33 / 48
32――なんかやだ
しおりを挟む
「感謝する」
街に付いた所でガンボ――冒険者パーティーのリーダー――に深く頭を下げられる。
「いや。仕事としてやっただけだから、気にしないでくれ」
結局あの後、遺跡の外までではなく街まで護衛する羽目になった。
まあ険しい山道を二体もの遺体を運んで進むと言うのは大変なので、じゃあここでという訳にも行かなかったので仕方ない。
「それでも命を救われ、仲間の遺体を運ぶのを手伝ってくれた事に変わりはない。この借りは必ず返すよ」
彼は馬車内のアイレンさんに一声かけ、遺体の入った袋を担いでパーティーメンバー達と街の中に消えていった。
彼らの契約は馬車――山の麓に管理者と共に待機させていた――を街まで届ける事までだったので、ここでお別れだ。
大事な仲間を失ったショックは大きいだろう。
彼らが早く立ち直ってくれる事を祈るばかりだ。
「ここです」
街の中央付近にある大きな建物――それは帝国の管理する建物だった。
アイレンさんは帝国に勤める研究者であり、迷宮にいたのは国の研究の為だったそうだ。
もちろん国が行っている研究なので、その内容までは教えて貰っていない。
中に入ると馬車は厩舎らしき場所に連れていかれ、俺達は建物内にある待合室に案内される。
「用意をしますので、少々お待ちください」
そう言うと、アイレンさんはそのままどこかに行ってしまった。
俺達がわざわざここまで付いて来たのは、報酬の手続きの為だ。
これが商人なら、街の入り口でポンと金の入った革袋を渡されて終わりなのだが、国費で報酬が支払われる以上、お役所仕事の煩雑な手順が必要だった。
暫くしてアイレンさんが戻って来る。
片眼鏡をした、50台ぐらいのふくよかな女性を伴って。
「経理のアダムソです」
彼女はブスッとした表情で挨拶してきた。
どうやら歓迎されていない様だ。
「どうも。冒険者のカオスです」
「さ、サラです」
「お二人にアイレンさんが救われ、その護衛を引き受けたのは伺っています。その依頼の清算のために、此方へご記入いただいて宜しいですか?それと、冒険者証と身分証の提示をお願いいたします」
「あ、はい」
俺とサラは身分証と冒険者証を提示する。
「白金?」
俺達の冒険者証を見て、アダムソさんが眉根を顰める。
何か問題でもあったのだろうか。
「私は幻想金属と伺っていたのですが?」
「え!?そんな事一言も言ってませんけど」
そんな法螺を拭いた覚えはない。
俺の言葉を聞き、彼女はアイレンさんを睨む。
「リッチを倒した手並みから、てっきり幻想金属だとおもってたんですけど……」
「本当にリッチと遭遇されたのですか ?」
退治した俺達のランクが低かった事で、リッチとの遭遇を疑われる。
まあ普通に考えて、白金ランクの冒険者が勝てる見込みの薄い相手なので、疑われても仕方がないだろう。
「さっきも言いいましたけど、リッチと遭遇したせいで金剛石のパーティーから2名死亡者が出ています。それは冒険者ギルドに問い合わせて貰えば分かる筈です」
「分かりました」
そうアイレンさんが応えると、彼女は手にしていた書類を机に置いて魔法のペンを走らせた。
どうやら記載されていた冒険者ランクを修正した様だ。
「此方に代表の方のサインをお願いします」
「あ、はい」
「報酬の方は後日冒険者ギルドを通じて支払われますので、そちらでお受け取り下さい」
名前を記入すると、淡々と説明される。
「では、私はこれで」
アダムソさんは用が済むと、さっさと出て行ってしまう。
始終機嫌が悪そうだったが、何か嫌な事でもあったのだろうか?
「すいません。彼女、機嫌が少々わるくて」
「いや、気にしてはいませんよ」
まあ人間そういう時もある。
親しい間柄でもないのだし、一々気にしたりはしない。
「しかしお二人が白金だとは驚きました。あれ程の腕なのにどうして……っと、これは余計な詮索でしたね」
「まあ色々ありまして」
俺達の事を尋ねようとしたアイレンさんだが、途中でやめる。
冒険者に対する詮索は、基本失礼にあたるからな。
まあ単に上げに行く――その為のテストを受ける――のを忘れてただけで深い意味はないのだが、一々説明するのも面倒くさいので適当に苦笑いして流しておいた。
「マックスさんは、暫くはこの辺りに滞在されるんですか?」
「んー、どうでしょう。まだ出ていくつもりはありませんが、用事が出来ればと言った所でしょうか」
ふわっとした返事で返しておぃ。
この辺りにどれぐらい留まる事になるかは、迷宮内で幻獣を見つけられるかどうかで変わって来る。
場合によっては、2-3日中に他所に移る可能性もあった。
「実は迷宮の調査何ですが、近いうちにもう一度行う予定でいるんです。もしよければ、同行して頂けないかと……」
「俺を雇いたいと?」
「ええ、単刀直入に言えばそうなります」
正直、この誘い自体は魅力的だったりする。
なにせ、今回の報酬は破格な物だった。
流石政府の機関だけはあると言わざるを得ない。
恐らく次もかなりの高額が見込めるだろう。
だが俺の場合、闇の使徒からの襲撃の心配があった。
いつ襲われるか分からない身で、誰かの護衛に従事すると言うのは問題があるからな。
だから幻獣発見後であったとしても、受ける事は出来ない。
まあ今回は緊急という事で受けはしたが……
「すいません。俺達も目的があって活動しているので……」
「そうですか、残念です。まあ用事があるなら、仕方がないですよね」
「じゃあ俺達はこれで」
長居しても仕方がないので、俺達は建物を出る。
「しかし、ランクかぁ……」
「ランクがどうかしたんですか?」
俺の呟きにサラが反応する。
「完全に忘れてたと思ったのさ。せっかくだし……申請しとくか」
問題は審査の際にブーストを使うかどうかである。
自分で言うのもなんだが、ブースト使用時の俺は異常な強さだ。
王都と同じ審査方法なら幻想金属も普通に狙えるだろう。
でも短時間限定だからなぁ……
常時その力を期待されるのもあれなので、止めておいた方が無難な気がする。
俺はチラリとサラの方を見た。
「どうかしましたか?」
「ああ、いやなんでもない」
だが無しだと……ぶっちゃけ、サラの方が強かったりする。
一緒にテストを受けたら、確実に俺より彼女のランクの方が上になるだろう。
それはなんかモヤモヤする。
別に何かが変わる訳ではないが、なんかヤダ。
やっぱり昇格試験は受けない事にしよう。
うん、それがいい。
街に付いた所でガンボ――冒険者パーティーのリーダー――に深く頭を下げられる。
「いや。仕事としてやっただけだから、気にしないでくれ」
結局あの後、遺跡の外までではなく街まで護衛する羽目になった。
まあ険しい山道を二体もの遺体を運んで進むと言うのは大変なので、じゃあここでという訳にも行かなかったので仕方ない。
「それでも命を救われ、仲間の遺体を運ぶのを手伝ってくれた事に変わりはない。この借りは必ず返すよ」
彼は馬車内のアイレンさんに一声かけ、遺体の入った袋を担いでパーティーメンバー達と街の中に消えていった。
彼らの契約は馬車――山の麓に管理者と共に待機させていた――を街まで届ける事までだったので、ここでお別れだ。
大事な仲間を失ったショックは大きいだろう。
彼らが早く立ち直ってくれる事を祈るばかりだ。
「ここです」
街の中央付近にある大きな建物――それは帝国の管理する建物だった。
アイレンさんは帝国に勤める研究者であり、迷宮にいたのは国の研究の為だったそうだ。
もちろん国が行っている研究なので、その内容までは教えて貰っていない。
中に入ると馬車は厩舎らしき場所に連れていかれ、俺達は建物内にある待合室に案内される。
「用意をしますので、少々お待ちください」
そう言うと、アイレンさんはそのままどこかに行ってしまった。
俺達がわざわざここまで付いて来たのは、報酬の手続きの為だ。
これが商人なら、街の入り口でポンと金の入った革袋を渡されて終わりなのだが、国費で報酬が支払われる以上、お役所仕事の煩雑な手順が必要だった。
暫くしてアイレンさんが戻って来る。
片眼鏡をした、50台ぐらいのふくよかな女性を伴って。
「経理のアダムソです」
彼女はブスッとした表情で挨拶してきた。
どうやら歓迎されていない様だ。
「どうも。冒険者のカオスです」
「さ、サラです」
「お二人にアイレンさんが救われ、その護衛を引き受けたのは伺っています。その依頼の清算のために、此方へご記入いただいて宜しいですか?それと、冒険者証と身分証の提示をお願いいたします」
「あ、はい」
俺とサラは身分証と冒険者証を提示する。
「白金?」
俺達の冒険者証を見て、アダムソさんが眉根を顰める。
何か問題でもあったのだろうか。
「私は幻想金属と伺っていたのですが?」
「え!?そんな事一言も言ってませんけど」
そんな法螺を拭いた覚えはない。
俺の言葉を聞き、彼女はアイレンさんを睨む。
「リッチを倒した手並みから、てっきり幻想金属だとおもってたんですけど……」
「本当にリッチと遭遇されたのですか ?」
退治した俺達のランクが低かった事で、リッチとの遭遇を疑われる。
まあ普通に考えて、白金ランクの冒険者が勝てる見込みの薄い相手なので、疑われても仕方がないだろう。
「さっきも言いいましたけど、リッチと遭遇したせいで金剛石のパーティーから2名死亡者が出ています。それは冒険者ギルドに問い合わせて貰えば分かる筈です」
「分かりました」
そうアイレンさんが応えると、彼女は手にしていた書類を机に置いて魔法のペンを走らせた。
どうやら記載されていた冒険者ランクを修正した様だ。
「此方に代表の方のサインをお願いします」
「あ、はい」
「報酬の方は後日冒険者ギルドを通じて支払われますので、そちらでお受け取り下さい」
名前を記入すると、淡々と説明される。
「では、私はこれで」
アダムソさんは用が済むと、さっさと出て行ってしまう。
始終機嫌が悪そうだったが、何か嫌な事でもあったのだろうか?
「すいません。彼女、機嫌が少々わるくて」
「いや、気にしてはいませんよ」
まあ人間そういう時もある。
親しい間柄でもないのだし、一々気にしたりはしない。
「しかしお二人が白金だとは驚きました。あれ程の腕なのにどうして……っと、これは余計な詮索でしたね」
「まあ色々ありまして」
俺達の事を尋ねようとしたアイレンさんだが、途中でやめる。
冒険者に対する詮索は、基本失礼にあたるからな。
まあ単に上げに行く――その為のテストを受ける――のを忘れてただけで深い意味はないのだが、一々説明するのも面倒くさいので適当に苦笑いして流しておいた。
「マックスさんは、暫くはこの辺りに滞在されるんですか?」
「んー、どうでしょう。まだ出ていくつもりはありませんが、用事が出来ればと言った所でしょうか」
ふわっとした返事で返しておぃ。
この辺りにどれぐらい留まる事になるかは、迷宮内で幻獣を見つけられるかどうかで変わって来る。
場合によっては、2-3日中に他所に移る可能性もあった。
「実は迷宮の調査何ですが、近いうちにもう一度行う予定でいるんです。もしよければ、同行して頂けないかと……」
「俺を雇いたいと?」
「ええ、単刀直入に言えばそうなります」
正直、この誘い自体は魅力的だったりする。
なにせ、今回の報酬は破格な物だった。
流石政府の機関だけはあると言わざるを得ない。
恐らく次もかなりの高額が見込めるだろう。
だが俺の場合、闇の使徒からの襲撃の心配があった。
いつ襲われるか分からない身で、誰かの護衛に従事すると言うのは問題があるからな。
だから幻獣発見後であったとしても、受ける事は出来ない。
まあ今回は緊急という事で受けはしたが……
「すいません。俺達も目的があって活動しているので……」
「そうですか、残念です。まあ用事があるなら、仕方がないですよね」
「じゃあ俺達はこれで」
長居しても仕方がないので、俺達は建物を出る。
「しかし、ランクかぁ……」
「ランクがどうかしたんですか?」
俺の呟きにサラが反応する。
「完全に忘れてたと思ったのさ。せっかくだし……申請しとくか」
問題は審査の際にブーストを使うかどうかである。
自分で言うのもなんだが、ブースト使用時の俺は異常な強さだ。
王都と同じ審査方法なら幻想金属も普通に狙えるだろう。
でも短時間限定だからなぁ……
常時その力を期待されるのもあれなので、止めておいた方が無難な気がする。
俺はチラリとサラの方を見た。
「どうかしましたか?」
「ああ、いやなんでもない」
だが無しだと……ぶっちゃけ、サラの方が強かったりする。
一緒にテストを受けたら、確実に俺より彼女のランクの方が上になるだろう。
それはなんかモヤモヤする。
別に何かが変わる訳ではないが、なんかヤダ。
やっぱり昇格試験は受けない事にしよう。
うん、それがいい。
0
お気に入りに追加
419
あなたにおすすめの小説
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

無能なオタクの異世界対策生活〜才能はなかったが傾向と対策を徹底し余裕で生き抜く〜
辻谷戒斗
ファンタジー
高校三年生で受験生の才無佐徹也は難関国立大学の合格を目指し猛勉強中だったが、クラスメートと共に突然異世界に召喚されてしまう。
その世界には人の才能を見抜く水晶玉があり、他のクラスメートたちにはそれぞれ多種多様な才能が表れたが、徹也は何も表れず才能がない『無能』であると判定された。
だが、徹也はこの事実に驚きはしたものの、激しく動揺したり絶望したりすることはなかった。
なぜなら徹也はオタクであり、異世界クラス召喚の傾向はすでに掴んでいたからだ。
そして徹也はその傾向を元にして、これから起こり得るであろうことへの対策を考える。
これは、『無能』の徹也が傾向と対策で異世界を生き抜いていく物語である――。
*小説家になろう・カクヨム・ノベルアップ+でも連載しています。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる