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EP:146 君は死に体
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鼻がくすぐったくて、
「…んぅ???? なんだぁー」
ラバーは目を醒ました。
真っ暗な中はずが灯りがうっすらとあった。
場所は牢獄ではなく特別部屋。
「ああ。起きたのかい? 相変わらず、鈍いねぇ~~あんたって男はさぁ~~」
声は低く、酒に焼かれたかのようだ。
しかし、その声には聞き覚えがある。
女の中では間違いなく彼女は、ラバーにとっての一番星だ。
「…ああ。ジュエルか。ってこたぁ…そっか、そうかい。なるほどなぁ」
「勘がいいってのに。どうして、今、あんたがここに入っているのかが。未だに信じられないよ。あたしゃ」
「ふは! ははは! っはっはっは! 私もさ、ジュエル…来いよ」
腕を伸ばして彼女を呼び寄せた。
呼ばれたジュエルも服をぎ捨てながらラバーの傍へと行く。
「おいおい。裸になってナニする気だよ――歳も考えろよ。馬鹿よぉ」
呆れる様子のラバーの両頬を正面から掴んだ。
「あんたの子種を寄越しなさい」
強い目力のジュエルがラバーを見下ろした。
ジュエルは五十代にしては美しく身体の線も崩れていない上に。
まだ、二十代――十代と言っても通る程に若い。
「弟も世帯を持ったんだもの。あたしも欲しかったじゃないか、あんたとの――2人きりの余生を…なのに、あんたは…あんたって馬鹿はさ…この様で。しかも――処刑されちまうってきてる!」
上擦った声で、叫んでいた。
彼女もアイジ同様に――心の底から。
ホープよりも愛していると、離れてからようやく気がついた。
遅すぎるとは、自身も嘲笑してしまう。
だが、まだ大丈夫なこともある。
まだ――閉口していないということだ。
「あたしがあんたを産んであげるわ。だから――あたしの膣に注ぎ込みなさいよ」
「魅惑的で眩暈を起こしそうな誘惑だな。本当にいい女だわ。お前さんは」
「そうでしょう? 今さらじゃないの??」
「かもな」
ラバーはジュエルの首を掴み、ゆっくりと口づけをした。
「いい年こいて子作りをするたぁー思いもしなかったぜ」
苦笑交じりに言うとラバーはジュエルをベッドへとねじ伏せた。
◇◆
「おい。囚人…出ろ」
職務をする日中の看守の声にラバーも頷いた。
ゆっくりとした動作で、ギシ! とベッドを軋ませて立ち上がる。
「ああ。そぅすっかー」
首を回して、腕を回転させた。
いつもは騒がしい程の監獄は静まり返っている。どこからかすすり泣く声が聞える始末だ。
「ふは! ははは! っはっはっは! うん。悪くねぇ気分だ」
手錠をさせられることもなく。
3人の看守たちと長く、薄暗い廊下を進んで行く。
そんなときだ。
弾。
一発の銃弾がラバーの頭部を貫通し、額から飛び出た。
弾ッ!
一発の銃弾がラバーの右目に貫通し、眼球が破裂した。
弾ッッ‼
一発の銃弾がラバーの喉を貫通し、食道を破壊した。
弾ッッッッ‼‼
一発の銃弾がラバーの胸を貫通し、心臓の中を噛み抜けた。
「「「!?」」」
三人の看守たちも動揺した。
肉塊になってしまったラバーの身体が。
ドォオオオオンンンッッッッ‼‼
大きな音を立てて廊下へと崩れ落ちた。
銃弾によって開いた穴から止めどなく血液が溢れ出てくる。
ラバーの破片も飛び散っていた。
耳を塞ぐゲイリーを安住がぎゅっと抱きしめていた。
ゲイリーの表情は真っ青で、口がわなわなと震えている。
「ボス…ボス…――父さんンんんッッ」
涙を堪えていているゲイリーに、
「泣きなよ。泣いてもいいんだよ?」
安住が言うも、ゲイリーは顔を横に振った。
◇◆
「あんたが死ぬ日に来て驚かしてやろうと。ずっと計画してたんだ」
「へぇ? んで、こんな海上要塞までわざわっざ、SEXしに来ようと? 本当にどうしょうもねぇなぁーお前さんは」
「煩いわね。光栄に思いなさいよ…愛されていることをね!」
髪からお湯の粒を落としながら、着替え終わったジュエルをラバーが葉巻を吸う。
灰色の息をを吐きジュエルに態と聞く、
「まだ。犯り足りないってのかい? 性欲の塊なのは相変わらずだねぇ? ふふふ」
ジュエルが少女のようにはにかんだ。
「いいや。アイジとも…したかったなと思ってよぉー」
「はァ?! っざけんじゃないわよ!」
バキ! と頬を拳で殴るジュエル。
顔が真っ赤に染まっている。怒りの色だ。
「ああ。エルドにゃあ――あの件を進めてくれって伝えてくれ。どうせ、もう完了してるハズだ。あの馬鹿がいりゃあ…希望はあるってもんさ。お前さんの弟ぁ…いい男だ」
「…んぅ???? なんだぁー」
ラバーは目を醒ました。
真っ暗な中はずが灯りがうっすらとあった。
場所は牢獄ではなく特別部屋。
「ああ。起きたのかい? 相変わらず、鈍いねぇ~~あんたって男はさぁ~~」
声は低く、酒に焼かれたかのようだ。
しかし、その声には聞き覚えがある。
女の中では間違いなく彼女は、ラバーにとっての一番星だ。
「…ああ。ジュエルか。ってこたぁ…そっか、そうかい。なるほどなぁ」
「勘がいいってのに。どうして、今、あんたがここに入っているのかが。未だに信じられないよ。あたしゃ」
「ふは! ははは! っはっはっは! 私もさ、ジュエル…来いよ」
腕を伸ばして彼女を呼び寄せた。
呼ばれたジュエルも服をぎ捨てながらラバーの傍へと行く。
「おいおい。裸になってナニする気だよ――歳も考えろよ。馬鹿よぉ」
呆れる様子のラバーの両頬を正面から掴んだ。
「あんたの子種を寄越しなさい」
強い目力のジュエルがラバーを見下ろした。
ジュエルは五十代にしては美しく身体の線も崩れていない上に。
まだ、二十代――十代と言っても通る程に若い。
「弟も世帯を持ったんだもの。あたしも欲しかったじゃないか、あんたとの――2人きりの余生を…なのに、あんたは…あんたって馬鹿はさ…この様で。しかも――処刑されちまうってきてる!」
上擦った声で、叫んでいた。
彼女もアイジ同様に――心の底から。
ホープよりも愛していると、離れてからようやく気がついた。
遅すぎるとは、自身も嘲笑してしまう。
だが、まだ大丈夫なこともある。
まだ――閉口していないということだ。
「あたしがあんたを産んであげるわ。だから――あたしの膣に注ぎ込みなさいよ」
「魅惑的で眩暈を起こしそうな誘惑だな。本当にいい女だわ。お前さんは」
「そうでしょう? 今さらじゃないの??」
「かもな」
ラバーはジュエルの首を掴み、ゆっくりと口づけをした。
「いい年こいて子作りをするたぁー思いもしなかったぜ」
苦笑交じりに言うとラバーはジュエルをベッドへとねじ伏せた。
◇◆
「おい。囚人…出ろ」
職務をする日中の看守の声にラバーも頷いた。
ゆっくりとした動作で、ギシ! とベッドを軋ませて立ち上がる。
「ああ。そぅすっかー」
首を回して、腕を回転させた。
いつもは騒がしい程の監獄は静まり返っている。どこからかすすり泣く声が聞える始末だ。
「ふは! ははは! っはっはっは! うん。悪くねぇ気分だ」
手錠をさせられることもなく。
3人の看守たちと長く、薄暗い廊下を進んで行く。
そんなときだ。
弾。
一発の銃弾がラバーの頭部を貫通し、額から飛び出た。
弾ッ!
一発の銃弾がラバーの右目に貫通し、眼球が破裂した。
弾ッッ‼
一発の銃弾がラバーの喉を貫通し、食道を破壊した。
弾ッッッッ‼‼
一発の銃弾がラバーの胸を貫通し、心臓の中を噛み抜けた。
「「「!?」」」
三人の看守たちも動揺した。
肉塊になってしまったラバーの身体が。
ドォオオオオンンンッッッッ‼‼
大きな音を立てて廊下へと崩れ落ちた。
銃弾によって開いた穴から止めどなく血液が溢れ出てくる。
ラバーの破片も飛び散っていた。
耳を塞ぐゲイリーを安住がぎゅっと抱きしめていた。
ゲイリーの表情は真っ青で、口がわなわなと震えている。
「ボス…ボス…――父さんンんんッッ」
涙を堪えていているゲイリーに、
「泣きなよ。泣いてもいいんだよ?」
安住が言うも、ゲイリーは顔を横に振った。
◇◆
「あんたが死ぬ日に来て驚かしてやろうと。ずっと計画してたんだ」
「へぇ? んで、こんな海上要塞までわざわっざ、SEXしに来ようと? 本当にどうしょうもねぇなぁーお前さんは」
「煩いわね。光栄に思いなさいよ…愛されていることをね!」
髪からお湯の粒を落としながら、着替え終わったジュエルをラバーが葉巻を吸う。
灰色の息をを吐きジュエルに態と聞く、
「まだ。犯り足りないってのかい? 性欲の塊なのは相変わらずだねぇ? ふふふ」
ジュエルが少女のようにはにかんだ。
「いいや。アイジとも…したかったなと思ってよぉー」
「はァ?! っざけんじゃないわよ!」
バキ! と頬を拳で殴るジュエル。
顔が真っ赤に染まっている。怒りの色だ。
「ああ。エルドにゃあ――あの件を進めてくれって伝えてくれ。どうせ、もう完了してるハズだ。あの馬鹿がいりゃあ…希望はあるってもんさ。お前さんの弟ぁ…いい男だ」
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