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10年後……
#32.
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✳︎
「母さん、おはよう!」
僕がリビングで朝食のトーストを食べていると、チハルさんの部屋だった隣の部屋から夏の始まりを告げるような爽やかな声が聞こえてきた。娘のリッカがドタドタといつものように慌ただしい足音と一緒にリビングにやってきた。目元や口元が日に日にチハルさんに似てきていて、僕は朝からドキッとすることが増えているのは自分だけの秘密だ。ただ、髪の毛の色は僕に似たようで茶色っぽい地毛をしている。
「おはよう! 父さん!」
「おはよう。今日も朝から元気だなぁ、リッカ」
「うん! 夏が始まりそうだもん! ほら、お外からセミの鳴き声も聞こえてくるし!」
「ほんとだ。あー、今年も暑い夏がやってくるなぁ」
「何言ってんの、父さん! 楽しい夏が始まるんだよ!」
「はは。そうだな。海も花火も行かないとな」
「うん! 楽しみ! やりたいこと、いっぱい!」
リッカはテキパキと食器を用意し、トースターに自分の食べる食パンを差し込んだ。タイマーをいつもと同じ3分に設定すると、その3分をリッカがハマっているアイドルグループのダンスを踊りながら待っているのが普段の光景だ。親バカになんてなるわけがないと思っていた僕が、今は現在進行形でしっかりとそうなっている。無邪気なリッカの笑顔を見ていると、それにつられるように僕も笑顔になる。トーストが焼けると、リッカは火傷を恐れずにすぐにそれを取り出して皿に置く。そしてトロッとした蜂蜜をトーストの上に縦と横に2回ずつ往復させる。それを見ているだけで口の中が甘くなりそうだ。
「リッカは本当に甘党だよなぁ」
「あまとう?」
「甘いものが好きな人のことだよ」
「うん! 甘いもの大好き! でも、甘いものよりも父さんと母さんが大好きだよ!」
「はは。いつも嬉しいこと言ってくれてありがとうな。でもおれは、リッカのことが世界で一番大好きだよ」
娘と朝からこんな感じでイチャイチャ出来るのが僕の自慢のひとつだ。すると、
「母さんよりも好きなの?」
リッカはたまに返答に困る質問を投げかけてくる。もちろん、リッカのことが世界で一番好きだということに嘘はない。ただ、世界で一番好きな人は同率首位でもちろんもう1人いる。
「あぁ、同率首位で母さんも一番だよ」
「どうりつしゅい?」
「一番が2人いるってことだよ。だから、リッカと母さんは引き分けだ」
「えー! なんかズルい!」
娘の鋭い質問を僕はへらへらと笑いながら受け流す。そんなやり取りを交わしている間にリッカはトーストを食べ終わり、そそくさと自分が使っていた皿を洗面台へ持っていきシャカシャカと泡の音を立てて洗い始めた。その辺の手際の良さは母親譲りだろう。皿を片付け終えると、リッカはその流れで洗面台へ歩いて行った。ここまでリッカが起きてきてからまだ10分少々。大事なことはもう一度言うけれど、手際の良さは母親譲りだ。
「今日は1限目、体育でバスケットボールなんだ!」
「おぉ、いいなぁ。バスケって聞くと父さんもやりたくなるよ。楽しんでくるんだぞ。ただ、ケガには気をつけてな」
「はーい!」
エナメル質で薄いピンク色の光沢を放つランドセルを背負ったリッカがリビングに戻ってきた。毎週火曜日の1限目は体育だ。運動好きなリッカは近頃、ちょうどバスケにハマっている。娘と一緒にバスケをしたい父親だけれど、そこは秘密にして背中を押してやる。ただ、僕もいつでも体を動かせるように定期的に運動はしているつもりだ。
「じゃあ父さん行ってきます!」
「はーい、いってらっしゃい」
リッカはいつも家を出て行く前に顔にくしゃっと皺を寄せ、僕に笑顔を見せてくれる。皺といっても、もちもちの大福にうっすらと線の模様がついたようなもので、僕はその笑顔を見ると思わず頬擦りしたくなる。悪ふざけで1回だけ思いっきり頬擦りしてやったら僕の頬に生えている髭がチクチクすると本気で嫌がられたので、それ以降はやっていない。でもいつか、またやってやろうと密かに企んでいるのも秘密だ。今日も駆け足で通学路を行く娘の後ろ姿を見送ってから僕は家のドアを閉めた。そして誘われるようにチハルさんの部屋へ行って、仏壇の前に座り彼女の写真を眺めた。
「今日もリッカは元気だよ。誰に似たんだろうね」
すると、彼女が返事をするかのように窓の外から涼しい風が部屋を駆け抜けていった。
「今日はリッカの10歳の誕生日。やっぱりリッカは自分の誕生日、気づかなかったよ。これで今年もサプライズをする計画が成功しそうだよ。今年のサプライズはチハルさんも特に関わってるから、リッカも喜んでくれるといいな」
僕は彼女の位牌にそう伝えて腰を上げた。有給休暇を取る理由を職場の辻係長にしつこく聞かれ、娘の誕生日だと伝えると涙ぐんで喜んでいたのを初めて見たのがもうかれこれ10年前と考えると、月日が経つスピードは恐ろしく早い。けれど、この10年間、彼女を忘れたことは1日たりともない。
「今日もおれたちのことを見守っててね。チハルさん」
僕は彼女へそう伝えた。彼女が笑ったように再び優しく涼しい風が僕の体を包み込むように吹いた。窓を閉じようと手を伸ばすと、部屋の外から夏の始まりを告げるように蝉がけたたましく鳴いていた。
✳︎
チハルさんは僕との結婚式を挙げ、その1年後に僕らの娘のリッカを出産した。
「私たちの宝物、ずっと愛してあげてね」
僕にそう言って生まれてすぐのリッカを預けた、涙を流して笑っていた彼女の顔。思い出すと今でもすぐに涙が流れそうになるほど体が熱くなる。その後、チハルさんと僕と保育器に入っているリッカと撮った写真。そして家で撮った3人が笑顔で写っている奇跡みたいな写真。その写真とリッカが今の僕の、僕らの宝物だ。チハルさんの笑っている顔は冗談抜きでこの世界に生きる全ての人たちを幸せに導く女神のようだと思っているし、リッカの笑っている顔は、この世界を平和にするため舞い降りた天使のそれだと思っている。そんな2人の隣でいられる僕は本当に幸せ者だ。そしてそれは、これからも続いていくだろう。僕はそんなことを考えながらある計画の準備が終わり、一息つきながら宝物である写真を眺めていた。
ピピッ。
オートロックになっている玄関のロックを解除する音が不意に聞こえてきた。続けざまにガチャンとドアが開く音が聞こえた。時計を見ると、いつの間にかリッカが習い事で行っているスイミングから帰ってくる時間になっていた。ドタドタと慌ただしい音が僕のいるリビングに近づいてくる。
「ただいま! 父さん!」
「おぉ、おかえり。リッカ。今日も楽しかったか?」
「うん! バスケもスイミングも楽しかったよ! ねぇ聞いて! 今日ね、初めてバタフライで25メートル泳げたんだ!」
「へぇ! すごいじゃん、リッカ。父さんより泳げるかもな」
「当たり前じゃん! 今度勝負しようよ! バタフライで!」
「お、おぉ。いいよ。楽しみにしておくからな」
「しし! 私が勝ったらゲームソフト勝ってね!」
「勝ったらな」
バタフライなんて僕は腕の動かし方すら分からない。そもそも僕は昔から泳ぐのが苦手だった。僕がバタフライなんてしたら、ものの一瞬で溺れている要救助者に判断されるような気がする。勝負をする約束をしたものの、すでに勝敗は決まっているようなものだった。勝負の時までに僕自身もスイミングに通って泳ぎ方を教えてもらおうかと本気で考えた。
「あ、今日はハンバーグでしょ? 父さん」
「当たり。流石だな。匂い?」
「そうそう! この匂いも味も、私は父さんの手作りハンパーグが一番好きだよ!」
「へへ。嬉しいこと言ってくれるじゃん」
「嬉しくさせたからハンバーグひと口ちょうだい!」
「そういうことだろうと思ったよ」
僕とリッカの声が部屋の中で混じり合う。僕とリッカは歌を歌うように今日の出来事を話し合った。リッカは、ついにクラスで一番身長が大きくなったらしい。少し前まで、友達のマフユちゃんと150センチで並んでいると聞いていたけれど、リッカは順調に背を伸ばして今は154センチあるようだ。小学4年生で154センチあれば当時の僕よりも大きい気がする。さすが、僕たちの娘だ。ね、チハルさん。
「母さん、おはよう!」
僕がリビングで朝食のトーストを食べていると、チハルさんの部屋だった隣の部屋から夏の始まりを告げるような爽やかな声が聞こえてきた。娘のリッカがドタドタといつものように慌ただしい足音と一緒にリビングにやってきた。目元や口元が日に日にチハルさんに似てきていて、僕は朝からドキッとすることが増えているのは自分だけの秘密だ。ただ、髪の毛の色は僕に似たようで茶色っぽい地毛をしている。
「おはよう! 父さん!」
「おはよう。今日も朝から元気だなぁ、リッカ」
「うん! 夏が始まりそうだもん! ほら、お外からセミの鳴き声も聞こえてくるし!」
「ほんとだ。あー、今年も暑い夏がやってくるなぁ」
「何言ってんの、父さん! 楽しい夏が始まるんだよ!」
「はは。そうだな。海も花火も行かないとな」
「うん! 楽しみ! やりたいこと、いっぱい!」
リッカはテキパキと食器を用意し、トースターに自分の食べる食パンを差し込んだ。タイマーをいつもと同じ3分に設定すると、その3分をリッカがハマっているアイドルグループのダンスを踊りながら待っているのが普段の光景だ。親バカになんてなるわけがないと思っていた僕が、今は現在進行形でしっかりとそうなっている。無邪気なリッカの笑顔を見ていると、それにつられるように僕も笑顔になる。トーストが焼けると、リッカは火傷を恐れずにすぐにそれを取り出して皿に置く。そしてトロッとした蜂蜜をトーストの上に縦と横に2回ずつ往復させる。それを見ているだけで口の中が甘くなりそうだ。
「リッカは本当に甘党だよなぁ」
「あまとう?」
「甘いものが好きな人のことだよ」
「うん! 甘いもの大好き! でも、甘いものよりも父さんと母さんが大好きだよ!」
「はは。いつも嬉しいこと言ってくれてありがとうな。でもおれは、リッカのことが世界で一番大好きだよ」
娘と朝からこんな感じでイチャイチャ出来るのが僕の自慢のひとつだ。すると、
「母さんよりも好きなの?」
リッカはたまに返答に困る質問を投げかけてくる。もちろん、リッカのことが世界で一番好きだということに嘘はない。ただ、世界で一番好きな人は同率首位でもちろんもう1人いる。
「あぁ、同率首位で母さんも一番だよ」
「どうりつしゅい?」
「一番が2人いるってことだよ。だから、リッカと母さんは引き分けだ」
「えー! なんかズルい!」
娘の鋭い質問を僕はへらへらと笑いながら受け流す。そんなやり取りを交わしている間にリッカはトーストを食べ終わり、そそくさと自分が使っていた皿を洗面台へ持っていきシャカシャカと泡の音を立てて洗い始めた。その辺の手際の良さは母親譲りだろう。皿を片付け終えると、リッカはその流れで洗面台へ歩いて行った。ここまでリッカが起きてきてからまだ10分少々。大事なことはもう一度言うけれど、手際の良さは母親譲りだ。
「今日は1限目、体育でバスケットボールなんだ!」
「おぉ、いいなぁ。バスケって聞くと父さんもやりたくなるよ。楽しんでくるんだぞ。ただ、ケガには気をつけてな」
「はーい!」
エナメル質で薄いピンク色の光沢を放つランドセルを背負ったリッカがリビングに戻ってきた。毎週火曜日の1限目は体育だ。運動好きなリッカは近頃、ちょうどバスケにハマっている。娘と一緒にバスケをしたい父親だけれど、そこは秘密にして背中を押してやる。ただ、僕もいつでも体を動かせるように定期的に運動はしているつもりだ。
「じゃあ父さん行ってきます!」
「はーい、いってらっしゃい」
リッカはいつも家を出て行く前に顔にくしゃっと皺を寄せ、僕に笑顔を見せてくれる。皺といっても、もちもちの大福にうっすらと線の模様がついたようなもので、僕はその笑顔を見ると思わず頬擦りしたくなる。悪ふざけで1回だけ思いっきり頬擦りしてやったら僕の頬に生えている髭がチクチクすると本気で嫌がられたので、それ以降はやっていない。でもいつか、またやってやろうと密かに企んでいるのも秘密だ。今日も駆け足で通学路を行く娘の後ろ姿を見送ってから僕は家のドアを閉めた。そして誘われるようにチハルさんの部屋へ行って、仏壇の前に座り彼女の写真を眺めた。
「今日もリッカは元気だよ。誰に似たんだろうね」
すると、彼女が返事をするかのように窓の外から涼しい風が部屋を駆け抜けていった。
「今日はリッカの10歳の誕生日。やっぱりリッカは自分の誕生日、気づかなかったよ。これで今年もサプライズをする計画が成功しそうだよ。今年のサプライズはチハルさんも特に関わってるから、リッカも喜んでくれるといいな」
僕は彼女の位牌にそう伝えて腰を上げた。有給休暇を取る理由を職場の辻係長にしつこく聞かれ、娘の誕生日だと伝えると涙ぐんで喜んでいたのを初めて見たのがもうかれこれ10年前と考えると、月日が経つスピードは恐ろしく早い。けれど、この10年間、彼女を忘れたことは1日たりともない。
「今日もおれたちのことを見守っててね。チハルさん」
僕は彼女へそう伝えた。彼女が笑ったように再び優しく涼しい風が僕の体を包み込むように吹いた。窓を閉じようと手を伸ばすと、部屋の外から夏の始まりを告げるように蝉がけたたましく鳴いていた。
✳︎
チハルさんは僕との結婚式を挙げ、その1年後に僕らの娘のリッカを出産した。
「私たちの宝物、ずっと愛してあげてね」
僕にそう言って生まれてすぐのリッカを預けた、涙を流して笑っていた彼女の顔。思い出すと今でもすぐに涙が流れそうになるほど体が熱くなる。その後、チハルさんと僕と保育器に入っているリッカと撮った写真。そして家で撮った3人が笑顔で写っている奇跡みたいな写真。その写真とリッカが今の僕の、僕らの宝物だ。チハルさんの笑っている顔は冗談抜きでこの世界に生きる全ての人たちを幸せに導く女神のようだと思っているし、リッカの笑っている顔は、この世界を平和にするため舞い降りた天使のそれだと思っている。そんな2人の隣でいられる僕は本当に幸せ者だ。そしてそれは、これからも続いていくだろう。僕はそんなことを考えながらある計画の準備が終わり、一息つきながら宝物である写真を眺めていた。
ピピッ。
オートロックになっている玄関のロックを解除する音が不意に聞こえてきた。続けざまにガチャンとドアが開く音が聞こえた。時計を見ると、いつの間にかリッカが習い事で行っているスイミングから帰ってくる時間になっていた。ドタドタと慌ただしい音が僕のいるリビングに近づいてくる。
「ただいま! 父さん!」
「おぉ、おかえり。リッカ。今日も楽しかったか?」
「うん! バスケもスイミングも楽しかったよ! ねぇ聞いて! 今日ね、初めてバタフライで25メートル泳げたんだ!」
「へぇ! すごいじゃん、リッカ。父さんより泳げるかもな」
「当たり前じゃん! 今度勝負しようよ! バタフライで!」
「お、おぉ。いいよ。楽しみにしておくからな」
「しし! 私が勝ったらゲームソフト勝ってね!」
「勝ったらな」
バタフライなんて僕は腕の動かし方すら分からない。そもそも僕は昔から泳ぐのが苦手だった。僕がバタフライなんてしたら、ものの一瞬で溺れている要救助者に判断されるような気がする。勝負をする約束をしたものの、すでに勝敗は決まっているようなものだった。勝負の時までに僕自身もスイミングに通って泳ぎ方を教えてもらおうかと本気で考えた。
「あ、今日はハンバーグでしょ? 父さん」
「当たり。流石だな。匂い?」
「そうそう! この匂いも味も、私は父さんの手作りハンパーグが一番好きだよ!」
「へへ。嬉しいこと言ってくれるじゃん」
「嬉しくさせたからハンバーグひと口ちょうだい!」
「そういうことだろうと思ったよ」
僕とリッカの声が部屋の中で混じり合う。僕とリッカは歌を歌うように今日の出来事を話し合った。リッカは、ついにクラスで一番身長が大きくなったらしい。少し前まで、友達のマフユちゃんと150センチで並んでいると聞いていたけれど、リッカは順調に背を伸ばして今は154センチあるようだ。小学4年生で154センチあれば当時の僕よりも大きい気がする。さすが、僕たちの娘だ。ね、チハルさん。
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