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第八章 魔導具の聖地?

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[エレオノール視点]

「……そんなにツボにはまっちゃったんだ…」

    魔導具店での出来事から始まり、宿屋までの出来事を聞き終わると、思い出し笑いが止まらなくなったレオを思わず見つめました。

    こんなに笑うの見るの初めてじゃないかな?

    座ったソファにお腹を抱えて、涙目で転がって身体を震わせ続けるレオ。
    生まれてからずっと一緒に居ましたが、ここまで笑う姿を見るのは初めてです。
   
「それで?宿屋の方はどうするの?戻ってもまた同じことになるんじゃない?」

「……あー。そこはほら。アルテ達の采配次第という事で♪」

「……丸投げだよね?」

「そうとも言うね!」

    そうして、レオがいた世界の話をしていると、フレイアが男爵と共にやって来ました。

「レオ様。父のグスタフです」

「お初にお目にかかります、『勇者』殿。フレイアの父、グスタフ・ラグ・トワレ男爵にございます」

「レオノーラです。この度は突然、お邪魔してごめんなさい」

   簡単に挨拶を済ませ、お茶を飲みながら話を続けます。
   トワレ男爵は、レオの話に段々と目が輝き始めました。

「……なんと。レオ様の以前おられた世界にはそのような品が……」

「向こうは魔力や魔法がないから、科学や化学が発展してたからね…」

    どんなものがあったのかという話から、男爵はこの世界でレオがまた使いたい物は・・・・・・・・・・・無いかと尋ねました。

「こっちでも使いたい物……?んー…、カメラとかスマホかな?」

「それはどのような品で、どのような機能がございましたか?」

    レオから詳しく話を聞くと、一旦部屋を出ていき、次に戻ってきた時には、手には書類らしき束が抱えられていた。

「実はこちらなのですが、我が領の若手の魔導具師達が製作希望の物なのです…」

    渡された書類を受け取り、レオと二人読んでいきます。

「……カメラじゃなくてビデオが提案されてる……」

    ポツリと呟いたレオの手元にあって書類を、隣から覗きこみました。

「……〘騙されま戦士〙……。これ、商品名なんだ…」

    性能のところを読んでみると、

〘騙されま戦士〙
・魔道具から半径5メロ以内の景色や音声を正確に保存する。保存時間設定可能。
・レバーの切り替えで、保存した画像を誰でも見ることができる。
・どんなに嘘をついても、騙されることは無い!

    ………なるほど、最後のから取ってつけたんだ……。

   なんで、『戦士』って付けたのかは謎ですが、この魔導具が完成すれば、流行るのは間違いありません。

「これ。使いようによっては犯罪にも使えるんだよねぇ……」

「例えば、どのようにですかな?」

「記録用魔導具は、操作する人がずっと付いて操作してなきゃだけど……」

    気がつけば、男爵とレオは二人で端に移動して、あーでもないこーでもないと、色々と話し出しています。

「……エレ様。レオ様はこちらにお泊まりになるようにした方がよいみたいです……」

    フレイアが苦笑いしながらそう言ってきた。

「うん。あの調子だとそうなるよね。構わないなら、クルトやアルテの部屋もお願いできるかな?」

「お任せくださいませ。ガンツ様にも遣いを出しておきますね」

    男爵家の家令が、そのまま二人を連れて戻ってくるまで、レオと男爵の話は止まることがありませんでしたーーーー。






 
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