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第44話 乗っ取り
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「あれ?」
上昇中、俺より更に上空にいたキンキラキンの王女に動きが……
気絶するぐらい強く殴ったつもりなんだが、頑丈な女である。
まあ、何らかのマジックアイテムの効果と考えるのが妥当か。
国のトップだし、そう言うのを身に着けててもおかしくはない。
「許さぬ!許さぬぞ!下郎が!!」
キリン女王が吠える。
と同時に、彼女の胸元から黒いオーラが噴き出した。
明らかにやばそうな雰囲気である。
「物凄い加齢臭かな?」
首元から耳裏にかけて出るって聞くが、胸元から出てはいけないいう決まりはない。
異世界なら猶更である。
「まあ、冗談は置いておいて……」
女王の戦闘力を確認すると、5億まで上がっていた。
間違いなく黒いオーラが原因だろう。
「死ねぇ!!」
女王が怒声を上げ、上空から襲い掛かって来た。
俺はそれを躱しつつ、横を通り過ぎるキリンに向かって――
「尻山靠!!」
尻を勢いよく突き出して、彼女の顔面に叩きつけた。
因みに、上昇の勢いで服は弾け飛んでいるので、現在はお尻は丸出しである。
ま、些細な事だよな。
「ほぎゃ!?」
「尻だった事に、感謝しろよ」
タートルヘッドビンタでも良かったが、高貴な身分なのでそっちは勘弁していおいてやったのだ。
俺って優しい。
「ぐぅぅぅ……許さん。許さんぞぉ……」
吹っ飛んだ女王が、空中で静止する。
「耐えやがった」
結構強めに尻をぶつけたのだが、面倒くさいこと上無しだ。
もうちょっと強く叩く必要が……
「ん?」
女王の首元から溢れ出している加齢臭――改め、黒いオーラの噴出が激しくなる。
それに合わせて、その戦闘能力が上がっていく。
「5億3千万、5億4千万……ガンガン上がって言ってんなぁ。けど……」
黒いオーラは、女王キリンの全身を包み込む程の量になっていた。
まあこの際、量は良い。
問題は彼女の様子だ。
目は血走り過ぎて真っ赤に染まり、その綺麗な顔にはドクンドクンと脈打つ黒い血管が無数に浮かび上がっていた。
更に口元には鋭く太い犬歯が伸び、その端からは涎がダラダラ垂れ降りている。
美人が台無しなのは言うまでもないが、明らかに正常な状態には見えない。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
変化を眺めていると、女王が目を見開き雄叫びを上げる。
やばさマックス。
「薬決めた薬中でもここまではならんだろ。ん?」
キリンの雄叫びが、唐突に途切れた。
先程まで痙攣していた全身の震えが止まり、表情も穏やかな物に変わる。
まあ黒い血管が顔じゅうに浮いてるのは変わらないが。
「くくくくくく……」
女王が、今度は笑い出した。
本当に薬やってんじゃねぇのかと疑いたくなるな。
因みに、戦闘力は7億まで上がっている。
「感謝しなければならんな。お前が追いこんでくれたお蔭で、この体を乗っ取る事に成功した」
「乗っ取る?」
「くくく……我が名はラヴォース」
キリン女王が、唐突にそう名乗った。
どこかで聞いた事の名である。
一瞬思い出せなかったが、それが何者の名のか、その後に続く彼女の言葉で思い出す。
確か世界を滅ぼしかけた魔神帝の名が確か――
「全てを滅ぼす者!魔神帝ラヴォースなり!!」
上昇中、俺より更に上空にいたキンキラキンの王女に動きが……
気絶するぐらい強く殴ったつもりなんだが、頑丈な女である。
まあ、何らかのマジックアイテムの効果と考えるのが妥当か。
国のトップだし、そう言うのを身に着けててもおかしくはない。
「許さぬ!許さぬぞ!下郎が!!」
キリン女王が吠える。
と同時に、彼女の胸元から黒いオーラが噴き出した。
明らかにやばそうな雰囲気である。
「物凄い加齢臭かな?」
首元から耳裏にかけて出るって聞くが、胸元から出てはいけないいう決まりはない。
異世界なら猶更である。
「まあ、冗談は置いておいて……」
女王の戦闘力を確認すると、5億まで上がっていた。
間違いなく黒いオーラが原因だろう。
「死ねぇ!!」
女王が怒声を上げ、上空から襲い掛かって来た。
俺はそれを躱しつつ、横を通り過ぎるキリンに向かって――
「尻山靠!!」
尻を勢いよく突き出して、彼女の顔面に叩きつけた。
因みに、上昇の勢いで服は弾け飛んでいるので、現在はお尻は丸出しである。
ま、些細な事だよな。
「ほぎゃ!?」
「尻だった事に、感謝しろよ」
タートルヘッドビンタでも良かったが、高貴な身分なのでそっちは勘弁していおいてやったのだ。
俺って優しい。
「ぐぅぅぅ……許さん。許さんぞぉ……」
吹っ飛んだ女王が、空中で静止する。
「耐えやがった」
結構強めに尻をぶつけたのだが、面倒くさいこと上無しだ。
もうちょっと強く叩く必要が……
「ん?」
女王の首元から溢れ出している加齢臭――改め、黒いオーラの噴出が激しくなる。
それに合わせて、その戦闘能力が上がっていく。
「5億3千万、5億4千万……ガンガン上がって言ってんなぁ。けど……」
黒いオーラは、女王キリンの全身を包み込む程の量になっていた。
まあこの際、量は良い。
問題は彼女の様子だ。
目は血走り過ぎて真っ赤に染まり、その綺麗な顔にはドクンドクンと脈打つ黒い血管が無数に浮かび上がっていた。
更に口元には鋭く太い犬歯が伸び、その端からは涎がダラダラ垂れ降りている。
美人が台無しなのは言うまでもないが、明らかに正常な状態には見えない。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
変化を眺めていると、女王が目を見開き雄叫びを上げる。
やばさマックス。
「薬決めた薬中でもここまではならんだろ。ん?」
キリンの雄叫びが、唐突に途切れた。
先程まで痙攣していた全身の震えが止まり、表情も穏やかな物に変わる。
まあ黒い血管が顔じゅうに浮いてるのは変わらないが。
「くくくくくく……」
女王が、今度は笑い出した。
本当に薬やってんじゃねぇのかと疑いたくなるな。
因みに、戦闘力は7億まで上がっている。
「感謝しなければならんな。お前が追いこんでくれたお蔭で、この体を乗っ取る事に成功した」
「乗っ取る?」
「くくく……我が名はラヴォース」
キリン女王が、唐突にそう名乗った。
どこかで聞いた事の名である。
一瞬思い出せなかったが、それが何者の名のか、その後に続く彼女の言葉で思い出す。
確か世界を滅ぼしかけた魔神帝の名が確か――
「全てを滅ぼす者!魔神帝ラヴォースなり!!」
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