35 / 148
EP:35 ノンストップに、突然に
しおりを挟む
安住がラバーから教えてもらったのは。
あの乱暴に犯す看守はセスナという名前だと言うこと。
「セスナ、か」
そして。
もう一人、後ろで腕を組んで立っているだけだったのが。
宇宙人と言われる看守のフロイ。
「フロイ、ね」
最後に。
セスナに言われるがままに従っていた男。
看守のフレディ。
「フレディって。どこの悪魔だよ~~」
安住はホラー映画を思い出して笑った。
ただ。
フレディこそ、分かりやすく。
話しやすいとのことも、ラバーが言っていた。
だが、それはあくまでもラバーに対してでしかない。
そう、安住は思った。
「んー~~アズミ、そんなこと聞いて、どうするのー?」
「ど、どうもしないよ。でも、ただ…知りたかったんだ」
「どうしてー?」
「刑期が終えたら、裁判を起こして訴える」
暗くなった監獄の中。
ゲイリーが、またアズミのベッドの中に入り込んでいた。
「そんなことしなくたっていいじゃないかー」
「…うん。俺もそう思うよ」
「でしょーうん。だよねー」
淡い月明かりが、ゲイリーを照らした。
「ね。ゲイリー」
「んー? 何ーアズミー」
「尻、疼く?」
安住の問いかけに、ゲイリーの顔が沈んでいく。シーツの中に。
「あ。なぁ、ゲイリー?」
安住が上半身を起き上げながら。
ゲイリーの身体を揺らした。
ヒュン!
「!? っだッ‼」
勢いよく、鉄格子を超えて何かが投げ入れられた。安住の背中に命中したものは、ベッドのすぐ下に落ちて、すぐに、回収が出来た。
安住も背中の痛みを、我慢しつつ。
「? あ、カプセル? かな??」
「? えー何がー??」
シーツの中から、ひょっこりと顔を出すゲイリー。
手探りで開けた安住は。
中を覗き込むと、紙が小さく折りたたまれていた。
「? 手紙だ」
――いい加減にしねェとぶち殺すぞ!
ラバー
うぐ! と安住も息を飲むほかなく。
嫌な汗が額に浮かび上がった。
「手紙ー見せてよー」
「いいから! ダメ!」
「…ケチぃー」
上目遣いでゲイリーが、安住を睨んだ。
そして、はにかんだ表情を向けた。
「…アズミーうん、その…ちょっとだけ、疼くんだよー」
安住も、
「ごめん。その、気になっちゃって…ごめん」
手を合わせて、目を閉じた。
ゲイリーは、安住のその手を掴み。
軽く口づけをした。
「いいよー許してあげるよー」
そして、軽く甘噛みをした。
「っつ! ぁ…っちょ、ゲイリー??」
「これはお仕置きだよーもっと、もっと噛んじゃうよー」
「いや! っちょ、それはっっ‼」
引け腰になる安住の両腕をベッドにタオルで器用に縛り上げた。
「無理! ムリムリッッ‼」
じだばた、と足をバタつかせる安住の足を。
ゲイリーが持ち上げた。
「あの、ごめんなさい~~ゲイリー~~‼」
「ふふんーさっきの威勢はどこなのかなぁ~~??」
「っひ! ひァ゛!」
ゲイリーが安住の首筋に噛みつく。
甘噛みではなく。
強くだ。
「ぃ゛、だァ゛ッッ‼」
口を離すと。
そこにはゲイリーの葉型が、くっきりと。
血も浮き出ていた。
「んー1回、こういうのしたかったんだよねーボク♡」
その跡を、ゲイリーが舌で舐め誉めた。
痛みと、くすぐったい感覚に。
「ひぅ…ふぁ…ごめ、ゲイリー…んン゛」
鼻にかかった息を漏らす安住。
少し涙が浮かび上がっているためなのか目が潤んでいる。
「ごめん。アズミー止められないよ」
「!?」
あの乱暴に犯す看守はセスナという名前だと言うこと。
「セスナ、か」
そして。
もう一人、後ろで腕を組んで立っているだけだったのが。
宇宙人と言われる看守のフロイ。
「フロイ、ね」
最後に。
セスナに言われるがままに従っていた男。
看守のフレディ。
「フレディって。どこの悪魔だよ~~」
安住はホラー映画を思い出して笑った。
ただ。
フレディこそ、分かりやすく。
話しやすいとのことも、ラバーが言っていた。
だが、それはあくまでもラバーに対してでしかない。
そう、安住は思った。
「んー~~アズミ、そんなこと聞いて、どうするのー?」
「ど、どうもしないよ。でも、ただ…知りたかったんだ」
「どうしてー?」
「刑期が終えたら、裁判を起こして訴える」
暗くなった監獄の中。
ゲイリーが、またアズミのベッドの中に入り込んでいた。
「そんなことしなくたっていいじゃないかー」
「…うん。俺もそう思うよ」
「でしょーうん。だよねー」
淡い月明かりが、ゲイリーを照らした。
「ね。ゲイリー」
「んー? 何ーアズミー」
「尻、疼く?」
安住の問いかけに、ゲイリーの顔が沈んでいく。シーツの中に。
「あ。なぁ、ゲイリー?」
安住が上半身を起き上げながら。
ゲイリーの身体を揺らした。
ヒュン!
「!? っだッ‼」
勢いよく、鉄格子を超えて何かが投げ入れられた。安住の背中に命中したものは、ベッドのすぐ下に落ちて、すぐに、回収が出来た。
安住も背中の痛みを、我慢しつつ。
「? あ、カプセル? かな??」
「? えー何がー??」
シーツの中から、ひょっこりと顔を出すゲイリー。
手探りで開けた安住は。
中を覗き込むと、紙が小さく折りたたまれていた。
「? 手紙だ」
――いい加減にしねェとぶち殺すぞ!
ラバー
うぐ! と安住も息を飲むほかなく。
嫌な汗が額に浮かび上がった。
「手紙ー見せてよー」
「いいから! ダメ!」
「…ケチぃー」
上目遣いでゲイリーが、安住を睨んだ。
そして、はにかんだ表情を向けた。
「…アズミーうん、その…ちょっとだけ、疼くんだよー」
安住も、
「ごめん。その、気になっちゃって…ごめん」
手を合わせて、目を閉じた。
ゲイリーは、安住のその手を掴み。
軽く口づけをした。
「いいよー許してあげるよー」
そして、軽く甘噛みをした。
「っつ! ぁ…っちょ、ゲイリー??」
「これはお仕置きだよーもっと、もっと噛んじゃうよー」
「いや! っちょ、それはっっ‼」
引け腰になる安住の両腕をベッドにタオルで器用に縛り上げた。
「無理! ムリムリッッ‼」
じだばた、と足をバタつかせる安住の足を。
ゲイリーが持ち上げた。
「あの、ごめんなさい~~ゲイリー~~‼」
「ふふんーさっきの威勢はどこなのかなぁ~~??」
「っひ! ひァ゛!」
ゲイリーが安住の首筋に噛みつく。
甘噛みではなく。
強くだ。
「ぃ゛、だァ゛ッッ‼」
口を離すと。
そこにはゲイリーの葉型が、くっきりと。
血も浮き出ていた。
「んー1回、こういうのしたかったんだよねーボク♡」
その跡を、ゲイリーが舌で舐め誉めた。
痛みと、くすぐったい感覚に。
「ひぅ…ふぁ…ごめ、ゲイリー…んン゛」
鼻にかかった息を漏らす安住。
少し涙が浮かび上がっているためなのか目が潤んでいる。
「ごめん。アズミー止められないよ」
「!?」
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説


後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…
まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。
5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。
相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。
一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。
唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。
それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。
そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。
そこへ社会人となっていた澄と再会する。
果たして5年越しの恋は、動き出すのか?
表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる