ハーレム学園に勇者として召喚されたけど、Eランク判定で見事にボッチです~なんか色々絡まれるけど、揉め事は全て暴力で解決~

榊与一

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第61話 グーパン

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やる事は二つ。

まず一つ目は、滅んでしまったラヴォース。
いや、ラブの世界を救う事だ。
流石に人類が滅んでそのままってのは、余りにも哀れで胸糞だからな。

因みに、以前は小さな穴――異世界に繋がる穴――しか開けられなかったが、今の俺なら自分が通り抜けられるサイズを余裕で開ける事が出来る。
その大体の位置も、ラヴの記憶から抽出済みだ。

取り敢えず、人間を滅ぼした魔族をぶちのめして……

人類をどうするか、だな。
流石に何百年も前の人間全部復活させるのは、今の俺でも現実的じゃない。

まあその辺りは、魔神帝の滅ぼされた世界に行ってみてから考えるとしよう。
ひょっとしたら、滅びず残ってる可能性もあるし。

俺は頭上に手を翳して、魔神帝の魂の残痕を集める。

元の世界で復活させてやるつもりだ。
とは言え、そのままだと気の狂った殺戮者のままだから、一旦記憶をリセットして赤ん坊からやり直して貰う事になるが。

「墓地君にはいつも驚かされるけど、今回だけは本当に驚いたよ。君こそ真の勇者だ」

ビートがやって来て、こっぱずかしい事をほざく。

「んな訳ねーだろ。暴力で敵を制圧するだけなら、勇者じゃなくて悪党でも出来るわ。俺が魔神帝をぶちのめしたのは、世界平和じゃなくてムカついたからぶっ飛ばしただけだぞ」

俺には他者を蹂躙する力はあっても、誰かを思いやる優しさなど微塵もない。
そんな勇者、どう考えても嫌すぎだろう。

え?
ラヴの元居た世界を救いに行くなら、優しい立派な勇者じゃないのかって?

奴の事に関しては、記憶が流れ込んできて、強い感情移入を強制されちまったからに過ぎん。
無視してほっとくのもムカつく以上、行くしかないだろ?
暴れに。

再生なんて、まあオマケだ。

「ふふ。ボッチーったら、照れちゃって」

リリスとビートを見て思う。
こいつら、人を見る目がまるでないな。
と。

こいつらの目に、俺がどう映っているのか。
不思議でしょうがない。

……ま、どうでもいいか。

「俺はこれから異世界に行って来るから。まあお前らは、精々数百年分いちゃついてろ」

「異世界に?どうやって……いや、それは愚問だね」

今の俺ならそれぐらい朝飯前。
脳内お花畑であっても、腐っても勇者なのでその程度の判断は聞く様だ。

「ああ、まあ暫くはそっちで暴れて来る予定だ」

そのまま地球に帰還してもいいんだが、その前にこの世界でやる事があるからな。

それは――勇者召喚の封印だ。

どう考えても諸悪の根源だからな。

放っておくと、これからもバンバン異世界から勇者召喚しまくるのは目に見えている。
今は種馬扱いだが、その内魔神帝にやった様にモルモットみたいに扱われる日が来ないとも限らない。
だから勇者召喚を根絶する。

どうやって根絶させるのか?

簡単な事である。
勇者召喚に関わってる奴等――知識を持つ奴等――を、暴力と呪いで蹂躙せいしんせいいせっとくするだけだ。

対話は重要だからな。
まあ言うまでもなく、俺にとっての対話は拳と強制ではあるが。

「そんな!ボッチーいなくなっちゃうの!?」

リリスが何故か、驚いた様な声を上げる。

「まあ暫くはな」

「……ボッチー。私、貴方に言っておきたい事があるの」

「ん」

リリスが俺の前に立ち、うるんだ瞳で見つめる。

ふむ、これはあれだな。
俺に惚れたな。

まああれだけ強い所を見せつけてやったからな。
ビッチが俺に惚れるのも無理はない。

すまんな、ビート。
お前の恋を邪魔する事になってしまった。

ふ、モテる男はつらいぜ。

そんな事を脳内で考え、悦に浸っていると――

「漫画の本、もう全部読んじゃったの!暫く戻ってこないなら、その前に新しいの頂戴!!」

「……」

この後、俺がリリスの顔面にグーパンした事は言うまでもないだろう。

死ね。

――――――

皆さまお待たせしました!
次回!
真・最終回!

『追放』となります><
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