、間に合ったようです。
「申し訳ございません、若奥様…」
研修メイド達を背後に立たせ、共に若奥様に頭を下げます。
「大丈夫ですよ。悪いのは貴女方ではないのですから」
にっこりと微笑んでそう言われると、若奥様はステリナに坊っちゃまを渡しました。
「ええ。貴女方は悪くありませんとも。悪いのは何回お伝えしても、覚えていられない、獣の頭なのですから…」
若奥様は右手に〖ハリセン〗を掴むと、揉めている神獣様達へと向かわれました。
「……人の邸で揉めないで下さいと、何度言ったら覚えるんですかっ!!!!」
パシコーン!パシコーン!
若奥様の叫び声と共に、神獣様達は彼方へと飛ばされて行きました。
おいでになる度にお約束と化してきましたね。
若奥様がいつもこうして止められるのです。
神獣と言えども、やはり獣ということでしょうか?
そして、若奥様が神獣様達を吹っ飛ばす様を、キャッキャッと声を上げて、楽しんでいらっしゃる坊っちゃまの将来が、今から少し不安でございますーーーー。
********
電波繋がらなくて、この時間になりました。
すみません!
電波探して、山から降りましたよ!
泣ける………。
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