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EP:136 言葉はいらない
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「会いたくなかっただァー~~?? あァ゛??」
セスナは首元をキツく掴んで絞めつけた。
「ぅ゛ー~~っつ」
「だから! そんなんで! そんな理由で!? 帰って来なかったってのかァ゛??」
ゲイリーは絞めてつける、その手を掴んだ。
いや、手を添えた。
その手は、苦しさに震えているのが分かる。
「き、君を見ると――看守さん達を思い出すから……怖い、んだよー」
息絶え絶えに言うゲイリーに。
セスナの顔から怒りの色が消え失せ、手を離した。ギシ! とベッドの上に腰を据えた。
そして、小さく呟くのだった。
「怖いか。俺様が……――」
開放されたゲイリーは大きく咳き込み。
息を吸った。
「どうして…なのかなー? ボクにも分かんないだけどー」
「…なんで。戻って来やがったんだ。ずっと、雲隠れしてりゃあよかったじゃねぇかよ。手前」
「えーアズミに会えないの嫌だもんー」
「…手前にゃあ一緒に雲隠れするって知恵はねぇのかよ?? っは! 本当に馬鹿じゃねぇのかァ??」
そんなセスナの言葉に。
ゲイリーの表情も強張った。
まさに。
その手があったか! とばかりに。
「そんなの。僕が許さないよ。ふざけるんじゃない」
セスナの言葉に。
安住の恋人でもあるフロイが、口を挟んだ。
「アズミを隠してみろ。僕は君を殺すよ」
「っふ、フロ――イトウ! イトウ! スットップぅうう‼」
安住が慌ててフロイを横から抱き締めた。
それに、鼻下を伸ばすフロイの顔もほころんでいて。
「帰って来たってこたぁー看守連中に犯されるってことだぜ? 覚悟は出来てんだろうなァ??」
「えー流石にさー看守さん達だって、次の囚人が居るでしょうーあの人たちが、性処理をしない訳ないじゃないかーっふふふ♡ ボクなんかに興味なんかなくなっててーでも。《独房》は覚悟しなきゃいけないよねー…アズミとまたー離れちゃうなーぅうんー~~」
そう笑いながらゲイリーが身体を起き上がらせ。肩を揺らして、楽しそうな半面。
これから来る反動を、想像したのか。
顔を曇らせた。
「も、もし…っそ、その囚人がいなかったら…」
「えー? いるでしょうーいない訳ないもんー獣なのにー」
「だから。いなかったら――……」
「ないない♡ あり得ないよー~~♡」
手を振って否定するゲイリーの行動に、安住の顔が真っ青になっていってしまう。
本当に。
夜は静かで。
静か過ぎるほどだった。
(っよ、よせ! ゲイリー~~そいつを挑発するなぁ~~‼)
それほどまでに。
ゲイリーの言う――看守さん達は。
ゲイリーに飢えていた。
「…手前。雲隠れしてたときに…誰かとシたか?」
「? しないよー身う――…相手がいなかったもん♡ あ。でも、何回か、噛まれちゃったかな? んー痕は残っていないとは思うけどー…え? それって君に関係あるの??」
「生理は?? 本当に終わったのか?!」
凄味のある。えらい剣幕のセスナの言葉に、ゲイリーも、嘘を吐くことも忘れていて。
小さく頷いてしまう。
「…君に。関係、ないよねぇ? え? 怖い…んだけどー??」
怯えるゲイリーの顔を見ながら。
セスナが舌なめずりをした。
「夜が楽しみだなァ゛! 」
ぞく!
ぞくぞく!
「おかしな人だなー本当にー怖いんだけどー」
ゲイリーは乱れた髪を手櫛で整えながら。
セスナに言う、と。
「可愛くないことばっか言う唇だなァ!」
彼の頭部に手を回すと、強く掴み。
強引に顔を引き寄せると。
ちゅ。
ソフトな口づけをした。
これは。
セスナとの初めてのキスでもあった。
「キスもしてきてねぇのかァ??」
「それは寝る前にするものでしょーもー~~」
ピシ。
ピシピシ――……。
「手前ェ゛‼」
セスナが正面から手で口を開かせると。
「んぅ??」
強引に口づけをすると。
ゲイリーを押し倒して、息を吸いとるほどに。
舌を絡め、誉めた。
「ん♡ っん♡ んぁ゛♡♡♡」
胸を押していた手も。
軽く添えられているものになってしまう。
トロ顔になり、飲み切れない唾液が頬を汚していく。
セスナも、満足気に唇を離した。
ゲイリーの頬についた唾液を指先で拭い。
舐めた。
身体をヒくつかせるゲイリーを見下ろすと。
「帰るぞ。手前ら!」
これから訪れる夜の時間に。
思い馳せ、そして、心をセスナは躍らせた。
セスナは首元をキツく掴んで絞めつけた。
「ぅ゛ー~~っつ」
「だから! そんなんで! そんな理由で!? 帰って来なかったってのかァ゛??」
ゲイリーは絞めてつける、その手を掴んだ。
いや、手を添えた。
その手は、苦しさに震えているのが分かる。
「き、君を見ると――看守さん達を思い出すから……怖い、んだよー」
息絶え絶えに言うゲイリーに。
セスナの顔から怒りの色が消え失せ、手を離した。ギシ! とベッドの上に腰を据えた。
そして、小さく呟くのだった。
「怖いか。俺様が……――」
開放されたゲイリーは大きく咳き込み。
息を吸った。
「どうして…なのかなー? ボクにも分かんないだけどー」
「…なんで。戻って来やがったんだ。ずっと、雲隠れしてりゃあよかったじゃねぇかよ。手前」
「えーアズミに会えないの嫌だもんー」
「…手前にゃあ一緒に雲隠れするって知恵はねぇのかよ?? っは! 本当に馬鹿じゃねぇのかァ??」
そんなセスナの言葉に。
ゲイリーの表情も強張った。
まさに。
その手があったか! とばかりに。
「そんなの。僕が許さないよ。ふざけるんじゃない」
セスナの言葉に。
安住の恋人でもあるフロイが、口を挟んだ。
「アズミを隠してみろ。僕は君を殺すよ」
「っふ、フロ――イトウ! イトウ! スットップぅうう‼」
安住が慌ててフロイを横から抱き締めた。
それに、鼻下を伸ばすフロイの顔もほころんでいて。
「帰って来たってこたぁー看守連中に犯されるってことだぜ? 覚悟は出来てんだろうなァ??」
「えー流石にさー看守さん達だって、次の囚人が居るでしょうーあの人たちが、性処理をしない訳ないじゃないかーっふふふ♡ ボクなんかに興味なんかなくなっててーでも。《独房》は覚悟しなきゃいけないよねー…アズミとまたー離れちゃうなーぅうんー~~」
そう笑いながらゲイリーが身体を起き上がらせ。肩を揺らして、楽しそうな半面。
これから来る反動を、想像したのか。
顔を曇らせた。
「も、もし…っそ、その囚人がいなかったら…」
「えー? いるでしょうーいない訳ないもんー獣なのにー」
「だから。いなかったら――……」
「ないない♡ あり得ないよー~~♡」
手を振って否定するゲイリーの行動に、安住の顔が真っ青になっていってしまう。
本当に。
夜は静かで。
静か過ぎるほどだった。
(っよ、よせ! ゲイリー~~そいつを挑発するなぁ~~‼)
それほどまでに。
ゲイリーの言う――看守さん達は。
ゲイリーに飢えていた。
「…手前。雲隠れしてたときに…誰かとシたか?」
「? しないよー身う――…相手がいなかったもん♡ あ。でも、何回か、噛まれちゃったかな? んー痕は残っていないとは思うけどー…え? それって君に関係あるの??」
「生理は?? 本当に終わったのか?!」
凄味のある。えらい剣幕のセスナの言葉に、ゲイリーも、嘘を吐くことも忘れていて。
小さく頷いてしまう。
「…君に。関係、ないよねぇ? え? 怖い…んだけどー??」
怯えるゲイリーの顔を見ながら。
セスナが舌なめずりをした。
「夜が楽しみだなァ゛! 」
ぞく!
ぞくぞく!
「おかしな人だなー本当にー怖いんだけどー」
ゲイリーは乱れた髪を手櫛で整えながら。
セスナに言う、と。
「可愛くないことばっか言う唇だなァ!」
彼の頭部に手を回すと、強く掴み。
強引に顔を引き寄せると。
ちゅ。
ソフトな口づけをした。
これは。
セスナとの初めてのキスでもあった。
「キスもしてきてねぇのかァ??」
「それは寝る前にするものでしょーもー~~」
ピシ。
ピシピシ――……。
「手前ェ゛‼」
セスナが正面から手で口を開かせると。
「んぅ??」
強引に口づけをすると。
ゲイリーを押し倒して、息を吸いとるほどに。
舌を絡め、誉めた。
「ん♡ っん♡ んぁ゛♡♡♡」
胸を押していた手も。
軽く添えられているものになってしまう。
トロ顔になり、飲み切れない唾液が頬を汚していく。
セスナも、満足気に唇を離した。
ゲイリーの頬についた唾液を指先で拭い。
舐めた。
身体をヒくつかせるゲイリーを見下ろすと。
「帰るぞ。手前ら!」
これから訪れる夜の時間に。
思い馳せ、そして、心をセスナは躍らせた。
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