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#42 ようやっとの前進の竜司と扇
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「それってバレてるんじゃねんすかね?」
恵がともみを横目で視た。
それにはともみも、「だろぉうな」と短くも応えた。
2人の言葉に竜司は「なのかなぁ!?」と頭を抱え込んでしまうのだが。
しかし、それはと。
「バレたっていいんじゃないんすか? 違うの????」
「正々堂々と付き合うチャンスじゃないですか! まんざらでもないんでしょう?」
依然と腰砕け状態の竜司に2人は声を掛け続ける。
ケーキを作る手も、食器を洗う手も止めることをせずにだ。
「でもだよー~~!? っぼ、僕なんかよりも若いしぃいい」
「「相手さんは気にしてないと思うけど」」
「っそ、それにっ! ぼ、僕はおおおお、ぉおじさんなんだよ!?」
「「相手も同じだけど」」
同調する2人から見れば竜司も扇も、いい歳したおじさんでしかない。
そこを強情に拘る竜司には首を傾げたくもなるのである。
「ち、違うでしょう!? 扇さんはカッコイイもん!」
拳を握り目を輝かせる竜司の鼻息が荒い。
「それに比べたら、おじさんの僕なんか…しおしおのおじいちゃんもいいところだよ」
縁司と大差変わらない童顔の竜司がめそめそと愚痴る様子は、確かにみっともないと2人は思った。だが、もう少し背中を押して早く終わらせたいと目で合図を送り頷いた。
「また縁司の奴を見張る意味でも教えておいた方がいいんじゃないの?」
「縁司君を見張る為にも、交換した方が絶対いいって俺も思うよw」
恵とともみの言い包めに、
「ぅうう゛…そぅだなぁ~~」
覚悟を決めた竜司が立ち上がると携帯を握り締めた。
「っこ、交っっっっ換してくるよ!」
小走りにフロアーに戻る竜司の背中を2人は見送った。
とっとと終わらせて仕事に戻れと。
◆
ふるふる――……
「わぁい。嬉しいなぁw」
携帯に出た【竜司店長】の文字に扇が喜ぶに声を弾ませた。
そんな彼に竜司も顔を耳まで真っ赤にさせた。
「ょろしくお願いします」
弱々しい声で挨拶をする竜司に扇は大満足だ。
「私とのやりとりがウザかったらブロックしちゃっていいからねー~~w」
「っし、しないよ!?」
「だと、いいなぁw」と扇は竜司の目を見た。
熱い眼差しとは、まさにこのことだ。
しかし、竜司はすぐに視線を外してしまう。
「っじゃ、僕は、…これで失礼しますね!」
逃げるように戻ってしまった竜司の背中を喜々と追う様子を、海潮も微笑ましくも見ている。
「では私も失礼させて頂きますね。長谷部君、お仕事の邪魔をしてごめんなさいね」
「あ、……うん」
「ママってばこれから店かい?」
「はい。勿論ですよ」
「縁司君も行かないかい?? 一緒にさ?」
突然のお誘いに「え゛」と硬直をしてしまう。
だが、すぐに。
「相手は金のない学生さんだよ。止しなよ、如月さん」
長谷部が間に入り責めた。
それには扇も肩を竦めて苦笑するしかない。
「おじさん、怒られちゃったw」
恵がともみを横目で視た。
それにはともみも、「だろぉうな」と短くも応えた。
2人の言葉に竜司は「なのかなぁ!?」と頭を抱え込んでしまうのだが。
しかし、それはと。
「バレたっていいんじゃないんすか? 違うの????」
「正々堂々と付き合うチャンスじゃないですか! まんざらでもないんでしょう?」
依然と腰砕け状態の竜司に2人は声を掛け続ける。
ケーキを作る手も、食器を洗う手も止めることをせずにだ。
「でもだよー~~!? っぼ、僕なんかよりも若いしぃいい」
「「相手さんは気にしてないと思うけど」」
「っそ、それにっ! ぼ、僕はおおおお、ぉおじさんなんだよ!?」
「「相手も同じだけど」」
同調する2人から見れば竜司も扇も、いい歳したおじさんでしかない。
そこを強情に拘る竜司には首を傾げたくもなるのである。
「ち、違うでしょう!? 扇さんはカッコイイもん!」
拳を握り目を輝かせる竜司の鼻息が荒い。
「それに比べたら、おじさんの僕なんか…しおしおのおじいちゃんもいいところだよ」
縁司と大差変わらない童顔の竜司がめそめそと愚痴る様子は、確かにみっともないと2人は思った。だが、もう少し背中を押して早く終わらせたいと目で合図を送り頷いた。
「また縁司の奴を見張る意味でも教えておいた方がいいんじゃないの?」
「縁司君を見張る為にも、交換した方が絶対いいって俺も思うよw」
恵とともみの言い包めに、
「ぅうう゛…そぅだなぁ~~」
覚悟を決めた竜司が立ち上がると携帯を握り締めた。
「っこ、交っっっっ換してくるよ!」
小走りにフロアーに戻る竜司の背中を2人は見送った。
とっとと終わらせて仕事に戻れと。
◆
ふるふる――……
「わぁい。嬉しいなぁw」
携帯に出た【竜司店長】の文字に扇が喜ぶに声を弾ませた。
そんな彼に竜司も顔を耳まで真っ赤にさせた。
「ょろしくお願いします」
弱々しい声で挨拶をする竜司に扇は大満足だ。
「私とのやりとりがウザかったらブロックしちゃっていいからねー~~w」
「っし、しないよ!?」
「だと、いいなぁw」と扇は竜司の目を見た。
熱い眼差しとは、まさにこのことだ。
しかし、竜司はすぐに視線を外してしまう。
「っじゃ、僕は、…これで失礼しますね!」
逃げるように戻ってしまった竜司の背中を喜々と追う様子を、海潮も微笑ましくも見ている。
「では私も失礼させて頂きますね。長谷部君、お仕事の邪魔をしてごめんなさいね」
「あ、……うん」
「ママってばこれから店かい?」
「はい。勿論ですよ」
「縁司君も行かないかい?? 一緒にさ?」
突然のお誘いに「え゛」と硬直をしてしまう。
だが、すぐに。
「相手は金のない学生さんだよ。止しなよ、如月さん」
長谷部が間に入り責めた。
それには扇も肩を竦めて苦笑するしかない。
「おじさん、怒られちゃったw」
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