何度でも、やさしい嘘にキスをしろ。【完全版】

ちさここはる

文字の大きさ
上 下
21 / 148

EP:21 甘く熱く、誘って、擦って

しおりを挟む
「本当に、こんな真似して、ごめっ! ゲイリー~~ッッ‼」

 涙声で謝る安住に。
 ゲイリーはどうしたものかと思っていた。

(このままだとー後腐れとか、無視されちゃったりする気がするなー)
 きっと、安住はこの自分をおかずにオナったことに後悔をして。
 距離をあけて来るはずだと。
 ゲイリーは確信に近く、思った。
 今でさえ。

 泣いてしまっている彼が。

 ギクシャクせずにいられるわけがない。

(どうせー避けられちゃうんだったらー)
 薄い布を持ち上げ、ゲイリーは安住が勃起させたペニスを見た。
(ぅんー~~抜いちゃうかなー)

 びくびく!

「ゃだ、見ないーーっひ! っへ?!」

「ねーイキたい? アズミー」
「?! っそ、れは…」
 安住は目を泳がせた。
 目に見えるくらいに張りガチガチに勃起している。
 明らかに射精まであと少しまで来ている以上はさっさっと出してしまいたい、と思うのが心情だ。
 むしろ、見なかったことにして放っておいても欲しかったという気まずさもある。
「ボクもさぁーアズミの勃起したチンチンを見てたらーほら!」
 ゲイリーは安住の手を掴むと。
 自身の茎に招き触れさせた。

「‼ った、勃ってる、じゃない、か。ゲイリー」
「うんうん。えへへー~~ボクもゲイだからねー忘れちゃったのー?? アズミー」

「…そ、うだったな。忘れてた」

 バツを悪そうに安住も答えた。
 それに。
 ゲイリーが笑うと。

 安住もつられて笑った。

「で。抜いてもいいのー? きついんじゃないのー?」
「…ん。キツイ、てか…も、射精イキたいっ」
 安住の言葉に。
 ゲイリーが安住の茎に触れ、軽く扱いた。

「!? っは、っふ! っげ、ぃリー~~っ!」

 指先を。

 手の甲を。

「っげ、ぃりぃ~~」

 安住の先走り汁が、ゲイリーの手を厭らしく汚していく。
 涙目で安住がゲイリーを見つめた。

「ぁ、ズミぃー♡」

 ごっくん! とゲイリーの喉が鳴った。
 それは。
 安住にも聞こえていた。

(ゲイリー…俺に、俺なんかに…っこ、うふん…してん、のか、な?)
 あまりの恥ずかしさに。
 頬も痛く感じていく。

 恐る恐ると。

 安住もゲイリーの股間に指をやった。

 ドクドク。

 ズクズク――…ッッ‼

(ゲイリーのも。アチぃ…)

 パンツの上から安住は、ぎこちない手つきでゲイリーの茎を扱いた。

「っふ…アズミ、んんん、ぃいよー♡」

「う、うん…力、加減とか…どぅ、かな?」
「んーそ、ぉうだね。も、ちょっと…強めで♡」

「! うん。分かった!」

 ぢゅ。

 っぢゅ!

「ん゛ンん゛! ぃ、いよー♡」
(硬く、なった。ちょっと、先走りも出てきた…)
「ね♡ アズミ♡」

「っは、はい?!」

 熱いゲイリーの言葉。
 安住は上擦った声を出してしまう。

 そして。
 安住の耳元に甘く、誘うような声を吐いた。

「一緒に、擦らない♡?」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

男は休憩も許されぬ身体を独房の中でくねらせる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

後輩に嫌われたと思った先輩と その先輩から突然ブロックされた後輩との、その後の話し…

まゆゆ
BL
澄 真広 (スミ マヒロ) は、高校三年の卒業式の日から。 5年に渡って拗らせた恋を抱えていた。 相手は、後輩の久元 朱 (クモト シュウ) 5年前の卒業式の日、想いを告げるか迷いながら待って居たが、シュウは現れず。振られたと思い込む。 一方で、シュウは、澄が急に自分をブロックしてきた事にショックを受ける。 唯一自分を、励ましてくれた先輩からのブロックを時折思い出しては、辛くなっていた。 それは、澄も同じであの日、来てくれたら今とは違っていたはずで仮に振られたとしても、ここまで拗らせることもなかったと考えていた。 そんな5年後の今、シュウは住み込み先で失敗して追い出された途方に暮れていた。 そこへ社会人となっていた澄と再会する。 果たして5年越しの恋は、動き出すのか? 表紙のイラストは、Daysさんで作らせていただきました。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

拝啓お父様。私は野良魔王を拾いました。ちゃんとお世話するので飼ってよいでしょうか?

ミクリ21
BL
ある日、ルーゼンは野良魔王を拾った。 ルーゼンはある理由から、領地で家族とは離れて暮らしているのだ。 そして、父親に手紙で野良魔王を飼っていいかを伺うのだった。

処理中です...