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EP:88 真実と怯えるゲイリー
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フレディの顔から見る見ると血の気が引けていくのだが、ただ、暗視ゴーグルスコープをつけているため、表情は他に看守の二人からは見えない。
(ねぇ。フレディ君?)
ギク!
いつの間にか。
フレディの横に立ち肩に手を触れているフロイ。
彼にはーー1人で抱えたくなかった気持ちもあり、言ってしまっていた。
◆◇
『あの……フロイさん。訊いて貰いたい話しがあります』
セスナが自身の部屋に腰を抑えながら戻ったのを確認して切り出したのだ。
『? 何。とっとと戻りなよ』
『っきょ、今日…あの、ゲイリー君から聞いたことがありまして』
『興味がないし。あの囚人に至っては死ねばいいのにと、本気で思っているよ』
素っ気なく返したフロイに、
『っこ、子供を産むことが出来るらしいんです!』
必死の形相で、座っていたフロイに詰め寄って、そう小声で言っていた。
『酔っていた本人から聞いたんですよ‼』
さらに小声でフレディが言う。
『…酔った人間の言う話しほど、信憑性のないものはないよ。騙されているよ。男は本来その機能なんかないし。あったのなら…アズミには僕との子供を産んで欲しいよ』
迫りよるフレディの顔を手で弾き。
黙々と雑誌を読んだ。
『ゲイリー君は嘘を吐かない! 絶対にだ‼』
ついにはそう大きく吠えてしまったフレディに。
『聞こえて困るのは君だとは思うけど、音量を下げなよ』
雑誌を閉じたフロイがフレディを見つめた。
『で、何だって言うの。それが』
『っだ、だから! ぇっと! だから…あの!』
『バレないように協力しろってこと? 無理じゃない。そんなこと』
一蹴するフロイに、
『こんなこと知ったら! セスナさんにゲイリー君を犯らせたくないんです!』
強い意思を持ってフレディが拳を握った。
『女性器と孔を間違わなきゃ大丈夫でしょ。普段の機能が男性器なら女性器自体が未発達で、しかも小さいのかもしれないし』
冷淡に、淡々と、
『茎も挿入れられないんじゃないの?』
フロイも言い返すのだった。
『でも! そうかもしれないけど‼』
こめかみを両手で覆い、左右にかぶり振るフレディ。
『そんなに好きになったって。相手は囚人だよ、僕たちは看守だ』
膝を折り地面に落ちてしまうフレディを、
『執着するのは好ましくないな』
フロイが見下ろした。
『傷つく…彼を見たくないんだ。私は! 見たくないんだ…ぅ、え゛…ぅううあ゛』
涙で震える声に、
『頼むから。看守同士でのいざこざは勘弁してくれよ』
フロイはため息を漏らした。
◇◆
(あの話しが本当だとしたら。七日間ってのはーー生理ってことだよね?)
無言でフレディが顔を縦に振った。
(--…昨日までは。さっきまでは…そういうのはないって言ってたんです…よ?)
(多分。間違って…たまたま。女性器にセスナの奴が刺激を与えたんだろう)
壁に背中をつけ、セスナと睨み合うゲイリー。
歯を剥き出しにセスナが、
「いいから! こっちに来て可愛がられればいいんだよォ゛! 手前は‼」
「ぃ、嫌だ! っむ、無理なんだってばー! 聞き分けてよーーッッ‼」
「分かった! 手前がそのつもりだってんなら!」
足取り強くセスナが安住のベッドへと向かい。
勢いよく毛布を剥いだ。
「!? っわ゛!」
「こいつを犯してやるよ! 手前の目の前でだ‼」
(ねぇ。フレディ君?)
ギク!
いつの間にか。
フレディの横に立ち肩に手を触れているフロイ。
彼にはーー1人で抱えたくなかった気持ちもあり、言ってしまっていた。
◆◇
『あの……フロイさん。訊いて貰いたい話しがあります』
セスナが自身の部屋に腰を抑えながら戻ったのを確認して切り出したのだ。
『? 何。とっとと戻りなよ』
『っきょ、今日…あの、ゲイリー君から聞いたことがありまして』
『興味がないし。あの囚人に至っては死ねばいいのにと、本気で思っているよ』
素っ気なく返したフロイに、
『っこ、子供を産むことが出来るらしいんです!』
必死の形相で、座っていたフロイに詰め寄って、そう小声で言っていた。
『酔っていた本人から聞いたんですよ‼』
さらに小声でフレディが言う。
『…酔った人間の言う話しほど、信憑性のないものはないよ。騙されているよ。男は本来その機能なんかないし。あったのなら…アズミには僕との子供を産んで欲しいよ』
迫りよるフレディの顔を手で弾き。
黙々と雑誌を読んだ。
『ゲイリー君は嘘を吐かない! 絶対にだ‼』
ついにはそう大きく吠えてしまったフレディに。
『聞こえて困るのは君だとは思うけど、音量を下げなよ』
雑誌を閉じたフロイがフレディを見つめた。
『で、何だって言うの。それが』
『っだ、だから! ぇっと! だから…あの!』
『バレないように協力しろってこと? 無理じゃない。そんなこと』
一蹴するフロイに、
『こんなこと知ったら! セスナさんにゲイリー君を犯らせたくないんです!』
強い意思を持ってフレディが拳を握った。
『女性器と孔を間違わなきゃ大丈夫でしょ。普段の機能が男性器なら女性器自体が未発達で、しかも小さいのかもしれないし』
冷淡に、淡々と、
『茎も挿入れられないんじゃないの?』
フロイも言い返すのだった。
『でも! そうかもしれないけど‼』
こめかみを両手で覆い、左右にかぶり振るフレディ。
『そんなに好きになったって。相手は囚人だよ、僕たちは看守だ』
膝を折り地面に落ちてしまうフレディを、
『執着するのは好ましくないな』
フロイが見下ろした。
『傷つく…彼を見たくないんだ。私は! 見たくないんだ…ぅ、え゛…ぅううあ゛』
涙で震える声に、
『頼むから。看守同士でのいざこざは勘弁してくれよ』
フロイはため息を漏らした。
◇◆
(あの話しが本当だとしたら。七日間ってのはーー生理ってことだよね?)
無言でフレディが顔を縦に振った。
(--…昨日までは。さっきまでは…そういうのはないって言ってたんです…よ?)
(多分。間違って…たまたま。女性器にセスナの奴が刺激を与えたんだろう)
壁に背中をつけ、セスナと睨み合うゲイリー。
歯を剥き出しにセスナが、
「いいから! こっちに来て可愛がられればいいんだよォ゛! 手前は‼」
「ぃ、嫌だ! っむ、無理なんだってばー! 聞き分けてよーーッッ‼」
「分かった! 手前がそのつもりだってんなら!」
足取り強くセスナが安住のベッドへと向かい。
勢いよく毛布を剥いだ。
「!? っわ゛!」
「こいつを犯してやるよ! 手前の目の前でだ‼」
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