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5日目 演奏
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「皆さん! いけますか?」
「「「「「はい!!」」」」」
スタッフさんの確認に、返事をする5人。
半径3mほどの円台に、円陣を組むように乗り込む。
4人は、白のドレスに、自分のイメージカラーのフリルやリボンのついた衣装を着ている。
もちろん俺も、頭部にピンクのリボンをつけてドレスアップしていた。
「お前ら、緊張してんじゃねぇぞ!」
「アタシはしてないよ! ドキドキよりワクワクって感じ! 春ちゃんは大丈夫?」
「大丈夫に決まってるじゃない! こんなことで動揺するほど、やわなメンタルじゃないわ!」
「あらあら、その割には声が上ずっているように聞こえるわね。 ニイナは大丈夫?」
「ふえ~~~緊張するよぉ……けど……この日のために、ボク達はたくさん練習してきたんだもん……その成果を出せるように頑張る!」
(へへ! 珍しくニイナも張り切ってるじゃねぇか! 練習の成果を出す、か……)
「……俺たち2日しか練習してなくね?」
「「「「!?」」」」
「アイドルの皆さん、会場入りしまーす!」
スタッフがそう言うと、俺たちの乗った円台が容赦なく上昇する。
上がり切ったその先は、ライトアップされた五角形のステージの中央だった。
そして俺たちを囲むように埋め尽くす人間の群衆たちが、俺たちの視界に広がる。
(こんなに人が! 弟さん、よく集めたなぁ。感謝の言葉しか出ねぇ)
こみ上げる感謝と緊張を噛みしめながら、俺は昨晩のことを思い出す。
昨日の晩、俺はデビューライブを武道館で行うことを姉弟に話した。
その時、おねぇ様は最初こそ驚いていたが、その表情は徐々に呆れへと変わっていき、終いにはため息をつく始末。
「あのさ、セミさんさ、そのライブって誰が決めたの?」
「それはもちろん、夏元が……」
「……」
おねぇ様が無言で睨みつけてくる。
「……夏元を操って俺が決めました」
「はぁ~~~~~~~」
これ見よがしにため息をつき、諭すように話し始める。
「デビューライブってのは普通、そんな大きな会場でやらないの。最初は小さい会場で、次に中規模、数万のファンが出来て初めて武道館みたいな大規模な会場でライブをするの」
「……はい」
「今セミさんのグループのファン何人?」
「……0人っす」
「行動する前にその1m㎥にもみたない微小脳でしっかり考えろよぉ! 小さすぎるせいで、どうせ碌な案が出ないけどさぁ!」
「……あ! ちなみに武道館ライブは明日から3日連続で行います!」
「セミさんって、自分から難易度上げるの好きだよね」
「1000000% SMAAAAAAAAAAASH!!!」
弟がテレビの画面を見ながら叫んでいる。
画面には、おねぇ様の操っているキャラが、画面外に吹き飛ばされる様子が映されていた。
「ちょっと! 話してる最中は攻撃しないでよ!」
「こうでもしなきゃ、おねぇちゃんに勝てないんだもん! それと……僕、セミさんのこと助けられるよ!」
「どうやって?」
おねぇ様は不思議そうに尋ねる。弟さんはニカっと笑うと、
「僕がライブの事、Tw〇tterとインスタで拡散して宣伝すればいいんだよ!」
「ブフッw! 弟さん、武道館の収容人数何人か知ってます? 1万人以上ですよ! そんな人数のフォロワーいるようには見えないですけどw」
「僕のフォロワー数は10万人です」
「!?」
ステージ中央の俺たちに1万以上の視線が集中する。
流石にこの光景に動揺し始める4人。
「なななななるほどね! いいい意外と迫力あるじゃない! わわわわ私は緊張しないけどね」
「あらあら、分かりやすく緊張してるじゃない。私も正直緊張してきたわ……。ニイナは大丈夫……ってニイナ!?」
「ふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇ」
ニイナは、超高速で微振動を繰り返していた。
「アタシ、緊張を解くおまじない知ってるよ! 『人』って手の平に書いて飲み込むの! こう書いて……パク!」
「あらあら、それ『人』じゃなくて『入』になってるわよ」
「そのおまじない、俺セミだけど有効かな?」
俺はこいつらをまとめるために声を出す。
「おい! お前ら手を重ねるんだ! 掛け声するぞ!」
4人は頷き円陣の中心で手を重ねていく。
「そんでもって、俺がその上に乗ると……」
重なった手に乗ろうとすると、一斉に手たちがその場から逃げていく。
「嫌よ! 気持ち悪い!」
「あらあら、セミを手に乗せるとかどんな罰ゲームかしら」
「ボク、本当に嫌なんでやめてください」
「ガチの拒絶ほど、メンタル持ってかれることってないよね!」
悲しみに声を震わせる。そんな俺にチッチは元気よく提案する。
「アタシは平気だよ! セミさん! アタシの手に乗って!」
「チッチ~! お前となら結婚してやってもいいぞ!」
「アタシにも選ぶ権利はあるからね」
4人の手がチッチを一番上に、再び重なっていき、最後にその上に俺が乗った。
「おし! お前ら! 気合い入れていくぞ!」
「「「「えい! えい! おーーーー!」」」」
その掛け声とともに4人は手を空に突き上げ、俺はそれと同時に飛び立つ。
そして5人は自分の持ち場へと駆け出していく。
それぞれが五角形のステージの頂点に立つ。
俺の立ち位置には、俺専用のマイクスタンドが置かれていて、羽根を観客に見せつけるように、そのマイクに止まる。
5人は息を合わせ、こう叫ぶ。
「「「「「私たち! セミ系アイドル! 『シケイドル』です!」」」」」
「一曲目! 『ポニーテールとセミ』!」
その宣誓を皮切りに、俺たちのライブが始まった。
私は、弟と武道館に来ていた。
大量の人が詰め込まれた会場の中心で、アイドルたちが踊り、歌い、輝いている。
「セミさんがんばえーーー!」
「てかさ、セミ系アイドルってどういうこと?」
「おねぇちゃん! そういうことは考えるだけ時間の無駄だよ! 今日の晩御飯を考えた方がまだ生産的だよ!」
初めてライブというものに来たが、意外に悪いものではなかった。
可愛らしく、つい応援したくなるような女の子と、声援を送る観客との一体感。
時々マイクに乗る、カサコソという不愉快なセミの移動音以外は最高だった。
「一曲目が『ポニーテールと、セミ』だっけ? 凄いね、私、ポニテとセミになんの関連性も見いだせないよ。 他の曲はどんな感じなの?」
「えっとね。
セミチョコ
セミ、アイドル宣言
セミ☆ナツ
セミでsummer
銀色のセミと熱い風 の5曲だね!」
「それ各方面にケンカ売ってない? 大丈夫?」
「大丈夫だよ! 題名と歌詞は少し変えてあるから!」
「大丈夫じゃないよね。その程度じゃ、JASRACの目は誤魔化せないよ」
私たちが会話している間も、曲は進んでいく。
一曲目、二曲目、三曲目……。どんどん観客たちが盛り上がっていく。
アイドルと観客が生み出す、真夏のようなパッションが会場を支配してく。
その熱にやられ、汗が不快なほど溢れ出すが、それすら心地いい。
それほど、シンプルに楽しかった。
「……なるほどね。 セミさんがアイドルを目指したくなるわけだ」
「おねぇちゃん、なんか言った? あ! 4曲目のセミ☆ナツが始まるよ! サイリウム振らなきゃ!」
「ハイハイ、振りますよ」
私も会場の一部になって、このライブを盛り上げた。
最高のひと時だった……。
「「「「「今日は、私たちのライブに来てくれてありがとーーーー!」」」」」
楽しい時間程、炎天下のアイスクリームみたいにあっという間に溶けてしまうものだ。
アイドル達の終了宣言によって、どこよりも熱い祭典は終わりを告げた。
ライブの終わりを迎えたが、新星アイドル「シケイドル」たちの活躍はこれから始まっていく。
まだ夏は終わらない。
「「「「「はい!!」」」」」
スタッフさんの確認に、返事をする5人。
半径3mほどの円台に、円陣を組むように乗り込む。
4人は、白のドレスに、自分のイメージカラーのフリルやリボンのついた衣装を着ている。
もちろん俺も、頭部にピンクのリボンをつけてドレスアップしていた。
「お前ら、緊張してんじゃねぇぞ!」
「アタシはしてないよ! ドキドキよりワクワクって感じ! 春ちゃんは大丈夫?」
「大丈夫に決まってるじゃない! こんなことで動揺するほど、やわなメンタルじゃないわ!」
「あらあら、その割には声が上ずっているように聞こえるわね。 ニイナは大丈夫?」
「ふえ~~~緊張するよぉ……けど……この日のために、ボク達はたくさん練習してきたんだもん……その成果を出せるように頑張る!」
(へへ! 珍しくニイナも張り切ってるじゃねぇか! 練習の成果を出す、か……)
「……俺たち2日しか練習してなくね?」
「「「「!?」」」」
「アイドルの皆さん、会場入りしまーす!」
スタッフがそう言うと、俺たちの乗った円台が容赦なく上昇する。
上がり切ったその先は、ライトアップされた五角形のステージの中央だった。
そして俺たちを囲むように埋め尽くす人間の群衆たちが、俺たちの視界に広がる。
(こんなに人が! 弟さん、よく集めたなぁ。感謝の言葉しか出ねぇ)
こみ上げる感謝と緊張を噛みしめながら、俺は昨晩のことを思い出す。
昨日の晩、俺はデビューライブを武道館で行うことを姉弟に話した。
その時、おねぇ様は最初こそ驚いていたが、その表情は徐々に呆れへと変わっていき、終いにはため息をつく始末。
「あのさ、セミさんさ、そのライブって誰が決めたの?」
「それはもちろん、夏元が……」
「……」
おねぇ様が無言で睨みつけてくる。
「……夏元を操って俺が決めました」
「はぁ~~~~~~~」
これ見よがしにため息をつき、諭すように話し始める。
「デビューライブってのは普通、そんな大きな会場でやらないの。最初は小さい会場で、次に中規模、数万のファンが出来て初めて武道館みたいな大規模な会場でライブをするの」
「……はい」
「今セミさんのグループのファン何人?」
「……0人っす」
「行動する前にその1m㎥にもみたない微小脳でしっかり考えろよぉ! 小さすぎるせいで、どうせ碌な案が出ないけどさぁ!」
「……あ! ちなみに武道館ライブは明日から3日連続で行います!」
「セミさんって、自分から難易度上げるの好きだよね」
「1000000% SMAAAAAAAAAAASH!!!」
弟がテレビの画面を見ながら叫んでいる。
画面には、おねぇ様の操っているキャラが、画面外に吹き飛ばされる様子が映されていた。
「ちょっと! 話してる最中は攻撃しないでよ!」
「こうでもしなきゃ、おねぇちゃんに勝てないんだもん! それと……僕、セミさんのこと助けられるよ!」
「どうやって?」
おねぇ様は不思議そうに尋ねる。弟さんはニカっと笑うと、
「僕がライブの事、Tw〇tterとインスタで拡散して宣伝すればいいんだよ!」
「ブフッw! 弟さん、武道館の収容人数何人か知ってます? 1万人以上ですよ! そんな人数のフォロワーいるようには見えないですけどw」
「僕のフォロワー数は10万人です」
「!?」
ステージ中央の俺たちに1万以上の視線が集中する。
流石にこの光景に動揺し始める4人。
「なななななるほどね! いいい意外と迫力あるじゃない! わわわわ私は緊張しないけどね」
「あらあら、分かりやすく緊張してるじゃない。私も正直緊張してきたわ……。ニイナは大丈夫……ってニイナ!?」
「ふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇふぇ」
ニイナは、超高速で微振動を繰り返していた。
「アタシ、緊張を解くおまじない知ってるよ! 『人』って手の平に書いて飲み込むの! こう書いて……パク!」
「あらあら、それ『人』じゃなくて『入』になってるわよ」
「そのおまじない、俺セミだけど有効かな?」
俺はこいつらをまとめるために声を出す。
「おい! お前ら手を重ねるんだ! 掛け声するぞ!」
4人は頷き円陣の中心で手を重ねていく。
「そんでもって、俺がその上に乗ると……」
重なった手に乗ろうとすると、一斉に手たちがその場から逃げていく。
「嫌よ! 気持ち悪い!」
「あらあら、セミを手に乗せるとかどんな罰ゲームかしら」
「ボク、本当に嫌なんでやめてください」
「ガチの拒絶ほど、メンタル持ってかれることってないよね!」
悲しみに声を震わせる。そんな俺にチッチは元気よく提案する。
「アタシは平気だよ! セミさん! アタシの手に乗って!」
「チッチ~! お前となら結婚してやってもいいぞ!」
「アタシにも選ぶ権利はあるからね」
4人の手がチッチを一番上に、再び重なっていき、最後にその上に俺が乗った。
「おし! お前ら! 気合い入れていくぞ!」
「「「「えい! えい! おーーーー!」」」」
その掛け声とともに4人は手を空に突き上げ、俺はそれと同時に飛び立つ。
そして5人は自分の持ち場へと駆け出していく。
それぞれが五角形のステージの頂点に立つ。
俺の立ち位置には、俺専用のマイクスタンドが置かれていて、羽根を観客に見せつけるように、そのマイクに止まる。
5人は息を合わせ、こう叫ぶ。
「「「「「私たち! セミ系アイドル! 『シケイドル』です!」」」」」
「一曲目! 『ポニーテールとセミ』!」
その宣誓を皮切りに、俺たちのライブが始まった。
私は、弟と武道館に来ていた。
大量の人が詰め込まれた会場の中心で、アイドルたちが踊り、歌い、輝いている。
「セミさんがんばえーーー!」
「てかさ、セミ系アイドルってどういうこと?」
「おねぇちゃん! そういうことは考えるだけ時間の無駄だよ! 今日の晩御飯を考えた方がまだ生産的だよ!」
初めてライブというものに来たが、意外に悪いものではなかった。
可愛らしく、つい応援したくなるような女の子と、声援を送る観客との一体感。
時々マイクに乗る、カサコソという不愉快なセミの移動音以外は最高だった。
「一曲目が『ポニーテールと、セミ』だっけ? 凄いね、私、ポニテとセミになんの関連性も見いだせないよ。 他の曲はどんな感じなの?」
「えっとね。
セミチョコ
セミ、アイドル宣言
セミ☆ナツ
セミでsummer
銀色のセミと熱い風 の5曲だね!」
「それ各方面にケンカ売ってない? 大丈夫?」
「大丈夫だよ! 題名と歌詞は少し変えてあるから!」
「大丈夫じゃないよね。その程度じゃ、JASRACの目は誤魔化せないよ」
私たちが会話している間も、曲は進んでいく。
一曲目、二曲目、三曲目……。どんどん観客たちが盛り上がっていく。
アイドルと観客が生み出す、真夏のようなパッションが会場を支配してく。
その熱にやられ、汗が不快なほど溢れ出すが、それすら心地いい。
それほど、シンプルに楽しかった。
「……なるほどね。 セミさんがアイドルを目指したくなるわけだ」
「おねぇちゃん、なんか言った? あ! 4曲目のセミ☆ナツが始まるよ! サイリウム振らなきゃ!」
「ハイハイ、振りますよ」
私も会場の一部になって、このライブを盛り上げた。
最高のひと時だった……。
「「「「「今日は、私たちのライブに来てくれてありがとーーーー!」」」」」
楽しい時間程、炎天下のアイスクリームみたいにあっという間に溶けてしまうものだ。
アイドル達の終了宣言によって、どこよりも熱い祭典は終わりを告げた。
ライブの終わりを迎えたが、新星アイドル「シケイドル」たちの活躍はこれから始まっていく。
まだ夏は終わらない。
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