いとをかし

ちさここはる

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EP:2 UFOキャッチャー業務

今日10日 生き物ではなく景品として、見る目

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 社員従業員チーフスタッフが運ばせた発泡スチロールの中身。
 それはうちのゲーセン勤務中に3回。中身を視ることとなった。

 全3回。

(なんて悪趣味な景品なんだろな)

 辛くもなったのだ。

 そして、その全部においてうちがいきものがかりを担うこととなった。
 何故だと思う?(時間猶予2分あげよう)

 さてはて。
 正解をお教え致そう。

 3回届いた《生き物の景品》に関心のある従業員がいなかったのだ。
 彼らも、社員従業員も。

 《生き物》とかではなく《景品》としかみなかった。

 そして。
 その景品の単価における、生き物のFUOキャッチャーのおおよその収入金額を決める。
 収入金額が決まれば、時間の限りのある生き物の景品を。

 生産され、遠くゲーセンに送られた彼等に何も食わさずに。

 UFOキャッチャーへと入れ替えするのだ。
 普段よりは、やや甘くなる設定と爪にバネ。
 これが最低限の優しさなのだ。
 時間が経てば、さらに取りやすくなる。あくまでも生き物の景品であるデメリットは、取られず、残り、期待収入にもならないかもしれない、という点だ。
 大人なら生き物を獲得した後の面倒くさいこそを分かっている。
 一時的な愉しみで終わらないことを、きちんと理解されている。(はず)

 しかし。
 子どもはどうだ?

 美しい熱帯魚!(2匹)

 映画で話題になった熱帯魚!(2匹)

 外来種の昆虫!(1匹)← (こいつはっ、再追加でも来やがりましたっっっっ‼)

 それらが1回100円で、ひょっとしたら獲得できるかもしれない!

「ママ! パパ! これやりたい!」

 なるよねーなるよ。なっちゃうんだよ! あァ゛ァア゛ア゛ッ‼
 これがゲーセンでの思いの壺ってやつ。
 ホーマックなら幾らで購入できる? 知らんけどw

 日中よりも土日祝日なんかの夜に盛り上がったそうな。
 それでも、早番の私うちにはいなくなるまでが長く感じたよ。

 まず。
 うちがしたのは、勤務帰りに餌を、水にいれる塩素? ってのを買った。(自費やで)
 そして、着たときの水槽の水の取り換えなんかをしていた。これに関しては、他の従業員もしてくれていた感じ。
 あと、したのは――……

「あ。死んでる、なげなきゃ」

 ポイ! とゴミ箱に捨てられたのを目の当たりにしたので。

「だめ! 埋めるからヤメて!」

 会社の裏庭にスコップを持参して埋めました。
 もちろん、当時の店長からの許可を得てのことです。
 なんで、その場所は。

 熱帯魚たちも、昆虫も眠る塚となっております。 
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