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第38話 7番目
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テストは全部で4種類。一つはオーラ量の測定だ。オーラの総量は身体的な強さに直結するので、これで測るのは基本的な身体能力と思って貰えばいいだろう。計り方は、オーラを全身に巡らせている状態で測定用の球体に触るだけと、シンプルなものとなっている。
「よし!713!」
「すげぇ……」
「700越えとは……」
ネイガンが測定値700オーバーを叩き出し、それを見た周囲が騒めく。既に半数ほどが測定を終えており、その大半が300未満だった事を考えると、彼のフィジカルが他の参加者に比べ頭二つ三つ抜けている事がよく分かる。
まあだからこそ、全員落ちてくれると有難いと思った訳だが……全員レベルが低いから。
「む……あの男、中々優秀な様ですな」
ここまでの測定と一線を画すネイガンのパワーに、ザケンが関心を示した。因みに彼も測定済みで、その数値は250程である。まあ魔法使いらしいので、そう考えると高めと言えなくもないが……
「ええ。彼は王国騎士団期待のホープですから」
エナイスが自慢気にそう語る。まあそのホープも、俺からすればあんまり期待できない訳だが。かくいう俺自身も、魔王襲来のタイミング次第じゃ戦力にならない訳だから、あんまり大きな事も言えないが。
「まあですが……いくらあの男が優秀でも、賭けの対象はあくまでもその男ですから」
ザケンが俺の方を見る。俺はぱっと見、どちらかというと優男に見えるタイプなので、ネイガンより下だと考えているのだろう。まあここで訂正しても水掛け論にしかならないので、黙って放っておく。測定すれば、結果は明白になるからな。
「じゃあ俺の番だな」
測定は国ごとに行われているので、ネイガンの直ぐ後に俺の順番が回って来る。
「では測定機に手を置き、オーラを身に纏ってください」
「はい。あ、そういや、ジークフリート陛下ってどれぐらいの数値なんですか?」
測定機に手を置き、ふと気になった事を職員に尋ねた。ある意味目標の指針となる物なので、知っておいて損はない。
「陛下の数値が気になりますか?」
「ええ、まあ少し」
「5年前に測定された際の数値は4,000程だったと伺ってます。では、始めますよ」
4,000か……ネイガンが700だった事を考えると、俺の数値は1,000ちょっとが良いと事だろう――まあ命を燃やせばもう少し伸ばせるが、テストでそんな馬鹿な真似をする気はない。そしてその破竜帝と互角に近い実力を持っていた魔王の分身も、それに近い数字だと思われる。
約4倍差か。まあそりゃ見えんわな……
自分がやられた時の、魔王の最後の動きを思い出し心の中でぼやく。全く見えなかったからな。
「ほう……これは大したものですね」
測定器が光、俺のオーラが数値化される。出た数字は――
「せ……1、178だと!?」
俺にとっては予想道理の数値だったが、それが想定外だったザケンが驚いて叫ぶ。
「ば、バカな!?あんな男がそんな数値を出せる訳がない!何かの間違いだ!」
「お静かに。測定機に間違いはありませんので、これ以上騒がれる様なら失格になりますよ」
「お、王子……失格は不味いです……」
「ぬ……ぐぬぬぬ……」
側定員に失格になると注意され、ザケンが悔し気に唸り声を上げる。その様子を、口の端を僅かに歪めてエナイスが見ていたのを俺は見逃さない。余程ザケンの事が嫌いなのだろう。
「因みに、この三日間のテストで俺より数値の高かった人間っていますか?」
「ミツルギ殿は7番目になりますね」
7番目。つまり現時点で、少なくとも俺よりパワーのある奴が6人はいると言う訳だ。
「なるほど、7番目ですか」
側定員の返事に俺は安堵する。トップじゃなくて良かったと。心から。
まあネイガンの様にパワーだけって可能性もあるから、安心するのは少し早い気もするが……
「よし!713!」
「すげぇ……」
「700越えとは……」
ネイガンが測定値700オーバーを叩き出し、それを見た周囲が騒めく。既に半数ほどが測定を終えており、その大半が300未満だった事を考えると、彼のフィジカルが他の参加者に比べ頭二つ三つ抜けている事がよく分かる。
まあだからこそ、全員落ちてくれると有難いと思った訳だが……全員レベルが低いから。
「む……あの男、中々優秀な様ですな」
ここまでの測定と一線を画すネイガンのパワーに、ザケンが関心を示した。因みに彼も測定済みで、その数値は250程である。まあ魔法使いらしいので、そう考えると高めと言えなくもないが……
「ええ。彼は王国騎士団期待のホープですから」
エナイスが自慢気にそう語る。まあそのホープも、俺からすればあんまり期待できない訳だが。かくいう俺自身も、魔王襲来のタイミング次第じゃ戦力にならない訳だから、あんまり大きな事も言えないが。
「まあですが……いくらあの男が優秀でも、賭けの対象はあくまでもその男ですから」
ザケンが俺の方を見る。俺はぱっと見、どちらかというと優男に見えるタイプなので、ネイガンより下だと考えているのだろう。まあここで訂正しても水掛け論にしかならないので、黙って放っておく。測定すれば、結果は明白になるからな。
「じゃあ俺の番だな」
測定は国ごとに行われているので、ネイガンの直ぐ後に俺の順番が回って来る。
「では測定機に手を置き、オーラを身に纏ってください」
「はい。あ、そういや、ジークフリート陛下ってどれぐらいの数値なんですか?」
測定機に手を置き、ふと気になった事を職員に尋ねた。ある意味目標の指針となる物なので、知っておいて損はない。
「陛下の数値が気になりますか?」
「ええ、まあ少し」
「5年前に測定された際の数値は4,000程だったと伺ってます。では、始めますよ」
4,000か……ネイガンが700だった事を考えると、俺の数値は1,000ちょっとが良いと事だろう――まあ命を燃やせばもう少し伸ばせるが、テストでそんな馬鹿な真似をする気はない。そしてその破竜帝と互角に近い実力を持っていた魔王の分身も、それに近い数字だと思われる。
約4倍差か。まあそりゃ見えんわな……
自分がやられた時の、魔王の最後の動きを思い出し心の中でぼやく。全く見えなかったからな。
「ほう……これは大したものですね」
測定器が光、俺のオーラが数値化される。出た数字は――
「せ……1、178だと!?」
俺にとっては予想道理の数値だったが、それが想定外だったザケンが驚いて叫ぶ。
「ば、バカな!?あんな男がそんな数値を出せる訳がない!何かの間違いだ!」
「お静かに。測定機に間違いはありませんので、これ以上騒がれる様なら失格になりますよ」
「お、王子……失格は不味いです……」
「ぬ……ぐぬぬぬ……」
側定員に失格になると注意され、ザケンが悔し気に唸り声を上げる。その様子を、口の端を僅かに歪めてエナイスが見ていたのを俺は見逃さない。余程ザケンの事が嫌いなのだろう。
「因みに、この三日間のテストで俺より数値の高かった人間っていますか?」
「ミツルギ殿は7番目になりますね」
7番目。つまり現時点で、少なくとも俺よりパワーのある奴が6人はいると言う訳だ。
「なるほど、7番目ですか」
側定員の返事に俺は安堵する。トップじゃなくて良かったと。心から。
まあネイガンの様にパワーだけって可能性もあるから、安心するのは少し早い気もするが……
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