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第二章 『勇者』は商売です!
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「うっわぁ。職人技だねぇ…」
レオが出来上がった王子達の衣装に声を上げる。
「ホントに……。あっという間だったわね。ありがとう、フレイア」
サラディールの言葉に、慌てて首を振る。
「いえ!ワタシ如きが殿下方の衣装を触らせていただくなど、恐れ多いことでした…」
白い衣装の裾、襟、袖に、白銀の糸でツルバラが刺繍された衣装は、最初の物より豪華な仕上がりに変わった。
昼過ぎから始めた手直しは、夜も更け始めた頃に出来上がった。
「図案もなしにやっちゃうんだもん。すごいよ…」
「レオ、苦手だもんね」
「そうだね、エレのが得意だね…」
はんっと鼻で笑い合う双子に、フレイアは目を白黒させている。
「ああ、気にしなくてもいいのよ。この子達はいつもこうなんだから…」
サラディールはコロコロと笑いながら、衣装を侍女長に渡した。
今の双子は、どちらも同じ格好をしている。
膝下までの長さのシャツタイプの寝巻きの上から、どちらも上着を羽織っていた。
理解しているものの、やはりどちらも性別がはっきりしない姿であった。
レオは女性にしては背が高く、エレは男性としては普通の高さだ。
つまり、並ぶとどちらの背の高さも変わらないのである。
さらに今の二人は、伸ばした髪をそのままにしている。
ーー美人の姉妹にも見えるし、美形の兄弟にも見えます…。
実際は姉弟なのだと理解してても、目が混乱してしまうのだ。
「紛らわしくてごめんね。でも、意図的にやってたら、慣れちゃったんだよね」
「そうそう。たまに自分の性別忘れてて、皆に叱られるしねぇ…」
謝るエレの隣りで、レオが両手を頭の後ろで組んでいる。
「でも、エレが男なのに『聖女』なのは、ホントだから♪」
「~~っ!」
レオの言葉に、エレが口を尖らせる。
「それより、引越しどうする?今からするなら、手伝うよ?」
レオがにっこり笑いながら、フレイアの顔を覗き込む。
「そんな!お二人に手伝っていただくなど、とんでもない!!」
「レオは《空間収納》持ってるから、すぐだよ?」
断ろうとしたフレイアに、エレが声をかける。
「そうね。早めに移った方がいいでしょう。私も手伝いますから、今からしちゃいましょう!」
ダリヤの言葉に、フレイアは寝巻き姿の双子を連れて、こっそりと自室に戻った。
「エレは、ドアの前にいなよ」
「分かってるよ」
男のエレを見張りに立てて、レオはせっせと纏められていく荷物を収納していく。
あっという間に部屋の私物は無くなってしまった。
「エレ、終わったよ」
「分かった。じゃあ、飛ぶよ!《瞬間移動》!」
「は?」
エレが入ってくるなり、足元に魔法陣が現れた。
驚くフレイアが床から顔を上げると、先程までいた部屋に戻っていた。
「《瞬間移動》だけは、私は使えないんだよねぇ…」
「その代わり《空間収納》使えるでしょ?数人だと短距離しか飛べないんだから、そっちのがいいよ」
フレイアはぽかんとなったまま、ダリヤに肩を叩かれた。
「さ、部屋に案内しますよ」
その日、フレイアはダリヤとレオに手伝われ、無事に王太子宮の双子付き専属侍女になったのであるーーーー。
レオが出来上がった王子達の衣装に声を上げる。
「ホントに……。あっという間だったわね。ありがとう、フレイア」
サラディールの言葉に、慌てて首を振る。
「いえ!ワタシ如きが殿下方の衣装を触らせていただくなど、恐れ多いことでした…」
白い衣装の裾、襟、袖に、白銀の糸でツルバラが刺繍された衣装は、最初の物より豪華な仕上がりに変わった。
昼過ぎから始めた手直しは、夜も更け始めた頃に出来上がった。
「図案もなしにやっちゃうんだもん。すごいよ…」
「レオ、苦手だもんね」
「そうだね、エレのが得意だね…」
はんっと鼻で笑い合う双子に、フレイアは目を白黒させている。
「ああ、気にしなくてもいいのよ。この子達はいつもこうなんだから…」
サラディールはコロコロと笑いながら、衣装を侍女長に渡した。
今の双子は、どちらも同じ格好をしている。
膝下までの長さのシャツタイプの寝巻きの上から、どちらも上着を羽織っていた。
理解しているものの、やはりどちらも性別がはっきりしない姿であった。
レオは女性にしては背が高く、エレは男性としては普通の高さだ。
つまり、並ぶとどちらの背の高さも変わらないのである。
さらに今の二人は、伸ばした髪をそのままにしている。
ーー美人の姉妹にも見えるし、美形の兄弟にも見えます…。
実際は姉弟なのだと理解してても、目が混乱してしまうのだ。
「紛らわしくてごめんね。でも、意図的にやってたら、慣れちゃったんだよね」
「そうそう。たまに自分の性別忘れてて、皆に叱られるしねぇ…」
謝るエレの隣りで、レオが両手を頭の後ろで組んでいる。
「でも、エレが男なのに『聖女』なのは、ホントだから♪」
「~~っ!」
レオの言葉に、エレが口を尖らせる。
「それより、引越しどうする?今からするなら、手伝うよ?」
レオがにっこり笑いながら、フレイアの顔を覗き込む。
「そんな!お二人に手伝っていただくなど、とんでもない!!」
「レオは《空間収納》持ってるから、すぐだよ?」
断ろうとしたフレイアに、エレが声をかける。
「そうね。早めに移った方がいいでしょう。私も手伝いますから、今からしちゃいましょう!」
ダリヤの言葉に、フレイアは寝巻き姿の双子を連れて、こっそりと自室に戻った。
「エレは、ドアの前にいなよ」
「分かってるよ」
男のエレを見張りに立てて、レオはせっせと纏められていく荷物を収納していく。
あっという間に部屋の私物は無くなってしまった。
「エレ、終わったよ」
「分かった。じゃあ、飛ぶよ!《瞬間移動》!」
「は?」
エレが入ってくるなり、足元に魔法陣が現れた。
驚くフレイアが床から顔を上げると、先程までいた部屋に戻っていた。
「《瞬間移動》だけは、私は使えないんだよねぇ…」
「その代わり《空間収納》使えるでしょ?数人だと短距離しか飛べないんだから、そっちのがいいよ」
フレイアはぽかんとなったまま、ダリヤに肩を叩かれた。
「さ、部屋に案内しますよ」
その日、フレイアはダリヤとレオに手伝われ、無事に王太子宮の双子付き専属侍女になったのであるーーーー。
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