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第29話 Extra
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――魔塔。
魔塔とは、国が抱える優秀な魔術師達が集められ、魔法やマジックアイテムの研究開発を行う機関である。
どの国の施設も塔の形をしている事から、その呼び名が定着していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
トレサール王国・魔塔。
観測施設内。
「これは!?」
施設の壁には、所狭しと大量のモニターがかけられていた。
それらは、世界各地で観測されるエネルギーを映し出すための物だ。
観測は発生したエネルギーの規模や性質を元に、気象や災害などを察知するのが目的であったが、そのうちの一つに出鱈目な測定が示される。
――埒外、と。
それに気づいた魔術師が興奮気味に声を上げる。
「信じられん!この測定、まさか魔神帝が復活したのか!?いや、ありえん!封印は正常に維持されている筈!とにかく、魔塔主様にご報告せねば!」
あり得ないレベルのエネルギーの発生。
それはトレサールの魔塔だけではなく、世界各地の魔塔で観測され、その事実は各国を大きく震撼させる事となる。
何故なら、埒外レベルのエネルギーはかつて世界を滅ぼしかけた魔神帝と、魔神帝と互角の力を持っていた伝説の勇者カモネギに匹敵する力だからだ。
だが両者は揃って封印されており、その管理は各国によって徹底されている。
封印が解除されていない以上、今回観測されたエネルギーは別の何者かによる物で間違いなかった。
――世界の運命すらも歪めうる力を持ったその未知の超越者の出現。
その事実に、各国首脳は大いに頭を悩ませる事となる。
世界にとってその存在が吉となるのか、それとも破滅を齎す物なのか、と。
だがどちらにせよ、それは放置できない存在に間違いない。
それ故世界は動き出す。
力の持ち主を見つけ出し、その有りようを知る為に。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「なんじゃこりゃ!」
目を覚まし、視界に飛び込んできた光景に俺は絶句する。
昨日までは白を基調にベーシックな色合いだった室内が、朝起きたら半分近くまでピンク色に変化していた為だ。
原因は直ぐに思いつく。
あのピンクの色惚け魔神、リリスだ。
「2重に結界を張ったってのに、何て奴だ」
クローゼットに放り込んだ後、余りにも五月蠅かったので防音も兼ねた強力な結界を張ったというのに、まさかそれすらも貫通してピンクの汚染を振りまくとは……
この様子だと、壁を貫いて廊下側もピンクになってそうだな。
「はぁ……とんでもない奴を復活させちまったなぁ」
頭が痛くなってきた。
俺はクローゼットを開け放つ。
「うっ!眩し!」
クローゼットを開けると、強烈なピンクの光が降り注ぐ。
天井付近には何故かピンク色の光球が輝いており、その下でリリスがパラソルを差して優美に椅子に座っていた。
顔にはサングラスがかけられており、その手には赤い液体の入ったグラスが握られている。
やりたい放題じゃねーか。
つうかどうやって用意したんだ?
因みに、一個目の結界は完全に解かれてしまっていた。
流石に4億もあると侮れない。
「あら、いらっしゃい」
色々と突っ込みたい所だが、取りあえず――
「ぷぎゃっ!!」
顔面に一発ぶちこんで粉砕する。
他の奴ならこれで終わりなのだが――
「んもう、情熱的なんだから」
吹っ飛んだ肉片や骨が煙の様に消え、彼女の顔面が瞬く間に再生してしまう。
本当に厄介な奴である。
「ピンク色をまき散らすな。死ぬ程迷惑だ」
「そのうち病みつきになるわよ」
「ならねーよ」
もう一度ぶん殴る。
が、やはり直ぐに修復してしまう。
完全に封印するのが理想なのだが、残念ながら俺は結界は扱えても封印系は使えない。
殴り続けたらそのうち死んでくれんかな?
「うふふふ、無駄よ。どれだけやっても、私の美貌に陰りはないわ」
リリスが立ち上がり、自慢気にポーズをとる。
こいつは自分の見た目に相当自信がある様だ。
まあ実際、この美人だらけの学園の生徒と比べても、彼女の美貌は群を抜いているからな。
ならばそれをぶち壊してやるのみ。
俺はリリスの髪を掴み、そのまま綺麗な毛を根元から剃ってやる。
「む・だ」
が、これも直ぐに煙になって消えてしまう。
当然剃った部分からは、にょきにょきと毛が生えて来る。
「これも駄目か。じゃあこっちはどうだ」
俺はリリスの顔に指をつき付け、『超絶油性ボールペン』で素早く💩の絵を描く。
破壊系は直ぐ回復してしまうが、これは結界だ。
回復能力ではどうにもならない。
俺は魔法で鏡を生み出し、落書きの様子をリリスに見せつけてやる。
「ひぃぃぃ!私の顔になんて物描くのよ!!」
「言っとくけど、顏を粉砕しても無駄だぜ。この結界はお前の顔を自動追跡するからな」
「んなっ!?」
リリスが慌てて顔に手をやり、結界を解除しようとする。
「無駄だぜ」
『超絶油性ボールペン』にはありったけの魔力を注ぎ込んでやったからな。
そう簡単には解除できないだろう。
「ちょっと!なんとかしてよ!解除できないじゃないのこれ!」
「お前は俺の要望を聞いてくれたか?」
「うっ……分かったわよ!」
リリスが親指と中指をこすって音を鳴らすと、ピンクの光球が消える。
それと、全身から放たれていたオーラも。
「これでいいでしょ!早く消してよ!!」
「まあいいだろう」
このまま残しておきたかったが、それだとピンクを再開されてしまうのは目に見えている。
俺は渋々ながらも、落書きを解いてやった。
「あら美人!」
「はぁ……俺は今から出かけるから。変な気は起こすなよ」
こいつを見張る為に授業を休んでも構わないのだが、それだと負けた気がして不快だ。
それにずっと見張っている訳にもいかないしな。
一生リリスの見張りとか、真っ平ごめんだ。
取り敢えず、理事長辺りにこいつの封印方法を尋ねてみる事にする。
仮にも賢者なんて呼ばれてるんだし、何か知ってるだろう。
「ぇー。ピンク日焼けも出来ないし、暇で暇でしょうがないから付いて行っちゃだめ?」
ピンク日焼けってなんだ?
さっきの光球で体を焼くのか?
まあどうでもいいが。
「暇ならこれでも読んでろ」
俺は漫画を魔法で大量に出す。
出してから全部日本語だと思い出したが、まあ絵だけでも上等だろう。
一々この世界の書物を持って来るのも面倒くさいしな。
「いいか、此処から逃げ出そうなんて考えるなよ。逃げ出そうとした痕跡を見つけたら、全身にさっきの落書きをするからな」
そう告げ、俺はクローゼットに結界を強化して張りなおす。
脅しだけで安心できる程、俺も間抜けじゃないからな。
取り敢えず、授業は無視して理事長室へと俺は向かう。
魔塔とは、国が抱える優秀な魔術師達が集められ、魔法やマジックアイテムの研究開発を行う機関である。
どの国の施設も塔の形をしている事から、その呼び名が定着していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
トレサール王国・魔塔。
観測施設内。
「これは!?」
施設の壁には、所狭しと大量のモニターがかけられていた。
それらは、世界各地で観測されるエネルギーを映し出すための物だ。
観測は発生したエネルギーの規模や性質を元に、気象や災害などを察知するのが目的であったが、そのうちの一つに出鱈目な測定が示される。
――埒外、と。
それに気づいた魔術師が興奮気味に声を上げる。
「信じられん!この測定、まさか魔神帝が復活したのか!?いや、ありえん!封印は正常に維持されている筈!とにかく、魔塔主様にご報告せねば!」
あり得ないレベルのエネルギーの発生。
それはトレサールの魔塔だけではなく、世界各地の魔塔で観測され、その事実は各国を大きく震撼させる事となる。
何故なら、埒外レベルのエネルギーはかつて世界を滅ぼしかけた魔神帝と、魔神帝と互角の力を持っていた伝説の勇者カモネギに匹敵する力だからだ。
だが両者は揃って封印されており、その管理は各国によって徹底されている。
封印が解除されていない以上、今回観測されたエネルギーは別の何者かによる物で間違いなかった。
――世界の運命すらも歪めうる力を持ったその未知の超越者の出現。
その事実に、各国首脳は大いに頭を悩ませる事となる。
世界にとってその存在が吉となるのか、それとも破滅を齎す物なのか、と。
だがどちらにせよ、それは放置できない存在に間違いない。
それ故世界は動き出す。
力の持ち主を見つけ出し、その有りようを知る為に。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「なんじゃこりゃ!」
目を覚まし、視界に飛び込んできた光景に俺は絶句する。
昨日までは白を基調にベーシックな色合いだった室内が、朝起きたら半分近くまでピンク色に変化していた為だ。
原因は直ぐに思いつく。
あのピンクの色惚け魔神、リリスだ。
「2重に結界を張ったってのに、何て奴だ」
クローゼットに放り込んだ後、余りにも五月蠅かったので防音も兼ねた強力な結界を張ったというのに、まさかそれすらも貫通してピンクの汚染を振りまくとは……
この様子だと、壁を貫いて廊下側もピンクになってそうだな。
「はぁ……とんでもない奴を復活させちまったなぁ」
頭が痛くなってきた。
俺はクローゼットを開け放つ。
「うっ!眩し!」
クローゼットを開けると、強烈なピンクの光が降り注ぐ。
天井付近には何故かピンク色の光球が輝いており、その下でリリスがパラソルを差して優美に椅子に座っていた。
顔にはサングラスがかけられており、その手には赤い液体の入ったグラスが握られている。
やりたい放題じゃねーか。
つうかどうやって用意したんだ?
因みに、一個目の結界は完全に解かれてしまっていた。
流石に4億もあると侮れない。
「あら、いらっしゃい」
色々と突っ込みたい所だが、取りあえず――
「ぷぎゃっ!!」
顔面に一発ぶちこんで粉砕する。
他の奴ならこれで終わりなのだが――
「んもう、情熱的なんだから」
吹っ飛んだ肉片や骨が煙の様に消え、彼女の顔面が瞬く間に再生してしまう。
本当に厄介な奴である。
「ピンク色をまき散らすな。死ぬ程迷惑だ」
「そのうち病みつきになるわよ」
「ならねーよ」
もう一度ぶん殴る。
が、やはり直ぐに修復してしまう。
完全に封印するのが理想なのだが、残念ながら俺は結界は扱えても封印系は使えない。
殴り続けたらそのうち死んでくれんかな?
「うふふふ、無駄よ。どれだけやっても、私の美貌に陰りはないわ」
リリスが立ち上がり、自慢気にポーズをとる。
こいつは自分の見た目に相当自信がある様だ。
まあ実際、この美人だらけの学園の生徒と比べても、彼女の美貌は群を抜いているからな。
ならばそれをぶち壊してやるのみ。
俺はリリスの髪を掴み、そのまま綺麗な毛を根元から剃ってやる。
「む・だ」
が、これも直ぐに煙になって消えてしまう。
当然剃った部分からは、にょきにょきと毛が生えて来る。
「これも駄目か。じゃあこっちはどうだ」
俺はリリスの顔に指をつき付け、『超絶油性ボールペン』で素早く💩の絵を描く。
破壊系は直ぐ回復してしまうが、これは結界だ。
回復能力ではどうにもならない。
俺は魔法で鏡を生み出し、落書きの様子をリリスに見せつけてやる。
「ひぃぃぃ!私の顔になんて物描くのよ!!」
「言っとくけど、顏を粉砕しても無駄だぜ。この結界はお前の顔を自動追跡するからな」
「んなっ!?」
リリスが慌てて顔に手をやり、結界を解除しようとする。
「無駄だぜ」
『超絶油性ボールペン』にはありったけの魔力を注ぎ込んでやったからな。
そう簡単には解除できないだろう。
「ちょっと!なんとかしてよ!解除できないじゃないのこれ!」
「お前は俺の要望を聞いてくれたか?」
「うっ……分かったわよ!」
リリスが親指と中指をこすって音を鳴らすと、ピンクの光球が消える。
それと、全身から放たれていたオーラも。
「これでいいでしょ!早く消してよ!!」
「まあいいだろう」
このまま残しておきたかったが、それだとピンクを再開されてしまうのは目に見えている。
俺は渋々ながらも、落書きを解いてやった。
「あら美人!」
「はぁ……俺は今から出かけるから。変な気は起こすなよ」
こいつを見張る為に授業を休んでも構わないのだが、それだと負けた気がして不快だ。
それにずっと見張っている訳にもいかないしな。
一生リリスの見張りとか、真っ平ごめんだ。
取り敢えず、理事長辺りにこいつの封印方法を尋ねてみる事にする。
仮にも賢者なんて呼ばれてるんだし、何か知ってるだろう。
「ぇー。ピンク日焼けも出来ないし、暇で暇でしょうがないから付いて行っちゃだめ?」
ピンク日焼けってなんだ?
さっきの光球で体を焼くのか?
まあどうでもいいが。
「暇ならこれでも読んでろ」
俺は漫画を魔法で大量に出す。
出してから全部日本語だと思い出したが、まあ絵だけでも上等だろう。
一々この世界の書物を持って来るのも面倒くさいしな。
「いいか、此処から逃げ出そうなんて考えるなよ。逃げ出そうとした痕跡を見つけたら、全身にさっきの落書きをするからな」
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