19 / 81
第19話 差異
しおりを挟む
「ふむ。順調ではあるんだが……」
クレアのレベリングを初めて1週間。
報酬の魔宝玉に付いて例の護衛の男からオーケーを貰っているので、後は彼女のレベルを上げ切るだけなのだが……
「……」
倒した僕の蘇生を行いながら、俺はクレアの様子を眺める。
オークの経験値はゴブリンの40倍近くあるため、彼女のレベルは既に65まで上がっていた。
当然大幅にレベルが上がっている分、初期よりもステータスはかなり上がっているはずなのだが……
「何か微妙だよな?」
元が酷かった事を差し引いても、少し――というか、かなり弱い様に感じる。
暗殺者は特殊なクラスだ。
そのため純粋な戦闘職と比べてそのステータスは低く、レベル150で取得する分身を覚えるまでその火力は低目となっている。
とは言え、得意とする背面攻撃のみで、しかも能力が3分の1になっているオークを一匹倒すのに10秒以上かかるのは、流石に火力が無さ過ぎだ。
手加減してるって訳でもないだろうし……
気になった俺は、クレアが下僕を倒し終えたタイミングで声をかけた。
「なあクレア。今のステータスを聞いてもいいか?」
「ふ、日々急成長を遂げる私の事が気になるみたいね。でも恐れる必要はないわ!何故なら……私達は、闇の契りを交わした永遠のバディなのだから!」
闇の契りとか、そんな大層な物を交わした覚えはないぞ。
そもそも、長く一緒にいる気も無いし。
クレアがもう少し真面な性格をしてて。
侯爵家の令嬢とかいう面倒くさい立場じゃなくて。
更にあの護衛がいなければ。
以上の条件が無ければ、まあパーティーを組んでも良かったんだがな。
如何せん役満だ。
絶対あり得ない。
「バディだからこそ、知っときたいんだ。早く教えてくれ」
「仲間の力を正確に把握しておく……確かにそれは必要な事ね。ならば聞きなさい!」
クレアが体を斜め後ろに傾斜するポーズを取る。
どうやら、このポーズは彼女のお気に入りの様だ。
くっそどうでもいいが。
――クレア・ヴェルヴェット――
クラス:暗殺者
Lv :8→65
HP :37/37→122/122
MP :297/297→15/468
筋力 :33→61
魔力 :297→411
敏捷性:36→93
・スキル
隠密【3】
クリティカル【―】
バックアタック【2】
―――――――――――――――
「うーむ……」
クレアのステータスを聞いて、俺は唸り声を上げる。
やはりというか、予想通りと言おうか。
筋力と敏捷性の伸びが、明らかに本来の暗殺者よりも悪い。
そして異常に成長している魔力とMP。
俺の知る暗殺者は、こんな不自然な育ち方はしないのだが。
「明らかにゲームと違う……か」
俺はクレアに聞こえない様、ぼそりと呟く。
この世界は俺のプレイしていたヘブンスオンラインに似てはいるが、完全に一致している訳ではなかった。
だから俺が勝手にゲーム想定で勘違いしていただけで、恐らくこれがこの世界での暗殺者の成長なのだろう。
だとしたら、暗殺者への評価は若干下方修正だな。
いくら高レベルで取得するスキルでカバーできるとは言え、元の火力がここまで低いのでは強キャラ認定は難しい。
なんだかんだ言って、火力は大正義だからな。
因みに、極まった死霊術師は火力も耐久力も化け物レベルになる。
それまでの不遇はどこ行った?
レベルの化けっぷりに、ゲームプレイ当時はきゃっきゃ喜びながらPVPしていた物だ。
「まあいいや。レベリングを続けよう」
「ええ、更なる闇の滾りを見せてあげるわ」
普通に聞いたら意味不明の返事がクレアから返って来る。
まあそれでも、やる気があるのだけは伝わってきた。
頑張って俺の為にさっさとレベル100になって貰わないとな。
クレアのレベリングを初めて1週間。
報酬の魔宝玉に付いて例の護衛の男からオーケーを貰っているので、後は彼女のレベルを上げ切るだけなのだが……
「……」
倒した僕の蘇生を行いながら、俺はクレアの様子を眺める。
オークの経験値はゴブリンの40倍近くあるため、彼女のレベルは既に65まで上がっていた。
当然大幅にレベルが上がっている分、初期よりもステータスはかなり上がっているはずなのだが……
「何か微妙だよな?」
元が酷かった事を差し引いても、少し――というか、かなり弱い様に感じる。
暗殺者は特殊なクラスだ。
そのため純粋な戦闘職と比べてそのステータスは低く、レベル150で取得する分身を覚えるまでその火力は低目となっている。
とは言え、得意とする背面攻撃のみで、しかも能力が3分の1になっているオークを一匹倒すのに10秒以上かかるのは、流石に火力が無さ過ぎだ。
手加減してるって訳でもないだろうし……
気になった俺は、クレアが下僕を倒し終えたタイミングで声をかけた。
「なあクレア。今のステータスを聞いてもいいか?」
「ふ、日々急成長を遂げる私の事が気になるみたいね。でも恐れる必要はないわ!何故なら……私達は、闇の契りを交わした永遠のバディなのだから!」
闇の契りとか、そんな大層な物を交わした覚えはないぞ。
そもそも、長く一緒にいる気も無いし。
クレアがもう少し真面な性格をしてて。
侯爵家の令嬢とかいう面倒くさい立場じゃなくて。
更にあの護衛がいなければ。
以上の条件が無ければ、まあパーティーを組んでも良かったんだがな。
如何せん役満だ。
絶対あり得ない。
「バディだからこそ、知っときたいんだ。早く教えてくれ」
「仲間の力を正確に把握しておく……確かにそれは必要な事ね。ならば聞きなさい!」
クレアが体を斜め後ろに傾斜するポーズを取る。
どうやら、このポーズは彼女のお気に入りの様だ。
くっそどうでもいいが。
――クレア・ヴェルヴェット――
クラス:暗殺者
Lv :8→65
HP :37/37→122/122
MP :297/297→15/468
筋力 :33→61
魔力 :297→411
敏捷性:36→93
・スキル
隠密【3】
クリティカル【―】
バックアタック【2】
―――――――――――――――
「うーむ……」
クレアのステータスを聞いて、俺は唸り声を上げる。
やはりというか、予想通りと言おうか。
筋力と敏捷性の伸びが、明らかに本来の暗殺者よりも悪い。
そして異常に成長している魔力とMP。
俺の知る暗殺者は、こんな不自然な育ち方はしないのだが。
「明らかにゲームと違う……か」
俺はクレアに聞こえない様、ぼそりと呟く。
この世界は俺のプレイしていたヘブンスオンラインに似てはいるが、完全に一致している訳ではなかった。
だから俺が勝手にゲーム想定で勘違いしていただけで、恐らくこれがこの世界での暗殺者の成長なのだろう。
だとしたら、暗殺者への評価は若干下方修正だな。
いくら高レベルで取得するスキルでカバーできるとは言え、元の火力がここまで低いのでは強キャラ認定は難しい。
なんだかんだ言って、火力は大正義だからな。
因みに、極まった死霊術師は火力も耐久力も化け物レベルになる。
それまでの不遇はどこ行った?
レベルの化けっぷりに、ゲームプレイ当時はきゃっきゃ喜びながらPVPしていた物だ。
「まあいいや。レベリングを続けよう」
「ええ、更なる闇の滾りを見せてあげるわ」
普通に聞いたら意味不明の返事がクレアから返って来る。
まあそれでも、やる気があるのだけは伝わってきた。
頑張って俺の為にさっさとレベル100になって貰わないとな。
11
あなたにおすすめの小説
帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!
雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。
ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。
観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中…
ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。
それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。
帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく…
さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる