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第24話 レジェンドレア
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「まあこれは使えそうだな」
アイスドラゴンから得た素材は、イモ兄妹が倒した分も合わせて剣10本分だ。
それら全てを使ってアイスソードを作った所、一本だけ当たりと呼べる物が出来た。
大当たりではないが、これは一応キープしておくとする。
「タロイモにやるのは……生命量回復のついた奴でいいな」
生命量回復は、最大生命力の1割程受けたダメージが回復する効果を持っている。
防御主体の守護騎士のタロイモには相性がいいはず。
更にそれを魔石を使って錬成する。
「錬成の方は、まあ耐久力アップでいいか」
外れ外れと続いたが、3回目に耐久力アップが付く。
これも守護騎士には相性がいい物だ。
「他は売り飛ばして、高級素材の資金だな」
アイスソード自体、そうそう転がっている品ではない。
何せ、ドラゴンを退治して素材を手に入れないといけないのだから。
更にそこに特殊なオプションが付いて来るのだ。
相当な額で売れるはず。
とは言え、アダマンタイトなんかは出鱈目な価格が付いているので、こんなもんじゃまだまだ全然足りないだろうが。
「あ、師匠!終わったんですか?」
スキルで生み出した簡易工房を消し、外に出るともう真っ暗だった。
そこに丁度イモ兄妹がやって来る。
どうやら訓練は終わった様だ。
「凄いですよこの武器!何せ兄さんをボコボコですから!」
「ボコボコになんてされてない。嘘を吐くな」
兄妹の表情が明暗を物語っている。
明らかにタロイモは不機嫌そうだ。
まあだが仕方がないだろう。
2人の実力はほぼ互角。
その状態でベニイモだけが消費無しのスキルと、筋力10%アップの恩恵を受けている訳だからな。
それが差となって表れるのは当然の事だ。
「ほらよ」
タロイモ用の武器を投げて渡す。
「これは……」
「それを使え。タロイモ用だ」
「ありがとうございます」
渡した武器を、タロイモは素直に受け取り頭を下げた。
「あんたの作った武器なんていらない」なんて言われ、突っぱねられたらどうしようかとも思ったが、そんな事はなくて安心する。
「この武器にはどんな効果があるんですか?」
「魔力を流せば確認できるぞ」
製作した武器のオプション類は魔力を流す事で、その情報が脳内に入って来る。
スキルなんかはその発動させ方もだ。
タロイモが俺に言われた通り、武器に魔力を流してどういった武器かを確認する。
「生命力回復に、耐久力アップ……優秀な武器だ」
「まあ、そこそこな」
ソーシャルゲーム風に言うなら、SRぐらいのレアリティだ。
当然弱くはない。
寧ろ強いと言い切っていいだろう。
だが俺の目指すのは、それより上のUR以上だ。
特に神から魔王討伐に必須と言われている魂吸収は、一万分の一以下でしかつかないらしいので、LR級と言って良いだろう。
――なんでも、これが無ければ絶対魔王には勝てないそうだ。
まあ一万分の一以下とは言え、まだ5年近くある。
作り続けていれば、流石に一本ぐらいは完成するだろう。
「そういえば、師匠って今レベルいくつなんですか?」
「ああ、ベニイモ達とそんなに変わらないよ。俺のレベルは――」
アイスドラゴンから得た素材は、イモ兄妹が倒した分も合わせて剣10本分だ。
それら全てを使ってアイスソードを作った所、一本だけ当たりと呼べる物が出来た。
大当たりではないが、これは一応キープしておくとする。
「タロイモにやるのは……生命量回復のついた奴でいいな」
生命量回復は、最大生命力の1割程受けたダメージが回復する効果を持っている。
防御主体の守護騎士のタロイモには相性がいいはず。
更にそれを魔石を使って錬成する。
「錬成の方は、まあ耐久力アップでいいか」
外れ外れと続いたが、3回目に耐久力アップが付く。
これも守護騎士には相性がいい物だ。
「他は売り飛ばして、高級素材の資金だな」
アイスソード自体、そうそう転がっている品ではない。
何せ、ドラゴンを退治して素材を手に入れないといけないのだから。
更にそこに特殊なオプションが付いて来るのだ。
相当な額で売れるはず。
とは言え、アダマンタイトなんかは出鱈目な価格が付いているので、こんなもんじゃまだまだ全然足りないだろうが。
「あ、師匠!終わったんですか?」
スキルで生み出した簡易工房を消し、外に出るともう真っ暗だった。
そこに丁度イモ兄妹がやって来る。
どうやら訓練は終わった様だ。
「凄いですよこの武器!何せ兄さんをボコボコですから!」
「ボコボコになんてされてない。嘘を吐くな」
兄妹の表情が明暗を物語っている。
明らかにタロイモは不機嫌そうだ。
まあだが仕方がないだろう。
2人の実力はほぼ互角。
その状態でベニイモだけが消費無しのスキルと、筋力10%アップの恩恵を受けている訳だからな。
それが差となって表れるのは当然の事だ。
「ほらよ」
タロイモ用の武器を投げて渡す。
「これは……」
「それを使え。タロイモ用だ」
「ありがとうございます」
渡した武器を、タロイモは素直に受け取り頭を下げた。
「あんたの作った武器なんていらない」なんて言われ、突っぱねられたらどうしようかとも思ったが、そんな事はなくて安心する。
「この武器にはどんな効果があるんですか?」
「魔力を流せば確認できるぞ」
製作した武器のオプション類は魔力を流す事で、その情報が脳内に入って来る。
スキルなんかはその発動させ方もだ。
タロイモが俺に言われた通り、武器に魔力を流してどういった武器かを確認する。
「生命力回復に、耐久力アップ……優秀な武器だ」
「まあ、そこそこな」
ソーシャルゲーム風に言うなら、SRぐらいのレアリティだ。
当然弱くはない。
寧ろ強いと言い切っていいだろう。
だが俺の目指すのは、それより上のUR以上だ。
特に神から魔王討伐に必須と言われている魂吸収は、一万分の一以下でしかつかないらしいので、LR級と言って良いだろう。
――なんでも、これが無ければ絶対魔王には勝てないそうだ。
まあ一万分の一以下とは言え、まだ5年近くある。
作り続けていれば、流石に一本ぐらいは完成するだろう。
「そういえば、師匠って今レベルいくつなんですか?」
「ああ、ベニイモ達とそんなに変わらないよ。俺のレベルは――」
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