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第19話 友情
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「という訳で……これからお前ら全員の顔面を粉砕して、全員丸坊主になって貰う。俺の世界じゃ、それが謝ったり反省する時のスタイルだからな」
「ふ……ふざけんな!!」
俺の言葉に、気の強そうな釣り目の女生徒が立ち上がる。
プレッシャーはかけたままなのだが、中々ガッツの有る奴だ。
そんな気概があるなら、何故噂如きで署名したのか?
それが分からない。
「俺は大まじめだっていっただろ?そっちから先に、俺を追い出すって攻撃を仕掛けて来たんだ。手痛い反撃を受けるのは当然の話だろ」
勇者に集る蠅の癖に、うんこ様を足蹴にするなど言語道断である。
フンコロガシ気取ってんじゃねぇぞ。
「あんたみたいなふざけた奴が居たら……気の弱い子は真面に学園生活をおくれないだろうが!!あたし達は……自分や友達を守る為にやってんだよ」
プレッシャーに逆らっているせいで女生徒は苦しげだが、それにめげずに強く吠える。
言い分を聞く限りだと、彼女は気の弱い友達の為に署名をした様に聞こえるな。
「隣の席が空いてるって事は……」
席は誰がどこに座るか全て決められている。
署名の順番だ。
因みに、前列にいる奴ほど先に署名した事になる訳だが……
一番前の席――始点となる場所は空席で、その横は例の4人の席となっていた。
つまり、この署名を始めたのはベヒモスって事だ。
バハムトに待ったをかけられて家を使えないから、こんな小狡い手に出たのだろう。
本当に懲りない女である。
ま、そんな事はどうでもいいか。
署名は知り合いで連番になる可能性が極めて高い。
仲のいい友達なのに、署名はバラバラって事はないだろうからな。
つまり、横の空席は彼女の主張する気の弱い友人の席である可能性が極めて高いという事だ。
――俺は手にした署名の一覧に目を通す。
「お前の隣の席は、エリナ・ウェーンか」
「エリナに手を出したら……ただじゃ置かないよ!」
俺が空席の生徒の名を言うと、女生徒が威嚇する様に俺を力強く指さす。
どうやらビンゴだ。
「麗しき友情だな。俺は優しいから安心しろ――」
その友達は見逃してやる!
等とはもちろん言わない。
他人を踏みにじる事で成立する友情ごっこに等、なんの価値もないからな。
所詮は、自分達さえよければの精神だ。
だから――
「ちゃんとそのエリナって奴の顔面も粉砕して、丸坊主にしてやるよ」
俺は挑発する様に、女生徒に向かってそう言い切った。
「テメェ……ふざけんな!」
「俺は至って大まじめだぞ。むしろふざけんなは俺の台詞だ」
猛獣の檻に自分から首を突っ込む様な真似をしておいて、怖がりだから襲わないでなんて通用する訳ないだろうに。
問答無用だ、ボケ。
「取り敢えず、お休み」
俺は教壇から飛び降り、口の悪い女生徒の顔面を容赦なく蹴り飛ばす。
周囲に折れた歯が飛び散り、そのまま彼女は動かなくなる。
「ひぃ……」
「いやぁ……」
それを見て、講堂内の女生徒達から悲鳴が上がる。
だが動く者はいない。
正確には、俺の発動させているスキルによるプレッシャーによって動けないというのが正解だ。
「ああ、そうそう。この中には貴族の令嬢も多いみたいだし、先に言っとくわ。報復したいなら受けて立つぜ」
誓約の呪いをかければそういうのも防げるんだろうが、理事長達の様に言いがかりで終身刑を喰らわせてきた訳じゃないからな。
追い出そうとしただけの相手にそこまでする気はない。
まあ人数が多いから、一人一人から嘘のない宣言を引き出すのも面倒くさいというのもあるが。
「但しこれだけは覚えておけ。俺の命を狙う様なら……そいつらは問答無用で殺す」
今まで人を殺した事は無い――理事長の時はちょっと迷ったが――し、進んでそれをする気もない。
だが、相手が俺の命を狙って来るのなら話は別だ。
俺を殺そうとした奴。
そういった命令を下した奴。
――そいつらは全員殺す。
人の命を狙っておいて自分は死なずに済むなんて、そんな夢物語を見逃してやるほど俺は甘くないからな。
「さて、じゃあ――」
動けない女生徒の顔面を順次ぶん殴っていく。
88人もいる為、殴り甲斐のある事ある事。
全員動かなくなった所で、今度は剃毛のお時間だ。
ふと、全員の頭を丸めた所で思う。
「頭丸めても、カツラをかぶられたら今一だよな」
何か手はない物か……
少し考えこんでから、スキルや魔法を確認する事にしてみた。
俺は神様から色々なスキルと魔法を与えられており、その一覧を精神世界でチェックする事が出来るのだ。
「お、これならいいんじゃないか?」
俺が一覧の中から目に付けたのは、設置結界タイプのカウンターマジックだ。
カウンターマジックとは、攻撃に反応して反撃を加えるという物で、見つけた魔法は範囲や持続時間を自在に調整する事が出来た。
俺はそれを、倒れている女生徒のツルツルの禿げあがった頭部にかける。
その際、反撃設定を弄っておく。
――頭部に何かをかぶせる行動を、攻撃と判別する様にしておいた。
「どれどれ」
ベヒモスの取り巻きが被っていたカツラを拾ってきて、試しに女生徒にかぶせてみる。
すると見事にカウンターマジックが発動し、カツラは粉々になって吹き飛んだ。
「よし!完璧だ!」
理事長を呼んで確認した所、強力過ぎて並の魔法使いでは絶対解く事が出来ないと太鼓判を貰う。
賢者が無理つってるんだから、簡単に解除する事も出来ないだろう。
「しばらく坊主生活を楽しみな」
倒れている女生徒全員の頭部に、同じ魔法をかける。
結界の効果は1ヵ月程にしておいた。
流石にそれぐらい時間が経つと髪も生えて来るだろうから、まあそんなもんだろう。
「んじゃ……ここにいない残り8人にも、坊主頭のデリバリーしにいくとするか」
女子寮の場所を理事長から聞き出し、俺は残りの奴らも断罪して周るのだった。
めでたし……
めでたし。
ああ、ベヒモスの所の宮殿は護衛とか執事とかが邪魔して来たので、全員ぶちのめしてマルハゲの刑に処した事は言うまでもないだろう。
「ふ……ふざけんな!!」
俺の言葉に、気の強そうな釣り目の女生徒が立ち上がる。
プレッシャーはかけたままなのだが、中々ガッツの有る奴だ。
そんな気概があるなら、何故噂如きで署名したのか?
それが分からない。
「俺は大まじめだっていっただろ?そっちから先に、俺を追い出すって攻撃を仕掛けて来たんだ。手痛い反撃を受けるのは当然の話だろ」
勇者に集る蠅の癖に、うんこ様を足蹴にするなど言語道断である。
フンコロガシ気取ってんじゃねぇぞ。
「あんたみたいなふざけた奴が居たら……気の弱い子は真面に学園生活をおくれないだろうが!!あたし達は……自分や友達を守る為にやってんだよ」
プレッシャーに逆らっているせいで女生徒は苦しげだが、それにめげずに強く吠える。
言い分を聞く限りだと、彼女は気の弱い友達の為に署名をした様に聞こえるな。
「隣の席が空いてるって事は……」
席は誰がどこに座るか全て決められている。
署名の順番だ。
因みに、前列にいる奴ほど先に署名した事になる訳だが……
一番前の席――始点となる場所は空席で、その横は例の4人の席となっていた。
つまり、この署名を始めたのはベヒモスって事だ。
バハムトに待ったをかけられて家を使えないから、こんな小狡い手に出たのだろう。
本当に懲りない女である。
ま、そんな事はどうでもいいか。
署名は知り合いで連番になる可能性が極めて高い。
仲のいい友達なのに、署名はバラバラって事はないだろうからな。
つまり、横の空席は彼女の主張する気の弱い友人の席である可能性が極めて高いという事だ。
――俺は手にした署名の一覧に目を通す。
「お前の隣の席は、エリナ・ウェーンか」
「エリナに手を出したら……ただじゃ置かないよ!」
俺が空席の生徒の名を言うと、女生徒が威嚇する様に俺を力強く指さす。
どうやらビンゴだ。
「麗しき友情だな。俺は優しいから安心しろ――」
その友達は見逃してやる!
等とはもちろん言わない。
他人を踏みにじる事で成立する友情ごっこに等、なんの価値もないからな。
所詮は、自分達さえよければの精神だ。
だから――
「ちゃんとそのエリナって奴の顔面も粉砕して、丸坊主にしてやるよ」
俺は挑発する様に、女生徒に向かってそう言い切った。
「テメェ……ふざけんな!」
「俺は至って大まじめだぞ。むしろふざけんなは俺の台詞だ」
猛獣の檻に自分から首を突っ込む様な真似をしておいて、怖がりだから襲わないでなんて通用する訳ないだろうに。
問答無用だ、ボケ。
「取り敢えず、お休み」
俺は教壇から飛び降り、口の悪い女生徒の顔面を容赦なく蹴り飛ばす。
周囲に折れた歯が飛び散り、そのまま彼女は動かなくなる。
「ひぃ……」
「いやぁ……」
それを見て、講堂内の女生徒達から悲鳴が上がる。
だが動く者はいない。
正確には、俺の発動させているスキルによるプレッシャーによって動けないというのが正解だ。
「ああ、そうそう。この中には貴族の令嬢も多いみたいだし、先に言っとくわ。報復したいなら受けて立つぜ」
誓約の呪いをかければそういうのも防げるんだろうが、理事長達の様に言いがかりで終身刑を喰らわせてきた訳じゃないからな。
追い出そうとしただけの相手にそこまでする気はない。
まあ人数が多いから、一人一人から嘘のない宣言を引き出すのも面倒くさいというのもあるが。
「但しこれだけは覚えておけ。俺の命を狙う様なら……そいつらは問答無用で殺す」
今まで人を殺した事は無い――理事長の時はちょっと迷ったが――し、進んでそれをする気もない。
だが、相手が俺の命を狙って来るのなら話は別だ。
俺を殺そうとした奴。
そういった命令を下した奴。
――そいつらは全員殺す。
人の命を狙っておいて自分は死なずに済むなんて、そんな夢物語を見逃してやるほど俺は甘くないからな。
「さて、じゃあ――」
動けない女生徒の顔面を順次ぶん殴っていく。
88人もいる為、殴り甲斐のある事ある事。
全員動かなくなった所で、今度は剃毛のお時間だ。
ふと、全員の頭を丸めた所で思う。
「頭丸めても、カツラをかぶられたら今一だよな」
何か手はない物か……
少し考えこんでから、スキルや魔法を確認する事にしてみた。
俺は神様から色々なスキルと魔法を与えられており、その一覧を精神世界でチェックする事が出来るのだ。
「お、これならいいんじゃないか?」
俺が一覧の中から目に付けたのは、設置結界タイプのカウンターマジックだ。
カウンターマジックとは、攻撃に反応して反撃を加えるという物で、見つけた魔法は範囲や持続時間を自在に調整する事が出来た。
俺はそれを、倒れている女生徒のツルツルの禿げあがった頭部にかける。
その際、反撃設定を弄っておく。
――頭部に何かをかぶせる行動を、攻撃と判別する様にしておいた。
「どれどれ」
ベヒモスの取り巻きが被っていたカツラを拾ってきて、試しに女生徒にかぶせてみる。
すると見事にカウンターマジックが発動し、カツラは粉々になって吹き飛んだ。
「よし!完璧だ!」
理事長を呼んで確認した所、強力過ぎて並の魔法使いでは絶対解く事が出来ないと太鼓判を貰う。
賢者が無理つってるんだから、簡単に解除する事も出来ないだろう。
「しばらく坊主生活を楽しみな」
倒れている女生徒全員の頭部に、同じ魔法をかける。
結界の効果は1ヵ月程にしておいた。
流石にそれぐらい時間が経つと髪も生えて来るだろうから、まあそんなもんだろう。
「んじゃ……ここにいない残り8人にも、坊主頭のデリバリーしにいくとするか」
女子寮の場所を理事長から聞き出し、俺は残りの奴らも断罪して周るのだった。
めでたし……
めでたし。
ああ、ベヒモスの所の宮殿は護衛とか執事とかが邪魔して来たので、全員ぶちのめしてマルハゲの刑に処した事は言うまでもないだろう。
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