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第十章 他国訪問〔ユーディアナ〕
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[アルテ視点]
「『聖女』様のお部屋は必ず警備の方が付いていてください…」
オレ達を部屋に案内した侍女殿が、ポツリとそう呟くのが聞こえた瞬間、オレの手は彼女の腕を掴んでいた。
「……どういう意味ですかね?」
気まずそうな顔が、何だか母に似ている女性だった。
「…この国の恋愛事情をご存知ないのですか?」
下を向いたまま語る姿は、生国を嫌っていた母の姿と重なる。
「……この国の恋愛事情が合いませんか?」
「っ!?」
オレの言葉に驚いて見上げてきた顔は、やはり母に近い顔立ちで、潤んだ瞳に少しドキッとした。
「…ご存知なのですか?私は叔父と姪の関係だった両親から生まれたのですが、今は祖父から私に関係を迫られていて、城に逃げているのですが…」
「…城も一方的に迫ってくる連中が多くて意味が無い…と…」
オレの言葉にこくりと頷く。
「これまでなら、異性だけに気をつけていれば良かったのですが、今代の陛下は同性婚も認められているため、同性といえど気を許せないのです…」
つまり、油断すれば老若男女問わず、襲われる可能性が誰にでもあると言う訳だよな……。
頭に浮かぶのは、性別詐称時代から襲われまくるエレの姿と、追いかけ回されるレオの姿。
レオは殿下いるから大丈夫だろうけど、エレは確実に狙われそうだよなぁ……。
そもそも今、忠告されたとこだ。
「…国外に出ないのですか?」
「出たくとも出れないのです。国外に嫁ぐ相手がいると認められなくては、国境で捕まります……」
「……は?捕まる?」
「捕まるのです。国民の義務の放棄だという理由で……」
何だ、それ。訳分からん……。
「私の事よりも、『聖女』様です!第二王子殿下が、今夜は『聖女』様を伽の相手にすると仰っていたそうなのです」
「『聖女』ですが、性別は男ですよ?」
「ですから、現在の我が国は同性婚も認められてます!まして、第二王子殿下と第一王女殿下、は美しければどちらでもいいと言う方々なのですっ!!」
そこから、実は国外の人間を何人相手にするかを競っている連中がいるとか、最近は寝室に媚薬香を焚いて忍び込んで関係を持つのが多いとか、諸々の情報を貰ったわけで。
「…ところで、親戚に国外に嫁いだ女性はいませんか?」
話してるとどうしても母と重なる部分があって、思わず尋ねてみた。
「……おります。母の姉に当たる方が…、伯父に関係を迫られて国外へ嫁いだという話しなら聞いたことがありますけど?」
「……その女性と貴女の母君は父親が違うとかではないですか?」
「…そうですけれど、何故そのことを?」
……マジか。彼女、オレの従妹ですね。
顔立ちは母に似てますが、声や話し方。仕草なんかがモロにオレ好み。これはある意味チャンスです。
「どうやらオレは貴女の従兄になるようだ。従兄のオレでよければ、協力しますよ♪」
「………」
驚いたのか、彼女はキョトンとしてオレの顔を見ています。
「どうします?」
「え?は、はい?協力…ですか?」
「そ。オレに嫁ぎませんか?一目惚れです♪」
「~~~っ!!」
ボンと音が聞こえそうなくらい真っ赤になって、アタフタしてるのがまた可愛い!
「もし良ければ、他にも貴女と同じ方がいるなら、うちの連中も紹介しますよ。オレ達は何人も互いに相手がいるのはお断りな連中ばかりなので…」
「…いいのですか?」
そう言って彼女が何人かを連れて来る間に、仲間達に説明する。
少しの間、話しただけで、オレ以外の何人かも無事に相手を決めてしまい、彼女達はオレ達が討伐してる間に必要な手続きの用意をすることになり、話がつく頃には第二王子がエレのとこに向かう時間が来ていると知らされ、慌ててエレの元に駆けつけたのは、エレには内緒だーーーー。
「『聖女』様のお部屋は必ず警備の方が付いていてください…」
オレ達を部屋に案内した侍女殿が、ポツリとそう呟くのが聞こえた瞬間、オレの手は彼女の腕を掴んでいた。
「……どういう意味ですかね?」
気まずそうな顔が、何だか母に似ている女性だった。
「…この国の恋愛事情をご存知ないのですか?」
下を向いたまま語る姿は、生国を嫌っていた母の姿と重なる。
「……この国の恋愛事情が合いませんか?」
「っ!?」
オレの言葉に驚いて見上げてきた顔は、やはり母に近い顔立ちで、潤んだ瞳に少しドキッとした。
「…ご存知なのですか?私は叔父と姪の関係だった両親から生まれたのですが、今は祖父から私に関係を迫られていて、城に逃げているのですが…」
「…城も一方的に迫ってくる連中が多くて意味が無い…と…」
オレの言葉にこくりと頷く。
「これまでなら、異性だけに気をつけていれば良かったのですが、今代の陛下は同性婚も認められているため、同性といえど気を許せないのです…」
つまり、油断すれば老若男女問わず、襲われる可能性が誰にでもあると言う訳だよな……。
頭に浮かぶのは、性別詐称時代から襲われまくるエレの姿と、追いかけ回されるレオの姿。
レオは殿下いるから大丈夫だろうけど、エレは確実に狙われそうだよなぁ……。
そもそも今、忠告されたとこだ。
「…国外に出ないのですか?」
「出たくとも出れないのです。国外に嫁ぐ相手がいると認められなくては、国境で捕まります……」
「……は?捕まる?」
「捕まるのです。国民の義務の放棄だという理由で……」
何だ、それ。訳分からん……。
「私の事よりも、『聖女』様です!第二王子殿下が、今夜は『聖女』様を伽の相手にすると仰っていたそうなのです」
「『聖女』ですが、性別は男ですよ?」
「ですから、現在の我が国は同性婚も認められてます!まして、第二王子殿下と第一王女殿下、は美しければどちらでもいいと言う方々なのですっ!!」
そこから、実は国外の人間を何人相手にするかを競っている連中がいるとか、最近は寝室に媚薬香を焚いて忍び込んで関係を持つのが多いとか、諸々の情報を貰ったわけで。
「…ところで、親戚に国外に嫁いだ女性はいませんか?」
話してるとどうしても母と重なる部分があって、思わず尋ねてみた。
「……おります。母の姉に当たる方が…、伯父に関係を迫られて国外へ嫁いだという話しなら聞いたことがありますけど?」
「……その女性と貴女の母君は父親が違うとかではないですか?」
「…そうですけれど、何故そのことを?」
……マジか。彼女、オレの従妹ですね。
顔立ちは母に似てますが、声や話し方。仕草なんかがモロにオレ好み。これはある意味チャンスです。
「どうやらオレは貴女の従兄になるようだ。従兄のオレでよければ、協力しますよ♪」
「………」
驚いたのか、彼女はキョトンとしてオレの顔を見ています。
「どうします?」
「え?は、はい?協力…ですか?」
「そ。オレに嫁ぎませんか?一目惚れです♪」
「~~~っ!!」
ボンと音が聞こえそうなくらい真っ赤になって、アタフタしてるのがまた可愛い!
「もし良ければ、他にも貴女と同じ方がいるなら、うちの連中も紹介しますよ。オレ達は何人も互いに相手がいるのはお断りな連中ばかりなので…」
「…いいのですか?」
そう言って彼女が何人かを連れて来る間に、仲間達に説明する。
少しの間、話しただけで、オレ以外の何人かも無事に相手を決めてしまい、彼女達はオレ達が討伐してる間に必要な手続きの用意をすることになり、話がつく頃には第二王子がエレのとこに向かう時間が来ていると知らされ、慌ててエレの元に駆けつけたのは、エレには内緒だーーーー。
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